バカとテストと召喚獣~バカな天才の集まりGクラス~   作:八月一日

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第二十四問〜響と常盤とFクラス〜

「かぁー…それにしてもめんどくせぇことになったなぁ悪鬼」

 

荒々しさを体現化した黒髪を書き上げながら海穀君はいった。

 

「だが、ターゲットは俺と明久の個人みたいだな」

『「え?なんで?」』

「もし、Fクラスの負けを望むなら俺なんかより姫路なんかを狙うはずだからな」

『「なるほど〜」』

「じゃあ、羅刹。少しばかり、見回ってくるか」

 

ああ、と応え雄二と海穀君は人の波へと消えて行った。

 

〜悪鬼羅刹&悪漢無頼、退場〜

 

ペットボトルの水を飲む動き、頭を掻く動き、あくび…僕と神谷君と頷く動きは気持ちが悪いくらいリンクしている。

それを見た秀吉は少し羨む顔をしていた。

 

「演技もせずともそこまで動きが合うとは羨ましいのう…。お主ら実は双子なんじゃないのかの?」

「やだなぁ秀吉。僕らはつい一週間前にあったばかりだよ」

『うんうん。……そういえば秀吉はAクラスに双子のお姉さんがいるんだって?』

 

その言葉を聞くと秀吉は少し俯いた。

 

「……優等生の皮を被った腐女子じゃがな…」

「ん?秀吉。なにか言った?」

「い、いや!なんでもないのじゃ!なんでも……(ボソリ)しかし最近、姉上の大好物(乙女本)が異様に増えているのは先ほどの烏が原因かの……」

 

僕には秀吉の眼に何か、深い身内の問題に困っている様に見えた。

 

『で、どんな人なの』

「成績優秀でスポーツ万能。顔は秀吉とそっくり」

『へー。自慢のお姉さんだね』

「そ、そうかの?」

 

秀吉が今度は照れたよう俯く。

その表情をいつの間にか遠へ行っていた変態商会員が二人揃ってシャッターをきる音が聞こえる気がする。

 

「だからその分残念だよね…」

『え?何が?』

「秀吉のお姉さんの優子さんはいつも下着を身に付けずに可愛い女子か幼い男の子を物色徘徊をしてががががが!ぼ、僕の肩と腰と背骨の軋みが絶妙なハーモニーを生み出して僕を地獄に送り出すぅぅううう!」

「忘れなさいぃぃっ‼」

 

『ひ、秀吉!どうしたの⁉どうして吉井君にコブラ・ツイストを⁉』

「………みみみ、見え…っ…見え…もう少し…!」

「……がんばれ!康太君っ!」

「はっ⁉い、いけない!つい普段秀吉にやるのがっ(ダッ)」

「……痛ててて……ど、どうしたのさ秀吉。急に暴力だなんて…」

『………』

「………」

「な、なに?その沈黙」

「………」

『秀吉…』

「なんじゃ、神谷…」

『苦労してるね…』

「…うむ…」

「だから…なんなのさ!」

 

 

****

 

「おい」

 

僕らが再び腰を下ろしていると向こうで男の声が聞こえた。

 

「おい、そこの貴様ら。少し聞きたいことがある」

 

聞きなれない声と傲慢な態度。

誰だろう?

 

僕らが記憶を探っている間に人が割れ、見覚えのない人が入ってきた。

その人は平均より頭一つ分程の差が高く、正面から風を受けたように後ろに流した黒髪、鋭い眼光、銀縁の眼鏡。

整った顔立ちをした格好のいい男子生徒だった。

うわ…。稀に見る凄い美けーー

 

『ブチ殺すぞワレ!』

『病院行っとくか、あァん?』

『ここに来たってこたァ、覚悟できてんだろ?』

 

そして相手が美形とわかると最高級のクズっぷりを見せる僕の級友たち。

流石、学校の底辺たちだ。

 

「すまない。貴様らの癇に障ってしまったか」

 

その最高峰の厳選された罵倒を、伏せ目がちに謝罪の言葉を述べる美男子。

 

『るせぇ!美形は帰れ!』

『そうだ!てめぇみたいなのがいると俺たちの値が下がるだろうが!』

『………万死に値する…!が、その前に写真を取らせろ…!』

 

その謝罪は火に油を注ぐ様に更にヒートアップする仲間。

もはやここは進学校の一つのクラスと言っても誰も信じないだろう。

そんな荒れ狂う彼らに美形男子は真顔で尋ねた。

 

「………美形とは誰のことだ?この空間にはその言葉に値する人間はいないだろう?」

『『『ちょっとツラかせやコルァ‼』』』

 

この人…自分が美形って気付いてないみたい。

 

「お〜い響!おんし、まっこと速すぎるぜよ」

 

響と呼ばれた美形の人の後ろからまたも知らない人が入ってきた。

秀吉と同じ緑のジャージに、銀糸の様な髪、その髪を止める黒いカチューシャ、土佐弁。

そんな可愛らしい女子に皆がもう一度記憶を探っているそのとき一人が口を開いた。

 

「義経。どうしたのじゃ?」

 

秀吉だった。

 

 

****

 

 

「2年AGクラス、響 雪夜だ」

「同じく常盤 義経ぜよ」

 

常盤さんの登場によって落ち着いた級友達を前に二人は自己紹介を始めた。

因みにAGクラスというのはGクラスの半分づつがそれぞれA、Fクラスと合併したうちのAクラスと合併したほうのこと。

それぞれわかりにくくなったから、ローカルルールみたいな感じでそう呼ばれるようになったんだよね。

 

でら取り敢えず聞きたいのは

 

「響君ってそんな口調だったけ?」

 

確か始業式のときは東雲君程じゃないけ紳士な振る舞いと敬語を使ってた様な…

 

「普通、あんな場は敬語を使うものだろう」

 

なるほど。

 

「ーーと普通ならいうがあれはババァからの指示だ。そうでなかったら我が敬語など使うわけが無い」

『相変わらずだね…君は…』

 

神谷君が苦笑いを混じらせる。

あれ?神谷君?

 

「ねえ神谷君。なんでさっきまでは響君達を知らない風にしてたの?」

『いやあ、僕は健斗と佐門、それに翔君とその妹さん以外はあの日初対面の予定で。常盤さんはあの日来れなかったし…ほら。響君はメガネかけて口調も違ったから気付かなくて…』

「ああ、確かに。そういえば僕らも遠くからとはいえ響君のことは見てたしね」

 

「代表。気になっんが、おんし、今ワシのことを女と、」

『うん。話はまた後で聞くからね、常盤さん』

「………………代表よ」

『ん?どうしたの?僕の手をとって…』

「ていっ」

 

ぺたっ

 

『…………ほにゃ?』

「「「はぁ⁉」」」

 

常盤さんが神谷君の手をとって自分の胸へと導いていた。

えええ⁉ちょ、ちょっとお!これ有りなの⁉法律的に!

 

『………恭。俺は変えのフィルムとSDカードを取りにいってくる』

『……うん。後はぼくに任せて♪』

 

更には向こうの方からはムッツリ商会の繁盛する予感の会話が聞こえてくる。

 

「どうぜよ代表。これでワシのことは男と…」

『常盤さん。高校なんだから、ブラくらい付けたほうが…』

「おんしっちゅう人は…!」

『『『異端者に死を‼』』』

『え?ちょ、みんな待っぐふぁ!』

 

あ、ナイスフック。

いい蹴りも。ああ、スタンガンまで。

流石に神谷君一人とバーサーカー45人の無勢に多勢じゃ…あ、動かなくなった。

 

『ぎゃぁぁああ!』

『よし、連れてくぞ!』

『どこにする?』

『やっぱいつも通り体育館裏か?』

『いや、今日は人が多いからプールの裏じゃね?』

『『『それだ!』』』

 

 

………

……

 

「ところでそこの……吉井明久だったか?観察処分者の」

「うん。そうだよ」

 

なれない光景だったためかややあってから響君は僕に向かって口を開いた。

 

「木下優子を探してるのだが貴様

、見なかったか?」

「?姉上かの?姉上なら向こうに走っていったぞい」

「ふむ…礼をーーっ!貴様は…いや、木下優子じゃないな。確か弟がいるといっていたな。名前は…」

 

凄い、この人。

一瞬驚いたけど木下さんと秀吉とを見分けるなんて。

 

「秀吉じゃ。木下秀吉」

「そうか。礼を言うぞ、木下秀吉。そういえば常盤。貴様は木下秀吉に様があったんじゃないのか?」

「お?おう。そうぜよ。……ほれ、秀吉。次の衣装ぜよ」

 

ポンと秀吉に紙袋を渡す常盤さん。

ん?衣装ってことは……

 

「常盤さんも演劇部?」

「義経でいいき。吉井、いや明久。そう、ワシも演劇部に入っておる。今度の演目はワシと秀吉が主役を務めるからくんといいぜよ」

「常盤。なにをしている。早くいくぞ」

 

じゃあ、と言って響君を追いかける常盤さーーもとい義経。

しかし本当は女の子なんじゃないだろうか。

 

「あ、明久よ」

「ん?なに、秀吉」

 

呼ばれたから振り向いて見ると秀吉がモジモジと上目遣いでこちらを見ている。

か、可愛い…!

 

「次の演目…来てくれぬかのう…?」

 

なんだ。そんなことか。

 

「もちろんいくよ」

「ほ、本当かの⁉ワシは頑張るぞい!」

 

僕がいくだけなのに秀吉はかなり張り切ってる。

そんなに喜んでもらえるとこっちも嬉しくなるな。

 

「明久、絶対じゃぞ?」

 




土佐弁って難しいですねぇ…。

感想、ご指摘、アドバイス、待ってます。

ーーでは
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