仮面ライダービルド。
それは、ある世界に存在するヒーローの名前だ。
愛と平和の為に、地球破壊を目論む異星人であるエボルトの野望を打ち砕いた。
これは、そのビルドの世界とは別の、とある世界のお話。
「よし!向こうの電柱にまで競争だ!」
「ああ!」
ある市街地。
そこでは、2人の男の子がかけっこをしていた。
1人は、天之河光輝。
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧超人。
もう1人は、
光輝とは幼馴染で、成績優秀のスポーツ万能の人だ。
2人はかけっこをし終えると、公園で話をする。
「へぇ〜…………お前の爺ちゃん、凄いな」
「そうなんだ!本当に僕のお爺さんは凄いよ!」
壮馬がそう言うと、光輝はそんな風に尊敬するように言う。
光輝の祖父は、完治という名前であり、弁護士だった。
完治は、自分の体験談を話していたのだ。
それを聞いていた壮馬は。
『なんか、脚色されてる様な感じがするな』
壮馬はそんな風に思う。
壮馬は天之河家とは仲が良く、よく遊びに行っているのだ。
ただし、壮馬はどこか大人びているというのもあって、完治の話した体験談に関しても、そんな風に感じたのだ。
壮馬が大人びているというのも、幼少期の出来事が起因していた。
それは、壮馬の父方の祖父の家が小さな部品工場を営んでおり、ある時、パーツの大量製造を依頼された。
その時は何も気にせずに依頼を完遂したが、後に対人地雷のパーツだった事に気づき、その苦い経験から、息子や孫に対しては、正義とは何なのかを叩き込んだ。
その結果、壮馬は年頃の子供達と比べると、やや大人びていたのだ。
「そういえば、仮面ライダーの最新話、見たのか?」
「うん。その話も凄かったよ!」
壮馬がそう聞くと、光輝はそう答える。
2人は仮面ライダーを見ており、話で盛り上がっていた。
それからしばらくして、光輝の祖父である完治が病で亡くなってしまった。
壮馬は光輝に話しかけていた。
「……………光輝。お前の爺さんから、伝言を預かってる」
「え?」
壮馬がそう言うと、光輝は壮馬の方を見る。
壮馬はある事を話し出した。
それは、少し前の話だった。
「悪いなぁ…………来てもらって」
「いえ。日頃から、光輝と仲良くしてますし」
壮馬は、病気で療養している完治の元に訪れていた。
お見舞いの果物を置くと、壮馬は完治に話しかける。
「それにしても、何で俺を呼んだんですか?光輝を呼ばずに」
「実はな……………君には話しておきたいことがあってな」
「俺に?」
壮馬がそう聞くと、完治はそう言う。
壮馬が首を傾げると、完治はある事を話す。
それは、光輝に話していた体験談に関してだった。
壮馬が予想していた通り、体験談は美化していたのだ。
その理由は、幼い光輝を気遣ったからだそうだ。
「……………なるほどな」
「……………わしの命ももう長くはない。自分にもしもの時があったなら、光輝に正義とは何かを教えてやってほしい」
「……………ああ」
壮馬が納得する中、完治はそんなふうに言う。
壮馬は、その頼みを了承した。
それを聞いた光輝は……………。
「お爺さんが…………!?」
「ああ。幼いお前の事を気にかけてな」
「そんな……………!?」
光輝はショックを受けていた。
かつて、完治から聞いた話とはまるで違うと感じたからだ。
「……………光輝のお爺さんや、お前の両親、雫の祖父である鷲三さんも、お前の事を気にしてたんだ。自分の正しさを疑う事を知らない事、理想論をまかり通せるほどに優秀過ぎた一面をな」
「そうなのか……………」
壮馬はそう語る。
光輝のそういう危うさは、完治や両親、師匠でもあった雫の祖父も気にしていたのだ。
すると、壮馬が口を開く。
「……………正義ってのは、絶対的な尺度が存在しない厄介な言葉なんだ。立場が変われば、その正義が悪になる事もある。絶対的な正義は存在しない」
「…………………」
「でも、本当に大切なのは、困っている人を助ける事が出来る事だと思うよ。絶対的な正義はないって言ってたけど、本当に変わらない正義ってのは、献身と愛だ」
壮馬はそんな風に語っていく。
正義とは何かを。
その言葉は、アンパンマンの原作者であるやなせたかしの言葉だった。
それから、仮面ライダーを参考に色んな正義を語っていった。
『一杯見てきた。誰かを守りたいっていう気持ちが、自分たちの正義がどんどんエスカレートする事がある。正義の為なら、人間はどこまでも残酷になれるんだ』
『誰が正しくて、誰が間違ってるって、とっても難しい事だと思います。自分が正しいと思うと、周りが見えなくなって、正義の為なら、何をしてもいいと思ったり。きっと、戦争もそうやって起こっていくんです』
『目の前で起こっている事に一生懸命になるしかないんです。小さな幸せを守る為に』
『手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔する。それが嫌だから、手を伸ばすんだ』
『正義はあっても、正解という物は無いのだ』
『お前達の生ぬるい優しさが、今回の危機を招いたと言っても過言では無い!』
『例え、己を犠牲にしようとしても、花一輪の為に命をかける。その優しさを貫く強さこそが、本当の強さかもしれん』
『あのね、正しいっていう言葉を簡単に使う方が危ないから』
『見返りを求めたら、それは正義とは言わねえぞ』
『俺にしか出来ない事をやり遂げる為の力、俺はそいつを引き受ける!そいつがきっと、大人がよく言う責任って奴だ!』
『人間に悪人がいねぇなら、そもそも警察官なんて必要ない。右も左もずるい奴で、うんざりすることばっかりだ。だが……だからこそ、真っ直ぐ生きてる人が光って見える。正義じゃない……俺は市民を守るんだ!変身!!』
『答えは一つだ。真の正義とは…………命を守るという事だ』
『正義は、国や組織、立場によって考え方が変わる。しかし…………命を守るという行為は変わらない。だから私たちは戦うんだ。命を守る為に』
『正義か。……………その言葉、どうも気にいらねぇな。要は都合の良いように暴力を振るう為の言い訳だろ』
『俺のルールだ。正義でも善意でもない。ただ、俺が守りたい物は守る。俺が気に入らない物はぶっ潰す』
『正義で世の中良くしようなんて、ただの詭弁だ!下らねぇジョークで腹の底から笑って生きてりゃ、それで良かったんだよ!』
『お前らの覚悟は、俺が受け止めてやるよ。だから…………全力でぶつかって来い!こっちも全力で応えてやる!それが………俺のルールだ』
壮馬は火野映司、狩崎真澄、本郷猛、御子柴朱美、桐生戦兎、葛葉紘太、泊進ノ介、刃唯亜、不破諫の発言を口にする。
それぞれの正義に関する言葉だった。
それと同時に、火野映司の手の届くなら助けたい欲望、葛葉紘太の自分を犠牲してでも皆を助け大人、神になった事、そして、ドライブの警察の進ノ介とチェイスと剛の正義と本当の自分を認める心などを教えた。
「……………そんなに正義はあるのか」
「そりゃ、人の数だけ、正義ってのは存在する。だからこそ、困っている人や自由を脅かそうとする奴に襲われている人を守る。それが本当の正義ってもんじゃないかな」
「それが…………本当の正義…………」
「まあ、色々考えといてくれ」
光輝がそう呟く中、壮馬はそう言う。
光輝が考える中、壮馬はそう言って、その場から去っていく。
「……………これで大丈夫だといいんだけど」
壮馬はそんな風に呟く。
すると、壮馬に対して話しかける女性がいた。
「……………壮馬、光輝は大丈夫なの?」
「八重樫か。完治さんが伝えたかった正義ってのを伝える事が出来たから大丈夫……………だと良いんだけどな」
そのポニーテールの女性…………八重樫雫がそう聞くと、壮馬はそう答える。
雫も雫で、光輝の事を案じていたのだ。
「…………ありがとうね。色々と」
「まぁ、幼馴染だしな」
雫がそう言うと、壮馬はそんな風に言う。
それから数日後、壮馬は光輝と一緒に出かけていた。
「光輝、大丈夫か?」
「ああ」
壮馬がそう話しかけると、光輝はそう答える。
壮馬は安堵の笑みを浮かべる。
すると。
「ん?おい、あれ!」
「ん?あれは……………!」
壮馬は何かに気付いたのか、そんな声を出す。
光輝が視線を向けると、そこには橋から飛び降りようとしている女の子がいた。
「君!何をしようとしているんだ!?」
「何って…………別に関係ないでしょ」
「だからって、自殺をさせるわけにはいかない!」
光輝はそんな風にその女の子に話しかける。
女の子は投げやり気味にそんな風に言う。
だが、光輝は引き下がらなかった。
そんなやりとりを繰り広げて、しばらくすると。
「……………分かったよ。話すよ」
女の子は諦めたのか、光輝と壮馬に事情を話す事にした。
女の子は中村恵里という名前であり、父親の厳しい躾を受けて母親に助けを求めたが、母親も自分を叱り、相談出来る友達も居らず、誰も助けてくれない事を悲しんで、自殺しようとしたということだ。
それを聞いた壮馬は。
『…………何か、どこか違和感を感じるな』
そんな風に感じていた。
話した事と、恵里の目の気配が違う事に。
すると、光輝が口を開く。
「…………恵里だったね。本当の事を話して欲しいんだ」
「えっ?さっき言った事で合ってるって………」
「俺にはそう見えなかった。君の瞳からは、悲しみと絶望を感じたんだ。だから…………本当の事を話して欲しいんだ。僕は君をその悲しみから救いたい」
光輝はそう言う。
光輝は、壮馬に正義について教えてもらってから、相手を本当の意味で理解しようと決めていた。
呆気に取られていた恵里だったが、すぐに口を開く。
「……………いいよ。話してあげる」
恵里はそんな風に言う。
そこから、恵里は語っていった。
6歳の頃、恵里のお父さんが恵里を庇って事故死してしまった。
恵里のお母さんは、その一件がきっかけで恵里を憎み、暴力を振るうようになる。
恵里は自分の不注意で死なせてしまった事から、仕方ないと思い、我慢する事にした。
だが、11歳の時、お母さんは新たな男を連れてきたが、その男に性的暴行を振るわれそうになった。
予測していた為に未遂で終わり、その男は逮捕された。
すると、お母さんは再び激昂して、暴力を振るっていく。
これが真相だった。
「何だよそれ……………虐待と変わらないだろ!」
「……………そう。虐待と変わらないんだ」
それを聞いた壮馬は、唖然としながらそう言い、恵里はそう言う。
虐待と言っていい行いだったのだ。
最初のお父さんの一件に関しては、不注意と言えるのだが、二度目に関しては、娘が性的暴行を受けかけたのにも関わらず、娘のせいにした。
それを聞いた光輝は涙を流すと、恵里を抱きしめる。
「えっ…………!?」
「辛かったんだね……………大丈夫。俺が何とかする」
恵里が困惑する中、光輝はそんな風に言う。
光輝は、壮馬に話しかける。
「壮馬。この子の為に、力を貸して欲しい」
「……………ああ。良いぞ。もちろん、俺の母さんの力も借りよう」
光輝がそんな風に言うと、壮馬はそう答える。
そこからは、色々な事があった。
壮馬の父親は科学者で、母親は弁護士だったのだ。
壮馬は、母親に相談する。
それを聞いた母親は、虐待の可能性が高いとして、色々と根回しを行なった。
結果、恵里のお母さんは逮捕された。
その後、光輝の両親も動いて、恵里は天之河家に引き取られる事になった。
恵里は壮馬を始めとする他の色々な友達と接していく事で、救われていった。
だが、この時の壮馬達は気付いていなかった。
異世界への召喚が近づいている事を。
今回はここまでです。
今回は、気分転換として、ありふれとビルドの小説を投稿しました。
ビルドにした理由としては、ビルドも兵器として扱われそうになっていたからですね。
あとは、久しぶりにビルドを見たので。
光輝に本当の正義を教えて、恵里を救済しました。
流石に、可哀想かなと思ったので。
ちなみに、ちゃんと敵キャラは出ます。
あと、オリ主のヒロインは、雫とティオの2人になる予定です。
オリ主がビルドで、それ以外の仮面ライダーについては、クローズが雫、グリスが光輝、ローグが坂本、ブラッドスターク及びエボルが南雲の予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。