鉛玉ぶっ放しおじさんがキヴォトスを生きる話 作:人型ロボと銃はベストマッチ
遅くなりましたが投稿です。次回はぶっ放しおじさんのお休み回にしようと思います。
評価、感想お願いします。
「さぁてスクラップの時間だぜぇ!華々しく潰してやるから、覚悟しなぁ!」
「ここで潰されてたまるもんですか!皆、行くわよ!」
今現在、俺ちゃんはホテルの部屋を吹っ飛ばした四人組をミンチにする為、バトっている最中である。俺ちゃん自身別段怒ってる訳じゃないから、見逃してもよかった。
しかし、ここで俺ちゃんの思考回路が突然提案を弾き出してきた。
"集団戦、経験しといた方が良くないか?"、と。
その結果、こんなことになりましたとさ。でも後悔はしていないですわ。
何故ならこいつら、フォーメーションや対応をちゃんとしているからだ。その上で、一人一人役目を果たしている。
(紫髪がタンク、ピンク髪は狙撃支援、白髪は爆弾による支援兼前衛、白黒は……同じく前衛みてえだがよく分からん。とにかく、この状況ならこれを言うしかない)
「タンク1、歩兵1、支援2……1人は真後ろか」
まずは爆弾を投げてくる白髪を潰す。そうと決めた俺ちゃんは、残り一つのスモークグレネードを地面に叩き付けた。
瞬間、辺りに煙が覆い始めた。奴さんらは突然のスモークに対応できたようだが、それがミスなんだよ。
「え…?」
「もらったぁー!」
少し鈍い、物と物がぶつかるような音が鳴った。ま、俺ちゃんが銃剣で白髮の背中刺しただけってオチだがね。
心臓ごと貫くつもりだったのに、銃剣に慣れてないから位置がズレてしまったが、確実な致命傷を与えることができた。それに、火器に強いここの奴らは刺突にも弱いってことも分かったので儲けもんなのだ!(某豆妖精感)。
少し遅れて他からの反撃の銃弾を食らい、敢え無く剣先を引き抜きつつ白髪を弾除けにする。やっぱしこいつらは盾にするのが正解なんだよなぁ、そうに違いない。白髪を盾にしたことにより銃撃が止まった隙をつき、その場から全速力で離れ、近くの建物に潜り込み身を潜めた。白髪も一緒に連れてきてしまったが、こいつはまだまだ盾として使うからだ。
というか思い返せば見知らぬ奴を背後から刺すのはよくないのか?いや別に問題ないよな。隙を見せた方が悪い、少なくとも俺ちゃんの中ではだけど。
「あ、あんた…何で、こんな……」
あれ?まだ生きてる?ほんま身体強いよなーこいつら。俺ちゃんの元の身体もこんなんだったらと嫉妬しちゃうぜ。でも流石に、出血で死ぬぜこれは。試してないから分かんないけど。
「取り敢えず、喋らないほうがいいぜ?死ぬのが早くなっちまうからな。それとも、早くお友達とお別れしたい口か?」
「こんな……ことを……」
何が言いたいんだ?あっ(NなTの直感的理解)、はいはい分かった。どうやら俺ちゃんが刺すとは微塵も思ってなかったみてぇだ。やっぱり俺ちゃんとこいつら、どっかしら認識がズレてるな?きちんとここの法やらなんやらを調べる必要があるな。
おっと、早く答えて上げねえと不味いかもな。聞かれたことはなるべく答える主義なんでね(ちゃんと答えるとは言ってない)。
「こんなことも何も、手榴弾を投げ込まれて、投げ込んだ相手が目の前にいるなら報復するだろ。加えてあんたらは奇襲かつ爆破で俺を殺そうとしたんだ、そうなっても文句はあるまい」
「そんな、つもりじゃ……」
「そんなつもりじゃなくても、相手の考え方が自分と同じだと考えないことだな。それに、自身に害をもたらすものがいるなら、それを消そうとするのが人間だ。安心を得るために、人はできることをするってもんだ。
さて、続きは他の奴らに聞いてみてからにしよう」
俺ちゃんがべらべら喋っていたのもあり、白髪を助けようとピンク髪他2名がやってきた。しかし、どいつも目には恐怖と不安を浮かべている。それを見て俺ちゃんの中の好奇心と欲は一気に減少、代わりにこいつらとのけりをつけ、この場を早く去りたいと思い始めた。だがその為にも、白髪をこいつらに返さなければならない。
「おっと、それ以上は近付くなよ、白髪がどうなるかは分かってんだろ?それとも状況が分からないポンコツか?」
「………」
無言、ね。彼女らにとってお喋りをする余裕はなく、白髪を助けることしか頭にないらしい。なら俺ちゃんが勝手に進めるとしよう。
「オウケイ、あんたらにそんな余裕はないよな。仲間が人質になって、更には重傷。早く助けて逃げたい筈だよな。
だから、ここいらで手打ちにしないか?」
「……どういうこと?」
ピンク髪がのってきた。ここで改めて話を切り出す。
「俺はこれ以上こいつを傷付けない。信用できないだろうが、本当だ。そもそも、俺はあんたらとここまで戦うつもりは無かった。ただ、あんたらがホテルに手榴弾を投げ込んだことに対し、仕返しがしたかった。だがこの状況は、それを遥かに越えている。これ以上の戦闘行為は、お互い血を流すだけだ。無駄でしかない」
「だから手打ちにしないかと言っているんだよ。俺はこいつを無事にあんたらに返すし、傷の手当ての金も渡す、あんたらの弾代や武器代を渡してもいい。
ただ、俺があんたらの視界から消えるまで、俺に対し何もしない、それが条件だがな。
どうだ、いい提案だと思わないか?」
俺が話し終わった頃には、辺りは静寂だけが残った。少し訂正するなら、白髪の呼吸の荒い音だけが響いてるって感じだ。そんな中で白黒が俺ちゃんに向かって手を上げた。
「質問があるんだけど、あんたがムツキを無事に返してくれる保証は?」
その言葉で、ピンク髪と紫髪の俺への視線は、不安と恐怖のものから警戒の色が混ざり始めた。しかしここはきちんと言っておかねば後々面倒だ。
「保証?そうだな、では俺が先にあんたらにこいつを返す。その後俺は別の場所に向かうので、あんたらは黙って見送る……これでどうだ?」
「………うん、それなら問題ない」
「言っておくが、後ろから撃てばどうなるか分かってんだろうな?」
「大丈夫、私も社長もハルカも、そんなことしないから」
どうやら白髪の疑問は晴れたようで、一歩下がりピンク髪の背後に立った。その後にピンク髪に何か話していたが、恐らく白髪を取り返した後のことでも考えているのだと、俺ちゃんは自分を納得させた。
「では先程言った通り、こいつをまずあんたらに返す。そこのピンク髪、あんたがリーダーなんだろ?なら味方の回収もまた、リーダーの務めの筈だ、あんたが受け取りに来るといい」
「え、ええ!もちろん!私は便利屋68の社長、部下の危機は私が解決するのは当たり前よ!……ねえ、ムツキはちゃんと返ってくるかしら…?」
「じゃあ頑張って社長、私達はここで待ってるから……私達は後ろで動けるように待機してるから、ムツキを受け取ったらすぐに下がって」「お、お願いします、アル様……下がったら、アル様は私の後ろに移動を…」
やはり、何か作戦を考えているのかもしれない。耳の機能がホテルの爆発で落ちてしまってるのかもしれねぇ。治るまでにほんのり時間が掛かるだろうが、とにかく今はこいつを返すことだ。
少し視点を下にすれば、ピンク髪と目があう。その目は今までのどれとも違う、覚悟を持った目だ。おふざけを抜きにすれば、ここまでいい目をした奴は片手で数えるかどうかだ。こいつはいつか化けるかもだが、それはそれ。もう一度確認して、ピンク髪に渡す。
「改めてもう一度復唱する。俺がこのムツキをあんたらに返す。その後俺はこの場から離れるが、あんたらの視界から消えるまであんたらは俺に対し何もしない。それでよろしいか?」
「ええ、問題ないわ」
ゆっくりと白髪をピンク髪に渡した。ピンク髪は白髪を受け取り、紫髪の後ろに隠れた。俺ちゃんも数歩後ろにゆっくりと下がった。
「さて、後は俺がこの場を去るだけだが……最後に……おい、ピンク髪!」
「ひゃあ! な、なにかしら…?」
「あんたらとの出会いは不運なものだったが、同時に楽しいものだった。それに、あんたらはとにかく連携が取れていた。スクワッドを組んで恐らく数カ月…はたまた一年か二年だろうが、それでもお互いの強み、弱みを理解し動いていた。あんたらは、集団戦のいいセンスを持っている、それを大事にするといい」
「え、ええ…ありがとう…?」
俺ちゃんはそれだけピンク髪に言い伝え、その場から走り離去る。またピンク髪達の話し声が聞こえたが、それ以上にこの場から離れるのに急ぐ。何故なら、ピンク髪達が来る前にあり得ない強さ、オーラと呼ぶべきものを直感的に感じたからだ。
これだけの強さを感じさせる人物…是非戦いたいものだ。だが今は、もっとマシで身を置ける宿を探すとしよう。俺ちゃんはほんの少し速度を上げ、別の町へ向かうのだった。