遊戯王デュエルログ-戦いの記録-   作:名もなきWater

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記録2 戦場を舞う小鳥vs沈黙の決闘者

 ◆

 

「これが……マスターデュエル・ディメンション・システム……?」

 

 眼前に広がる景色を前にして、少女は呆気に取られていた。

 マスターデュエル・ディメンション・システム。エクシーズ次元とは違う世界で開発された超次元決闘システム。

 ありとあらゆる世界から決闘者が集い、覇を競う電脳闘技場。

 ある世界の者は、専用の機材を用いた五感フルダイブ。

 ある次元の者は、転送装置によるワープ。

 ある時代の者は、独自のアバターを用いた遠隔操作。

 この世界に参加する方法は多種多様。参加者の数だけ手段があると言っていい。

 ただし。共通点が一つだけある。

 街を行き交う者達は、全員が決闘者だということ。

 ここで出会う者は、一人の例外もなく敵なのだ――

 

 ……以上が、少女が事前に兄から得ていた知識である。

 しかし――

 

「あれー、カードが発動しない? くそ、この! 発動! 《強欲で金満な壺》! 壺! 二枚ドローしたいんだけど!」

「ばっかだなあお前、そのカードはメインフェイズ1ですぐ使わないと駄目なんだぜー?」

「えっ、マジで!?」

 

 ふと聞こえてきたのは、子供達の能天気なデュエルの一幕。

 彼らから感じる雰囲気は、敵同士と言うには程遠い。友人同士の気軽なデュエル。少女の故郷でもよく見られる光景だった。

 それだけではない。周りの景色もまた、少女にとっては驚くべきものだった。

 ――未来都市ハートランド。それが少女の故郷の名前。

 瓜二つだったのだ。

 澄み渡った快晴の空も。天を衝かんばかりのビルの群れも。

 そして何より、無邪気に笑う子供達も。

 

「……はあ。全く、兄さんったら。心配性は相変わらずみたいね」

「瑠璃!?」

 

 途方に暮れる少女に向かって、一人の青年が声を上げた。青年は少女を見つけるや否や、早歩きで彼女の元に駆け付ける。

 

「あ、兄さん」

「瑠璃、何故ここに!? こちらの世界は危険だとあれほど言っただろう!」

「そう? 全然そうは見えないけど。皆、楽しそうにデュエルしているわ」

「ああ……この付近の連中はな。だが、他の区域だとこうはいかない。

 瑠璃。この世界にはありとあらゆる決闘者が集まっている。伝説と称される決闘者から、かつての融合次元のような決闘者までな。それどころか、本当に人間なのかすら疑わしい連中もいる。

 もう一度言うぞ、瑠璃。この世界は危険だ。怪しいヤツに目を付けられる前に、一刻も早くエクシーズ次元に帰るんだ」

「うーん……」

 

 鬼気迫る兄を前に、少女は困惑せずにはいられなかった。

 少女とて、兄からの情報だけを頼りに来たわけではない。彼女なりにこの世界を予習して来ている。

 かつて次元間の戦争にて、エクシーズ次元を壊滅まで追い込んだ融合次元。そういう手合いがいる可能性は、彼女も考慮していた。

 しかし――同じように、かつて世界を救った英雄もまた、この世界にいるのだ。

 

「瑠璃!」

「うっ……」

 

 ――などと言っても、この兄は納得しない。

 一度誘拐されたという前科がある手前、少女も強く反論できないのだ。

 だから……こういう時、少女は強硬策を取るようにしている。

 

「……実はもう、遅いのよね」

「何? どういうことだ」

「この世界に来る前に、もう予約してあるの。ちょうどそこの決闘場(デュエルリング)

「な……何ぃっ――!?」

 

 滅多に聞けない兄の悲鳴―ーデュエルで裏をかかれた時のような――に、少女はつい笑ってしまう。

 

「な……ならばキャンセルだ! 今すぐ中止しろ!」

「駄目よ。そんなことしたら対戦相手に迷惑でしょ?」

「ぐっ――ならば俺が出る! 俺自身が黒咲瑠璃となる!」

「絶 対 止 め て。

 ……もう。だったらこうしましょう。

 兄さん。もしもの時は、兄さんが私を守ってね」

「ぐっ……る、瑠璃……」

 

 何故か悔し気に歯噛みする兄を尻目に、少女は決闘場に赴いた。

 

「対戦相手は……まだ来てないみたいね」

 

 決闘場には少女一人だけだった。開始時間までまだ猶予があるのだから、当然と言えば当然だが。

 

「――――」

 

 そして決闘場の外には、鋭い殺気を放つ不審者が一人。

 今だけ他人のフリをしたい。心底そう思う妹であった。

 

 ◆

 

 開始時間が近づくと同時に、決闘場周辺に人だかりができ始めた。

 基本的にこの世界では、デュエルはいつでもどこでも行える。しかし、決闘場でのデュエルは特別だ。

 通称『ランクマッチ』。ここで行われるデュエルは一挙手一投足が記録され、勝敗もまたKCのデータベースに記録される。ここでの勝利を積み重ね、決闘者達は上の領域を目指すのだ。

 

「それにしても――」

 

 ふと、その瞬間――少女は、周囲の熱気の異常さに気付いた。

 決闘場でのデュエルは誰もが目を引く。高ランクを目指す決闘者ほど、ここでの戦いは見逃せないものだ。

 しかし……その点を考慮しても異常だと感じるほど、この決闘場には人が集まっていた。

 

「本当に、凄い注目度。いくらランクマッチといっても、私はまだデビュー戦なのに」

 

 少女がこの世界を訪れたのは今回が初。デュエルを行うのも今回が初めてだ。だから、この少女目的で人が集まることはまず有り得ない。

 となれば――野次馬達の目的は、対戦相手の方か。

 

「――すいませーん!!」

 

 バタンと音を立てて、一人の決闘者が決闘場に雪崩れ込んだ。

 開始時刻ギリギリ。ようやく対戦相手が来たか、と少女は視線を移し――

 ――想像を絶する人物の登場に、言葉を失った。

 

「はぁ……はぁ……ま、間に合った……もう、相変わらず人使いが荒いんだから、城之内君は」

「嘘……」

 

 彼を知らない決闘者は、きっと存在しない。

 少なくとも少女には覚えがあった。事前に資料を読み込み、予習していた少女には。

 

「あ……っと、すみません、急いで準備しますね!

 えっと、デッキとデュエルディスクは、と……」

 

 青年はペコペコと何度も頭を下げた後、支度を始める。

 

「ここでデュエルするの、何か月ぶりかな……鈍ってないといいけど」

 

 今となってはやや旧式のデュエルディスクと専用のバイザーを装着し、その青年は決闘場に立った。

 

「ふう――さて、始めましょう。

 武藤遊戯です。対戦、よろしくお願いします」

 

 キング・オブ・デュエリスト。

 かつて頂点を極めた決闘者が、少女の前に立ち塞がった。

 

 ◆

 

「……あの、大丈夫ですか?」

「ぇ……あ、ハイ! 大丈夫です!」

 

 青年からの呼び掛けに、少女は慌てて返事する。

 呆然自失とはまさにこのこと。この出会いは幸運か不運か、少女には判別がつかない。

 ただ、分かっていることは一つだけ。

 

「お待ちしていました! 黒咲瑠璃です! さあ始めましょう、武藤遊戯さん!」

 

 対戦相手に迷惑を掛けてはいけない。考えるまでもない基本のマナーだけだ。

 少女はデュエルディスクに自分のデッキをセットし、起動する。さあ、これで準備はOK。後はお相手の好きなタイミングで始められる。

 だが、その青年は困惑顔のままだった。

 キング・オブ・デュエリスト。かつてはそう呼ばれた青年にとって、この少女のような反応は飽きるほど見てきた。

 即ち……過度な緊張。行き過ぎた敬意。顔色を伺う接待。

 確かに、これらを心地よく感じる人もいるだろう。しかし、その青年は違っていた。

 ゲームの対戦相手にそんなものは不要。

 必要な物は、対戦相手をリスペクトする意識。

 そして――完膚なきまでに叩きのめすという、燃え滾るような闘争心。

 両者がこれらを併せ持つことで、初めて『楽しいゲーム』が成立する。

 

「えっと……黒咲、瑠璃さん? そんなに緊張しなくても大丈夫だよ? だから、肩の力を抜いて……リラックスして、楽しんでほしいな」

「リラックス……ですか。

 ……すみませんが、それは難しいと思います。キング・オブ・デュエリスト、武藤遊戯。貴方ほどの決闘者を前にして平常心を保つなんて、私にはとても」

「考えすぎだよ。過去にどんな出来事があったとしても、ここでは対等なんだ。そのためにボク達は、『ランクマッチ』というシステムを実装したんだから」

「え……? ボク達?」

「そう。これまでボクは、ずっと『開発』側の人間だったんだ。毎日仕事漬けで忙しかったんだけど、最近になってやっと余裕ができてさ。だから、決闘者としてはボクもルーキーなんだ。君と一緒でね。

 だから、遠慮せずに向かってきてほしい。ボクと同じランクの、対等の決闘者として」

「遊戯さん……ありがとうございます。貴方の想いは伝わりました。

 では……胸を借りるつもりで、全力で行かせてもらいます。恨みっこは、無しですよ?」

「うん。それじゃあ――行くよ!」

 

「「決闘(デュエル)――!」」

 

 

 ◆

 

 

ターン1

 

「先行は私が貰います!

 私は永続魔法《炎舞-「天璣」》を発動! デッキからレベル4以下の獣戦士族モンスターを一体、手札に加えます!」

「そうはさせないよ! ボクは手札から《灰流うらら》を捨てて、効果を発動! これで君の永続魔法の効果は無効となる!」

「くっ……私は魔法カード《LL(リリカル・ルスキニア)-バード・コール》を発動! これにより、デッキから《LL》モンスターを一枚手札に加えます。

 ……私はこれで、ターンエンド」

 

ターン2

 

「ボクのターン!

 ……カードは一枚セット。これでターンエンド」

 

ターン3

 

「私のターン!

 私は二枚目の《LL(リリカル・ルスキニア)-バード・コール》を発動! デッキから新しい《LL》を手札に加えて、この子を特殊召喚!

 来て! 《LL(リリカル・ルスキニア)-ターコイズ・ワープラー》!

 ターコイズ・ワープラーの効果発動! 《LL》モンスターを一体、手札から特殊召喚します!」

「そうはいかない! 速攻魔法発動! 《禁じられた一滴》! 手札を一枚墓地に捨て、ターコイズ・ワープラーの効果を無効にする!」

「! モンスターの展開を許さないつもりですね。ですがこのターン、私には通常召喚が残っています!

 私は《鉄獣戦線(トライブリゲード) ナーベル》を召喚!

 これで私のフィールドに、レベル1のモンスターが二体揃いました」

「分かってるよ。そして、それこそがボクの狙い!」

「え――?」

「ボクは手札から、《マルチャミー・フワロス》の効果発動! 自分の場にカードがない時、このカードを捨てることで、このターン、君がEX(エクストラ)デッキからモンスターを特殊召喚する度、ボクはカードを一枚ドローできる!」

「手札補充のモンスターカード……!」

「その通り。とはいえこのターン、君はまだEXデッキからモンスターを召喚していない。ボクの読みが外れていれば、《マルチャミー・フワロス》の効果は無駄撃ちで終わる。

 さあ、黒咲瑠璃さん。後は君次第だ」

「っ……分かりました。貴方の誘いに、乗ってあげましょう!

 私はレベル1の《LL(リリカル・ルスキニア)-ターコイズ・ワープラー》と、《鉄獣戦線(トライブリゲード) ナーベル》で、オーバーレイ!

 麗しき翼を持つ鳥たちよ。戦場で一つとなりて孤高に歌え!

 エクシーズ召喚! 舞い降りよ! ランク1! 《LL(リリカル・ルスキニア)-リサイト・スターリング》!」

「《マルチャミー・フワロス》の効果により、ボクはカードをドローする!」

「私のターンはまだ終わっていないわ!

 エクシーズ召喚に成功したリサイト・スターリングの効果発動! オーバーレイユニット一つにつき、攻撃力を300ポイントアップ!

 更に、リサイト・スターリングの効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから仲間のモンスターを手札に加えます!」

「それならボクは、手札からモンスター効果を発動!

 《エフェクト・ヴェーラー》! このカードを墓地に送り、モンスター効果を無効にする!」

「くっ……ですが、オーバーレイユニットとして墓地へ送ったナーベルの効果発動! デッキからナーベル以外の《鉄獣戦線(トライブリゲード)》を手札に加えます!

 バトル! リサイト・スターリングでダイレクトアタック!」

 

 武藤遊戯 LP:8000 → 7400

 

「これで私のバトルフェイズは終了……でも、まだよ!

 私は《LL(リリカル・ルスキニア)-リサイト・スターリング》で、オーバーレイネットワークを再構築!

 麗しき翼を持つ鳥よ。戦場で一つとなりて、運命に抗う雷となれ!

 エクシーズ召喚! 現れよ! ランク12! 《天霆號(ネガロギア)アーゼウス》!」

「ランク12のエクシーズモンスター……君の狙いはこれだったんだね。だけど、君が新たなモンスターを召喚したことで、ボクは更に一枚ドロー!」

「……《天霆號(ネガロギア)アーゼウス》は、オーバーレイユニットを二つ使うことで、フィールドの全てのカードを墓地に送ることができます。今度は私が、貴方を妨害する番です」

「それなら……ボクは、このターンが終わる前に、このモンスターを召喚!

 来い! 《深淵の獣(ビーステッド)マグナムート》!

 このモンスターは、君のフィールドにモンスターが存在する時、墓地の光属性モンスターを除外して特殊召喚できる!

 更にマグナムートの効果により、このターンのエンドフェイズ、ボクはデッキから新たなドラゴンを手札に加える!」

「……私はこれで、ターンエンド!」

 

ターン4

 

「ボクのターン!

 ボクは、《深淵の獣(ビーステッド)マグナムート》一体で、オーバーレイ!

 彼方の流星よ! 光速を越えて次元を破り、遍く世界に厄災を振り撒け!

 エクシーズ召喚! 現れろ! 《厄災の星(ロギアステラ)ティ・フォン》!」

「っ――!? モンスター一体でエクシーズ召喚を……!?」

「ティ・フォンがフィールドに存在する時、攻撃力3000以上のモンスターは効果を封じられる!

 更に、ティ・フォンの効果発動! 君のモンスターをEXデッキに戻す!」

「そんな――!」

「これで君を守るモンスターはいない!

 バトル! 《厄災の星(ロギアステラ)ティ・フォン》で、ダイレクトアタック!」

 

 黒咲瑠璃 LP:8000 → 5100

 

「くっ……!」

「ボクはこれで、ターンエンド」

 

ターン5

 

「私のターン!

 私は手札から《鉄獣戦線(トライブリゲード) フラクトール》を墓地に送り、効果を発動! デッキからモンスターを一枚墓地に送ります!

 更に、墓地へ送った《鉄獣戦線(トライブリゲード) キット》の効果発動! デッキからもう一枚モンスターを墓地へ!

 墓地へ送るのは二枚目の《鉄獣戦線(トライブリゲード) ナーベル》! その効果により、デッキから二枚目のフラクトールを手札に加えます!」

「……これで君の墓地には、一気に三体のモンスターが送られた」

「狙いはこれです。私は《鉄獣戦線(トライブリゲード) フラクトール》を召喚!

 そして、フラクトールの効果発動! 墓地に眠る仲間達の力を使って、リンクモンスターを特殊召喚します!」

「させないよ!

 ボクは手札から、《エフェクト・ヴェーラー》の効果発動! 君のモンスターの効果を無効にする!」

「! 既に対抗策を……ですが、二度目は受けません!

 速攻魔法発動! 《墓穴の指名者》! 《エフェクト・ヴェーラー》を除外して、その効果を無効にします!

 これでフラクトールの効果を有効となり、私はモンスターを特殊召喚できる!」

「読んでたよ!

 ボクは手札から《増殖するG》の効果を発動!」

「なっ――!?」

「その効果により、このターン、君がモンスターを特殊召喚する度、ボクはカードをドローできる」

「っ……二重の、罠……」

「君のデッキに《指名者》のカードがあることは分かっていた。だから最初に《エフェクト・ヴェーラー》で牽制し、《指名者》の発動を誘ったんだ。本命の《増殖するG》の効果を通すためにね」

「……お見事です。ですが、それならそれで方法はあります!

 フラクトールの効果により、私はこのモンスターを召喚!

 現れよ! リンク2! 《戦華盟将-双龍》!

 双龍の効果発動! 手札かフィールドのカードを墓地に送り、相手のフィールドの表側表示のカードを手札に戻します!

 私は《炎舞-「天璣」》を墓地に送り、 《厄災の星(ロギアステラ)ティ・フォン》を選択!

 これで貴方のフィールドからモンスターはいなくなった!

 バトルよ! フラクトールと双龍で、ダイレクトアタック!」

 

 武藤遊戯 LP:7400 → 3900

 

「っ――」

「カードを一枚伏せて、ターンエンド!」

 

ターン6

 

「流石だね。結局、ボクがドローできたのは一枚だけ。その上で、しっかりとモンスターを召喚するなんて」

「そうですね……でも、次は貴方のターンです。貴方のことですから……既に、手はあるのでしょう?」

「……いい顔をするようになったね。最初の緊張が嘘みたいだ。

 今の気持ちを忘れないで。せっかく色んな決闘者(デュエリスト)と戦えるんだから、楽しまないと損だ」

「遊戯さん……」

「……なんてね。ごめん、少し説教臭かったかな? 対等だって言ったのはボクの方なのに」

「……いいえ。貴方の言う通りだと思います。デュエルは皆の未来に笑顔をもたらすもの。

 ですから楽しみましょう、この世界を。そして――勿論、このデュエルも」

「……デュエルを続行するよ。

 ボクのターン! 魔法カード《ライトニング・ストーム》を発動! 相手の攻撃表示モンスターを、全て破壊する!」

「くっ――!」

「更に永続魔法《光の黄金櫃》を発動! ボクはデッキから、新たな仲間を手札に加える!

 そしてボクは……手札から、新たなモンスターを召喚する!」

「っ!

 この瞬間、私は手札から《増殖するG》の効果を発動! 貴方がモンスターを特殊召喚する度、カードを一枚ドローします!」

「手札から《灰流うらら》を墓地に送り、効果発動! 《増殖するG》の効果を無効にする!」

「え――そんな、二枚目の《灰流うらら》……!?」

「これでボクの召喚を阻むものはなくなった……行くよ!

 現れろ! 赫焉(かくえん)の閃光放つ、黒鉄の暴龍! 《破壊竜ガンドラG(ギアス)》!

 ボクはガンドラGの効果発動! 全てのカードを、破壊する!

 そしてその後、デッキから新たな仲間を呼び出す!

 来い! 《サイレント・マジシャン・ゼロ》!

 ガンドラGの効果で呼び出したモンスターは、破壊したカードの枚数だけレベルを上げる!

 そして《サイレント・マジシャン・ゼロ》は、上昇したレベル一つにつき、攻撃力を500ポイントアップする!

 更に、《トリコロール・ガジェット》を攻撃表示で召喚!

 モンスター効果発動! ボクはデッキから新たな魔法カードを手札に加える!

 バトル! 《トリコロール・ガジェット》、《破壊竜ガンドラG(ギアス)》で、ダイレクトアタック!」

 

 黒咲瑠璃 LP:5100 → 2300

 

「っ……でも、まだよ。《サイレント・マジシャン・ゼロ》の攻撃力は1500。私のライフはまだ残る……!」

「速攻魔法、発動! 《時の沈黙-ターン・サイレンス》! その効果により、《サイレント・マジシャン・ゼロ》は、三ターン未来の姿に成長する!」

 

《サイレント・マジシャン・ゼロ》

攻撃力1500 → 3000

 

「攻撃力、3000……!?」

「行け! 《サイレント・マジシャン・ゼロ》の攻撃! サイレント・バーニング!」

「きゃあぁぁぁ――!」

 

 黒咲瑠璃 LP:2300 → 0

 

 ◆

 

「瑠璃! 無事か!? 怪我はしていないか!?」

「大丈夫。もう、大げさだなあ」

 

 決闘場を後にした少女の前に、兄が早足で駆け寄った。

 兄は妹の全身を瞬時に確認。怪我がないことを把握すると、安堵の息を漏らした。

 

「……確かに、怪我はないようだな。

 だが、これでよく分かっただろう。この世界では、何が起きるか分からない」

「うん。それは今のデュエルでよく分かった。

 まさかデビュー戦で、あの武藤遊戯さんとデュエルできたなんて。もしかしたら今年の運気、もう使い切っちゃったかも?」

「確かにな。今回に限っては運が良かった。

 だが裏を返せば、その逆もあり得たということだ。融合次元の決闘者と当たっていたらどうなっていたか分からない。

 武藤遊戯とデュエルできたのはいい機会だったかもしれん。今回のデュエルを思い出にして、エクシーズ次元に帰るんだ」

「うーん……そうだね。大人しくエクシーズ次元に帰るよ」

「瑠璃……!」

「……今日のところは、ね」

「なっ――!? 瑠璃、それはどういう――!」

「だって仕方ないでしょ? こんな体験しちゃったら、次を期待するのが決闘者ってものよ?

 私はもっと強くなる。沢山の決闘者と、笑顔でデュエルがしたいから」

 

 ◆

 

 




色んな決闘者の《光の黄金櫃》を試運転中に鉄獣LLと遭遇。
《LL》エアプ+ARC-Vシンクロ次元脱落勢なので、
①誘発の打ち所が分からない
②黒咲瑠璃がどういうキャラか分からない
という重大欠陥あり。

使用デッキ
自分:光の黄金櫃
手札誘発、捲り札マシマシの後攻特化型。ちなみにこのデュエルの初手は
ヴェーラー ヴェーラー うらら 屋敷わらし フワロス
の欲張り誘発セット。
お相手:鉄獣LL
マスターデュエル最初期はよく見た印象、最近は殆ど見ない(当社比)

武藤遊戯視点だとただの俺ツエーになりそうだったので、黒咲瑠璃視点でお送りしました。
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