ゲーム好きのブルーアーカイブ   作:オクラ080

3 / 4
仮面付けた子って……いいよね……

連邦生徒会からしばらく歩くと、灰陽たちは銃撃戦を行うことになった。

 

「どうしてセミナーである私が戦わなくちゃいけないんですか!」

 

「まあまあ早瀬君、それは仕方のないことなんだよぉ」

 

「何が仕方ないんですか!」

 

どこかつかめない犬上の発言に、ユウカはわかりやすく怒りをあらわにしていた。

 

「こういう面倒ごとは、こういう運命だったと思うしかないんだよぉ」

 

「ですが!私はこれでも、うちの学校では生徒会に所属していて、それなりの扱いなんですけど!どうして私が……!」

 

文句を言い終わるより早く、不良たちの弾丸がユウカに直撃した。

 

「いっ、痛っ!!あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」

 

「伏せてくださいユウカ。それと、ホローポイント弾は禁止指定されていません」

 

「うちの学校ではこれから違法になるの!跡が残るでしょ!」

 

戦うことになった現状からか、ユウカは悪態をつきまくっていた。

 

「まあ、こっちとしてはどの弾丸も当たりたくねえけどな」

 

「今は先生方たちを守ることを最優先で生きましょう。建物の奪還はそのあとです」

 

「ハスミさんの言う通りです。先生方たちは弾丸一発で致命傷ですから」

 

「わかっているわ。先生!先生は戦場に出ないでくださいね!」

 

ユウカたちは先生の安全を第一の考え、行動に移そうとしていた。

 

しかし、灰陽はこのまま守られているつもりはなかった。

 

「いや、俺が指揮をしよう。みんな指示に従ってくれ」

 

「えっ!戦術指揮をされるんですか?」

 

皆の顔には、不安と信頼が混じっていた。

 

だが灰陽はそれを笑い飛ばしていった。

 

「大丈夫だ、信じろ」

 

その言葉に圧倒的な自信を皆感じとった。

 

「わかりました。これより先生の指揮に従います」

 

皆覚悟を決め、武器を構える。

 

「ユウカは前に出てバリアを張りつつ牽制、スズミはユウカがひきつけた敵を狙え、ハスミは後方にいる敵スナイパーを率先して狙え、チナツはユウカやスズミが負傷し次第治療していけ!しばらくはこれで行く。細かい指示はその都度言っていく!全員戦闘配置につけ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

4人はそれぞれ言われたとおりの配置につき、戦闘を開始した。

 

「驚いたな、忍は指揮ができたんだな」

 

月本は友人の意外な一面を見て素直に驚いた。

 

「ん?これはなんとなくそれっぽいこと言っただけだぞ。あとゲームで俺がよくやるやり方をやっただけだ」

 

「さっきの称賛を撤回するよ」

 

どこまで行ってもゲーム脳。これは抜け出せないんだなと月本はおもった。

 

だが、灰陽の考え方は意外と悪いものではなかった。

 

「ハスミ、正面のビルにいるやつ打ち抜け」

 

「ユウカ!もっと前に出ろ!バリア貼って敵に突っ込め!」

 

「スズミ、落ち着いて狙え。時には閃光弾でまとめてやれ!」

 

「チナツ、しっかり見とけよ!多少無茶させてるからな!」

 

FPSなどで鍛え上げられた洞察力で周りを見ながら、的確な指示をとばしていく。

 

そうこうしているうちに、灰陽達は敵を全滅させていた。

 

「……なんだかいつもより戦いやすかったです」

 

「……やっぱりそうよね?」

 

「先生の指揮のおかげで、無事勝利することができました」

 

「なるほど……これが先生の力……」

 

灰陽は多少の不安がありつつも結構何とかすることができてとても安心した。

 

そうこうしているとリンから連絡がきた。

 

『先生、今回の騒動を起こしている生徒の正体が判明しました』

 

『ワカモ、百鬼夜行連合学園で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です』

 

『似たような前科がある生徒です。注意してください』

 

「ああ、ありがとうリン」

 

感謝を伝え、通話をきる。

 

「よし!行こうか」

 

そう言って全員は、シャーレに向かって再び動き出した。

 

ーーーーーーーーーーー

 

シャーレまであと少しといったところ。

 

そこでお面をつけた狐耳の生徒を発見した。

 

「騒動の中心生徒を発見!対処します!」

 

「あら、生徒会の子犬たちが現れましたか。お可愛いらしいこと」

 

件の問題児、ワカモであった。

 

「これは、面倒なことになったな」

 

「ですが、チャンスでもあります。今ここで制圧します!」

 

4人の生徒はすぐに戦闘に入っていった。

 

「……俺が遅れるわけにはいかねえよな!」

 

灰陽もすぐさま指揮に参加した。

 

ワカモに対してすぐさま攻撃支持を出したが、あまり効果があるようには思えなかった。

 

「私ここまで、あとは任せます」

 

しばらくすると、ワカモは周りの不良たちを置いて下がっていってしまった。

 

「逃げられてるじゃない!追うわよ!」

 

「いえ、今は建物の奪還が最優先です。私たちの目標はあくまでシャーレの奪還です」

 

「……わかったわ。行きましょう」

 

ユウカは目標を見直し、シャーレの建物を目指していく。

 

「よし!もう少しでつく!」

 

シャーレのビルは目と鼻の先、だが巨大なものが邪魔をしてきた。

 

「なっ!」

 

「気おつけてください!巡行戦車です!」

 

巨大な巡行戦車がシャーレの前に立ちふさがっていた。

 

「クルセイダー1型……!私の学園の正式戦車と同じ型です!」

 

「不正に流れたものを、不良たちが買ったのでしょう」

 

「つまり、壊しても構わないわ!行くわよ!」

 

ユウカたちは巡行戦車を倒すため、戦闘態勢に入る。

 

しかし、そこに犬上からストップの声がかかった。

 

「ここは私に任せてくれないかなぁ」

 

「えっ!」

 

外から来た人。

 

弾丸一発で致命傷を負う人物が戦車を相手にするといっている。

 

誰がどう見たって自殺行為だ。

 

「無理です!戦車相手に生身の人が敵うはずがありません!」

 

「それに犬上さんは外から来た人です。先生の護衛であっても、戦車はさすがに……」

 

不可能だ。4人ははっきりとそう言った。

 

しかし、灰陽は不可能だと否定することはしなかった。

 

「……いけるのか?」

 

「多分問題ないよぉ。私の能力的に、戦車程度ならどうとでもなる。それに」

 

「私は君の護衛だからね。守られてばかりは性に合わないんだよぉ」

 

ニコニコと笑いながら、犬上は前に出る。

 

そしてゆっくりと戦車に近づいていった。

 

「ちょ!危ない!」

 

ユウカが犬上を止めようとするが、不良たちの攻撃により顔を出せないでいた。

 

「あ?あいつ何の武器もなしに出てきたぜ」

 

「なんだ?降伏すんのか?」

 

あまりに突飛な行動に不良たちは困惑した。

 

「まあ、やれるだけやってみようかねぇ」

 

そう言うと犬上は、一歩前へと大きく踏み出した。

 

次の瞬間には、不良生徒の一人のすぐそばまで来ていた。

 

「うわ!」

 

「ちょっと眠っててね」

 

犬上は不良生徒をつかむと、地面に思いっきりたたきつけ気絶させた。

 

「てめえ!」

 

周りにいた不良たちは犬上に向かって銃を撃ちだした。

 

「危ない!」

 

ユウカが叫ぶ。だがその心配は杞憂に終わることなった。

 

不良たちが打ち出した弾丸は犬上を貫くことはなく、むしろはじき返される始末であった。

 

「な、なんなんだあいつは!」

 

「ふぅん、やっぱり。当たってもそこまでダメージはないねぇ」

 

そう言い終わると、犬上は次々と不良たちを気絶させていった。

 

「てめえ!これでもくらいやがれ!」

 

戦車の砲塔が犬上の方向を向く。

 

しかし犬上は慌てた様子はなく、ゆっくりと向き直った。

 

「戦車砲か。いったいどれほどの威力があるのかはわからないけれど……」

 

不良たちは引き金を引き、砲弾を打ち出した。

 

「それが当たったところで、ねぇ」

 

砲弾が配置に直撃し、炸裂した。

 

爆炎に包まれ、犬上の姿は見えなくなった。

 

「そんな……」

 

ユウカはうつむき、絶望した。

 

目の前で人が死んだのだ。

 

十中八九死んでいるだろう。誰もがそう思っていた。

 

2人を除いて。

 

「ユウカ、悲しむ必要はないぞ」

 

灰陽が言葉を紡ぐ。

 

「……どうしてですか」

 

「だって、見てみろよ」

 

爆炎が晴れていく。

 

そこには、上の服が爆風によって吹き飛び上裸ではあるが、無傷の犬上が立っていた。

 

「えっ!」

 

「ふぅん、もう少し防げばよかったか。このままでは服がなくなってしまうねぇ」

 

「お、お前……何なんだよ!」

 

「私かい?私は……そうだねぇ」

 

犬上はゆっくりと歩き出す。

 

「今の私は……」

 

戦車に乗っている不良の指示で、二発目の砲弾が発射される。

 

「タイラント、とでも言っておこうかな」

 

犬上は、飛んできた砲弾をこぶしで弾き飛ばす。

 

弾かれた砲弾は隣にあったビルまで飛んでいき炸裂した。

 

「またはネメシス、かな」

 

「それじゃ」

 

犬上は、一足飛びで戦車まで近づき砲塔をつかんだ。

 

「それ!」

 

そして戦車を軽々と持ち上げ、ひっくり返してしまった。

 

「ほい、制圧かんりょ~」

 

手を軽くはたきながら、犬上は灰陽たちのもとへと帰っていった。

 

「終わったよぅ」

 

「おう、お疲れ」

 

「リンはじきに来るようだし、先に入っていようか」

 

灰陽たちは、シャーレの建物へと足を進めた。

 

後ろで一部始終を見ていたユウカたちは、あまりの出来事に呆然としていた。

 

目の前で外の人間が、しかも生身の人間が戦車を制圧したのだ。

 

「と、とりあえず。私たちも行きましょうか……」

 

「え、ええ。そうね……」

 

疑問が尽きぬまま4人は先生たちの後をついていった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

シャーレ玄関前。

 

灰陽たちは多少のいざこざはあったが、そこに到着した。

 

「皆はここで待っててくれないか?」

 

灰陽はここまでついてきてくれた4人に待機するように言った。

 

「わかりました。お気おつけて」

 

「まあ、護衛の方がいるなら大丈夫でしょうけど……」

 

4人は変に疲れていた。

 

面倒だと思っていた戦車があっという間に制圧されたのだ。

 

しかも外から来た人にだ。

 

もうあの人だけでいいんじゃないかと思ったほどだ。

 

先生たちが建物に入っていくのを見送り、4人はあたりを軽く警戒する。

 

「それにしても、トリニティの巡行戦車まで流出しているとは……」

 

「自治区での警戒度をより上げないといけないかもしれませんね」

 

「私の自治区も警備に力を入れないといけないわね。どうしたものかしら……」

 

ハスミたちが話をしている間、チナツは何か考え事をしていた。

 

「……チナツさん、どうかしましたか?」

 

「あ、いえ。……少し疑問に思ったことがありまして」

 

「疑問?」

 

「はい。先ほど先生が指揮してくださっていた時なんですが……」

 

「……先生はどうして私たちの装備が分かったのでしょうか?」

 

「「「……え?」」」

 

ーーーーーーーーーーー

 

シャーレ地下

 

今回の騒動の主犯である、狐坂ワカモはタブレットを持ち悩んでいた。

 

「うーん……これが一体何なのか、見当もつきませんね」

 

ワカモはタブレットを置きあたりを物色しようとした。

 

すると、ちょうど灰陽たちが扉を開けて入ってきてしまった。

 

「あら?」

 

「お!やっほ、ワカモ」

 

灰陽は片手をあげて軽く挨拶をした。

 

「あら、あららら……」

 

「……」

 

ワカモは立ち尽くし灰日たちの方をじっと見ていた。

 

「ワカモ?」

 

「し、し……」

 

「失礼いたしましたー!!」

 

そう言うとワカモは、部屋を飛び出していってしまった。

 

「……これちょっと思ったんだけどさぁ」

 

「なんだ?」

 

「……誰に惚れたんだろうねぇ」

 

それを聞いた2人はハッとした顔をした。

 

「確かに、それによってはちょっと色々変わるぞ」

 

「確かワカモのイベントがあったよね。それは大丈夫なのか?」

 

「いざとなったら本人に聞くしかないかねぇ」

 

ごちゃごちゃと話していると後ろから一人の人物が歩いてきた。

 

「お待たせしました先生。入り口で何かありましたか?」

 

少し遅れてきたリンが先生に話しかけてきた。

 

「いや、問題ないよ」

 

「そうですか。ではこちらへ」

 

リンは灰陽たちを部屋にある机の前まで案内する。

 

「……幸い、傷一つなく無事ですね」

 

リンは机の上に置いてあったタブレットを取り、灰陽たちの方に向き直った。

 

「……先生、こちらを」

 

「これは……」

 

灰陽はタブレットを受け取る。

 

「これは、連邦生徒会長が先生に残した『シッテムの箱』です」

 

「普通のタブレットに見えますが、実は正体がわからないものです」

 

「連邦生徒会長はこのシッテムの箱で連邦生徒会の権限を取り戻せると言っていました」

 

「私たちでは起動すらできなかったものですが、先生なら……」

 

灰陽はシッテムの箱の電源を入れる。

 

画面が付き、文字が表示される。

 

‘システム接続パスワードをご入力ください‘

 

「パスワード……」

 

ブルアカをやっていた人なら良く知っているあの言葉。

 

覚えているか不安な灰陽であるが、自然とその言葉が浮かんできた。

 

”……我々は望む、七つの嘆きを。”

 

”……我々は覚えている、ジェリコの古則を。”

 

‘……‘

 

‘接続パスワード承認‘

 

‘現在の接続者は灰陽忍、確認できました‘

 

‘ようこそ灰陽先生‘

 

‘生体確認及び認証書作成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変更いたします‘

 

その音声が流れると、シッテムの箱の画面は壊れた教室のような場所を映し出した。




灰陽忍
身長、178cm 体重、69㎏
趣味、ゲーム スポーツ
嫌いなもの、歩道橋

月元望
身長、174cm 体重、58㎏
趣味、読書 睡眠
嫌いなもの、散らかった部屋

犬上竜騎
身長、180cm 体重、80㎏
趣味、会話 スポーツ
嫌いなもの、大きいヘリ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。