仮面ライダージオウIF NEXT TIME~ゲイツマジェスティ~   作:K/K

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気付いている方もいるかもしれませんが仮面ライダーゼインのハンドレッドハンティングは別名義の自分の作品です
他の作品が完結していないのに別作品書き始めた後ろめたさで別名義にしていました
色々と一区切りついたので本名義に戻します


仮面ライダーゲイツ2018

 アナザースカルクリスタルを撃破したアクセルは、その場でよろける。

 

「照井さん!」

「……大丈夫だ」

 

 だが、アクセルは踏み止まり体勢を戻す。アナザースカルクリスタル相手に体に負担がかかるかなり無茶な戦いをしたことによりアクセルは消耗している。ただ、無茶の割には軽くよろける程度で済ませている辺り、変身者である照井の肉体と精神力の超人めいた逞しさを感じざるを得ない。

 

「すぐに拘束を解く」

 

 アクセルはエンジンブレードを拾い上げ、縛られているソウゴの許へ向かう。その時、空間に揺らぎが発生する。

 オーロラのように銀色に波打つ空間。幕のようにカッシーンが飛び出して来た。

 

「何っ!?」

 

 降下と共に放たれる三叉槍の振り下ろしをエンジンブレードで防ぐアクセル。そのまま鍔迫り合いとなるが、今度はアクセルの背後に銀色のオーロラが発生した。

 

「照井さん! 後ろ!」

 

 ソウゴが叫んで危険を報せるが一歩遅かった。銀色のオーロラから伸びて来た三叉槍がアクセルの背中を強く突く。

 

「ぐあっ!」

 

 目の前のカッシーンに集中していたせいで背中の防御は薄くなってしまい、意識外からの突きはアクセルに大きなダメージを与える。

 背中のダメージで鍔迫り合いの力が緩み、そこを狙ってカッシーンが強く突き飛ばす。すると、銀色のオーロラから二体のカッシーンが現れ、アクセルの両腕を掴んで拘束してしまう。

 

「増援か……!」

 

 アクセルは振り解こうとするが、流石に腕一本でカッシーン一体の力に抗うことは出来ず、足掻いている間に正面に立つカッシーンが三叉槍でアクセルを斬り付けた。

 可能性を考えなかった訳ではない。だが、アナザースカルクリスタルは手加減をして勝てる相手ではなかった。そもそも最初からアクセルを消耗させる為にアナザースカルクリスタルを捨て駒にしていた可能性もある。

 どちらにしても敵陣にアクセルが単独で乗り込んだ時点でこうなる未来を免れなかった。

 動きを封じられたアクセルをカッシーンは執拗に痛めつける。嬲っている訳ではない。機械兵士であるカッシーンがそんな非合理的なことなどしない。

 

「何だ貴様は!?」

 

 カッシーンが思わず訊いてしまうぐらいにアクセルは頑丈であった。カッシーンの目には相手のバイタルが映っているのだが、どれだけアクセルを傷付けても中々バイタルが低下しない。

 もっと高火力であるサブアームの光弾でアクセルを撃つという選択肢もあったが、下手をすればそれを利用されて脱け出される可能性を考慮しているので最後の最後まで取っておく。

 それまではひたすら三叉槍でアクセルを攻撃する。

 

「止めろぉぉぉぉぉ!」

 

 自分を救けに来てくれたアクセルが、リンチにあっていることにソウゴは堪らず叫ぶ。声が枯れそうになるぐらいの大声で何度も止めるよう叫ぶが、カッシーンたちは攻撃の手を緩めない。

 何度目か分からないカッシーンの三叉槍による振り下ろし。高く振り上げられた槍がアクセルに叩きつけられるようとした瞬間──バチン、という爆ぜるような音がした。

 

「う、がが、ぐがご!」

 

 攻撃をしようとしていたカッシーンが膝を着いて攻撃を中断し、電子音声を鳴らしながら止まっている。

 すかさずバチンという音が二度鳴る。アクセルを拘束していたカッシーンたちも同じような状態にされた。

 

「大丈夫か! 無事なら返事をしなさい! 常磐君!」

「名護さん!?」

 

 廃工場内にイクサナックルを構えた名護と景都が入って来る。

 ウォズから聞いた場所へ急いで来たが、既に一戦闘終えた形跡があり、景都たちは焦ったがソウゴの返事を聞いてその焦りも消失する。

 

「景都!」

「常磐! 無事なんだな!?」

 

 景都とソウゴは互いの無事が確認でき、安堵する。

 

「思わず助けてしまったが彼は?」

 

 つい反射的にアクセルを救った名護であったが、改めて正体をソウゴに訊こうとする。ソウゴが答える前にアクセル本人が教えてくれた。

 

「名護か……」

「その声、照井か!? お前も仮面ライダーだったのか?」

「俺に……質問するな……」

「言っている場合かっ!」

 

 こんな時にでもスタンスを曲げないアクセルに名護も思わず怒鳴ってしまう。

 

「……まあ、そんなつまらないことを言えるということは大丈夫だな」

 

 ひとまずアクセルも問題無しと判断する。

 

「ぐ、がが──」

 

 そうこうしている間にカッシーンたちが再起動し出す。イクサナックルから飛ばした電磁波でもカッシーンたちを破壊するには至らなかった。尤も、生身で使用したので使用者に影響を及ぼさないように威力が制限されているので仕方がない。

 

「──明光院君。一体は君に任せます。──行けますね?」

「──はい!」

「照井竜! 君にも一体任せる!」

「何を──」

 

 アクセルが訊く前に景都と名護はベルトを装着し、ライドウォッチとイクサナックルを起動させる。

 

『ケイト!』

『R・E・A・D・Y』

 

 それぞれの変身ツールがドライバーにセットされ、景都らは掛け声を合わせる。

 

『変身!』

『ライダーターイム!』

『フィ・ス・ト・オ・ン』

 

 景都は仮面ライダーケイトに、名護は仮面ライダーイクサ・セーブモードから即座にバーストモードに切り替える。

 

「お前たちも……!?」

 

 仮面ライダーとなった景都と名護にアクセルを先程の景都たちと似たような反応をする。

 変身したケイトとイクサは弓モードのジカンザックス、ガンモードのイクサカリバーをカッシーンらに向け、立ち上がった直後のカッシーンたちに光矢と光弾を放つ。

 無防備な状態でそれを受けたカッシーンたちは派手に転倒。倒れていないカッシーンが一体残されているが──

 

「ふん!」

 

 自由となったアクセルのエンジンブレードの一撃を受け、先のカッシーンたちと同様に倒れる。

 

「明光院君! 今のうちに人質を解放しなさい!」

「ああ!」

 

 ケイトはソウゴに向かって一直線に走り出す。イクサはイクサカリバーでカッシーンたちに追撃を与え、ケイトの邪魔をさせない為の援護をする。

 銀の光弾を浴びせられて身を丸めて防御するカッシーンたち。だが、亀のような体勢のまま背部のサブアームを展開。そこから発射される光弾でケイトを狙おうとする。

 

「させない!」

 

 イクサは光弾で素早くサブアームを狙い撃つ。六本あるサブアームの内五本はイクサの妨害により発射口を破壊されて光弾が発射不能になる。しかし、一本だけ狙いが外れてしまい充填されたエネルギーが今にも発射されそうになる。

 妨害が間に合わない、アクセルがそう判断する──

 

『スチーム!』

 

 ──エンジンブレードから大量の蒸気を放ち、その蒸気によってケイトの姿を隠す。

 白い蒸気により対象を見失うカッシーン。照準が定まらないまま光弾を発射するが、光弾は蒸気をすり抜けて廃工場の壁に当たった。

 狙いが外れた間にケイトはソウゴの許へ辿り着き、彼を拘束している縄を解こうとする。

 

「無事だな!?」

「うん!」

 

 ケイトはジカンザックスを斧モードに切り替え、その刃で手首を縛り付けている太い縄を切っていく。

 

「ぎ、がが、わ、わわわ、我がま、ま、魔王」

 

 ノイズ混じりの音声を発しながら不規則な動きで立ち上がるカッシーンの一体。明らかに様子がおかしい。

 

「きゅ、救世主、救世主、明光院、救世主」

 

 完全に不具合が生じており、頭部からバチバチと火花が散っている。すると、カッシーンはサブアームから光弾を乱射し始めた。

 

「くっ!」

「うっ!」

 

 乱射された光弾はアクセル、イクサに当たらなかったものの近くに着弾し、巻き上がる土煙で視界が遮られる。

 

「きゅ、救世主、我がままま、魔王、魔王、魔王」

 

 カッシーンは完全に故障し、バグを起こしていた。イクサナックルの電磁波がカッシーンの人工知能の一部を破壊してしまったらしい。

 

「我が魔王──抹殺」

 

 人工知能が故障した結果、あってはならない動作を引き起こす。カッシーンのサブアームの砲身がソウゴへと向けられた。

 

「──え?」

 

 ソウゴは思わず呆けた声を出してしまう。ソウゴの人生の中で命の危機に直面することはなかった。それを突き付けられた反応としては打倒である。

 

「何!?」

 

 ケイトは焦る。ソウゴの縄をまだ切ってはいない。ソウゴを運ぼうにも鉄柱に縛り付けてられているのでそれも叶わない。

 カッシーンの光弾が今まさに発射されようとしている」

 

(俺は──)

 

 考えるよりも先にケイトの体が動いていた。ソウゴの前に立ち、自らを盾にする。その直後に光弾が発射された。

 

(俺は──)

 

 その瞬間、全ての光景が時間を引き延ばされたようになる。

 これが走馬灯を見る直前の光景なのだろうか、とケイトは思った。自分の命を奪うであろう光弾がゆっくりとこちらへ飛んで来ている。

 離れた場所でケイトが自分を盾にしていることに気付き、こちらへ必死に向かって来るイクサとアクセルの姿が見えた。

 ケイトが自分を犠牲にしようとしている姿にソウゴがケイトの名を悲痛な声で叫んでいる。

 

(俺は──)

 

 カッシーンの光弾。それから感じ取る死。そして、ソウゴの声。

 その時、ケイトライドウォッチが赤く輝き、ケイトの脳裏に再び記憶にない記憶が流れる。

 そこにあるのは瀕死の自分とそれを見て涙を流すソウゴ。今にも死にそうな自分にあったのは友を守れたという満足感と守った友を泣かせてしまったという僅かな後悔。

 その記憶に触れた時、ケイトの中で一つの答えが出る。

 

(俺は()()こいつの前では死ねない!)

 

 強い覚悟と想い。その二つが重なり合った時、ケイトライドウォッチの輝きが頂点に達する。

 ケイトライドウォッチから発せられる赤い光がケイトを覆う。次の瞬間には光弾がケイトへ命中した。

 

「景都!」

 

 ソウゴは最悪の未来を想像してしまった。だが──

 

『仮面ライダーゲイツ!』

 

 ライドウォッチの呼び声と共に無傷のケイトがそこに立っている。

 

「──呼んだか?」

 

 ケイトの姿は大きく変わっている。全身の淡い赤色の装甲は激しく燃えるような濃い赤に変わり、仮面の中の小文字の『らいだー』という文字は今のケイトの覚悟を表すように仮面一杯に収まる大きな『らいだー』に変化していた。

 

「変わった……」

 

 ケイトからゲイツへと再変身を遂げたことにソウゴは理解が追い付いていない表情になる。

 一方ケイト改めゲイツの方は自分の変化に然程驚く様子はなかった。今まで以上の力を感じると共に欠けていたものが填まったかのようにしっくりと来る。

 ゲイツはジクウドライバーからゲイツライドウォッチを外し、弓モードにしたジカンザックスのスロットに填める。

 

『フィニッシュタァァイム!』

 

 ターゲットは暴走しているカッシーン。

 

「我が魔王、抹殺! 救世主、抹殺! 全て抹殺!」

 

 引導を渡す為に構えたジカンザックスのトリガーを引き、放す。

 

『ゲイツ! ギワギワシュート!』

 

 ジカンザックスから射られる真紅の光矢が暴走するカッシーンの頭部を射抜く。

 

「抹──」

 

 光矢が貫いた後、カッシーンの体は爆散した。

 カッシーンの一体を倒したゲイツだが、それだけでは終わらない。必殺技を放った直後にゲイツは既に動いていた。

 狙うは二体目のカッシーン。

 

『Oh! No!』

 

 弓から斧にモードは切り替えられ、ゲイツはジカンザックスを振り翳す。

 

『フィニッシュタァァイム!』

 

 二度目のフィニッシュタイム。ジカンザックスの刃が光を帯びる。

 仲間の爆発に気を取られているカッシーンの懐に入り込み、ジカンザックスの刃を押し当てると──

 

『ゲイツ! ザックリカッティング!』

 

 振り抜かれる強化されたジカンザックスの斬撃。カッシーンの胴体は一撃で切断され、時間差で上半身と下半身が爆発を起こす。

 間髪入れずにゲイツはその場で跳躍する。ゲイツが見詰める先には三体目のカッシーン。

 ゲイツライドウォッチはいつの間にかジクウドライバーに填め直されており、ゲイツはゲイツライドウォッチのスイッチとジクウドライバーのロックを続けて触る。

 

『フィニッシュタァァイム!』

 

 ジクウドライバーのロックが外れて傾く。ゲイツはジクウドライバーの上下を両手で挟み、一回転させる。

 攻撃が来ると身構えるカッシーン。だが、カッシーンは次に起こったことに目を奪われてしまった。

 カッシーンの隣に投影されるもう一体のカッシーン。両手を上げ、上半身を仰け反らせている。

 不可思議な現象を見ている間にゲイツは空中でキックの体勢に入る。すると、ゲイツの右足裏にある『きっく』という文字と仮面の『らいだー』という文字が無数に連なった状態で空中に映し出され、それはカッシーンへ伸びていた。

 

『タイムバースト!』

 

 その文字に導かれてゲイツは空中から急降下。右足から発せられる赤いエネルギーをカッシーンへ打ち込む。

 必殺のキックを胸部に受けたカッシーンはよろけ、投影された自身の姿と重なり合う。映し出されたもう一体のカッシーンが未来の自分の末路と知ると同時に爆散した。

 

「ふぅ……」

 

 立て続けカッシーン三体を倒したゲイツはそこでようやく一息吐く。

 ゲイツの変化に驚きながらも何処か吹っ切れた様子にソウゴ、イクサ、アクセルは賞賛の言葉をかけようとした。

 パチパチパチ、と廃工場内に拍手が響く。

 

「ようやく救世主としての覚悟が出来たみたいだね」

 

 不気味な程に満面の笑みを浮かべているウォズが現れる。

 

「我が救世主、明光院ゲイツ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・幕間 スウォルツ先生の時間外労働 その2

 

 それは熾烈な戦いであった。ゼインはゼインカードを駆使し多種多様な仮面ライダーの能力と武器を操り、幅広い攻撃を展開する。

 それを体一つで互角に渡り合うアナザーディケイドコンプリートフォーム21。

 側頭部から伸びる大きな角。顔にはプレートが格子状に填め込まれており、その奥で緑色の輝くゴーグル状の目。

 額にはアナザーディケイドコンプリートフォーム21の顔を小さくした第二の顔があり、そこから真っ直ぐ伸びる角。角の間には映像が投影されており、不安定なのか常に映し出される顔が違っている。

 銀とマゼンタが混合した体にも何箇所かプレートが刺さっており、腹部には眼球のようなベルトがあるが、そこに削られるように21という数字が刻まれている。

 

『エグゼイド!』

 

 ゼインはゼインカードをドライバーに挿入。

 

『執行! ジャスティスオーダー!』

 

 裁断されるエグゼイドのカード。すると、ゼインを中心にして光が広がっていき今ある景色が別の景色に置き換えられていく。

 エグゼイドの能力によりゲームエリアという特殊空間に生成された。その中はデータが実体化出来る上に自身をパワーアップさせるエナジーアイテムも獲得出来る。だが、ゼインの目的はそれではない。

 ゼインが立てた人差し指を口の前に持ってきた。静寂を促すジェスチャーを見せた瞬間、音が消えた。アナザーディケイドコンプリート21も停止している。

 ゼインはゲームエリア内限定だが時間停止を行ったのだ。

 神に匹敵する能力を行使したゼインはそのままゆっくりとアナザーディケイドコンプリート21へ近付いていくが──不意に足が止まる。

 時間停止の世界。ゼイン以外動くことを許可されていない筈の空間。だというのにアナザーディケイドコンプリート21の体は動き出し、虚空に拳を叩きつける。

 その瞬間、ゲームエリアは砕け散り時間停止も解除される。

 

「この程度か?」

 

 時間停止すらも嘲るアナザーディケイドコンプリート21。

 

「俺はまだ全力を見せていないぞ?」

 

 アナザーディケイドコンプリート21の背中から翼が広げられる。良く見れば翼を構成するのは羽根ではなく異形たちが描かれたカードであった。

 ゼインは下げていた手を上げ、アナザーディケイドコンプリート21も構えようとするが──

 

「止めましょう」

 

 ──ゼインの方から戦いの中断を申し出る。

 

「何? 何のつもりだ?」

「貴方はアウトサイダーズに匹敵、いやそれ以上の強さを持っている。だが、悪意は感じられない──醜悪な見た目に反して」

 

 一言多いがゼインはアナザーディケイドコンプリート21を悪と判断しなかった。

 

「俺に悪意を感じないと?」

「ゼロではないですが私の基準値には達していません。もしや……貴方は改心したのですか?」

 

 その言葉にアナザーディケイドコンプリート21は呆れ、戦意が薄れる。

 

「馬鹿馬鹿しい」

「改心した者を悪として裁くのは私にプログラムされた正義が許可しません。だが、一度悪として染まった者は何かの切っ掛けで悪の道に戻るのも事実」

「何が言いたい?」

「しばらくの間、貴方を観察します。改心した悪というのは稀少なデータですから」

 

 ゼインの一方的な考えにアナザーディケイドコンプリート21は溜息を吐く。

 

「──なら俺を手伝え。この世界はお前のような余所者が良く来る。それの排除だ。意見は求めん」

「いいでしょう。私ももっと色々なデータが欲しいので」

 

 

 




ゼイン「思っていたのと違う……」
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