バカとテストと召喚獣~バカな天才の集まりGクラス~   作:八月一日

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第二十七問〜ピンクポイズン〜

「よし、全部買ったよね?」

『健斗がスポーツドリンク、雄二がコーラ、秀吉が抹茶で、翔君がレモンティー、ムッツリーニ商会の二人は緑茶………無駄に揃ってるね…ここの自販機』

 

確かに…。

僕らは雄二達にボコされた挙句、飲み物を買うという罰ゲーム(世の中ではパシリや丁稚奉公と呼ばれている)をするハメになっていた。

 

「それにしても人が多いね」

『学園長型妖怪藤堂カヲルが召喚野球をこれでもか、ってくらいに宣伝したからだよ…』

 

あの人もよくここまで自慢しようと思ったもんだーーと、あれはきっと…。

 

「ん?や、やあ!吉井君」

 

やっぱり久保君だ。

しかし、どうしたんだろう、地味にでも素早く身なりを整えるなんて……やっぱり…Aクラスは違うなぁ…。

 

「で、どうしたんだい?こんなところまで」

「雄二達に飲み物を買いにこさせられててね…。久保君は?」

「僕も喉が乾いてね」

 

と、暑い暑いと胸元を仰ぐ。

久保君はいかにも文系だから運動とか苦手なんだろうか。

 

『吉井君、どうしたの?』

「っ⁉よ、吉井君が二人⁉」

「あはは、違うよ久保君。知らないの?彼はーー」

『新しく作られた2年Gクラス、神谷修玖、よろしくね』

「そ、そうだったね。よろしく………(ボソッ)あの時(朝会)はすっかり我を失っていたよ」

 

久保君が後ろを向いて何かブツブツ言ってる……まさか、Gクラス討伐の作戦を…ってそんな分けないか。

久保君はFFF団とは違って温厚だもんね。

 

『どうしたの?』

「い、いやぁなんでもないよ。それより吉井君達も買ったんだって?野球」

 

吉井君達()ってことは…

 

「Aクラスも?…ってあたりまえか」

「まあね割と早く終わったよ。いずれ当たるかも知れないけど…そのときはよろしくね」

「『もちろん!』」

 

こういう普通の付き合いってやっぱいいよね。

 

僕らは互いに健闘を誓い、そして自軍の陣へと戻って行った。

 

「………………(ボソッ)うん。僕は君のためならクラスをも裏切るよ……吉井君」

 

このとき、悪寒が走った理由がわかることは無かった。

 

 

****

 

 

そして、飲み物を買って久保君と別れ、皆のところに戻ると、

 

《犯人はピンクのうさーーーーー》

 

地面にそんな言葉を遺し、秀吉が倒れていた。

 

「皆さんお疲れ様です♪」

「は、はは、ははははは……」

「………(ガタガタガタガタ)」

「ど、どうも……」

「あ、ありがとう…」

 

笑顔の姫路さんを前に、雄二とムッツリーニ、東雲君と中西さんが怯えている。怯えている。

姫路さんが手にしている紙コップをみたところ原因はあれだと思う。そして『あのコップに近づくな』『早く逃げろ』と僕の生存本能が赤いパトランプを回しサイレンを鳴らしている。

 

「おっと、そういえばコーラをーー」

「おおっ明久!神谷!戻ってきてたか!」

「…………早く座れっ…!」

 

おのれ外道共め……!

僕を道連れにするつもりだな!

 

『だ、だめだよ雄二。高校生にもなってお使いが出来ないなんて、僕達の沽券にもが変わるから』

「そうだよ。例え校外のコンビニまで行ってでも探してくるから」

「修玖」

『なに?佐門。佐門もなにかリクエーー』

「座りなさい。あと吉井君も」

「『はい……………』」

 

 

****

 

 

中西さんの一声はとてもいつも快活なあの中西佐門さんを感じさせるものはなくつけたされた僕まで凍え、従うを得なかった。

 

「まあ、とにかく修玖。買い出しご苦労さん。はい」

『え?あ、うん』

 

が、さっきまでとは打って変わって優しい態度となった中西さんは神谷君に自分の紙コップを手わたす。

一瞬疑ったように眉をひそめたあと彼はそれを煽るように口元へ運ぶ。

 

『………すっぱい』

(……チッ。ハズレか……)

(………運がいい)

 

どういう意味だ、今の台詞。

どう考えてもこの空間にあるあの液体が危険としか思えない。

 

「さあ、吉井君もどうぞ」

「あ、ありがとう、姫路さん」

 

姫路さんが水筒からなにかを注いで別の水筒からは氷を入れ、僕に手渡してくれた。

ん?姫路さん?ということは…

 

「この飲み物。姫路さんが?」

「はい、作ってみました」

「ほぅ…どうやって作ったんだ?姫路、教えてくれ」

 

姫路さんがやんわりと答えると雄二が食いついて来た。

そうだ、最初のお弁当のときも見た目に騙されたんだった。

危ない危ない。

 

「えっと……最初はお店で売っていた粉末を水に溶かしたんですけど……」

「「「けど⁉」」」

 

姫路さん。

普通は市販されている即席料理は手を加えないでもいいように出来てると思うんだけど…?

 

「……酸味が足りないと思ったのでお酢を加えました」

『どおりで酸っぱいと思ったよ。

姫路さん。市販されてるものは手を加えないでいいように出来てるんだよ?』

 

ナイス!ナイスだよ神谷君!

周りを見渡してみると雄二とムッツリーニは体の後ろで拳を固く握りしめている。

ということはこの飲み物はただの酸っぱいスポーツ飲料か⁉

 

「いただきーー」

 

……まて。

落ち着け。落ち着くんだ僕。

なにかがおかしい……わかった秀吉(の死体)だ!

この液体がなにもなければ自称鉄の胃袋が逝くわけが無い。

つまり……。

 

「ああっ!わかんない!」

「………いただく」

 

そうしてるうちにムッツリーニ(一人のバカ)が無警戒にその紙コップを口に運ぶ。

 

「………確かに酸っぱ……っ⁉(ビクゥ)」

「どうしたんですか?土屋君」

「………な、なんでもない…しゃっくりだ」

 

と、我らがムッツリ商会店主はグッとサムズアップを決める。

が、その足はガクガクと震え劇薬の恐ろしさを物語っている。

やがてムッツリーニは眠い、と言い砂埃を巻きたてながら地面に崩れ堕ちた。

 




感想、ご指摘お待ちしております。





…コラボも進めんとな……

ーーでは
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