ホロライブライダーズ 不死身の闘牛(ザ・リメイク)   作:プロトタイプ・ゼロ

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第二話「戦いは続き、絶望は止まらず」

 

 

 

 近未来感溢れる広大な街……それがホロライブシティ。数多くの種族が集い手を取り合う事で有名なそのホロライブシティにある裏路地にて一組の仮面ライダー達が戦闘を行い、そして決着を終えた。

 

「ふん。弱いな」

 

 バッファの変身を解き地面に倒れ伏せ起き上がる力も出せない相手に対して、少年は心底不愉快だというように言葉を吐き捨てる。

 

「仮面ライダーは遊びじゃない。これに懲りたらもうデザグラに参加するのは辞めることだ。まぁ、どうせ聞こえていねぇだろうがな」

 

 少年が歩き出すと同時に背後にいた男が青い光に包まれて退場する。裏路地から出た少年はポケットに入れていたお菓子を取り出し、一口だけ口に入れる。

 

「はぁ……早くバイトに行かねぇと」

 

 苛ついたように髪を掻きむしり歩く速度を上げる。一度だけホロライブタワーを見上げると、舌打ちをしてまた歩き出す。

 

 芙蓉道長。それが少年の名前である。どういうわけか記憶もない状態で裏路地で倒れていたところを今のバイト先の人に見つかり、現在はお世話になっている。

 

 名前も自分が何者なのかも覚えていなかった道長は、自分の持ち物だったバッグに着けられていた「芙蓉道長」と名乗っている。

 

「……やはり何も思い出せない。俺が、この世界、そしてこの街出身ってことしか分からなかった。一体、誰なんだ俺は……ぐわっ!?」

 

「ほにゃ!?」

 

 考え事をしながら歩いていたからだろう。道長は前から歩いてきた存在に気付かずぶつかってしまった。何処かで聞いたことがありそうな声がまるで猫のような悲鳴を上げた。

 

 ぶつかった相手は少女だった。それもどこを見ても白い色が目立つ。そしてその相手を道長は知っている。

 

「悪い。前をちゃんと見てなかった」

 

「あはは……大丈夫ですよー。白上もちゃんと前見てなかったですし」

 

 先に起き上がった道長がぶつかった少女に手を差し出す。少女は苦笑いをしながらもその手を取り起き上がった。

 

 白上フブキ。ホロライブシティに住んでいる人間ならば知らない者はいないほどの有名人である。白を基調とした腹出しの服装や髪の毛からぴょこぴょことしている狐耳、ふわふわで毛先が黒い尻尾。

 

 ホロライブシティのシンボルにである「ホロライブ」に所属するアイドルである。そんな有名人たる彼女は服についた汚れを払い落とすと、道長に向けてニコリと笑顔を見せた。

 

「いやぁ〜すみませんね。荷物が多かったもので」

 

「……別に構わない。俺もちゃんと前を見ていなかったからな」

 

 フブキが落としてしまった荷物を手渡し……それじゃあ、とニコニコと笑うフブキの横を通り過ぎていく道長。

 

「うえぇ!?」

 

 その様子に驚いたのはフブキだった。フブキは自分がアイドルとしてそれなりに人気があると自覚している。一応ちゃんとしたファンクラブ「すこん部」が存在していることも認知している。というかホロライブ公式になっている。

 

 すこん部以外でもホロライブを知ってる人間であればフブキに出会ったら握手の一つは必ずと言ってもいいほど求められることもあるのに、道長の目にはまるで興味なさげに思えた。というか興味など微塵もない様子だった。

 

「そういえば、以前助けてくれた人に似ていたような……」

 

 トラウマになっている巻き込まれた戦い。その時に助けてくれた牛の人に似ていることに気づき、フブキは道長の去っていった方に走っていった……用事があったことを忘れて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フブキ遅いなぁ……」

 

 待ち合わせ場所の喫茶店で待ちぼうけを食らったとある獣人は、腕時計を確認しながら溜息を零した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 緑色の鮮血が舞う――。

 

 音もなく崩れ落ちる怪物の姿を見下ろしながら黄金の鎧を身に包んだカブト虫を思わせる人影が、手に持った大剣を下ろす。

 

 本来ならば死ぬはずのない不死身の怪物――アンデッドが消滅するのを見届けたあと、黄金の鎧の主――仮面ライダーブレイド・キングフォームはブレイバックルを操作しオリハルコン・エレメントをくぐる。

 

 そこから現れたのは全体的に黒いスーツを着込んだ青年。サングラスから覗く目は鋭い。

 

「……クロスギーツは一体何を企んでいる? こんな事をして奴に何のメリットがあるというんだ」

 

 そう言って青年――剣崎一真はクロスギーツがいるであろう天空都市メサイアを睨みつける。そしてその場を後にした。

 

 場所は代わり、天空都市メサイアに最も近いシティの中央ホロライブタワーの天辺に、一人の少年が立っていた。誰が見てもまだ幼いと思われる少年は精神を研ぎ澄まし、ホロライブシティ全体の声を耳に入れようとしていた。

 

「……やっぱり聞こえない。どこにいるんだ」

 

 何かを探すように辺りを見渡す。だが少年が探している者は見つからず、断念したように肩を落とす。そしてその瞳にある光景を映すとすぐさまホロライブタワーから飛び降りた。

 

「…………アマゾン」

 

 強烈な赤い熱気が少年の肉体を覆い人を喰らう怪物――アマゾンアルファに変身すると拳を強く握り地面にぶつける。まるでヒーロー着地のように地面に降りたアマゾンアルファは、周囲のジャマトを睨みつけると体中から電撃を走らせ雄叫びと共に放電する。

 

 放電はジャマトだけを狙い植物のような肉体を貫き、ボロボロと崩れていく。あっけなく戦闘とも言えない戦闘が終わり、アマゾンアルファが後ろを振り向く。そこには尻もちをついた少女がいた。

 

 自分のことを脅えるように見る少女にアマゾンアルファは頭を少しだけ搔くと、全身に電気を纏い少女が瞬きをした瞬間にその場から消えた。

 

「え……さっきまでそこにいたのに」

 

 突然消えた赤い怪物が消えたことに少女はポカーンとしてしまう。しばらく座り込んだまま動けずにいると騒動を聞きつけ駆けつけてきた白銀騎士団に保護された。

 

「……仮面ライダーは悪。この世界ではそれが当たり前になってるのは本当なんだね」

 

 少女がいたところから少し離れたビルの上に立つアマゾンアルファは人間態に戻ると、少年――天野迅は上空に浮かぶ天空都市メサイアを睨みつけた。その視線には殺意と憎悪が混じっており、唸るように犬歯が見えている。

 

「……見つけた。そこか……絶対に、喰い殺してやる」

 

 全ての原因と言える存在に対して宣言した。

 

「そのためにも、生き残らないと」

 

 ビルから飛び降り人に見つからないように闇の中へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ギィィン、ギィィンと金属音を鳴らしながら刀を引き摺るように持ち歩く少年。瞳には光がなく口からはぶつぶつと言葉が漏れる。その足取りは重くゆっくりとしている。

 

 闇の中を歩く少年には何も見えておらず、ただ自分の中の復讐心がなすままに行動していた。

 

「俺が守る……俺が守らないと……俺、が」

 

 自分の前に現れる敵を一閃にして斬り伏せ、そしてまた歩く。刃に付いた赤い血を振り払い、そしてまた敵を斬る。

 

 ただただ復讐を果たすために……それだけを心に抱いて。

 

「まだ、まだ足りない……義姉ちゃんを救うためにはまだ足りない」

 

 小さくぶつぶつと呟きながらふらふらとした足取りで歩いていく少年の姿は、まるで忘れられない何かを取り戻したい彷徨う亡霊のようだった。

 

 少年のいなくなった場所には、たくさんの転生者による死体か積み重なっていた。それらは次第に青い光に包まれていくとこの世界から消滅し、デザイアグランプリから退場した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 デザイアグランプリ……略してデザグラ。そのゲームに参加する仮面ライダーの多くは、開催者であるクロスギーツを倒すために派遣された転生者と邪神によりお遊び感覚で転生させられたクズ転生者の2つに分かれている。

 

 参加するための条件として仮面ライダーの資格を持っていることが一番なため、仮面ライダーに変身するベルトされあれば転生者であろうが転生者でなかろうが誰でもいい。

 

 自分に挑み倒すことができる強者を求めているクロスギーツは、ロビーの椅子に腰掛けながらモニターにて転生者達が醜くも勝ち残ろうと必死に戦闘を行う様をワインに入った酒を少しずつ飲みながら見ていた。

 

「……どういうつもり?」

 

 そんなときクロスギーツの背後に待機していたローブを羽織った人物が声を掛ける。

 

「なにがだ?」

 

「なぜ野放しにしておくの? 貴方の嫌いなクズをそのままにして」

 

 クロスギーツは笑う。何がおかしいのかローブの人物には理解できなかったが。

 

「今日はやけに喋るな? いつもは誰に対しても無視を決め込んでいるのに」

 

「茶化さないで」

 

「はいはい……まぁ、そうだなぁ。そこまで深くは考えてないさ。どんなクズでも使い用さ。ただデザグラを盛り上げてくれるなら、俺の嫌いなクズであっても利用するだけだ」

 

 それがクロスギーツの答えだった。だが相手は人を化かす化けキツネをモチーフとした仮面ライダー。ローブの人物はその言葉を信じていなかった。

 

「まっ! 俺の答えを信じようが信じまいがお前の勝手だ」

 

 そう言ってクロスギーツはモニターに視線を向ける。ローブの人物も釣られるようにモニターに視線を向ければ、アマゾンアルファ、リュウガ、カイザとクロスギーツが自ら招待状を送った仮面ライダーが戦闘を行っている。

 

 スペックだけならクロスギーツに勝つことなど無理であろう。そんな存在達が本当にクロスギーツがわざわざ招待状を送る価値があるのかローブの人物にはとてもじゃないが信じられなかった。

 

 そうやってモニターを眺めていると、一人だけ異常な存在がいた。白と黒を基調としたアーマーを身に着けた「仮面ライダー」というマゼンタの文字が複眼となっている仮面ライダー。ジャマトの群れを一網打尽にしながら後ろにいる人たちを守るように戦う人物――仮面ライダージオウ。またの名を時の王者。

 

「……なぜ、魔王が」

 

 小さく呟いたその声はクロスギーツの耳には入らなかった。そのローブから除く青い瞳には仮面ライダーに対する憎しみが込められている。舌打ちしそうになるのを我慢してクロスギーツの後ろで待機するローブの人物はその部屋を後にする。一瞬だけ長い茶髪が流れた。

 

 

 

 

 

 

 






どうだったでしょうか?
一応前作作品からの登場人物もちょこちょこ登場します!
もし、オリジナルキャラとか思いついたら個別でも活動報告コメントでもいいので提案してくださっても構いません!
もしよければ感想などなど!

それでは皆様、また次回でお会いしましょう!
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