ホロライブライダーズ 不死身の闘牛(ザ・リメイク) 作:プロトタイプ・ゼロ
えぇ……長らくお待たせしました。こんなにも時間がかかった理由としては、まぁ、一つは俺自身の体調が最近優れなかったこと。もう一つはちょっとグループで活動させてもらってる方も忙しかったからですね。
前回までのあらすじ!! 謎の老人によって屋敷に連れてこられた道長は、そこでジャマトが生まれる瞬間を目撃する。それを見た道長の脳内に存在しない映像が流れ、気分が悪くなってしまう!! それとは別にリュウガネキこと裏千束はイライラのままに襲ってきた仮面ライダー王蛇と戦闘を行う。そして!! なにやら白上フブキの様子がおかしいようで……? この世界の運命やいかに。
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突然脳内に浮かび上がった覚えのない記憶。自分と同じ姿をした"誰か"の背中を貫き、そして倒れた誰かに手を添えたジャマト。
ズキズキと痛む頭を抑え顔をしかめる。首に手を当てゴギッと鳴らす。
「なんだってんだよ……」
しばらく休んた道長は立ち上がりズボンについた土を手で払い落とす。辺りを見渡せばいつの間にか老人は居なくなっていた。
道長は頭を掻きながらため息を吐き、とりあえず移動し始めた。自分がいた屋敷から外を出ると相変わらず不気味な風景が目に映る。
まるでテレビの中でしか見られないジャングルのようだ。そう感じた。
「ファツゼラデクケトビ*1」
「ジャマト……!!」
屋敷の近くに無造作に置いてあった椅子に座っているサボテンに似た姿のジャマト――ナイトジャマトが立ち上がり道長の方に顔を向ける。その動作に咄嗟に変身しようとデザイアドライバーを腰に当てるが、それをナイトジャマトが手で制した。
「ロジ。クテウイズクロカカオトトビツツモエインイズラサキョ*2」
「なんだと……?」
「スキョジテキョ。クロカカグマスジキョガゼラスビキョガ*3」
その言葉に道長は大人しくついていく。デザイアドライバーを腰に装着していつでも変身できるように警戒だけはしながら。
そうして案内されたのは不気味という言葉が似合う洋館だった。全体的に崩れかけたような見た目をしており、そこから無数の蔦が絡まっている。
それはまるで「お化け屋敷」と言うべき場所であった。ゴクリと唾を飲み込み、ナイトジャマトについていく形で洋館に入る。
洋館の中は外からではとてもじゃないが信じられないほど綺麗になっている。まるでカモフラージュするかのように。そんな光景に首を傾げたが、ナイトジャマトの視線に咳払いを一つしてからついていく。
聞けばこの洋館は「来たるべき戦いのために作られた場所」であるらしい。その来たるべき戦いというのが何なのかは道長には想像もつかないが、考えるだけ無駄だと判断した。だって戦闘面以外では道長の頭は発揮されないから。
奥へ奥へ進んでいくと広い場所へつながった。2階へ上がるための階段が左右に2つ存在し、その片方の階段に足を組みながら座ってお菓子を食べている美少女がいた。ピンクと白のメッシュが入った黒いロングヘアーにオッドアイで赤・黒のゴスロリチックな衣装に身を包んでいる。
お菓子を食べていた美少女は道長の姿を視界に入れるとニヤッと笑ってお菓子の袋を投げ捨てる。その動作に道長が切れそうになるがよく見ればお菓子の袋には何も入ってなく、中身が溢れる心配は無さそうであることにホッと胸をなで下ろした。それはそれとして道長はキレた。
「てめぇ、お菓子の袋をポイ捨てすんじゃねえ!!」
「え〜別にいいじゃない。どうせ中身はないんだし〜」
「だからってポイ捨てしていい理由にならねぇだろうがっ!!」
「あっは♡ そういう面倒くさいところ好きよミッチー」
「誰がミッチーだ!!」
これだけで目の前の美少女が道長にとって気に食わない存在だと理解した。あっかんべーと喧嘩を売ってるようにしか思えない行動する謎の美少女に道長の青筋が浮かび上がる。
それを呆れたように首を振るナイトジャマトが止めに入った。
「ゼラリン、テスンポス。イズラサピビビアアロラ*4」
道長を接するように手を挙げべロバを注意する。だがべロバはイラッとしたように目を細めた。
「アタシ、ジャマト語わかんな〜い」
これにはナイトジャマトもため息を吐いた。それも盛大に。
「まぁいいわ。それよりアタシに感謝してよねミッチー」
「だからミッチーって呼ぶな! で、なんでてめぇに感謝しなきゃいけねぇんだよ」
「ふふ、本来ならリタイア扱いで消滅するはずだったアンタをアタシが助けてあげたのよ? 感謝するのが当たり前よねぇ?」
ニヤリと笑いながら腰のポーチにある缶からグミを一つ取り出し口に含む。その一つ一つの動作が道長にとって苛つくが、この際は無視することに決める。
「で、一体なんの用だ」
「なーんにも知らないミッチーのために、クロスギーツの目的を教えてあげようと思って」
「……なに!?」
思わずべロバに近づき胸ぐらを掴み上げる。
「どういうことだ!? 黒狐の目的だと!? 早く説明しろ!!」
「あーもう! 慌てるんじゃないよ。ちゃんと説明してあげるから」
いつの間にか胸ぐらを掴んでいた道長は地面に倒れていた。その後すぐに背中に激痛が走る。顔をしかめながら起き上がってみれば、先ほどまで自分がいた場所にナイトジャマトが立っている。そのことから道長はナイトジャマトに投げ飛ばされたことを理解した。
「じゃあクロスギーツの目的だけど――」
〜〜〜ホロライブシティ〜〜〜
「ふんふふんふーん♪」
両手に袋をぶら下げ上機嫌に鼻歌を歌いながら梔子ユメはステップを踏みながらホロライブシティを歩く。別になにか特別な事があったというわけではない。
ずっと欲しかったものがようやく手に入ったとか、そういう感じでもなんでもなく、ただ能天気に買い物をしていただけに過ぎない。
ユメがステップを踏むごとに揺れる大きな果実。夢の詰まったその果実が大きく揺れる度に男たちの動きを止め視線を釘付けにする。そんな状態になってることなんて知らないユメは目的地に向けて足を進める。
そんな彼女の背後を狙うように忍び寄る影が迫っていた。下卑た笑みを浮かべ影がユメの肩を掴む……その瞬間、影――男の視界は宙を舞っていた。
「……は?」
「悪いけど、視線で丸わかりだよ!」
胸を張るように腰に手を当てドヤ顔を披露するユメ。男はどういうことかわからずキョトンとしていたがすぐに立ち上がりギラッとユメを睨みつける。
立ち上がった男の姿が光に包まれ、まるで蛹のような姿に変化する。それは【ワーム】と呼ばれる地球外生命体が人間の姿に擬態していたのを解除した姿である。
本来のワームはサナギ体である場合ほとんどが緑色の体色をしている。だが今ユメの前にいるワームの身体は白い。ワームの中でも謎に包まれた突然変異種であった。
白いワームの出現により大通りにいた人達は悲鳴を上げながら逃げ出し始める。それを確認したユメはデザイアドライバーを取り出し腰に装着する。
「よーし、変身!」
大盾を前に構えた騎士の姿を模したレイズバックル――バウンドパラディンレイズバックルを右手に持ちデザイアドライバーの右側にセットする。その後顔を俯かせながら心臓部分を軽く2回ほど叩き、バウンドパラディンレイズバックルの盾部分を押し込んだ。
するとバウンドパラディンのロゴが出現し、青と白を基調とした強固な装甲に覆われた騎士のような姿をした鎧――パラディアゼロチェスターへと変化する。下半身には同色の強固な装甲――パラディアゼロチェンバーレッグが出現し、上下ともに装着された瞬間何もなかった空間から巨大な盾――パーフェクトプロテクトシールドが自動でユメ――仮面ライダーオシリスの右手に装備される。
白いワームに視線を向けた瞬間、白いワームの姿がブレる。その数秒後オシリスの腹部に強烈な痛みが走り思わず膝をつく。タキオン粒子を全身を駆け巡らせクロックアップという高速移動をすることで時間流の中を自由に活動し、オシリスであっても捉えきれない速度で移動しているのだ。
(うそ……見えなかった!?)
パーフェクトプロテクトシールドを地面に突き刺し殴られた腹を抑えながらなんとか息を整える。立ち上がり地面からパーフェクトプロテクトシールドを引き抜くと、今までの戦闘の勘を頼りに腕を思いっきり振るう。
ガツン。そんな鈍い音がパーフェクトプロテクトシールドから伝わってくると、白いワームが頭を痛そうに抑えていた。
見た目の割にかなり軽いパーフェクトプロテクトシールドを上下左右に振り回し白いワームを遠慮なく殴りつける。本来ならば成虫体でなければ使用できないはずのクロックアップという力を使っている相手に油断はできない。
何度も何度も鈍い音を響かせながら盾で白いワームを殴りつけるが、全然ダメージが入ってるようには思えなかった。その原因は二つ。
一つは白いワームが持つ外殻の強度がかなりのものだったからだろう。通常のワームは近代兵器を用いれば一般人でも倒すことができるほど脆い。そんなワームがある程度成長を遂げると急激に体温が上昇し、脱皮して成虫体になることで地球の虫に似た姿になる。
では2つ目の理由はなんなのか? それは単純にオシリスの火力不足である。仮面ライダーオシリスの最大の特徴は守ることに全振りした超防御特化型スペックである。そのため攻撃面においての火力は他の仮面ライダーも比べるとかなり低い。
ダメージにもならない攻撃を何度もされて白いワームは怒ったように鳴くと、またもやクロックアップを行いオシリスの視界から消える。その後背中から火花を散らしながらオシリスは吹き飛ばされる。
「いったぁ!? もう許さないからーーーー!!」
オシリスの怒りに従うようにパラディアゼロチェスターの中央には水晶珠――ゼロブラスターにエネルギーが溜まっていく。オシリスの背後を狙うように現れた白いワームに対してオシリスは振り向きざまにエネルギーを解放した。
「うぇえ!? なにこれぇぇぇ!?」
チュドーンッ!!!! と音を出しながら放出された莫大なエネルギーの光線。その威力に吹き飛びそうになるが咄嗟にパーフェクトプロテクトシールドを地面に突き刺すことで吹き飛ぶのを抑える。それでもなお地面をえぐりながら後ろに飛ばされているが。
「うぐぐ……」
なんとか踏ん張りながら上半身を空に向ける。ゼロブラスターからエネルギーが全て放出されると、オシリスは膝を付き息を荒くする。そして強制的に変身が解除された。
まるで長時間全力で走ったかのような体のだるさと息切れ。ユメは立ち上がるのも困難になるレベルで体力切れを起こしている。
なんとか横目で周囲を見てみれば、地面に転がる白いワームがいた。あのエネルギー光線でさえも倒しきれなかったのかとユメは思ったが、実際はエネルギーが当たる瞬間に避けていただけである。避けてはいたがエネルギー光線は僅かだが白いワームに当たっており、その装甲を削り取っている。その後余波で吹き飛ばされていたのだ。
ユメがなんとか立ち上がろうとした時、近くで子供の泣き声が耳に届いた。
「え!?」
慌てて見てみれば瓦礫になっている建物の下で女の子が座りながら泣いている。それを見た白いワームは痛そうにしながら立ち上がると、すぐさま泣いている子供に向かって走り始めた。
「なっ……に、逃げて!!」
必死に声を張り上げ逃げるように促すが子供は向かってくる白いワームに怯えて動けない。ゼロブラスターを撃った衝撃でユメの身体も動けそうになく、このままだとあの子供は白いワームの餌食になるだろう。
【ATTACKRIDE CLOCKUP】
もうだめかもしれない……そう思った時、ユメの視界に紅い光が通り過ぎていった。
子供に向けて鋭い爪を振りおろそうとした白いワームは、マゼンタの光に蹴り飛ばされた。
「やれやれ、ようやくこの世界にたどり着いた矢先にこれか」
そこにいたのは赤い仮面ライダーだった。天に向かって伸びた角。青い複眼。カブト虫を思わせる装甲。マゼンタのドライバー。
その正体は仮面ライダーカブト……の姿にカメンライドしている仮面ライダーネオディケイドである。Dカブトからネオディケイドになるとカードを一枚取り出し、振り向きながらネオディケイドライバーに装填してから左右のサイドハンドルを押し込む。
【FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE】
ネオディケイドと敵の間に光のカードがずらりと並び、ネオディケイドが真上に跳躍すると同時に光のカードもネオディケイドと白いワームの間に並ぶよう追従する。
「はぁぁぁ……はあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そのまま飛び蹴りの体制に入り、人差し指だけを立てたあと手を額の前でクロスさせる。その後、光のカードに引かれるようにネオディケイドが白いワームに向けて一直線に降下する。
カードの中を通り過ぎながらエネルギーを蓄え、白いワームに強烈なライダーキックを叩きこみ、着弾した白いワームに円状のバーコードが刻印されて大爆発を起こす。
「よっと……おいお前。立てるか?」
「え? あ、うん……まぁ」
地面に着地したネオディケイドがユメに手を差し伸べる。その手を取り何とか立ち上がったユメは、フラフラとしながら倒れそうになる。
「まったく……世話の焼けるやつだ」
「あ、あはは……ごめんねぇ」
「まぁいい。案内しろ」
「え? えっと……どこに?」
「決まっている。千束のところに、だ」
〜〜〜ジャマーガーデン〜〜〜
「嘘だろ……さすがにそんなのできるわけないだろ」
「それが、嘘じゃないのよねぇ」
クロスギーツの目的を聞き焦ったように視線を動かす道長を笑うようにベロバがグミを食べる。
「だからアンタを生かしたのよ。この世界で……いや、全世界の中で唯一クロスギーツを倒せる可能性があるアンタをね」
「俺に、だと……?」
「そうよ? アンタの中にある秘めた力を開放すれば、クロスギーツなんてすぐに倒せるはずよ」
秘めた力……そう言われて思い浮かぶのは謎の記憶とライブステージての現象だった。もしもそれが関係あるのなら……そう考えた道長は、
「いいぜ。やってやる。俺が全部ぶっ潰してやる」
悪魔との取り引きに応じた。
「ふふ、アンタなら乗ってくれると思ってたわミッチー。歓迎するわ」
「だからミッチーって呼ぶな!!」
どうだったでしょうか?
良ければ感想などくれると嬉しいです