魔法重視の竜の騎士は転生者   作:ザムデイン!

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第5話 親子喧嘩

砦の上から遠方に視える、多数の軍勢を眼にしてレイは思わず溜息を()く。

 

「うっわぁ、あれが全部ドラゴン?うじゃうじゃわらわらと…あんなんに襲われたらどんな国でもひとたまりもないわね」

 

先頭の方から特に強い気配がする…アレが親父殿、か。

 

「挨拶代わりのビッグバン!」

 

大爆発が起きて、凶暴なドラゴンの軍勢が一発で大打撃を受ける。試しに呪文契約してみたら覚えられたのだ。覚えてみて分かったのだが、闘気と魔法力の合せ技みたいな魔法で、人類が使うのは到底無理な技ということだ。多分ドルオーラに近い。

 

「お替りにジゴスパーク!」

 

地獄の(いかずち)が召喚されドラゴンたちを次々と焼き尽くしていく。

これらは反射呪文(マホカンタ)対策でもある。親父殿は小癪にも竜闘気(ドラゴニックオーラ)で防御し切ったようだ。

 

「締めのギガデイン!」

 

広範囲に広げて(ドラゴン)の騎士専用とも言える魔法で更に追い討ちをする。少し残っていたドラゴン達も今ので完全にくたばった。やっぱり軍勢相手には強力な魔法使いが一番有効なんだよな。

まあ人類の域を超えた私レベルでないとここまでは出来ないけど…お、親父殿が単騎でルーラで来た。

 

閃吼爆裂(せんこうばくれつ)イオラゴン!」

 

間近に近付いてきた親父殿に合体魔法をモロ浴びせる。

 

「ぐっ…常識外の威力の魔法の連発…だが、先程ギガデインを使ったな…?貴様っ…!?」

 

「流石に気付きましたか『クソ親父』…」

 

「ソアッ…ラ…?」

 

「今は『レイ』を名乗っています…ハッ私がお母様に視えましたか、クソ親父…そんなだからバーンに騙されていいように利用されるんですよ低能が…」

 

「貴方の眼はずっと曇ったまま。復讐なんてとっくに済んでいるのに傍迷惑な八つ当たりを子供の癇癪の如く続け、(ドラゴン)の騎士としての使命を忘れ個人的な感情に振り回され地上そのものを消し去るつもりのバーンに利用されている体たらく…」

 

「待てっお前はレジーナなのかっ…?ディーノは…お前の弟はどこだ!?」

 

「今の貴方に会わせる気はおろか教える気もありませんよ…力付くで口割らせてみたらどうです…?困ったらすぐ暴力ですもんねアルキードを滅ぼした時のように…」

 

「やることなすこと中途半端で勝手に人間に裏切られた気になって逆恨みして『全人類滅ぼす』なんてとんだ害獣に成り果てましたね…貴方は母様の手を取ったのならもっと、強引に傲慢に奪い去ってやればよかったんですよ

アルキードの軍程度蹴散らして誰の手も届かない所で一緒に暮らしていれば良かったんです」

 

「男としてその程度の覚悟も持てないなら最初から母様の手を取るべきじゃなかったんですよ」

 

「ぐぐぐ…黙れェ!何も知らぬ小娘がァ!!」

 

バランの紋章が顕わになる。レイの紋章に共鳴させようとしてくる。

 

「ハッ()()()()()()()()()…バカ親父…」

 

それに呼応してレイの()()()()()も顕わになる。

 

「”それ”は対策済みだボケェ!」

 

勢いよく踏み込んで左手でバランの顔面を殴る。ちなみに彼女は両利きだ。というか原作ダイがやられたことを知っている彼女からすれば紋章共鳴からの「記憶破壊」への対策は必須だった。

とにかく自身の力の研究に余念が無かったレイは、感情をコントロールして計算高く紋章の位置をズラすことに成功したのだ。

 

「ホンットバカのクセに後先考えないコスい手に走ろうとしやがって…こちとら10年以上テメェをブチのめすための修行を続けてきたんだ!

早く真魔剛竜剣を抜きやがれ!間違った騎士にまでいつまでも力を貸し続けているそんなナマクラ剣私の剣でへし折ってやらぁ!」

 

「いいだろうクソガキが!地獄で後悔しろ!」

 

「「ギガデイン!!」」

 

二人が同時に剣を抜いて同じ呪文を唱える。魔法力以外の全ての数値はバランの方が上だ。闘気術にも磨きをかけていたが技術そのものはともかく、純粋な出力(パワー)では文字通り大人の子供くらいの差がある。

 

「「ギガ…」」

 

「ブ…rっ…!?」

 

「スラッシュ!」

 

先の先を取り、技の出を潰す。大技同士を正面からぶつけ合ったら互いに無事では済まないだろうと武器破壊を重視した。

「ストラッシュ」では無く、「スラッシュ」と名付けられた溜めが少なくやや出が早いこの技は正史(ほんらい)の「ギガストラッシュ」とは別物だろう。

キンッと音が鳴って真魔剛竜剣が断たれくるくる回転しながら飛んだ刃が地面にトスッと突き刺さる。バランの胸元に横一文字の大きな傷が刻まれブシャアアアアアアァァと血が吹き出る。バランがそのまま膝を付く。

 

「…少しは頭が冷えましたか?」

 

「ああ…」

 

「人間の技と工夫…バカに出来ないでしょう?確かに私のこの成長の早さと力の出力は(ドラゴン)の騎士だからですが、刹那の瞬間に力を込め相手を上回るこの技術…人間の先人たちが積み重ねてきた技術の結集です。

魔族や貴方も技術が無いわけでは無いのでしょうが、最終的に力押しになってしまう…基本的にそういう生き方しか出来ないから…それともまだやります?竜魔人になれる余力くらいあるでしょう、続けますか?」

 

「それでも迎え撃てる準備は出来ている」と言いたげだ。しかし───

 

「いや、いいお前のその顔は私にとっては、毒だ…どうしても刃先が鈍る…真魔剛竜剣も、どこか戸惑っていたしな…」

 

「ハァァ~!?毒ってなんですか毒って!お母様似の美人でしょうがよ!負けた言い訳にするつもりですかぁ!?」

 

「当然だ、小娘…でなければこの私がお前如きに敗れるはずないだろう…」

 

ギャーギャー言い合う父と娘。どうやら蟠りはもう無さそうだ…こっそり砦方面から覗いていたホルキンスやロン・ベルク達はホッと安心するのだった。

 




長々と血みどろの親子対決するのもどうかと思ったのであっさり風味。
力じゃまだまだ敵わないけど技と知恵、一瞬の輝きで上回ったということで。
「閃光のように」ですね。原作のような総力戦ならともかくタイマンじゃ、長期戦は難しい…「ソアラにそっくり」←これがマジバラン特攻。ダイ君よりよっぽどやり(づら)いでしょう。人の心が残った父親なら娘に勝てるわけがねーのです。
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