超天才清楚系病弱美少女ハッカー風転生者がヤケクソになる話 作:VISP
MFSー02アマクサ
バタラは主力機として優秀だったものの、月面の試験部隊や地上戦線の輸出仕様機が地球圏での運用において歩行能力の低さや水辺での戦闘能力の大幅な低下等が問題視された事から急遽開発が決まった。
勿論これとは別に地球圏での運用に適した改修は火星連邦政府管轄の技術開発局によって為されたが、それでも次から次へと開発されるザフト系MS、そして開発が急速に進む地球連合系MSの存在に対抗するためにはバタラだけでは不足する可能性が指摘された事からミョウジョウ博士に開発依頼が送られ、採用された火星連邦軍の量産型汎用MS(マーズスーツ)である。
バタラの運用データの反映及び欠点の克服、今後登場する地球圏の高性能MSに対抗する事を主眼として開発されただけあり、高い基本性能とバタラ譲りの高い防御力を持つ。
その母体となった基礎設計は本来ならばGNドライヴ搭載型完全新機軸MSのそれであったが、GN粒子関連装備がコストや信頼性に未だ問題があった事から一切採用せず、通常型(と言っても当時最新)の核融合炉搭載式に再設計した。
結果として、信頼性の高い実戦証明済みの技術だけで構成された機体となった事で、現場のパイロットや整備員、製造メーカーからは好評となった。
頭部はバタラの発展系らしくモノアイに複合センサー内蔵バイザーを必要に応じて被せる構造を採用している。
なお、アンテナは後頭部のロッドアンテナだけであり、本家アマクサの様なガンダムを模したV字アンテナは閉所での戦闘を考慮して撤廃されている。
基本構造はバタラ譲りのブロック構造の他、内骨格フレーム構造も採用する事でより高い耐久性を獲得、近接格闘攻撃の直撃を複数回受けても問題なく戦闘続行可能となっているため、バタラの(比較的)苦手な近接戦闘への適性を改善している。
全体的なシルエットの丸みや太い大腿部からバタラに似ているが、大型化された分だけ機体重量も増加している。
しかし、専用の新型バックパックや各部に追加された姿勢制御用スラスター群により運動性・機動性は寧ろ向上している。
脚部の収納機能こそ撤廃されたものの、その分脚部の耐久性・歩行能力が強化され、推進剤の容量も増加している。
水中・砂地での性能低下も最低限に抑えられるようにOSのバランサー面を中心に改良が施されており、大型化の割に場所を選ばず良好な性能を発揮できる。
また、バタラの大腿部メインスラスターの欠点〈宇宙や火星では問題なかったが〉である「脚部を動かさないとメインスラスターを方向転換できない」事が主に地上戦で問題視されたため、大腿部スラスター群は独立して可動するよう改良され、新型バックパックと合わせて高い機動性を実現している。
大型化と共に増えた積載量は武装の追加ではなく、装甲の増加やフレーム構造の採用に主に使用されており、プラネイトディフェンサー対策をした攻撃、主にレーザーやレールガン、実体系近接攻撃を受けても十分耐え得る耐久性を獲得している。
背面にはスラスターを内蔵した4本のフレシキブルバインダー(可動肢)を備えたバックパックがあり、これはコアファイター部分の推進部としても機能する。
なお、このフレシキブルバインダーは本家の半分程の長さだが、2本から4本へと増加する事でより柔軟な機動を可能としている。
それによる操縦性の難易度上昇は教育型オートマトンの性能向上とデータ蓄積で対処可能であり、十分な訓練期間があればバタラと同様に扱う事が可能となっている。
コクピットは高性能脱出システムとして開発されたコアファイターシステムを採用する事で、地球連合に比して少ない人的資源の消耗を抑えている。
このコアファイターの構造は所謂クロスボーン式を採用しており、折り畳み機能は機首部に僅かにあるだけの単純な構造となっており、本家RXー78のそれよりもコスト・耐久面に優れている。
コアファイター部分の武装は念のため搭載された20mm機関砲であり、こちらはMS時には胸部の近接防御機関砲として機能する。
操縦系統はバタラと同様に学習型オートマトンによる支援により、ナチュラルでも安定した操縦を可能としている。
内部のレイアウトやシステムUIもバタラのそれと可能な限り共通させており、機種転換の容易さを意識している。
また、内部のモニター配置はバタラと完全に共通したもので、大きな正面モニター、やや小さな左右のモニター、背部方向や機体状況を表示する二つの小型サブモニターが上に配置され、眼球の動きのみでほぼ全てのモニターを確認可能となっている。
コアファイター時には正面と左右のモニターは折り畳み、格納され、強化ガラス越しの有視界戦闘仕様となる。
武装面においてはバタラで運用可能だった武装は全て使用可能となっている他、専用のビームライフルと専用のビームサーベル×2、シールドにプラネイトディフェンサー、胸部20mm近接防御機関砲(コアファイターと共用)が標準搭載されている。
また、前腕・脚部側面・リアアーマーに汎用ハードポイントが設置されており、各種オプションを装備、必要に応じて即座にパージ可能となっている。
頭部にはバタラと共通のバルカンポッドシステム用ハードポイントもあり、ソフトスキン目標や近接防御用に使用される。
専用ビームライフルは本来GNドライヴ搭載機用に設計されていたものを既存のビーム用に再設計したものであり、通常の速射重視のショートビームライフル、追加センサー付きロングバレルを装備してロングビームライフルとなる。
デザインは細部の違いこそあれどほぼジンクスのそれである。
また、ショートビームライフルにはオプションでアンダーバレルランチャーを追加で装備可能である。
ビームサーベル×2は手首内側に装備され、機体固定時はビームガンとしても機能する。
ビームガン時は低出力ながら高い速射性により主に牽制に使用される。
プラネイトディフェンサー発生器は両膝・肘・肩の計6か所に固定式で装備され、バタラと同様に機体表面を保護する機能に特化している。
ジェネレーターの出力向上に伴い防御力が強化されており、現在主力となっている量産型MSに搭載可能な攻撃はビーム・実弾問わず完全に防御できる他、ビーム刃による通常の斬撃も零距離で発生させない限りは無力化できる。※SEED本編でキラがマルコ・モラシム搭乗のゾノ相手にしたビームブーメランで零距離のビーム刃形成は通る。
例外として相変わらず質量のある格闘攻撃やレールガンによるノックバック、レーザー攻撃の他、コロニーを一撃で破壊する程の大出力のビーム攻撃でもない限りは防ぎ切る事が可能となっている。
バタラで問題だったプラネイトディフェンサーの破壊や故障時の防御力低下も発生器の数を増やし、機体そのものの耐久性を向上させる事で対処している。
そしてシールドなのだが…ただの対ビームコーティングを施したシールドではない。
そもそもこのアマクサもプラネイトディフェンサー搭載機かつ装甲材もガンダリウム合金セラミック複合材相当のものを使用しているので、これ以上の防御力は過剰と思われた。
なので、このシールドの主な役割はプラネイトディフェンサー・PS装甲・ビームシールド等への対策である。
このシールド、SEED世界でよく見られる複合兵装防盾システムとして設計されており、木ノ葉型の装甲の下に対特殊装甲クローが装備されている。
このクローには専用アクチュエーターがシールド裏側に設置されており、対ビームコーティングされたクローの熱耐性を活かしながらプラネイトディフェンサーやビームバリア等を貫いて敵機を打撃、或いは鋏み潰す事で撃破する事を目的としている。
現在地球連合で研究が進んでいるPS装甲であっても、この圧し潰す攻撃には効果が薄い事から採用された。
また、開口部にはビームブレードが搭載されており、キュリオスよろしく鋏んでビーム刃で串刺しする事も可能となっている。
一応他にも対特殊防御システムは研究されているのだが、構造が比較的単純でコストが他の研究中のそれよりも低く、最も相手に「近接戦闘を忌避させる」効果が高い事から採用された。
実際、シミュレーターでのテストにおいても「機体がミシミシ言ってる効果音が怖い」「バリア対策には有効」「接触通信で断末魔が聞こえてきそう」「絶対自分は挟まれたくない」と近接戦闘への高い忌避効果が確認できた。
元々防御力が高い火星連邦系MSならば射撃戦となればほぼ一方的に有利であり、近接戦闘に挑む事を忌避されればその分生存率も向上し、厄介な防御システム持ちにも通用する事からお守りとして装備する場合が多い。
総評としては、テストパイロット達曰く「間違いなくバタラの系譜に属する使いやすい優等生」がこのアマクサというMSだった。
此処でバタラの問題点も解決し、さぁ実戦投入だ、とはならない。
今回の地球連合ープラント間の戦争はそもそも当事者の問題であり、火星連邦にとっては所詮手伝い戦でしかない。
今回は火星連邦にも脅威となる戦略兵器ジェネシスの存在から地球連合への支援によるプラントの敗戦までは既定路線としているが、それは何も全力での肩入れを意味しない。
あくまで火星連邦は中立であり、自らそれを破る事はない。
それにパイロットに優しい機体であるとは言え、NTでもない一般パイロットには機種転換・慣熟訓練が必須だ。
そのための時間も欲しいため、直接的な戦力派遣は未だバタラのままで少数となっている。
それでも、未だまともなMS部隊の少ない地球連合にとってはとても有り難いものだったのだが。
何にせよ、事態が動くのは今暫く先の事となるだろう。
……………
C.E.70年7月、宇宙要塞「新星」攻防戦が開始。
正史よりも一月遅く始まったこの攻防戦は月面と異なり、未だまともにMS戦力を保有していない東アジア連合宇宙軍はその物量と要塞からの支援砲撃を用いて粘り、双方決め手のないまま戦闘が続いた。
戦場となったL4のコロニー群に流れ弾で多数の被害が発生した事で政治問題化、ザフトと東アジア双方に国際世論から多数の非難が送られる事となった。
無防備都市宣言と共に他のLPのコロニーへの避難移動が行われているものの、人口の多さや戦闘地域がコロニーに近すぎる事から避難は難航、コロニー自治体からは両軍への一時戦闘停止の要請が行われたが、両軍はこれを拒否した。
こんな状況でも戦闘を停止せずに続行する両軍だったが、攻防戦開始から1週間、遂にミョウジョウグループ保有の食糧生産コロニーに被害が発生した事で戦闘を停止する事となった。
なおこの時、某人物より「てめーらへの食糧輸出全面停止するぞ」という強迫文が届いたとか届かなかったとか。
これにより両軍は民間人の避難が完了するまで戦闘停止、双方の現場指揮官は一時更迭される事となった。
避難が完了するまでの約1週間、両軍は新星近傍宙域で睨み合いが続いたものの、新たに現場に到着した司令官はこれ以上の防衛は不可能と判断、上層部との会議の末、東アジア連合はプラント側に新星放棄の代わり、撤退する部隊を見逃すように申し入れをした。
プラント側は協議の末にこれを条件付きで了承、新星内部に特にトラップ等が設置される事なく、ほぼ無傷で受け渡され、東アジア艦隊はそれ以上消耗する事なく撤退に成功した。
結果として新星攻防戦は正史より1週間早い約3週間で決着した。
残ったのは新たな宇宙要塞及び破損したL4のコロニー群を獲得する事となったプラントのみとなった。
なお、撤退に成功した東アジア艦隊は以降月の東アジア所属基地で艦隊保全を名目に引き籠る事となる。
実質的敗北となったこの攻防戦を受け、地球連合はMS配備計画を本格的に策定、火星連邦からライセンスを受けたバタラ(輸出仕様)の生産を開始すると共に独自のMSの開発・生産・運用のためのプロジェクトを発足した。
大西洋連邦が主体となる通称G計画は鹵獲ジンとバタラの生産・運用データを元にMSを用いた対MS戦闘を前提としたものであり、アズラエルグループの強烈な支援体制を背景に急速に進められていく事となる。
同時にユーラシア・東アジアでも対MS戦闘を目的とした新兵器開発プランが発足、それぞれのドクトリンに沿った形で開発計画を進めていく。
ほぼ同時期、地球連合領土の各地で核融合炉が稼働を開始、地上のエネルギー事情は8月に入った時点で漸く完全に回復し、あらゆる物資が猛烈な勢いで生産されていき、軍民官問わず片っ端から消費していく。
その生産力は当然、バタラにも適応される。
こうして地球連合ではジンよりもクッソ硬いバタラが急速に普及を開始、そのジンを超える防御力とナチュラルでも扱える操作性からザフトは苦戦する事例が増え、応じる様に新型機の開発を加速していく。
そして両陣営が新たな戦局に対応するための戦力整備を進める事を優先したために戦線は停滞、小競り合いに終始する中、膠着状態の打破と各地の食糧事情の改善、そしてこの戦争の落とし所を探るため、マルキオ導師による地球連合事務総長オルバーニとクライン議長の秘密会談が行われる事となった。
「それでは、実りある話し合いを。」
「えぇ。こちらこそよろしくお願いします。」
そして会談がスタートした直後、クライン議長は早速突いてほしくない点を突いてきた。
「先ずは、両陣営の火星連邦との取引について話し合いたい。」
タフな交渉になりそうだと、オルバーニは表情を変える事なく思った。
そりゃこんだけ派手に動いてたらバレるわなwという話