呪いの少女と祝福された世界   作:佳山針之介

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2025/03/12 本文編集



第2話 やって来た教授

 入学を拒否したい。と言う旨の手紙をホグワーツに送りつけた翌日。シルヴィアはいつも通り陽だまりの元、木の椅子に座りながら紅茶を飲み、平穏ないつも通りの日常を過ごしていた。

 

 ふと窓の方から昨日聞いたような気がする音が響いて来る。

 すぐさまシルヴィアが窓へ急ぐと、昨日の梟が必死に窓を突いていた。シルヴィアはすぐにこの梟が昨日、自分に熱心に手紙の書き方を教えてくれた事を思い出す。

 しかし、名前がすぐに出て来なかった。取り敢えず、窓を開けようと鍵に手をかけ開ける。

「……えぇっと、オーグリーさん……だっけ?」

「私を、そんなフキツなナマエと間違いで頂戴! 私はオリビアよ。

 そんなコトよりもタイヘンだわ。貴女の元に来るホグワーツのキョージュ。それが、キノウ話した『セイカクも見た目も最悪な奴』よ!」

 オリビアはそう焦りながら、シルヴィアに言う。

 一方シルヴィアは梟からも酷い謂れをしている『セイカクも見た目も最悪な奴』に若干同情の意を示している為、特に反応を示さなかった。

 

「まぁまぁ、オリビアさん。鼠でも食べますか? 梟ってそう言う類のものを食べるんでしょ?」

「確かにそうだけど! 完全にイマじゃないわ! ……嗚呼、そろそろ来るとオモウわ。貴女って気弱でコミュニケーション能力にモンダイがあるから、きっとイジメられてお終いよ! あぁ、可哀想なシルヴィア……」

 オリビアがそう憐れみの言葉を言った具合に、扉を叩く音が部屋に響く。

 シルヴィアは目を見開いて扉を見つめた。

 先程までの余裕は何処へ行ったのか。シルヴィアは、その小さな身から張り詰めた雰囲気を出す。

 

「──こ、これって……ホッ、ホグファーツって所の……きょ、教授が来たって……こ、事?」

 シルヴィアは、声を顰めながらオリビアに問う。オリビアは静かに頷く。シルヴィアは先程までの態度とは打って変わって体を震わせていた。

「ホグファーツでは無いけど……。貴女、ヤッパリ怖がっているじゃない? 大丈夫?」

 オリビアがシルヴィアの肩に飛び乗って耳元で囁く。

 シルヴィアは突如伸し掛かって来たオリビアの重みに耐えながら、ゆっくり着実に扉へ向かう。シルヴィアの手がドアノブを掴もうと手を伸ばす。

 しかし、シルヴィアは震えすぎてドアノブを掴む事さえ出来なかった。

 

「お、落ち着きなさい。一旦シンコキューよ。シンコキュー」

 オリビアがそうシルヴィアの耳元で囁く。

 シルヴィアは、その言葉の通りに一旦手を下ろし深呼吸を始める。しかし、2回目の深呼吸のタイミングでまた扉を叩く音がする。今度は何処か怒りを感じるような叩き方だった。

 シルヴィアは怖くなり、床に座り込んでしまった。

 

「あぁ! もう、シルヴィア。イッタン、イッタン、落ち着いて。……そ、そうだわ、貴女の母君の形見とか無いのかしら?」

「かた……み? そっ、そう言えば、お、お母様の杖が……ひ、引き出しの中に入っていた気がする……。」

「それで良いわ! 貴女の母君のツエを取り出してオマモリ代わりに持って居なさい」

 オリビアがそう言うとシルヴィアは素早く立ち上がり、引き出しの元に戻り母親のアーモンドの木で出来た杖を取り出し両手で抱えるように持つ。

 その間も2回程急かすようにドアを叩く音がした。シルヴィアは驚いて2回とも飛び上がった。

 

「……だっ、大丈夫よ。確かに『セイカクも見た目も最悪な奴』だけど、貴女にキガイを加える。って言うリンリカンは持ち合わせていないと思うわ。……多分。」

 オリビアはそう慰めなのか、よく分からない事を言った。

 決心したように、シルヴィアは杖を握りながらドアノブをに手をかけ捻る。

「ちょっ、ちょっと! シルヴィア! 貴女、ホグワーツキョウジュにツエを向ける気!?」

 オリビアがそう言ってシルヴィアの肩の上でバサバサする頃には事は成っていた。

「ここがミス・ネクロタフィオの家であ──その杖を下ろせ。我輩は君に危害を加えようとして来ていない。アルバス・ダンブルドア校長に遣わされて来ただけのホグワーツ魔法魔術学校の教授だ」

「しょ、証明。しっ、しろ! あっ、貴方がほっ……本当に。ホ、ホグワーツ魔法、ま、まじゅちゅ……学校の……教授かを!」

 シルヴィアは、ドアの前に立って居た土気色の肌の色を持ち、全身漆黒で育ちすぎた蝙蝠のような男に杖を震えながら向けていた。男は無表情ながらとても、面倒臭い。と言いたげな表情をしていた。

 オリビアはバサバサするのは辞めたが、ため息を梟なりに吐いていた。

「如何にも……証明するも何も我輩はホグワーツの魔法薬学の教授のセブルス・スネイプだ。ただ、残念ながら証明出来るものは持ち合わせていない」

 目の前の育ちすぎた蝙蝠こと、セブルス・スネイプはそう言い切った。シルヴィアは目の前の男を恐れて動けない。よってこの場に沈黙が訪れる。

 

「……そのー、シルヴィア。この人は確かにホグワーツのキョージュだわ。私もナンドかホグワーツで見たコトがあるのよ。まぁ、『セイカクも見た目も最悪な奴』だけども。」

 沈黙に耐えかねたオリビアがシルヴィアにそう耳元で言い切った。

「ほっ、本当ですか?」

「えぇ、ホントよ。だから、ツエを向けるのは抑えて頂戴。このニンゲン相当強いわよ。だから、高々魔法もナラッテないようなコドモの魔法なんか、すぐに吹き飛ばす筈だわ。

 それに、キョウジュにツエを向けるなんて最悪タイガク処分だわ」

「……別に退学でも構わないんですけど」

 シルヴィアはオリビアの言葉を信じて杖を下ろす。目の前のスネイプは1人と1羽を見て、ほんの少しだけ目を見開いていた。

 

「君は……動物と話せるのか?」

「えっ? あぁっと、うんっと……「そうです。って素直に言いなさい」──そうです。」

 スネイプは、非常に驚いたような目(とは言っても一眼で分かるものではなかったが)でシルヴィアとシルヴィアの肩に乗るオリビアを見ていた。

「シルヴィア。お客様は部屋の中に入れてコウチャでも淹れてあげなさい」

「えぇ!? うぅ……はい。」

 シルヴィアはオリビアのアドバイスに従って一歩下がってスネイプを部屋の中へ入れる。

 

「……ふん。ホグワーツについて説明しに来た教授に1番に杖を向けるとは、君が初めてであろう」

 そう嫌味を言いながらスネイプはシルヴィアの家の中に入る。

「──あ、そうね。シルヴィアの家って恐ろしいぐらいにチラカッテルんだったわね」

 オリビアがそう言う頃には、スネイプは顰めっ面でシルヴィアの家の中を眺めていた。

 

 しかし、シルヴィアはそんなスネイプの事など気にせずに急いで流し台に移動し、オリビアに言われた通りに紅茶を淹れる。

 そして床に散らかった本を何冊か机の上に移動させ、ほんの少しだけスペースのある場所に置く。シルヴィアは何処からか椅子を取り出して埃を払って置く。

 あまりにも忙しなく動くのでオリビアはいつの間にかシルヴィアの肩の上から離れて、1番高く本が積まれた場所に着陸していた。

 

 

「どっ、どうぞ。お紅茶です……。」

 シルヴィアがあまりにも手を震わせるので、ティーカップがスネイプの元に辿り着いた頃には、3分の1が消失していた。

 スネイプは無言でティーカップを受け取り、1口飲んだ。そして置く場所が無かった為、杖を取り出してティーカップを浮かばせた。

 

「さて、ミス・ネクロタフィオ。君はホグワーツの入学を拒むと言う旨の手紙をご丁寧に返信してくれた。しかし、校長はそれを拒否し、我輩が説得の為にここに遣わされた」

 スネイプは粗方今までの流れを話し、一息置いた。

「──ところで、魔法薬を作っているのか?」

「えっ? えぇ……そっ、そうです。けど」

 シルヴィアは驚きながらもそう答える。

 何故、このスネイプと言う教授が魔法薬を作っている事を知っているのか。シルヴィアは疑問に思った。

「この『セイカクも見た目も最悪な奴』は魔法薬学のキョウジュなのよ? サッキ言っていたでしょ? そうでなくても、あのオオナベをミレばそのくらい分かるハズだわ」

 オリビアがシルヴィアに呆れながらもそう注釈を入れた為、シルヴィアは合点がいった。

「作った薬は何処にある?」

「えっ? えぇっと……」

 シルヴィアは困惑しながらも立ち上がる。

 オリビアの方を見てもオリビアは外方を向いていた。その為、シルヴィアは訳も分からないまま薬の備品棚を開けて薬瓶を取り出し、戻る。薬瓶の中には翡翠色の魔法薬が入っていた。

 

「少々見せてくれないか?」

 スネイプがそう言った為、またシルヴィアは驚きオリビアの方を見る。オリビアはまた外方を向いていた。

 またもやシルヴィアは訳も分からないまま、薬瓶を震える手でスネイプに手渡す。

 スネイプは受け取るや否や、薬瓶を色々な角度から見始めた。シルヴィアはスネイプの行動について訳が分からなく、ただただ呆然と目の前の人を見るしか無かった。

 

 シルヴィアはふと思った。この目の前の人は自分と全然違った格好をしている気がする。こんな格好の人を見た事が無い。……っと。

 単に、この目の前のスネイプと言う人物が、服装に関して独自のセンスを持っている人なのか、自分がおかしいのか判別付かなかった。

 

「あっ、あの……その薬は、一体。なんなん……でしょうか?」

「──魔法学校というものは世界各国様々な場所に存在しているが、ホグワーツはその中でも最高峰の教育を受けれる。というだけは保証しておこう。

 そしてホグワーツでは魔法と付くものは大抵教える。魔法薬学、薬草学、呪文学、変身術……他にも様々な教科がある。」

 いきなりスネイプが饒舌に話始めるのだからシルヴィアは驚いた。

「そっ、その……?」

「即ち、ホグワーツにて魔法薬学を学べば、君はこの薬について詳しく知れるかも知れん。君の魔法薬の腕は既にホグワーツ最上級学年のレベルに達していると言えよう。

 自分が得体も知れぬ薬品を摂取していると言う事実を除けば、君は稀代の魔法薬学者に成れる可能性がある。……君の母君もご両親も中々才能をある魔法薬学者だった。

 ……自分もまた優秀な魔法薬学者になってみたいと思わぬかね? もっと、魔法薬について知りたい。学びたいと思わぬかね?」

 スネイプは非常に饒舌だった。オリビアも一緒に驚いていた。

「あのヒニクしか言わない『セイカクも見た目も最悪な奴』がこんなに単純にホメルだなんて……メズラシイ話よ?」

 オリビアがそう言ったのだからシルヴィアはその事実に驚き、褒められた。と言う事実に照れ始める。

「……ひ、皮肉しか言わないだなんて……この教授のコミュニケーション能力……どうなってるのですか?」

「コミュニケーション能力については貴女はジューブン劣っているから大丈夫よ」

 

 スネイプは幸運な事に薬瓶に集中していた為、1人と1羽の会話(正確にスネイプが出来るのは1人の声のみであるが)を聞いていなかった。その為、シルヴィアの口からしれっと吐き出された貶し(ディス)もスネイプには聞こえていなかった。

 シルヴィアは考え始める。

 自分の親は優秀な魔法薬学者だった。その事はシルヴィアにとって初めて知った事だった。シルヴィアの中に居る自分の親の像はとっくの昔に朧げになっており、特に職業など記憶に無かった。

 自分の親は自分がどんな大人に成る事を望んだんだろうか? もし、自分の親が本当に魔法薬学者だったら、自分も同じようになってほしいのだろうか? 

 シルヴィアの世界と言うは8割程度は本の中で読んだ知識だけで成り立っていた。過去に読んだ本によれば、大抵の親と言うものは自分の子に家業を継がせるものだそうだ。

 ──ならば、私も私の親のように……優秀な魔法薬学者になるべき。なんだろう……けど……それでも、人は怖い……。

 

「もしも、君がホグワーツに入学する。と言うならばこの薬についてのヒントをやろう」

「ヒ、ヒント……ですか?」

「あぁ、我輩は教授だ。答えのみを言うような愚かな指導はしていない」

 シルヴィアはその発言は妙に納得し、また少々悩みを始める。

 今までシルヴィアは、自分の親が死んだ6歳から現在にかけての5年間、まともに人と話した事が無かった。手紙を届けに来た梟、オリビアが久々の話し相手だった。その為、自分のコミュニケーション能力が不安だったのだ。

 それに加えて、シルヴィアは自覚があるほどの酷い対人恐怖症なのだ。学校という明らかに人と接する機会の多い空間を耐え切れるかが、自分でも未知数だった。

 しかし、魔法薬学者になる為にはやはり勉学が必須であり、ホグワーツに通う事は必須条件であろう。シルヴィアは悩みに悩んだ。

 その時間は大凡、10分にも及んだ。オリビアはそんな長い時間痺れを切らさずに黙って待っているスネイプの事を大層驚いてみていた。

 

「──わっ、私は……ホグワーツに。にゅっ……入学します!!」

 シルヴィア史上一番大きな声が出た。自分でも驚いていた。ただオリビアを見るとシルヴィアの方を笑顔で見ていた。……尤も、シルヴィアにとって梟の感情表現などあまり詳しく無いのでよく分からないのだが。

 

「ふむ。それが一番良かろう。君の身も周りの身も守る手立てに成り得る。……さて、この薬についてのヒントだが……記憶に関わってくるものだ。しかし、そこまで深刻なものでは無い──では、入学準備の為にダイアゴン横丁へ向かおう。」

「にゅ……入学、準備? ダイアゴン……横丁?」

 これまたシルヴィアにとって、聞き慣れない言葉が次々と飛び出て来る。 

 シルヴィアは入学準備についての手紙を読んでいなかったのだ。その為、入学準備の話は完全に初耳だった。

 そして次は必死にダイアゴン横丁の想像する。とても斜めっている横丁。と言う想像しか出来なかった。

 それに、シルヴィアは生まれてこの方、家を出る。と言う経験は家の近くの村に買い出しと母親が作った薬を売る為に出かけた事ぐらいしか無かった。街に行った事が無かった。

 その為、全くもってシルヴィアにとって家の外や村の外は別世界だった。箱庭の外の世界だった。

 

「手紙を最後まで読んでいないのか? 新入生に必要な物。制服の類。教科書の類。その他用品。そして杖を購入するのだ。魔法使いが集う横丁であるダイアゴン横丁で。ダイアゴン横丁は行けば分かる。」

「そ、の……。どっ、どうやって……行くのでしょうか?」

「〝付き添い姿現し〟だ。我輩の腕を掴み給え。」

 スネイプの提案はシルヴィアにとって非常に途轍もなく難易度の高いものだった。

 これまで6年間まともに人間と関わりの無かった対人恐怖症の少女が、先程まで知らなかった男の腕を掴むのだ。あまりにも難易度が高すぎた。シルヴィアはどうすればいいのか。と悩み動けなくなっている。

 それに、シルヴィアにとって〝付き添い姿現し〟とは何かもさっぱりだった。シルヴィアは分からない事があると、いちいち躓くタイプの人間だった為、ここでもまた躓いた。

 

「……えーと、シルヴィア。ショージキに言うと、そこでウジウジしてても何もススマナイわよ。私はここで待っててアゲルから。ぱっぱと行っちゃいなさい。」

 オリビアは諭すようにシルヴィアに言う。シルヴィアは震えながらも強く頷いた。

「うっ、腕を。腕を掴めば……いいのですね?」

「あぁ、そうだ。」

 シルヴィアは震えながらスネイプの腕に手を伸ばす。

 

「ヒッ!?」

 シルヴィアがそう小さく叫び声を上げる頃には、視界がぐるぐると変化していっていた。

 人生で初めて内臓が裏返るような、全身がぐるぐると回転するような意味の分からない感覚に襲われる。

 

「うっ、ぐっ……」

 シルヴィアは到着した途端、地面に倒れ込んだ。それと同時に、胃の中身を全てひっくり返すかのように吐瀉する。

「……まぁ、初めて姿現しをする場合そう言った不快感に襲われる事もある。所謂、慣れだ。」

 そう言うとスネイプは杖を取り出してから「〈エバネスコ 消えよ〉」と言ってシルヴィアの吐瀉物を片付ける。

 シルヴィアはそれでも吐き出し続けた。酒場の主人が気を利かせてバケツを持って来てシルヴィアに渡してくれた。シルヴィアは、そのバケツに吐き続けた。

 結局、スネイプが吐き気止めの薬を買ってきてシルヴィアに渡し、飲むまでシルヴィアは吐き続けた。

 

「うっ、うぅ……すみません。ごっ、ご迷惑を、かけて……」

 シルヴィアは、泣きながらスネイプと酒場の主人に謝る。

「まぁまぁ、お嬢さんぐらいの年の子だったらよくある事さ。姿現しだなんてあんな移動方法、正直に言って正気の沙汰じゃ無いさ。気にせんで良いぞ。にしても……スネイプ教授が入学案内役とは珍しい事があるもんじゃの」

 酒場の主人は朗らかな笑顔でそう続け、シルヴィアにコップ1杯の水を渡す。シルヴィアはその水を一気に飲み込む。

「これは校長の御命令だ。」

 そう言い、シルヴィアがコップを酒場の主人に返したのを見届けるとスネイプは踵を返して進み出す。シルヴィアもそれに遅れを取らないように急いで駆け出す。

 

 

「──にしても、あのお嬢さんは随分と古めかしい格好をしているの。いくらマグルから見れば風変わりな格好をしている魔法族(わしら)でもあんな古い格好は……特に若いお嬢さんだったらしないのにの……」

 スネイプとシルヴィアが完全に中庭の方へ行ったのを見て、店主はそう独り言を呟く。

「あのお嬢さん。実は『たいむとらべる』とか言うやつで、大昔から来たんじゃねぇの? 丁度、今マグルの〝えすえふ小説〟? でそんな話を読んだんだ。面白いよなマグルは逆転時計(タイムターナー)も無いのに、こんな発想をするだなんてな」

 酒臭い客の1人がそう店主に言った。店主はまさか自分の独り言が拾われるとは思っていなかった為、若干驚く。

 しかしこの客の云う事も、もしかしたら理にかなっているかも知れない。と思考を巡らせる。

 ただ少しして過去から人間がやってくるなんて馬鹿馬鹿しい。自分はどうしてこの酔っ払いの妄言に付き合っているのか。と考えを改めた。

 

「まっ、オレ達がこんな事考えたって脳みその無駄遣いにしかならんけどよ」

 客はそう云い、また手元にある生温いウィスキーを呷る。店主もそうだと考え、これ以上は考えない事にした。





セブルス・スネイプ:
 アルバス・ダンブルドア校長に遣わされてやって来たホグワーツの魔法薬学の教授。気弱少女の初エンカには割とハードルが高い。オリビアに散々『セイカクも見た目も最悪な奴』と言われていた人。動物と話せる少女シルヴィアに驚いている。シルヴィアの魔法薬の腕を褒めた。
 シルヴィア自身突っ込まなかったが、シルヴィアの親を知っているような事を言っている。

母親の形見の杖:
 アーモンドの木で出来た杖。ちなみに、公式には存在しない木の杖なので独自設定です。

翡翠の魔法薬:
 不味い。記憶に作用するらしい。


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