ホロライブライダーズ 不死身の闘牛(ザ・リメイク)   作:プロトタイプ・ゼロ

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やぁと、投稿だぜぇ。
最近体調が悪くなることが多かったことも含めて、遅れてしまったこと本当に申し訳ない!!


第十話「そして鳴り止まぬ音が世界に届く」

 

 

 

 

「……暇だな」

 

 天空都市メサイアに作られたデザイア神殿。その休憩所として存在するサロンの中央でモニターを眺めていた黒狐が突然ポツリと呟いた。酷くつまらなさそうにそう呟いた黒狐は足を組むのをやめ、座っていたソファーから立ち上がると何故か変身を解いた。

 

 眺めていたモニターに映っている

 

「たまには他の世界に遊びに行ってみるか」

 

 いつもの着物のような服装からかつて大スターだった時代のコート姿になると、黒い狐をもした仮面を被り直し目の前に黒いオーロラカーテンを出現させる。

 

「そうだな……別世界に飛ばしたきり放置してたアギトの様子でも見に行ってみるか」

 

 仮面の下でニヤリと笑みを浮かべ黒いオーロラカーテンをくぐる。

 

 そして誰もいなくなったはずのサロン内にて、僅かに動く影があった。

 

「ふぅ……やっといなくなったね」

 

 その影の正体は海馬奈々。魔法少女リリカルなのはの世界で戦闘を終えオーロラカーテンで世界を移動した彼女は、ホロライブの世界に眠っているであろうお宝を盗むため密かに天空都市メサイアに忍び込んでいた。

 

 お得意の気配遮断でクロスギーツが消えるのを辛抱強く待ち続けた彼女の瞳は、まるで宝探しに出かける子供のようにキラキラと輝いている。

 

「さぁて、お宝お宝〜」

 

 ウキウキとサロンの中を探索する彼女。だが数分後、まったくお宝が見つからないことに憤慨しながらオーロラカーテンを使って去っていった。余談だが、クロスギーツは奈々がサロン内に隠れていることは知っていた上で、面白そうだから敢えて放置していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜鏡のファーストの世界〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 エボルトが擬態している石動惣一が経営するカフェ店「Nascita」の地下にて、研究室の札が貼ってある部屋の中で一人の少女――ブラッド族のラビスが二本のフルボトルを手に狂気の笑みを浮かべていた。

 

「ようやく、ようやく修理が終わりました……疲れた」

 

 ラビスが修理したのはドラゴンエボルボトルとラビットエボルボトル。ラビスが敬愛し尊敬しかなり重たい感情を向けているエボルトがフォームチェンジに使用するエボルボトル。つい先程までは石化していたそれを、長い時間をかけてようやく直すことに成功したのだ。

 

 修理し終えたエボルボトルを机に置き、ベッドに体を沈める。裏千束がデザイアグランプリに参加しに行ってからずっと徹夜を続けていたためか疲れが溜まりきっていたその瞼は既に重い。そしてどんどん意識が闇の底へ落ちていく瞬間、二本のエボルボトルを手にしようとした手首を掴む。

 

「……何してるんですかキルバス様?」

 

「あ、バレた……?」

 

 掴んでいた手を離し呆れたようにため息を吐くと、ベッドの上に寝転がっていた姿勢から正座に直して座る。ジト目になりながらキルバスを睨みつけると、二つのエボルボトルを指差した。

 

「キルバス様はブラッド星にいた時から私が作った研究成果を何も言わずに持っていきますよね……しかも勝手に壊してきますし」

 

「いや、そりゃあ……まぁ、悪かったな」

 

「言っておきますが謝って済む問題ではないのですよ?」

 

「ぐっ……」

 

 徹夜明けということもあり少々機嫌の悪いラビスはキルバスに詰め寄ると、手に持っている二本のエボルボトルを奪い取る。ブラッド星にいた時からキルバスに対してイライラする日々を募らせていた怒りが爆発したのか、無言でラビスドライバーを腰に装着する。それを見たキルバスもさすがにヤバいと感じたのか即座に逃げ出したが、キルバスを追って外に出てきたラビスがフェニックラビスルボトルとギャラクシーラビスボトルを使って仮面ライダーラビスに変身し、キルバスに殴りかかる。なおさらなる珈琲作りに専念していたエボルトがビックリしていたが……。

 

「あ~……こりゃあちょっとヤバい?」

 

 スパイダー型のガジェットにキルバススパイダーフルボトルをセットし、ビルドドライバーに装填。レバーを回して仮面ライダーキルバスに変身すると襲いかかってきたラビスと交戦を始めた。

 

 キルバスとラビスの拳がぶつかり、吹き飛ばされたのはキルバスのほうだった。ラビスの変身するラビスドライバーやラビスボトルはラビス専用に調整されたものであり、ラビスの身体能力やスペックを最大限に発揮できるようになっている。だが逆にキルバスのほうはかつて訪れたビルドの世界にある新世界の地球で現地調達したものでしかない。それをブラッド族としてのスペックなどで補っているような状態であるため、本来のスペックは最大限発揮されない。そのためこのように拳がぶつかった際に吹き飛ばされるのは当然キルバスのほうであった。それでも裏ボスとしての強さは発揮していたのだから恐ろしいが。

 

「おいおい、今度は何したバカ兄貴!」

 

「あ、エボルト! ちょっと手伝ってくんない?」

 

「だから何をしたって聞いてんだ!!」

 

 仮面ライダーエボル・コブラフォームに変身したエボルトが少し焦り気味にキルバスを問い詰める。なんならいつもなら絶対にやらないキャラ崩壊を起こしてまで、キルバスの方を掴んで前後に振り回している。なおキルバスは爆笑している。

 

 ラビスが手をかざすと宇宙エネルギーが凝縮されたエネルギー弾に変わる。そしてそのエネルギー弾をエボルトとキルバスに向けて放つ。エボルトは咄嗟にキルバスを盾にするが、エネルギー弾が当たるとキルバスごとエボルトを吹き飛ばした。

 

「あ~あ……今のラビスちゃん、完っ全にブチギレてるわ」

 

 普段のラビスであればたとえキレたとしてもエボルトに攻撃することはほぼない。キルバスが狙われているのはブラッド星にいた時からやらかしてる数が多いからであるが……。

 

「まったく……本当になにをやらかしたんだこのバカ兄貴は」

 

「ラビスが修理したエボルボトルを盗もうとした」

 

「お前本っ当になにやってんの!?」

 

 もはやキャラを保つことすら難しいかもしれないと思い始めてきた。今までキルバスがやらかしたことでラビスを怒らせたことなど数えるまでもなく多い。そしてエボルトはだいたいそれに巻き込まれている。なんなら一番無関係なはずのナーガも時々巻き込まれてトラウマを受け付けたほどだ。本人はその都度、ラビスの発明品によりラビスのことを忘れてしまっているが。

 

 ラビスはまるでどっかの殺人マシーン化した黒いウサギと戦車の戦士みたいに無言でキルバスの方に走ると、遠慮なく急所に向けて拳を振り下ろし殴り倒す。それも一発だけではなく何度も拳を当てる。

 

 仮面ライダーラビスが拳に纏わせている宇宙エネルギーは、相手の弱点属性に変換する能力を持っている。キルバスの弱点属性というのがなんなのかは作者自身もよくわかっていないがそういうものだと解釈し、ラビスの拳がキルバス腹にぶち当たる。

 

「ぐふっ!? ちょ、ちょっとラビスちゃん!? 殺意高すぎない!?」

 

「そりゃあ殺す気で殴ってんだから当たり前だろ……」

 

 とどめの一発が振り下ろされる前になんとか滑り込みキルバスを回収する。隣でぼやく兄に対して冷たく言い放ちながらラビスを止めるために走り出す。

 

 だが王族信者という枷が消え失せている今のラビスに、エボルトのことなど目に映っていないのか普通に殴り飛ばす。普段のラビスならば自殺しかけないことをやっている。

 

「あ~もう、色々滅茶苦茶だなァおい!!」

 

 半分ヤケになりそうなのを我慢する。その時、世界中に鐘の音が響いた。

 

「あ? なんだァこの音は?」

 

 暴走していたラビスでさえも鐘の音が響いた瞬間足を止めジッとしている。そんなラビスとエボルトたちの間に、眩いほどの光が現れ3人の視界を防ぐ。思わず手で顔を隠してしまうが、その光が晴れた時驚いたのはエボルトだった。

 

「なっ……お前、なんでここに!?」

 

「――最っ悪だ。一体どういう状況だ、これ?」

 

 赤と青という色の違うスニーカー、フードのついた肌色のトレンチコート、そして青いジーパン……なによりエボルトにとって見慣れたその顔と髪型に、画面の下でくしゃったと笑顔になる。

 

「……エボルト? なんでお前やキルバスまでここに、あとアイツは誰だ?」

 

 色々と状況を整理しようと物々呟きながらその場をうろちょろする青年――桐生戦兎にエボルトが声を掛ける。

 

「今はわからねェことが多いだろうが、とりあえず頼んでいいか? ラビスを止めてくれ」

 

「……お前が俺に頼むってことは、それくらいヤバい自体ってことでいいのか?」

 

 ピタリと足を止めてエボルトの方を振り返りそう尋ねる戦兎に(仮面の下で)真剣な表情を作り頷く。それを見た戦兎の中で何かが決まったのか溜息を吐いたあとラビスの方を向く。

 

「アイツ誰だっけ?」

 

「黙ってろクソ兄貴」

 

「エボルト!?」

 

 後ろでなにやら漫才めいたことが行われているが戦兎は無視してビルドドライバーを腰に装着する。

 

「さぁ、実験を始めようか」

 

 取り出したラビットフルボトルとタンクフルボトルをカシャカシャと音を立てながら上下に振る。その際に数式が中に浮かびながら出現するという謎演出が現れるがこの際無視する。十分に振る事で内部の成分が活性化しより力を発揮するようになったラビットフルボトルとタンクフルボトルのキャップを開き、その2本をビルドドライバーに装填する。

 

『ラビット! タンク! ベストマッチ!』

 

 ビルドドライバーについているレバーを回すとビルドドライバーからスナップビルダーが戦兎を覆うように現れ、戦兎の前後にラビットハーフボディとタンクハーフボディが出現。

 

『Are you ready?』

 

 覚悟はできているか、そう問いかける音声に戦兎は笑顔で答える。

 

「変身!」

 

 二つのハーフボディが戦兎に合体し、仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームへと変身する。

 

『鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イエーイ!』

 

 「仮面ライダービルド。創る、形成するって意味のBuildだ」

 

 いつのものように軽い調子で決めポーズをしてからドリルクラッシャーを召喚し、そしてラビスのもとまで一足で近づく。突然目の前に現れたビルドの存在に多少驚きつつも冷静に殴りかかろうとするが、その瞬間にはビルドは既に姿はなくラビスの真後ろに立っている。ラビスの肩をチョンチョンと続き、彼女が振り向いた瞬間に斬り裂く。

 

「ハザードレベル……測定不能、か……ハハ。あの頃よりもさらに強くなってやがる」

 

 ラビスと互角以上に戦うビルドを見て、新世界の地球で復活したエボルトが戦兎のハザードレベルを測った時よりも強くなっていることに多少驚く。だが、戦兎ならば当たり前だろうとそう思ったエボルトは自分が意外と戦兎を信頼していることになぜか安心感を抱いてしまった。

 

「これが感情ってやつ、か……」

 

「何いってんだお前?」

 

「黙れクソ兄貴。オレは今かなり機嫌が悪いぞ」

 

「ラビスもそうだけど、弟のくせに二人とも俺の扱い酷くない!?」

 

「その弟を殺そうとするわ、妹分のラビスの発明品を勝手に奪って勝手に壊すやつが言う事かァ?」

 

 ビルド本編での活躍というか、今までやってきたことを考えればわりとこの扱いの酷さは妥当である。むしろこれくらいで済まされてるだけでもありがたいと思うべきである。なんなら今ここに裏千束がいたら入院待ったナシになるレベルにボコボコにされるだろう。

 

 わりと裏千束がデザイアグランプリに参加しに行くまでの間に、ブチギレて何度もキルバスを殺しに行こうとしたため殴られながらも止めに入るなどエボルトはかなり苦労している。感情がなかった頃から気にしなかったことだったかも知れないが、ジーニアスフォームのビルドの攻撃により感情を手に入れた今のエボルトにとっては胃痛になるレベルであった。ここ最近はおとなしくしていたから安心していたのに、と心のなかで愚痴りながらビルドとラビスの戦闘を眺める。

 

 ゴリラモンドフォームになり、ゴリラのパワーとダイヤモンドの防御力を兼ね備えたベストマッチフォームでラビスの攻撃を受け止め反撃したり、ラビスがフェニックスウィングを展開して空中へ逃げた際にはホークガトリングフォームにビルドチェンジしてその高い飛行能力でラビスと空中線を繰り広げ、専用武器であるホークガトリンガーのリボルマガジンを何度も回転させることで10発ずつ弾丸を装填し最高弾数の100発を放ち撃ち落とす。

 

 先に地面に落ちたラビスがフェニックスウィングをしまい起き上がると、地面に着地したビルドはしばらく睨み合いながら動かずにいたが、ビルドがホークガトリングのボトルを抜き新たに2本のフルボトルを取り出した。

 

「最後はコイツで決めようかな!」

 

 取り出したのはフェニックスフルボトルとロボットフルボトルの2本。片方のフルボトルのうちフェニックスフルボトルはラビスの使うフェニックスラビスボトルと原料は同じである。

 

『フェニックス! ロボット! ベストマッチ!』

 

 ビルドドライバーに差し込みレバーを回す。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

 出現したフェニックスハーフボディとロボットハーフボディがホークガトリングフォームの上に上書きされ、フェニックスロボフォームへとビルドチェンジした。

 

『不死身の兵器! フェニックスロボ! イェーイ!』

 

 片方はロボットアームを模した黒い複眼、もう片方はフェニックスを横から見た姿を模してた赤い複眼をしている。

 

「勝利の法則は決まった!」

 

 ビルドドライバーのレバーを勢いよく回し、右手で右複眼をなぞる動きの後、指を兎の形にして開くポーズを取る。

 

【ボルテックフィニッシュ】

 

 左腕装甲のデモリションワンから展開された巨大なエネルギーアームがラビスを掴んで締め付ける。ラビスは逃げ出そうともがくがエネルギーアームの締め付ける力はかなり強く逃げ出すことは叶わない。それを見たビルドは背部のエパイリアルウィングから炎の翼を展開し全身を包み込むとラビスに向けて体当たりをしてから炎を纏った拳をぶつける。エネルギーアームから解放されると同時に凄まじいエネルギー攻撃を受けたラビスは、吹き飛ばされゴロゴロと地面を転がったあと変身が強制的に解かれ気絶する。

 

「ん? 女の子が変身してたのか……まぁ、一件落着ってことでいいか」

 

 気絶したラビスが女子高生の姿をしていることに多少疑問を抱きつつも深く考えずに変身を解いた戦兎は、なんと近寄ってきたエボルトの方を振り向く。なんか知らないうちにキルバスがボロボロになって地面に倒れているが、元の世界で痛い目にあった経験から戦兎はエボルトの方に視線を固定する。

 

「で、これどういう状況?」

 

「今聞くのかそれ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜しばらくして〜〜〜

 

 

 

 気絶したラビスを地下の研究室に寝かせ、キルバスには「私が原因です」と書かれたプラカードを首から下げさせながら正座をさせる。戦兎はカウンター席に座るとエボルトから事の詳細を聞いていた。

 

「なるほどな……クロスギーツってやつが開催したデザイアグランプリか」

 

 エボルトが淹れた珈琲が机に置かれる前にポケットに入れてあった缶コーヒーを取り出し、さりげなくオリジナルブレンドを拒絶しながら頷く。

 

「優勝した人間はクロスギーツと戦う権利が与えられ、無事勝つことができればどんな願いもかなえることができる……それって無理ゲーじゃね?」

 

 プルタブを開け缶コーヒーの中身を口に含む。どう考えても勝てるクロスギーツに勝てる可能性などないのに、願いのために戦う理由はあるのかと考えてしまう。だが、もし自分にも願いがあれば参加するのだろうか……そう考えてから、自分にとって最高の相棒ならば参加だろうかと脳裏に浮かぶ。

 

「ところでお前はどうやってこの世界に来たんだ?」

 

「それがわっかんないだよねぇ。新世界で万丈たちと生活してたら、急に光りに包まれてさ、いつの間にかこの世界に来てるし、なんかエボルトとキルバスいるしビックリしたよ」

 

 そう言いながら髪の毛をワシャワシャと掻く戦兎を見て、エボルトはあの時の日常が帰ってきたような錯覚に陥る。

 

(ここに美空と万丈がいればなぁ……いや、何考えてんだオレは)

 

 一瞬だけでも考えてしまった理想。首を振ることでそれらを振り払い咳払いをする。自分で壊した理想を、なぜ今になってあの頃の光景をほしいと思ったのか理解できなかった。

 

(黒ちゃんはどうしてるかねぇ……)

 

 エボルトがそう思ったちょうどその時、ホロライブ世界では喫茶店の営業が忙しすぎて内心発狂しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜ホロライブライダーズの世界〜〜〜

 

 

 

 

 

 救援にやってきた仮面ライダーギーツⅨが仮面ライダータスクと戦闘を始めて離れていく。残されたバッファはデザイアドライバーを使ってジャマトライダーに変身したジャマトの対処に当たっていた。

 

 何度倒そうともデザイアドライバーとコアがある限り他のジャマトがジャマトライダーに変身して襲ってくるため、流石に苛つきが増してくる。襲われていた雪花ラミィと獅白ぼたんはようやく逃げてくれたが、今度は逆に色んな人たちが野次馬で見に来ている。

 

 デッドリーポンプを刃先まで上げテリブルチェーンの回転率を極限まで高めたゾンビブレイカーで、他のジャマトを斬りつけたり蹴ったりしながらジャマトライダーを野次馬達から引き離す。

 

「クソ!! 無限リスポーン系のモンスターか、こいつら!!」

 

 悪態つきながらも力のない人々を守るためにジャマトライダーを斬り飛ばす。デッドリーポンプを刃先まで上げポイズンチャージを行い、急速回転するテリブルチェーンをジャマトライダーの腹に当てる。

 

 ジャマトライダーを蹴り飛ばしようやく爆破させる。爆破したジャマトライダーから飛んできたジャマトレイズバックルとデザイアドライバーを掴み、転がってきたディスコアIDを踏み壊す。

 

「これでもう変態できねぇだろ!!」

 

 仮面の下でドヤ顔しながら悔しがるジャマト達にゾンビブレイカーを振り下ろしていく。

 

「ふぅ……もう終わりうおぉえ!?」

 

 最後の一体を倒し終えた直後、立っていられないほどの振動が起こる。ドシンドシンと音を立て土埃を起こしながら現れたのは巨大な亀の怪物だった。至るところから棘を生やした甲羅を背負っている亀――トータスジャマトが、口から大砲を取り出した。

 

「……は?」

 

 その照準はホロライブタワーに向けられていることに気づいたバッファは、急いでブーストゾンビフォームにデュアルオンするとブーストライカーを召喚し跨る。ブーストライカーを発進させ大砲にエネルギーが集まっていくことに焦りながらホロライブタワーを目指す。

 

 ワラワラとバッファの邪魔をするために現れたジャマトを轢き倒しながらホロライブタワーに到着すると、ブーストライカーをバッファモードに変形させる。それと同時にエネルギーを収束し終えたトータスジャマトの大砲から極大のエネルギーが放たれる。

 

「くそっ……不味いだろ流石に!!」

 

 ゾンビブーストフォームへと戻りゾンビブーストグランドビクトリーを発動する。空へ跳び上がったブーストライカー・バッファモードの頭に乗り、自分を更に上へ飛ばさせる。

 

「ゾンビの耐久力なら……なんとかなるだろ!!! ってかなんとかなりやがれ!!」

 

 デッドリーポンプを何度も上げポイズンチャージを行い攻撃力を上昇させる。インプットリガーを押しタクティカルブレイクを発動すると放たれたエネルギーにぶつける。なんとか極大エネルギーをゾンビブレイカーの受け止めるが次第にバッファの方が押し負けていく。ホロライブタワーにぶつかる前にエネルギーが爆発し、吹き飛ばされたバッファはそのままホロライブタワーに激突した。

 

「うぎゃぁぁああ!? なに!? なんなの!?」

 

「なんか飛んできたけど……って、仮面ライダー!?」

 

「なんで仮面ライダーが飛んできたんだにぇ!?」

 

 ちょうどライブに向けて練習していた宝錠マリン、天音かなた、さくらみこが驚きの声を上げる。ほかにも練習に来ていたメンバーが驚く中、白上フブキだけはバッファに駆け寄ろうとしてミオに止められる。

 

「ちっ……なんとかしねぇと」

 

 なぜか手放すことができなかったジャマトレイズバックルを数秒だけ見つめたバッファは、何を思ったのか突然ブーストレイズバックルを外しデザイアドライバーの左側にジャマトレイズバックルをはめ込む。

 

【JYAMATO ZOMBIE】

 

 ちょっとした電流が流れたあとバッファの身体から生えた蔓の先端で装甲が生成され、蔓がサスペンダーのように身体へ勢いよく引き寄せられて装着される。

 

【READY FIGHT】

 

「なんだこれ……? 力が……力が漲ってくる!!」

 

 強く地面を踏み込み凄まじい風を後ろに送りながらトータスジャマトに向けて跳ぶ。トータスジャマトの大砲から放たれる砲弾を斬り裂きながら踏みつけさらに加速する。

 

 トータスジャマトが大きく口を開けた瞬間、バッファはその口の中へ入り込む。その様子を見ていたホロライブのメンバーや仮面ライダータスクはその奇行に驚くが、唯一ギーツⅨだけは感心したように「考えたな」と頷き仮面ライダータスクに攻撃する。

 

「こういうでっけぇやつはだいだい外側が硬いが内側は弱いって相場が決まってる。だったら……!!」

 

 バーサークローをトータスジャマトの肉に突き刺し、ポイズンチェンバーアームから接触した物質を溶かす性質も持つ毒「poi-zom」がバーサークローへと送られ内側から溶かしていく。それにより強烈な痛みにトータスジャマトが暴れ始めるがバッファは気にせずポイズンチャージを行い斬りつけていく。

 

【ZOMBIE STRIKE】

 

 バッファがゾンビレイズバックルのウェイキングキーを回し必殺技を発動する。赤黒く染まった巨大なバーサークローを出現させトータスジャマトの内側を攻撃する。

 

「終わりにしてやる!!」

 

 ジャマトバックルを押し込んでデザイアドライバーに必殺技を発動する。ブロイアームズから茨を足に巻きつけて蹴りを放ちながら蔓をトータスジャマトの内側に突き刺す。突き刺さった蔓は止まることなく内側から外側へとトータスジャマトのコアを貫通していき、トータスジャマトが大爆発を起こす。その瞬間、ギーツⅨが手をトータスジャマトに向けることで青白いバリアを覆わせ被害を最小限に留めさせる。

 

「この勝負、俺の勝ちだ……っ!!」

 

 地面に降り立ち爆発したトータスジャマトの残骸を見届けたバッファはゆっくりと歩き出す。その直後、バッファの腹に痛みが走った。それは赤黒く光る刃だった。いつの間にかバッファの後ろにいた仮面ライダータスクがバッファの背中から剣を突き刺していたのだ。

 

 膝から地面に倒れたバッファの変身が解かれ芙蓉道長の姿に戻る。その顔を見て仮面ライダータスクが少しだけ考えるような素振りを見せたあと、道長の腰にあるデザイアドライバーからライダーバッファコアIDを抜き取り握る潰す。

 

 手の中でボロボロになったライダーバッファコアIDを振り落とした仮面ライダータスクは、背後に黒いオーロラカーテンを出現させるとその中に消えていった。

 

「無事……じゃなさそうだな」

 

 ギーツⅨから浮世英寿の姿に戻り、穴の開いた腹から血を流しながら倒れる道長を見下ろす。次第に道長の姿が青白く光り始めた。仮面ライダーがデザイアグランプリに参加し続けるに無理と運営に判断された場合に起こる現象……リタイア機能が発動したのだ。

 

「み、道長くん!?」

 

 その時背後から聞こえた声に英寿が顔を向けると、ホロライブメンバーの一人である白上フブキが血相を変えて道長のもとに走ってきた。

 

 白い服が血で濡れることも構わず道長を抱き起こすが、青白く光る道長の身体が崩れながら消滅してしまった。

 

「…………そ、そんな」

 

 大量の涙を浮かべ、そして落ちる。

 

「こんな悲劇は……まぁ、忘れるに限る」

 

 フブキの肩を軽く叩き、彼なりに慰めの言葉を投げかけながらその場を去っていく。一人残されたフブキは、空から降ってくる雨に打たれながら地面を見つめていた。

 

「……忘れるなんて、できるわけないじゃないですか」

 

 小さく呟いた言葉は、雨の音にかき消され誰かの耳に届くことはなかった。次第に強くなっていく雨が降る中、ミオが傘を持って迎えに来るまでフブキはその場から動くことはなかった。

 

 

 

 




どうだったでしょうか!!というか本編の主人公退場しちまったよ!!どうする!?どうするよ!?
じ、次回もお楽しみに!!
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