漂白が如く 卍解!   作:フェルトファン

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復活と同時にリメイクを始めました。

更新は遅れがちになるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。



第零章 バケモノと呼ばれた少年
一話 人斬りの……


 

 

 

 

 

 

流魂街内に、とある噂が広まっていた。

 

 

 

 とある飯屋の店主が語る…

 

『ありゃ人じゃない……人の皮を被った“恐ろしい何か”だ』


 とある作家が語る…

 

『ついこの前、屍の上で平気で飯を食う人がいた……いや違う、あれは人ではない……鬼だ!』


 とある女将は語る……

 

『目が合ったらすぐに殺されるって聞いたのよ!嫌やわ〜怖くて外に出られへんし、安心して眠れへんわ〜』

 

 

 

 

 最初は小さかったが、流魂街に住む者の大半にとって恐怖となり、噂はどんどん広まっていた。

 

 やがてその噂は瀞霊廷にも広がり、護廷十三隊の隊員達の耳にも入られていた。そしてその調査も行い、すぐ解決できるだろうと思い込む者も多くいた。

 

 

 

 だが、調査を始めてから一ヶ月以上も解決できなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西流魂街一番地区、潤林安(じゅんりんあん)

 

 

 

 

 

 その日の雨は激しく降り続けており、傘が無ければ全身びしょ濡れになるだろう。だが、そんな地区に存在する森林の中で必死に走り続けている男達にとっては、傘を刺す暇も無かった。

 

 彼らは死神と呼ばれ、護廷十三隊の隊員でもあった。死覇装と言う黒い生地で作られた着物と袴を身に纏っている男性隊員達は、最近“噂”されている一番地区で調査を行う━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

··········はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

こ、こちら……第二調査班………敵らしき者と交戦中……だ━━━誰か……誰でもいい━━応援を━━━』

 

 

 それは突如、無線から響き鳴る雑音と共に、隊員らしき救援要請が入ってきた。だが”敵と交戦中”と言う言葉を聞いた彼らは、急いでその現場に向かった。

 

 幸いにも場所が近かった為、なんとか現場へと到着する事ができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、そこで目にしたのは……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()()()。当然その光景を目にした彼らは唖然とし、中には吐き気をする者もいた。

 

 無事な者はいないのかと探し回ろうとしてた時、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 見た目は全身ボロボロの布を全身纏っており、布をフード代わりとして深く被っているせいで、表情が見えない。だがそれよりも、その者の右手には刀らしき武器を所持していた。

 

 しかもその刃の先には、何やら赤い液体がこびり付いている。

 

 状況から見て、間違いなく性別不明のフードの者がやっていたとしか思えまいと、現場の状況を見て判断した隊員達は“敵”であると認識すると同時に腰に巻き付けてある斬魄刀を抜き、一斉に攻め始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 ところが、相手はたった一人に対し、苦戦し続けていた。

 

 

 

 

 

 

「な……何なんだ……アイツ!?」

 

「おい、大丈夫か!」 

 

 数を合わせて七人の隊員達の方が有利のはず……それなのに相手を撃退できないどころか、戦闘が始まってから既に仲間の二人はやられてしまった。

 

「クソ!まだ動けるか!?」

 

「相手は一人なのに………なんなんだあの動きは!?」

 

 たった一人を相手に苦戦する隊員達の身体中に刃で斬られた傷を負い、対してフードの者は未だに無傷のまま。何度も攻撃を仕掛けても軽く避け、その隙に刀を上手く利用しながら反撃される。そのせいで仲間である二人はやられてしまい、数は五人となってしまった。

 

「━━━ッ!先輩、離れてください!!!」

 

「お前何を……お、おい待て!」

 

 するとその時、後輩と思われる一人の隊員が、フードの者に向かって鬼道を使おうとする。

 

 

「破道の三十一・赤火砲!!!」

 

 

 

  両手をかざし唱えると同時に赤い火玉が生まれ、その直後にフードの者に向けて攻撃し続けた。無我夢中となった後輩隊員は自身の霊力が尽きるまで、攻撃を止めなかった。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉお!!!」

 

 

「おいやめろ……一旦冷静になれ!!」 

 

 これ以上霊力の消費が激しいと、もう一人の隊員が慌てて止めに入る。だが鬼道を連射し続けていたせいで、敵がいるであろう場所から煙が舞い上がっていて姿が見えなくなってしまった。

 

「馬鹿野郎山下お前、霊力の無駄遣いだぞ!それに、敵を見えなくしてどうするんだ!?」

 

「はぁ………はぁ……す、すみません先p━━」

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、山下と呼ばれていた後輩の背後にフードの者が現れ、()()()()()()()()()()()()()

 

「あ………あぁ━━━」

 

「や……山下ぁぁあ!!!!

 

 目の前で一人の隊員を刺したのを確認したフードの者は刃を抜き、胸に開いてしまった穴から血が溢れ、力が抜けたかのようにその場で倒れてしまった。

 

「貴様………よくもぉぉぉ!!!」

 

「舐めるなぁぁ!!!」

 

「よせ、早まるな!」

 

 また一人の仲間が殺されたのを見て、我を怒りに変わってしまった二人は、何の考えもなく斬魄刀で反撃しようとする。

 

 だが、その二人の攻撃でさえも軽く避けられ、逆に傷を負わされてしまった。

 

「ば、バカな……」

 

「………無念……」

 

 後輩と同様な最期となった二人もやられ、ついに隊員は二人だけとなってしまった。

 

「あぁ………ぁぁぁ━━━

 

 

 

 

 

うぅぁぁぁぁあ!!!

 

「江西!?どこへ行く気だ!?」

 

「逃げるに決まってるだろ……あんなのに殺されてたまるかぁ!!」

 

 心が折れてしまったのか、隊員の1人である者もその場から脱走とする。死神としての誇りという言葉は、もう彼の頭には存在しなかった。

 

 ただ助かるために、そして生き残る為に。

 

 この場から逃げようと必死に走り出した。

 

 

 

 

 ━━が、瞬歩で逃げようとした瞬間、目の前にはフードの者がいた。

 

 

「━━━━は?」

 

 間の抜けた声が上がった直後、即座に斬られてしまった。

 

 

「あ.........し....しにたくn...」

 

 そして動きもなく、そのまま倒れてしまう。

 

「う、宇井!?」

 

 もはや、この場に残る隊員は1人だけになってしまった。だがその彼にも隙ができてしまい、フードの者は素早い動きで背後に回った。

 

「なっ……しまっ━━━」

 

 気づいたのも束の間、即座に背を斬られてしまった。

 

「か………はっ━━」

 

 最後の一人となった隊員も斬られてしまい、背から血が溢れ出ながら、力も無く地面に倒れてしまう。しかし意識だけは未だに残っており、視線だけをフードの者に向けた。

 

「━━━やはり………噂は………本当……だったのか……」

 

 僅か残っている意識の中、隊員は思わず語り出した。

 

 それは調査を行っていた時、流魂街に広まっている()()()を思わず口に出した……

 

 

 

 

 

 

 

 人斬りのバケモノ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数分後、救援として駆けつけてきた他の隊だったが、時は既に遅かった。その中には『九』という漢数字が記された白い羽織を身に纏っている銀色の短髪男は、表情を一変する。

 

 

 

「ちっまたか……しかもかなり酷い有様だな……」

 

 

九番隊隊長・六車拳西(むぐるまけんせい)

 

 

 現場を見て思わず愚痴を語るかのような口調で呟く拳西だが、彼に着いてきた他の九番隊の隊員全員が、悲惨な現場を見て唖然として動かなくなった。

 

 そんな彼らの様子を目にした拳西はため息を吐き、隊員達に指示を出した。

 

「お前らが何を思っているのか何となく分かる……だが、今は無事な奴がいないのか確認しろ。」

 

「で、ですが隊長……これはあまりにも……」

 

「今は深く考えるな、とりあえず指示通りにしろ。」

 

「しかし!もう被害は50件以上超えているんですよ!?もはや普通ではありm「何度も言わせるな!」……失礼しました。」

 

 どこか納得いかないものの、今は隊長である拳西の指示に従い、生存者を探しに向かった。その直後、左腕に副官章という腕章を着ける緑髪の少女が拳西に近づいてくる。

 

 

九番隊副隊長・久南白(くなましろ)

 

 

「ねーねー拳西!これってまた()()()の仕業なのかな〜?」

 

「お前まで付いてきてしまったのか……後鬼じゃねーけどな。けど、ある意味間違ってねーけどな。」

 

 ━━と、今まで見てきた同じ犯行が起きた現場の状況を思い返す拳西は、頭を抱えていた。

 

「人斬りのバケモノ………こりゃまだ、解決するのに相当かかりそうなぁ。」

 

 

 

 

 

 

━━━人斬りのバケモノ━━━

 

 

 

 

 

 今から数ヶ月前の事、最初は流魂街にある治安の悪い地区で何者かによって殺害されいた。だがそれはその治安の悪い地区にとては日常であり、特に気にする必要もなかった。だがそれはまだ始まりに過ぎず、被害は更に広まった。

 

 治安の悪い『更木』や『草鹿』だけで無く、治安の良い地区でも現れ、手に持つ刀で殺し続けている。そしてついには任務として向かっていた数名の隊員にも被害が遭ってしまった。流石に見過ごす事ができなかった総隊長は、その者を捕らえろと全隊員達に命じたが、捕える事もできずむしろ返り討ちにされていていた。

 

 その中に実力がある三~二十の席官達までも被害に遭い、鬼道衆と隠密機動までも巻き込まれてしまった。

 

 

『死神への復讐心を持つ者』

 

『人間の皮を被った虚』

 

『鬼人』

 

 などなど、様々な名や多くの噂が広まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして今日、新たな地区で同じ被害が起きた事により、瀞霊廷内にある一番隊隊舎で隊首会が開かれた。

 

 

 

 

 

 

 

瀞霊廷・一番隊隊舎

 

 

 

 

 

 

一番隊隊長及び護廷十三隊総隊長

山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさいしげくに)

 

 

 

二番隊隊長・四楓院夜一(しほういんよるいち)

 

三番隊隊長・鳳橋楼十郎(おおとりばしろうじゅうろう)

 

四番隊隊長・卯ノ花烈(うのはなれつ)

 

五番隊隊長・平子真子(ひらこしんじ)

 

六番隊隊長・朽木銀嶺(くちきぎんれい)

 

七番隊隊長・愛川羅武(あいかわららぶ)

 

八番隊隊長・京楽春水(きょうらくしゅんすい)

 

十三番隊隊長・浮竹十四郎(うきたけじゅうしろう)

 

 

 

 そして後からやってきた拳西に加え、護廷十三隊の隊長達が一堂に集まり会議を設ける場。しかしその中には、まだこの場に集まっていない隊長もいた。

 

「なんや?あの鬼厳城(ブタ)はともかく、浦原はこーへんのか?」

 

「喜助なら調べたいものがあるって、また欠席したんじゃ。」

 

「何やまたかいなん……アイツホンマに隊長としての勤めができへんか?」

 

 不満そうに疑問を抱く平子の問いに、すぐ答えを出した夜一。そんな二人の会話を聞いた京楽は思わず苦笑いをする。

 

「ハハハ……相変わらずだね浦原君は……」

 

「まぁ、それが彼にとっての特技だと思うぞ京楽。」

 

 ━━と、京楽に続けて同じ意見を持つ浮竹が語りかけた後、“ドン”と大きな音が響いた。

 

「関係のない会話を控えよ、これより隊首会を始めるぞ。」

 

 静寂に包まれていた一番隊隊舎に、総隊長である山本元柳斎重國の声が木霊する。同時に浮竹は真剣な表情へと変え、拳西に問いかけた。

 

「現場で発見された隊員達が同じ被害にあったとの報告を聞いたが、それは本当なのか拳西?」

 

「間違いない……未だに見つけていない“人斬り”の仕業だと考えた方がいいな。」

 

 目を見開いて驚く浮竹に、京楽も怪訝そうな表情になる。

 

「やれやれまたか、もうこれで何件目だい。」

 

「もう十から数えるのをやめたわ……それはそうと夜一の方もどうや?」

  

「残念だったな平子。未だに有益な情報は入っとらんわ。」

 

 ━━と、そう答える夜一の言葉を聞いて少し残念そうな表情になる平子。ここ数ヶ月、未だに有益な情報が出てきてない。ただ、唯一掴んだ情報は....

 

「身長は大体“130〜135cm”……若いな。本当にこの情報は合っているのか?」

 

「浮竹........一応、四番隊で治療を受けた隊員達から聞いた情報はこれしか無かったんだよ。」

 

「だが京楽….これは……あるでまだ()()()()()()()!」

 

 唯一掴んだ人斬りの情報は身長だけ。しかしそれは現世で例えるなら、少中学生ぐらいの身長である。この情報を耳にする浮竹にとって疑ってしまうのも無理はない。

 

「せやけど浮竹。今ある情報はこれしかないんねん。疑うのもしゃーないと思うぞ。」

 

「し、しかし.......「平子真子の言う通りだ、浮竹。」━━っ、 銀嶺隊長....」

 

「護廷十三隊の隊員だけでなく、鬼道衆や隠密機動までもが斬られていた。しかもその人斬りが持つ刀は、()()()()()()()()()()との情報も入っておるのだ。もちろんまだ確定ではないが、もしもその人斬りが斬魄刀を持っているのなら、我々護廷十三隊は見過ごす事ができない。」

 

 銀嶺の言葉を聞いて何も言い返せない浮竹。未だに解決できず頭を抱える隊長達の中、総隊長である山本は口を動かす。

 

「先ほど朽木隊長が語っていた通り、既に隊員の半数以上が被害に遭っておる。よって、“人斬り”を最重要危険人物とする。引き続き二番隊、三番隊、五番隊、六番隊、七番隊、八番隊、九番隊、十三番隊は各々隊を率いて捜索に当たること。四番隊は負傷した隊員達の治療に取り掛かり、可能なら事情聴取も行って貰う……心してかかれ!

 

 ━━と山本の言葉と共に、隊首会を終えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、隊首会に参加しなかった十二番隊隊長はというと……

 

 

 

 

 

 

十二番隊隊舎・技術開発局

 

 

 

 

 とある一室で一人の男が、“人斬り”についての情報などの資料をいくつか読み続けていた。

 

 

 

十二番隊隊長・浦原喜助(うらはらきすけ)

 

 

 

 

 

「…………………やはり、思ってたより情報はあんまりないっすね。」

 

 

 

 これまでの資料を確認し続けていた浦原だが、自身が想像していたより有益な情報が載っていなかった。だからこそ彼は自力で現場に向かい、様々な方法で解析を行い続けた。

 

「最初は治安の悪い地区にいる浪人達を殺害し続けていましたが、何故か途中で隊員達を狙い始めた……これは何か意味はあるのk「オラ、浦原のアホンダラァ!!!━━グヘ!?」

 

 考え込む浦原の後頭部に、突如何者かが声を上げながら蹴りを当てた。しかもその声は彼女であると気づいた浦原は、視線を変えた。

 

「アタタタ……って、ひよ里サンじゃないっすか……どうしたんです?」

 

 

十二番隊副隊長・猿柿(さるがき)ひよ里

 

 

「“どうしたんです?”っじゃないやろーが!!お前は何のために隊長やっとるんじゃいボケェ!?」

 

「な、何をそんなに怒ってぇ……」

 

「お前!隊首会がある事を忘れとったんだろ!」

 

「……もしかして今日、隊首会ってありましたっけ?」

 

「あるわアホ!って言うか、もう終わっとるわボケ!!!!」

 

 新しく隊長となってから数ヶ月、ひよ里は未だに浦原を認めていなかった。しかも隊長であるにも関わらず、何の報告もなく隊首会に参加していないと知り、怒鳴り声を上げた。

 

「もうそんな時間なんすか………丁度いいかもしれませんね。」

 

「あ?何を言っt「それじゃ、二番隊の方へ行ってきますので。」━━は、はぁ!?おいちょっ待てや!

 

「…ん?」

 

「“ん?”じゃないわボケェ!なんで二番隊へ行こうとするんねん!?」

 

「あぁ〜実は夜一サンに話したい事がありまして……あ!もしよかったらひよ里サンも一緒に来ますか?」

 

「いやなんでウチも来なky「それじゃー行きましょうか。」話を最後まで聞けぇぇ!!

 

 何の説明も無く浦原は二番隊へ向かおうと歩み進める。何か言いたげそうな表情になっているひよ里だが、結局彼女も浦原の後に着いていく事しかできなかった。

 

 

 

 





リメイク前の作品と同じく、時系列的はBLEACHの過去編からです。

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