仮面ライダージオウIF NEXT TIME~ゲイツマジェスティ~   作:K/K

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アナザーソーサラー2013

 ウォズは怒気や殺気を海東に向けつつも内心は冷静であった。怒りや殺意に身を任せないのは海東の手にウォズのタブレットが握られているからである。

 使用者故にそのタブレットの強力さは十分知っている。可能性がゼロではない限り如何なる未来を導くことが出来る。

 内容次第ではウォズを亡き者にすることも、奪われた仮面ライダーの力を取り戻すことも可能である。

 海東の動向に細心の注意を払いながらゆっくりと移動しようとする。

 

「おっと。不審な行動は止めたまえ」

 

 海東はウォズを挑発するようにわざと音を立ててタブレットに文字を書き込む。

 ウォズがその音に反応して動きを止めると海東も書くのを止めた。

 

「つくづく君は質の悪い泥棒だよ」

「泥棒と呼ぶのは止したまえ。僕は怪盗さ」

「強盗の間違いじゃないのかい? そっちの方が君に似合っているよ」

 

 ウォズが皮肉を言うと海東は無言でまたタブレットに何かを書き始める。

 

「はいはい。君は怪盗さ」

 

 ウォズが投げやりに肯定すると海東はタブレットに書くのを中断する。

 

「それで? いつまでこんな事をしているつもりかな?」

「君が大人しく僕の仮面ライダーの力を返してくれるのならすぐにでも終わるさ」

 

 するとウォズが海東を鼻で笑う。

 

「怪盗が盗まれたものを『返して下さい』と懇願するのかい? 成程、大した怪盗だ」

「他人の力をあてにしている救世主様にそんなことを言われたら立つ瀬がないなー」

 

 嫌味には嫌味で返す。どちらも相手を煙に巻くことが多いので自然と舌戦に入ってしまう。

 

「強盗風情が偉そうに。力尽くでしか他人も物を盗めないくせに」

「忠臣を演じて力を掠め取ろうとしている君は僕よりも盗人の才能があると思う。誇りたまえ」

 

 口調は穏やか。だが、どちらも的確に癇に障ることを言うので海東もウォズもこめかみに血管が浮き出し始めている。

 このまま舌戦がヒートアップしていくのかと思いきや、ウォズの方がぐっと我慢する表情をした後、長い溜息を吐く。

 

「──不毛だ」

 

 冷静になり海東のペースに乗せられても何も解決しないと思ったウォズは言い争いを一方的に打ち切る。

 

「私のアナザーライダーたちの妨害をしてきた仮面ライダーたちは恐らく君の差し金だろう。どれだけ必死になって搔き集めたのかは知らないが」

「僕が頼んだら快く引き受け──」

「絶対に嘘だ」

 

 この場合、ウォズの言っていることが真実であった。海東の協力要請を引き受けてくれたのは殆どが彼らの善性によるものであり、協力してくれた仮面ライダーたちは全員海東のことを信用していないし快くも思ってもいない。

 

「そうやって決めつけるのは止めたまえ」

「君はそんな噓を吐いて虚しくならないのかい?」

 

 ウォズの中では海東に人望が無いことは決定事項であり、それに関する海東の言葉を全て戯言と切って捨てる。

 一瞬たりとも信じないウォズの頑な態度に海東も閉口してしまう。

 

「君のつまらない冗談は十分だ。それよりも明光院ゲイツの居場所を教えてくれないか? 何なら魔王の居場所で妥協してもいい。これ以上無駄なことに時間を割きたくない」

「僕が言うと思っているのかい?」

「私なりの慈悲だということに気付かないのかい? 出涸らしの君に最期のチャンスを与えてあげているんだ──それとも自分自身の力で滅びるのがお望みかな?」

 

 ウォズの手に握られるアナザーウォッチ。そこに映し出されている異形に海東は眉を顰める。

 

「今の君の力じゃそんなに遠くへ運べない筈だ。この周囲には私の配下のアナザーライダーたちも潜ませている。捕まえるのも時間の問題だ」

「だったら君はアナザーライダーたちが捕まえるのを待てばいいじゃないか」

「言っただろう? これは君へのチャンスだ。私に媚びる為の、ね」

 

 今まで散々邪魔をしてきた海東が屈服する姿が見たくて、わざと嬲るように如何に形勢が自分の方が有利であるかとウォズは語る。

 

「君は僕のことを全く理解していないみたいだ」

「ほう?」

「僕は誰かに媚びるのも頭を下げるのも大嫌いなのさ。覚えておきたまえ」

「君に人望が無いのは理解したよ」

 

 ウォズが吐き捨てアナザーウォッチを起動させようとする。その瞬間、海東はネオディエンドライバーの銃口をウォズに向けていた。

 

「仮面ライダーの力を失ったガラクタで私とやり合う気かい?」

「ここで決着をつけよう」

 

 ネオディエンドライバーが火を噴くのが早いか、ウォズがアナザーウォッチのスイッチを押すのが早いか。たった一本の指の動きで両者の生死を分ける。

 廃工場内に緊迫した空気が流れ、今まさに雌雄が決しようとした時──

 

「何てね」

 

 ──海東は真剣な態度を止め、ネオディエンドライバーの銃口を外してしまう。

 

「何の──」

 

 つもりだ、と言う前に海東の背後に銀色のオーロラが展開される。

 

「お宝は一つ取り戻したし、後は彼に任せるとしよう。元は彼と君との問題だしね」

 

 最初からタブレットを盗むことが目的だった海東。ウォズと戦う気など全く無かった。そうとは知らずウォズは海東の茶番に付き合わされていた。

 

「じゃあね」

 

 海東はウォズに手を振り、離脱してしまう。残されたのはタブレットをまんまと奪われたウォズだけ。

 

「随分と私を虚仮にしてくれるな……!」

 

 瞬間、ウォズの怒りが噴き出すがそのまま数秒間沈黙する。怒りに満ちていた形相はその数秒の間に普段の冷めた表情に戻る。

 

「ふぅ……私としたことが……」

 

 海東に乗せられていることに気付き、無理矢理怒りを押し込めた。我慢することは癪に障るが狙い通りに動かされることの方がもっと腹が立つ。

 冷静になりこの後自分がすべきことを考える。

 

(まずはゲイツ君の確保とその力の奪還。それが最優先だ。私が用意していたアナザーライダーたちがいずれは見つけ……待て)

 

 思い返して海東の不審な点があったことに気付く。

 

(私がアナザーライダーで彼を探していると言っても動揺がなかった。それに海東大樹はこうも言っていた『ここで決着をつけよう』とあれはもしかして私だけでなくアナザーライダーたちのことも言っていたのでは?)

 

 海東にあった余裕。そして、彼のこれまでの行動。そこから推測するに海東自身もまたこの場所で終わらせるつもりであったとしたら。

 

「協力している仮面ライダーたちを集めている可能性がある」

 

 持てる手札全てを導入して総力戦を挑もうとしている。

 

「なら甘い考えだ」

 

 険しい表情から一転し、ウォズはニヤリと笑う。

 

「イクサとアクセルと同様に彼のマジックランドへ全員ご招待だ」

 

 

 

 ◇

 

 

「うし! いっちょやってやるか!」

「おうよ!」

 

 廃工場の敷地内にて気合いを入れるのは仁藤と万丈。その後ろでは伊達と後藤もいる。

 

「伊達さん。まだ海東の姿は見えませんがどうしますか?」

「そん時は俺たちが先に動くしかない。こういう場合を想定してあれを貰ったんでしょ? 後藤ちゃん」

 

 彼がこの場所に集まっているのは海東からの指示である。前以って景都が狙われていることを知らされていた彼らは、景都と顔見知り故にこうやって来てくれた。

 

「早いとこ明光院を見つけないとな。前みたいに変な連中に襲われる前に」

 

 海東の性格で敵についての詳細は教えられていない。第三者が見れば不審な点が多過ぎるが、彼らの善性のお陰で集まったのだ。

 万丈以外は顔見知りだが、集まった際に軽く自己紹介をしたら人間性が嚙み合ったのか早く打ち解けた。

 

「明光院の助っ人に行かないとな!」

 

 そう意気込み万丈が先陣を切る。それに仁藤も続こうとするが──

 

「っ! 待て!」

 

 ──何かに気付き、万丈を止めようとする。

 

「え?」

 

 その瞬間、万丈の足元に魔方陣が出現し、中にいた万丈は一瞬で消えてしまった。

 

「魔法!? おい! 伊達先生──」 

 

 何が起きているのか仁藤だけが把握し、振り返り伊達たちへ警告しようとする。だが、そこに伊達たちは居なかった。

 

「やられた……!」

 

 既に相手が罠を仕掛けていたことに気付くが手遅れ。仁藤の足元にも魔方陣が展開される。

 足元から放たれる魔方陣の輝き。仁藤は自分もまた何処かへ転移させられると理解しながら逃げる素振りを見せない。

 

「──上等だ。相手になってやるぜ!」

 

 仁藤はこの魔法の元凶を断つ為に敢えて動かなかった。それからすぐに仁藤も魔方陣によって転移させられる。

 廃工場の敷地内に静寂が降りる。

 伊達たちが転移させられて少し経った頃、静寂を破る一人の足音が聞こえて来る。

 

「……まだ誰も来ていないのか?」

 

 スーツ姿の貴虎であった。

 海東から招集は受けたものの貴虎はユグドラシルコーポレーションの重役。そう簡単には自由な時間は作れない。信頼出来る部下や優秀な弟に仕事を頼むことで何とか時間を作っていた。

 合流に遅れたのは部下たちに仕事の進捗状況の確認、指示を出していたからである。

 貴虎は遅れて来たせいで置いて行かれしまったと最初は思ったが、廃工場内からは戦闘音は聞こえて来ない。

 

(誰もいないのならここで待機しておくべきか? それとも探しに中へ入るべきか?)

 

 二択を迫られる貴虎。ただ海東からは協力者はいると聞いているものの草加以外の顔は知らない。下手な行動すればトラブルになる可能性もある。

 

(ちっ。もう少し詳細を聞いておけば……いや、奴がこちらの言うことを簡単に訊く筈がない)

 

 どうにもこちらを利用してやろう、という考えが海東から透けて見えるので、貴虎はいまいち海東への信用が低い。

 どう動くべきか、と貴虎が真剣に考えている最中貴虎はいつの間にか魔方陣の真ん中に立っていることも気付かず、異常事態に気付かないまま転移させられてしまった。

 

 

 ◇

 

 

「何処だここ?」

「いつの間に……!?」

 

 何か光ったかと思えば、全く見知らぬ場所へ移動させられていた伊達と後藤。

 そこは廃れた王室というような場所であり、元は絢爛であっただろう内装は薄汚れ、破れ、埃を被っている。

 カサカサギチギチ、と小さな何かが擦れ合う音が二人の耳に入って来た。二人はその音に聞き覚えがある。

 音の方向へ目を向ければ、そこには半壊の玉座。その玉座にはズタ袋で覆われた落書きのオーズ擬きが腰掛けている。

 

「あいつ……!」

「オーズの偽者!」

 

 決着がつけられなかったオーズ擬き──アナザーゴーダは二人がやって来たのを見て相変わらずぎこちない動きで玉座から立ち上がる。

 

「──伊達さん」

 

 後藤は自らのバースドライバーを伊達に手渡す。

 

「久しぶりだなー、普通のバースを使うのは。……後藤ちゃんはそいつを使うのか?」

「ええ。出し惜しみ出来る相手ではないので」

 

 後藤は新たなバースドライバーを取り出すが、それは通常のものとは異なりドライバーの左側にXのマークが付いた縦型の拡張スロットが設けられている。

 伊達も後藤も知らない新たなバースドライバー。海東から手渡された未知なる力。

 危険性を感じない訳ではないが、アナザーゴーダを倒すには初戦時以上の力が必要となるので使用を解禁する。

 必要となるので使用を解禁する。

 二人はドライバーを装着。伊達はセルメダルを出すが、後藤が取り出したのは三枚のメダル。それぞれにサソリ、カニ、エビの刻印がされていた。

 セルメダル以上の力を秘めたコアメダル。本物のオーズもまたこれを使用して変身する。つまりオーズと同等の力を得ることを意味する。

 伊達はセルメダルをバースドライバーに投入。後藤もまた三枚のコアメダルを拡張スロットに入れる。

 

『変身!』

『エビ! カニ! サソリ!』

 

 二人は右側のレバーを回すと中央のカプセルが開き、装甲が転送される。ただし、後藤の前方には投入されたコアメダルが横並びに出現し、それらが開いたカプセル内に取り込まれて装甲を変化させる。

 

『ババーバ、バースゥ! バーバーバーバース! エェェェェックス!』

 

 伊達は通常のバースに、後藤はバースとは異なる姿となる。

 下半身はオレンジ色の装甲。両腕の装甲もピンクに変化。両肩のアーマーは鋭角になり、胸部には金と水色の二重ラインでのXのマーク。U字型のカメラアイの部分は水色に着色され、額にも同色によるXのマークが追加されていた。

 

『ソカビ!』

 

 三つの生物の力を取り込んだ新生のバース──仮面ライダーバースX。

 姿を変えた二人のバースが再びアナザーゴーダへ挑む。

 

 

 ◇

 

 

「何だここは!?」

 

 思案している間にいつの間にか知らない場所へ転移されていたことに驚く貴虎。

 そこは何処かのドームと思われるが観客は誰一人として存在しない。

 広々としたドーム中央に立つのは貴虎──と彼を獲物としてアナザーオーガ。

 

「何だあの化け物は……」

 

 来て早々に知らない場所へ連れて来られ、しかもそこで巨大な怪物──アナザーオーガと対峙させられる。常人ならばフリーズしてしまう展開だが、貴虎は即座に戦闘態勢に入る。

 戦極ドライバーを装着し、相手が相手なだけにあのロックシードを使用しようとする。だが、その時アナザーオーガが咆哮を上げ、先端が二又に分かれた棍棒で地面を掬い上げる。

 砕けた地面が散らばりながら弾丸のように飛ばされる。直撃すれば骨折どころか穴が開く。

 出し掛けたロックシードを持ちながら横飛びで破片から間一髪逃れた貴虎。しかし、小さな破片がロックシードのシャックルに運悪く命中し、貴虎の手から飛ばされてしまう。

 

「なっ!?」

 

 急いで探そうとするがロックシードは地面を滑って遥か後方へ行ってしまう。アナザーオーガを背に探すのは流石に自殺行為である。

 

「やむをえん……!」

 

 戦極ドライバーに増設ユニット──ゲネシスコアをセット。メロンロックシードとメロンエナジーロックシードを同時に使用する。

 

「変身!」

『メロン!』

『メロンエナジー!』

『ロックオン! ソイヤッ!』

 

 貴虎の頭上に二つのメロンが出現し、一つに合わさる。

 

『ミックス! メロンアームズ! 天・下・御・免!』

 

 一つとなった黒いアームズが落下し、貴虎に被さると展開して鎧と化す。

 

『ジンバーメロン! ハハッー!』

 

 仮面ライダー斬月ジンバーメロンアームズへ素早く変身すると、斬月は流れるような動作でソニックアローから光矢を射った。

 

 

 ◇

 

 

「ああん?」

 

 万丈は怪訝な声を出す。さっきまで廃工場が見える場所に居たのに、いつの間に舗装された道路の上。見渡す限り建物が並んでいる。

 

「どうなって──って誰もいねぇ!?」

 

 事情を聴こうにも伊達たちが居ない。一人だということに今気付く。

 

「くそ……意味わかんねぇ」

 

 自分の置かれている状況を全く把握出来ない万丈。深く考えようとすると脳みそが熱を帯びる。

 

「──うん?」

 

 肌を突き刺すような感覚を覚え、万丈は考えるのを止めた。

 視線の先には四体の異形。万丈が討ちそびれたアナザーブラッド・コブラたちが並び立っている。

 

「リベンジマッチか? いいぜ」

『覚醒!』

 

 万丈はビルドドライバーを装着し、そこにグレートドラゴンエボルボトルを挿したグレートクローズドラゴンをセット。

 

『グレェェトクロォォォズドラゴン!』

 

 ビルドドライバーのハンドルを回すと聞こえる『Are You Ready?』の音声。

 

「変身っ!」

 

 周囲に展開されたチューブ内にドラゴンの成分が流れ、固体化して装甲となり万丈を前後から挟む。

 

『ウェイクアップ! クローズ! ゲット! グレートドラゴン! イェェェ!』

 

 仮面ライダーグレートクローズへと変身した万丈はファイティングポーズをとる。

 

「おっしゃあ! 来い!」

 

 四対一であっても臆する様子のないグレートクローズ。

 すると、アナザーブラッド・コブラは体を震わし、血管のような管を伸ばしてシザーズ、ゼブラ、ドラゴンに突き刺す。

 

「うん?」

 

 管が突き刺さったドラゴンたちの体は見る見るうちに原型を失い、赤い液状となって管に吸い込まれていく。

 三体を取り込んだアナザーブラッド・コブラが膨張していく。巨体を支えるように新たな四肢が胴体から生え、背中にはマントのような翼も生えて来る。

 アナザーブラッド・コブラの首元が膨れ上がっていくとそこから新たな頭部が生え、元からあったコブラの顔と並ぶ。

 アナザーブラッド・コブラに付けられた蛇を模した半分に割れた黒い仮面。そして、新たに生えて来た頭部に付けられたのはドラゴンを模した割れた仮面。二本の首が並ぶと仮面同士がくっつき合い一つとなる。

 四体の異形は一つとなって咆哮を上げると赤い液状の体が波打つ。翼が広げられ、そこには『BLOOD』と『2018』の刻印がされていた。

 

「合体しちゃったよ……」

 

 アナザーブラッドの登場にグレートクローズは啞然とした様子で呟く。

 

 

 ◇

 

 

 仁藤が降り立った場所。そこは無数の人骨が地平線の彼方まで広がっていく悪夢のような大地。

 

「何だこりゃあ……悪趣味過ぎるだろ……」

 

 嫌悪感を露にしながら仁藤はこの異常な空間を見回す。

 

「アンダーワールドか……?」

 

 自分が知る異空間と似たものを感じ取るが確証はない。もう少し詳しく調べようとした時、骨を踏みつける音が聞こえる。

 

「お前が元凶か?」

 

 さっきまで自分一人しか居なかった空間内に突如として現れる怪人。仁藤と怪人と視線をぶつけ合う。

 その怪人は金と黒を主としており、体の各所に鱗のような形をした金と黒の装甲を付けている。手には武器として骨から削り出されたハルバードを持っていた。

 腹部にはドライバーらしき物体を装着しており、中央部分は恐竜の足跡のように凹んでいる。

 背中には人骨を組み合わせたようなマントらしきものを羽織っており、歩く度に骨同士が擦れ合い不愉快な音を鳴らす。

 怪人は魔法使いが被る鍔が広い金と黒の三角帽子を被っているのだが、顔が完全に隠れる程に深く被っていた。

 顔が隠れる程三角帽子を被っているのならどうやって仁藤と視線が合うのは不思議に思うかもしれないが、仁藤と目があったのは怪人ではない。

 三角帽子の先端。そこに飾りのようにして付けられているドラゴンの頭部らしき物体。ミイラ化しているのだが元からそんな色なのかくすんだ金色をしている。そのドラゴンのミイラの窪んだ眼窩と仁藤は視線を衝突させていたのだ。

 帽子の鍔の縁には沿うように『SORCERER』『2013』と描かれている。

 アナザーソーサラーを前にして仁藤は指に指輪を填める。

 

「誰だか知らねえが、とっとと倒して脱出させてもらう!」

『ドライバーオン!』

 

 銀の指輪を腹部前に翳すと銀色のドライバーが装着される。

 

「変──」

 

 雄々しい構えをとった後、左手に填められたライオンの指輪をドライバーの側面に挿す。

 

「──身!」

『セット! オープン!』

 

 ドライバーが左右に開き、金のライオンのレリーフが現れる。

 

『L! I! O! N! ライオーン!』

 

 ドライバーから魔方陣が出現し、それが仁藤の体を通過すると彼を変身させる。

 ライオンをモチーフとした金色の魔法使い──もとい仮面ライダー。

 仮面ライダービーストがアナザーソーサラーと対峙する。

 

「さぁ、食事の時間(ランチタイム)……じゃねぇな……よし! 腹ごしらえの時間(バトルタイム)だ!」

 

 




まだ登場していないライダーたちは次回で。
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