it‘s morphing and sing time 作:バンバラバンバンバラバラバンバン
それにしても、ゴーバスの影うっすいな。
特異災害対策機動部2課の司令室にて
ノイズの発生を察知し位置の特定を急ぐ中
「反応を絞り込めました!位置特定!」
「ノイズとは異なる、高出力エネルギーを検知!」
「波形の照合急いで!」
「まさかこれって・・・アウフヴァッヘン波形!?」
動揺が、広がる。
そしてその名がモニターに映し出される
[code:GUNGNIR]
私は立花響、十五歳、誕生日九月十三日、血液型はO型、彼氏いない歴=年齢、趣味は人助け。
急な自己紹介だが今の彼女にそんな余裕は今はない。
なぜなら
絶賛ノイズと追いかけっこ中なのだ。
しかも幼い女の子を抱えて。
しかし、とうとう、工場地で追い詰められてしまう。
「死んじゃうの……?」
少女の怯えきった声で話しかけてくる
響は優しく首を振る。必ずこの少女を助ける、そう決断した。
しかしノイズは迫ってくる
しかし、まだ諦めない。
────わたしに出来ることを……!
────出来ることがきっとあるはずだッ……!
響は自然と二年前に言われた言葉を叫ぶ。
「生きるのを諦めないで!」
そして、あの日始まっていた運命が動き出す
「―――Balwisyall Nescell gungnir tron―――」
迸る、黄金の光。
彼女の胸を中心に放出されていた光の奔流が収まると、響は全身に走る激痛に四つん這いになる。
「ぐ、が…………ッ! あああああああ…………ッッッ!!!」
響の背中から飛び出した機械のようなものが繰り返し彼女の体内を出入りしていく。それが繰り返されていく内に、彼女の体は白い鎧に包まれていく。
そして、最後に飛び出した機械が響の体に入り込んだ時、そこには、白い鎧に身を包んだ、響の姿があった。
「えっ、うえええッ!? わたし、どうなっちゃってるのッ!?」
さっきまで着ていた制服は何処へいったのか、今は橙と黒のぴっちりとしたインナーに、手足を覆う黒と白の鎧、それに白いヘッドギア。
まるでアニメの登場人物のようだ。
そんな事を考えている場合ではない。今考えるべきなのは、ここから生き延びる方法だ。
自身に起きた服装の変化という衝撃から回復した響は、依然状況は変わっていない事に気付く。
正面にはノイズの大群が。軽く見積もっても50体はいるだろう。
背後には絶壁。ここから落ちればノイズからは逃れても地面に激突、炭素転換されるよりも惨いことになるかもしれない。
つまり、逃げ場がない。今度こそ八方塞がり……。
「おねえちゃん、カッコイイ……!」
────そうだ……なんだかよく分からないけど、確かなのは……!
隣で一部始終を見ていた少女が目を輝かせて言ってきた。
今の少女に恐怖心はない
思えば、早着替えの瞬間から絶えず鎧から音楽が流れていた。それを自覚した瞬間、胸の内より先程と同じく歌詞が浮かんでくる。
力が漲る。
少女の期待に応えるためにも、こんなところで八方ふさがりなどとほざいている暇はない。
手を繋ぐ。この繋いだ手は、絶対に離さない。
────わたしがこの子を守るってことだッ!
それから先は彼女にとって意味が分からないことのオンパレードだった。
自分がノイズを倒せるようになっていたり
国民的トップアーティストの風鳴翼が自分と同じような鎧を纏ってノイズを蹴散らしたり
問答無用で手錠を掛けられたり
なぜか自分の通う私立リディアン音楽院に連れてこられたり
そしていま、
「ようこそ!人類守護の砦!特異災害対策機動部二課へ!」
そして『熱烈歓迎!立花響様』という横断幕と共に、歓迎会が開かれたのだった。
―――なぜこうなったのかというと(通りすがりの
―――ハーハッハッハッハッハッハ話の過程なんざ吹っ飛ばせ(通りすがりの
「さあさあ、お近づきの印にツーショット写真~!」
「……い、嫌ですよーッ! 手錠したままの写真なんて、きっと悲しい思い出として残っちゃいます!」
当たり前だ。
それに、なぜ初対面であるはずの彼らが響の名前を知っているのか。女性に尋ねると、代わりに大男が「大戦時に設立された特務機関なのでね」とよく分からないことを言ってきた。彼らにとって調査はお手の物と言いたいらしい。
しかし、直後に女性がどこかから鞄を取り出した。なぜか見覚えがある。よく見ると……いや、よく見なくても分かった。
「ああーッ! わたしのかばーん!?」
結局その日は櫻井了子と名乗った女性にメディカルチェックを受けさせられて、帰らされた。
そして翌日
メディカルチェックの結果発表とあの力の説明を受けた
「―――それが、翼ちゃんや響ちゃんの纏うアンチノイズプロテクター『シンフォギア』なの」
多分、とても丁寧に説明してたと思う。
しかし、
「あの!」
「はァい響ちゃん!」
「全然分かりません!」
歌の力が関係することしか分からなかった。
「……いきなりは難しすぎちゃいましたね。」
「だとしたら、聖遺物からシンフォギアを作り出せることができる唯一の技術、櫻井理論の提唱者がこの私であることだ・け・は! 覚えてちょうだいね?」
「それだけを覚えても意味ないですよ。」
「でも、私はその聖遺物?なんてもの持ってません。なのに何故・・・・」
すると、その疑問に答えるかの如く、部屋のスクリーンに新たな画像が映し出される。
それは、響のX線写真、レントゲンだ。
その心臓部分にあたる部分に、何か、欠片のようなものが散りばめられていた。
「これがなんなのか、君には分かる筈だ」
「はい。二年前の怪我です。あそこに私もいたんです」
そう答える響。
「心臓付近に複雑に食い込んでいるため、手術でも摘出不可能な無数の破片。調査の結果、この破片はかつて奏ちゃんが身に纏っていた第三号聖遺物『ガングニール』の砕けた破片であることが、判明しました」
「奏ちゃんの置き土産ね」
その事にショックを受けた翼がよろよろと部屋を退出していく。
それを見送りながら響は考える。
「・・・あの」
「どうした?」
「この力のこと、やっぱり誰かに話しちゃいけない事なのでしょうか?」
立ち上がって、そう言う響に、彼らは静かに答える。
「君がシンフォギアの力を持っている事を何者かに知られた場合、君の家族や友人、周りの人間に危害が及びかねない。『命』に関わる危険すらある」
「命に関わる……!?」
「俺達が護りたいのは機密などではない。人の命だ。そのためにもこの力のことは隠し通してもらえないだろうか」
「あなたに秘められた力が、それほど大きなものだということを分かってほしいの」
「……人類はノイズに打ち勝てない。人の身でノイズに触れることは、即ち炭となって崩れることを意味する。そしてまた、ダメージを与えることは不可能だ。たった一つの例外があるとすれば、それは────シンフォギアを身に纏った装者のみ」
その通りだ。人間がノイズに触れれば炭化する、常識だ。
例外は昨日の出来事の通り、シンフォギアという鎧。それを纏っていればノイズに触れても一方的に倒すことができるらしい。
「日本政府特異災害対策機動部二課として、改めて協力を要請したい。
立花響くん。君が宿したシンフォギアの力を、対ノイズ戦のために役立ててはもらえないだろうか」
「……わたしの力で、誰かを助けられるんですよね?分かりましたッ!」
それが答えだった。
「特異災害対策機動部2課司令風鳴弦十郎だ」
「副司令の黒木タケシだ」
「司令補佐緒川慎次です」
「副司令補佐桜田ヒロムです」
「オペレーターの友里あおいです」
「同じくオペレーターの藤尭朔也と 」
「森下トオルと」「仲村ミホです。」
「エンジニアの岩崎リュウジです。」
「そして私は出来る女と評判の天才考古学者櫻井了子。よろしくね」
そして、自己紹介が終わったのを狙っていたかのように二課の施設内にけたたましく警報が鳴り響く。
it‘s morphing and sing time next mission
「貴方と私、戦いましょうか」
「奏さんの代わりになってみせますッ!」
「充電切れ………」
「流れ星見たかった!」
「だから?んでどうすんだよ?」