それは夢現の世界、夢境。本来の自分のままに潜り込むものもいれば、なりたい自分の姿になってそこへ入る人も居る。私は誰かになりたいと思った事は無いから私のまま、開拓者に誘われてピノコニーの夢境へと入った。それは、確かな筈。
「……」
目を開けた時、目の前に広がるのは都市の様な光景。ヤリーロ-VIのベロブルグよりも明るいのは、空が夜の様に暗いのに建物の明かりがついているからだと思う。まるで遊園地の様に賑やかな世界で、色々な人達が歩いている。中には人じゃない存在も居て、模擬宇宙で見た生きている看板も。ここで生きている人達の殆どが現実からここへ入った存在であり、本当の姿とは限らない。
「見つけた」
「ん」
開拓者が現れる。今回、私をピノコニーへ誘ってくれて、ここを案内してくれる約束をしていた。ロビンもこの夢境のどこかに居るのかもしれないけど、多分忙しいと思うから今日会うつもりは無い。近づいてくる開拓者を横目に見て、私は改めてこの世界を眺める。
「賑やかな場所」
「そうだね。賑やかなのは、嫌い?」
「分からない。でも、嫌いじゃないと思う」
賑やかな場所。想像してまず思い浮かぶのは、なのかが居る場所。彼女が居ればいつだって騒がしくて、だけどそれを嫌に感じた事は無いから。銀狼とホタルが居る時にゲームで盛り上がる時もあるけど、やっぱり楽しいイメージしかない。
「そっか。それじゃあ、愉しめるかもね」
「行こう。案内、お願い」
「ほら」
街の中を歩くとなって、開拓者が手を差し出してくる。ここは私の知る『ヘルタ』とヤリーロ-VIにある街のどこよりも人が多いから、逸れない様にって事だと思う。逸れてしまう程には居ない気もするけど、その手を無視するのは厚意を無碍にしてしまう事だと思う。
開拓者と手を繋いで、街の中を歩き始める。最初に出た場所には後からも沢山の人達が音もなく現れ続けていた。私もああやって出て来たのかもしれない。後ろを向いて歩いていたからか、少しだけ開拓者に引っ張られる。一体、どこへ連れて行ってくれるんだろう?
「おかしいな。どこにも居ない」
屋台で買ったアイスクリームはちゃんと味がした。夢の中でこれが夢だと自覚しながら過ごした事は今まで一度も無かったけれど、思った以上に楽しいかもしれない。大きなガチャガチャや楽器だけで始まる演奏会。正に夢の世界って感じがするこの場所で、開拓者に連れられて私は満喫する。
「?」
――――――――――
『今、どこに居るの? 探してるんだけど』
――――――――――
「どういう、事……?」
楽しい事に夢中になっていた。だから、気付かなかった。ずっと一緒に居た開拓者から、私を探しているなんていうおかしなメッセージが来ていた事に。こっちを薄く優しい微笑みで見つめて来る開拓者。その姿は間違いなく本物の様なのに、メッセージを送って来ているって事は、偽物? ここは夢境。どんな姿にでもなれるなら、開拓者の姿になる事も出来るのかもしれない。もしこの人が違う人なら、私のスマホに送れる方が本物の筈。
「どうしたの?」
「……貴女は、誰?」
「いきなり何? 私は私だよ」
声は同じ。雰囲気だって同じ。だけどここが夢境で、メッセージが届いている事実が目の前の人が偽物である可能性を示している。もしかしたら、本当に本物の可能性だってある。でも一度根付いた疑心はそう簡単に消えない。
「次はどこへ行きたい?」
「……」
「急にどうしたの? 何かあった?」
ゆっくりと近づいてくる開拓者の手が伸びて来る。本物なのか偽物なのか、私には判別出来そうにない。警戒し続けた方が良いと思いながら、今一度メッセージを確認する。返信をしよう。
――――――――――
『今、貴女と居る』
『えっ?』
『どっちが、偽物?』
『どこに居るの? 今すぐ、そっちへ行く』
――――――――――
ここがどこなのか、私にはすぐに分からない。だからどこかに分かり易い目印が無いかと辺りを見回そうとした時、私のスマホが取り上げられた。目の前の開拓者が奪ってしまった。
「せっかく来たんだから、スマホは封印しよう」
「……」
言ってる事は分からなくもないけど、人のスマホを奪うのは流石に……開拓者ならやってもおかしくないから、偽物だって否定しきれない。私が誰とメッセージのやり取りをしていたのかは確認しないで、開拓者はそれを自分の懐にしまってしまった。もう連絡は出来ない。
さっきまで楽しかったのに、疑い始めると心から楽しめなくなる。それでも私を楽しませようと色々な場所へ案内してくれる姿は本物の様にも見える。何か決定的な質問でも出来れば良いけど、思いつかない。模擬宇宙での出来事なんて、良い質問には……そうだ。一つ、あった。
「ねぇ」
「何?」
「私があげた、試練の最終報酬。まだ持ってる?」
「チケットでしょ。ここにあるよ」
違う。この人は、開拓者じゃない。確かに試練の報酬として、私はチケットを用意していた。だけど最終報酬はチケットじゃない。五つの試練で用意出来たチケットは四枚だったから、最後に一枚全く別のモノを渡したんだ。もし目の前に居る偽物が私の知る誰かだったとしても、その一枚はその時にその場で報酬として決定した。だから私と開拓者、後は見ていたかもしれないヘルタだけが知っている事実。
「貴女は、偽物……っ!」
「……あはっ♪ バレちゃった! 完璧に芦毛ちゃんを演じてた筈なんだけどな~」
「報酬は足りなかった。だから、私の履いてた下着を渡した。私達しか知らない」
「そっか~、って、えっ? 下着あげたの? 履いてたやつ?」
「ん。欲しいって、言われたから」
「えぇ……芦毛ちゃん、やっぱりそこそこぶっ飛んでるよね」
「貴女は、誰?」
「ん~? あ、そうだね。それじゃあ、えいっ!」
瞬きした瞬間、開拓者の姿をしていたその人は別の姿に変わっていた。浴衣みたいな服装にツインテールをした女の子。会った事は、無いと思う。その人はさっきまでの開拓者とは違う、無邪気な笑顔を浮かべながら私の周りを楽しそうに歩き始める。
「花火の偽装を看破出来た事、褒めてあげる! よしよしっ!」
「っ!」
さっきまで歩いていた筈なのに、気付いたら目の前に立って私の頭を撫でていた。急な接近と接触に驚いて距離を取ろうとしたけど、その瞬間に背中へ手が回って来て逃げられなくなる。お腹が服越しに触れ合って、少しだけ背が私よりも高いせいで至近距離のまま見下ろしてくる。
「芦毛ちゃんとロビンちゃんのお気に入り、気になってたんだよね~!」
「ぁ……」
妖しく光る赤い瞳が、私を見つめて来る。思考がぼんやりしてきて、上手く考えられない。ゆっくりと近づいてくる顔。このまま、何をされてしまうんだろう? ニヤリと笑みを浮かべるその顔が、恐怖と謎の期待感を生み出して来る様に見える。私の中に、何かが入って来る様な感覚。
「あはっ♪ 可愛い……そのまま、花火に身を委ねて?」
「ぅ、ぁ……」
離れられない。何も、出来ない。このまま、彼女の言う通りに……。
「やぁ!」
「おっとっ!」
「っ!?」
急に花火が私から離れると同時に、誰かに身体を掴まれて動かされた。ぼんやりとした思考が急に元へ戻り始めて、私は上を見る。開拓者が私を片腕で抱き締めながら、バットを花火へと向けている姿がそこにはあった。私は、花火に何をされていた? 催眠の様な、洗脳の様な、不思議な感覚だった。それを開拓者が助けてくれたのは分かる。
「芦毛ちゃん、よくここが分かったね?」
「私だけの力じゃ無理だったよ」
「愚者。性懲りもなく再び現れただけならまだしも、妹ちゃんに手を出したのを許す事は出来ないわ」
「ロビンちゃんまで来ちゃったの~? そんなにそこの名無しちゃんが大切なんだねぇ~。うんうん! なら、しょうがないなー。……また遊ぼうね、名無しちゃん♪」
「待ちなさい!」
花火が逃げ去っていくのを、現れたロビンが一緒に連れていた人達と一緒に追いかけていく姿が見える。私の為に怒ってくれるのは嬉しいけど、少し話したかった気もする。
開拓者が状況を説明してくれる。一緒に夢境へ入ったは良いものの、私の姿を確認出来なくてメッセージを使って場所を聞いた。私がそれに気付いたのは少し経ってからで、開拓者の偽物と一緒に居る事でそれが誰なのかを開拓者は即座に見破ったらしい。似た様な形で花火が誰かに化けて問題を起こした事があったんだと思う。いつも穏やかなロビンの怒った様子からも、それは間違いない。みんな花火をそれなりに危険な存在だと思っているみたいで、開拓者はロビンに連絡をして一緒に私を探してくれていたらしい。
「変な事はされてない?」
「ん。大丈夫。触られたくらい。……?」
「どうしたの? 何か、あった?」
「チケットが、無い」
家へ帰るためのチケットが無くて、その代わりに取り上げられていたスマホが戻って来ていた。チケットは開拓者が居なくても帰りに自分で道を開けられる様に一枚、持ち歩いていた筈なのに。夢境といえど、ここに物を持ち込む事は出来るから、無くなった物は現実でも同じ様に消えている筈。落とす様な事は無いと思う。思いつくとすれば、さっき花火に引き寄せられた時。『また遊ぼうね』って言葉は、家へいつか来るって意味だったのかもしれない。
――――――――――
『これから一緒に愉しい事、いっぱいしようね♪』
――――――――――
その日の夜、スマホの連絡先にいつの間にか花火が追加されていた事にメッセージが来て気付いた。奪われていたあの短い間に、登録されていたらしい。
「うーん、駄目みたい。姿は元に戻ってるんだけど……」
「中が、壊れてる?」
私の部屋。アスターにヘルタ人形を見て貰っていた。事の始まりはヘルタからのメッセージ。
――――――――――
『貴女の部屋にある人形、繋げられないんだけど?』
『見てみる』
『治らなそうだったら、アスターに頼って』
――――――――――
ヘルタはここに繋げようとしたみたい。何か用事があったり、試練の更新があったりした時に教えてくれる事があったから、それ自体は別におかしな話じゃない。だけど突然繋がらなくなってしまったみたいで、私なりに調べてみたりもした。だけど結局は分からなくて、アスターに連絡をして見て貰う事に。正直、故障した原因はなんとなく分かってる。初めてヘルタの宇宙船へ行った時、帰れなかった事に銀狼が怒って壊した事だと思う。
「組み立てるだけなら私でも出来るけど、内部の修理ってなるとどうしようもないわね」
「ヘルタじゃないと、治せない?」
「どうかしら? 少なくとも作ったのはミス・ヘルタだから、本人なら確実に直せる筈よ。でもそういう知識がある人なら、何とか出来るかもしれないわ」
私の知っている人にそんな人は居ない。だとすれば、機械を直すのが得意そうな人が居る場所を考えてみよう。ピノコニーはまだ行った回数が少なすぎて分からない。宇宙ステーション『ヘルタ』には研究員が沢山いるけど、分野が全然違うから
「開拓者なら、知ってるかも」
「そうね。私も、彼女に聞いてみるのが一番早いと思うわ」
――――――――――
『開拓者。機械を直せる人に心当たり、ある?』
『機械?』
『ヘルタの人形が壊れた。修理出来ない。腕のある人を探してる』
『なら、ヤリーロ-VIのベロブルグに"パーペチュアル"ってからくり工房がある。知り合いだから、連絡しておく。行ってみると良いよ』
『ありがとう』
――――――――――
「何とか、なりそう」
「本当? なら良かったわ。早速、向かってみる?」
「一緒に、来る?」
「ミス・ヘルタが私を頼れって言ったのなら、最後まで付き合うわ」
向かう場所は決まった。ヤリーロ-VIへ行くためには、まずその道を開けないといけない。クラーラに連絡をして、お願いしよう。その場のどこでも良いから、扉を使ってこの家と繋げてもらう必要がある。
ベロブルグに到着した。クラーラにお願いをして開けてもらったのは機械集落だったから、そこから徒歩で。今日は他にやる事があったみたいで、クラ―ラが付いてくる事は無くて、アスターと一緒に階段を上がる。開拓者からお店の場所は教えてもらっているから、その案内を頼りに向かってみる。
「ここ」
「パーペチュアル。間違いないわね」
到着したからくり工房。その扉を開ければ、来客を知らせる様に鈴が鳴り響いた。同時に中に居たお姉さんが私達を見て迎えてくれる。
「いらっしゃい! あんたら、見ない顔だね」
「ん。初めて、来た」
「開拓者に紹介してもらって来たの。ここなら壊れた自動人形を直せるかもって聞いてね」
「あぁ、あんたらが。話は聞いてるよ。私はセーバル・ランドゥー。早速、見せてもらおうか?」
話が通ってると早い。どうやら予め開拓者が伝えてくれていたみたい。セーバルが実物を見せて欲しいと言った事で、アスターが持って来るために引いていたキャリーバックを開ける。中には入れる為にバラバラになったヘルタ人形が入っていて、まずは組み立てるところから。
「動かないのかい?」
「この人形には、ある人が遠隔で繋げられる様になっているのだけれど、突然それが出来なくなってしまったみたいなの」
「遠隔操作が出来る人形か。外傷は無さそうだから、まず間違いなく内部に原因があるね」
私が出来る事は何も無さそうなので、適当にお店の中を歩いてみる。見た事のないからくりが沢山。この世界なら当たり前のモノかもしれないけど、私には知らないものばかり。からくり工房って事は、これを作っているのか修理しているのか、どっちかだと思う。
「からくりに興味があるの?」
「ん。分からないけど、なんか凄い」
中を回っていると、別の人に話し掛けられた。青い髪をした女の人。今、アスターと一緒にヘルタ人形を見てくれているのがこのお店の店主だと思うから、そうなると助手とか従業員の人だと思う。私達がこの星の人間でない事は知ってるみたいで、色々説明してくれた。やっぱり分からない事が多いけど、分からないなりに面白そうとは思う。
「随分技術が違うね」
「直すのは難しいかしら?」
「いいや。趣味とはいえ機械工だからね、腕が鳴るってもんさ。ちょっと待ってなよ」
趣味? 自分の店を持っているみたいだけど、それを仕事として扱ってはいないみたい。良い事なのか悪い事なのかは何とも言えないかも。だって、好きな事ならそれはその人にとって仕事じゃないかもしれないから。仕事として捉えたら、その時点でやれなくなってしまう人も居ると思う。それでも自分のお店を持っているって事は、それだけ機械工としての作業が好きって事。それに腕も確かじゃないと、そう簡単には開けない筈。
「?」
「あ、それはセーバルさんのギターだよ」
「ギター」
勿論、それが何かは分かる。人のモノだから、触れるつもりは無い。だけど少し気にはなる。他のからくりは分からないモノが殆どだけど、これは分かるから余計に。そういえば、楽器を触った事は無い。銀狼とホタルが話してた時に、カフカがバイオリンを弾ける事は話していたけど……うん。私の周りで音楽をやっている人は、他にロビンくらいしかいないと思う。
「気になるのかな?」
「っ! ……ん。ちょっとだけ」
「なら、触ってみる?」
「良いの?」
「あぁ、それじゃないよ。そのギターは私の魂みたいなもんだからね、そう易々と人には触らせないんだ。だから他のを用意してあげるよ。モリー」
「分かりました。ちょっと待っててね?」
ヘルタ人形の背中側に回って作業していたセーバルが、そう言って女の人へ声を掛ける。そこで一度離れてから戻って来たその人は、私が見ていたギターとは全然違う形のモノを持っていた。差し出されたそれを受け取ってみれば、ずっしりとした重みを感じて少しビックリ。私の身体でこれは少し大き過ぎるかもしれないけど、お試しだからそのまま触ってみる。
「ふふっ、似合わないわね」
「ちょっとデカすぎるかな? まぁでも、みんな最初はそんなもんさ」
「弾いてみて、良い?」
「あぁ、気にしないから好きに鳴らしてみな。あんたが思うままにね」
教わりながら、少しだけ音を鳴らしてみる。思った以上に煩くてまたビックリした。作業の邪魔になってしまうかと思ったけど、さっきよりどこか楽しそうに作業をしているセーバル。アスターも私を見ていて、少なくとも邪魔にはなっていないらしい。
どうすれば別の音を鳴らせるのか、教えてもらうだけでも結構複雑だった。ゲームのチュートリアルを見て試してみるのと、
「なるほど、モリー。ベースを渡してみて」
「え? あ、はいっ!」
セーバルの一声で女の人がまた居なくなって、今度は違う楽器を渡される。さっき触っていたギターよりも弦が太くて本数が少ない。ちょっと鳴らしてみると、とても低い音が鳴った。それを先程と同じ様に教えてもらいながら弾いてみる。さっきより、弾きやすい気がする。手も少し楽。
「うん、うん。あんた、割とベースのセンスはあるかもね!」
「確かに。さっきよりスムーズって感じがするわ。練習したら、それなりのモノになるかも!」
褒められて悪い気はしない。
それから少しの間ベースを触り続けていると、セーバルが修理を終わらせた声が聞こえた。
「よし。これで良い筈。遠隔操作出来る人ってのに、連絡は取れる?」
「やってみるわ」
アスターがヘルタへメッセージを送った。必要な時以外は自動での返信しかされなくて本人の元へ届かない事もあったけど、今回は大丈夫だったみたい。少ししてからヘルタ人形が突然動き出すと、その身体を確認する様に両手両足を見始める。
「うん、接続出来てるね。お疲れ」
「……え? それだけ?」
「……」
「もう、居ない」
「ミス・ヘルタは忙しい人だから、仕方ないわ」
ヘルタはすぐに居なくなってしまった。驚いているセーバルを前に、アスターは修理代金について話し始める。私の部屋にあった人形が壊れたんだから、私が出すべきかもしれない。壊れた原因にも心当たりがあるから、余計そう思わずにいられない。
「いくら?」
「貴女が出す必要はないわ。私が払うから安心して」
「技術が違うとはいえ、言う程難しかった訳じゃないからね。面白いモノを見せてもらったって事も考えて、これくらいでどうだい?」
「あら、良心的ね。……なら、もう一つ。あのベースって売り物?」
「そうじゃないけど……あぁ、なるほど。なら、これでどうだい?」
「買ったわ!」
私が入ったのは一瞬だった。お金の話は即座に追い出されて、二人で話をしている横で見る事しか出来ない。そんな私の前に、何かの本が差し出される。女の人が渡して来た物で、読んでみる様に言われて開いてみれば、沢山の楽譜が中には書かれていた。ベース用の楽譜みたいで、さっき教えてくれた弾き方なんかも事細かに記載されている。
「それ、あげるね」
「ベースは私からの贈り物だから、遠慮せずに受け取ってね!」
「練習したいならいつでも来なっ! 私が付き合ってあげるよ!」
「……」
気付いたら楽譜とベースを送られていた。嬉しいけど、勝手に決まっていたので色々と複雑。練習する場所自体は銀狼とホタルが居ない時の家で良いと思うけど、せっかくだからまたここへ来よう。やっぱり教えてくれる人が居た方が、上達するのも早いと思うから。