仮面ライダージオウIF NEXT TIME~ゲイツマジェスティ~ 作:K/K
カチドキアームズを纏った斬月は、両肩の旗──カチドキ旗を引き抜く。一対の旗が風に揺れ、斬月の紋章が波打つ。
「呉島! 奴は体を自由に変えられる! 構成している文字も一つ一つ消しても意味はない! やるなら纏めて一気に消せ!」
戦いが始まる直前にネクストカイザは事前の戦闘で得た情報を斬月に伝える。
「そいつは見た目に反して動きが素早い! 気を付けろ!」
礼の代わりに斬月も得た情報を返すが──
「もっと役に立つ情報をくれないかなぁ……?」
既にネクストカイザも知っている情報だったので嫌味が返って来た。
「──すまん」
ネクストカイザと比べても貧相な情報だと自覚しているので、素直に謝罪する。ネクストカイザは鼻を鳴らし、自分の戦闘に集中する。
斬月もアナザーデュークDEAとの戦いに集中しながらも、その姿の異形さに不快感を覚える。元になったであろうライダーを知っているせいで余計に気持ち悪く感じる。
「質の悪い偽者だな」
アナザーデュークDEAの存在を唾棄すると、それが相手に伝わったのかアナザーデュークDEAは『創世弓』から『矢』を放つ。
文字から文字が射られる様子に驚きながらも斬月は左のカチドキ旗を振るう。すると、カチドキ旗から緑色の渦が発生し、射られた『矢』はその渦によって軌道を乱され、明後日の方向へ飛んでいく。
「その程度か?」
今度は右のカチドキ旗を振るうと弧状の緑の衝撃波が放たれ、二射目を発射しようとしていたアナザーデュークDEAの半身を切り裂く。
弦を引く筈であった手が胴体ごとアナザーデュークDEAから切り離されていく。しかし、斬月の放った衝撃波の断面が非常に綺麗だったせいか、離れながらも断面の文字同士が繋がり合い、一気に引き寄せて元に戻る。そして、何事もなかったかのように『矢』を射ろうとする。
「──成程」
アナザーデュークDEAの再生の仕方を見ても特に驚きはしない。事前に情報を聞いていたこともあるが、少々厄介だと思う程度で脅威には感じられない。
「やはりその程度か」
もう一度同じ台詞を言う。若干ニュアンスが変わっており、アナザーデュークDEAの実力を把握した響きがある。
アナザーデュークDEAは、今度は連続して『矢』を放つ。だが、斬月がカチドキ旗を振り回せば、『矢』の束は簡単に弾き飛ばされていく。
間を置かずに連射するアナザーデュークDEA。止まらずに全て防いでいく斬月。やがて、アナザーデュークDEAの攻撃に間が生じる。その瞬間に斬月はカチドキ旗を大きく払った。
緑の渦が生じるがアナザーデュークDEAはすぐに渦の範囲外に逃げている。斬月の攻撃は空振りした──と思われる次の瞬間にアナザーデュークDEAの体が真横に吹っ飛ぶ。
アナザーデュークDEAを吹っ飛ばしたのは、斬月が手放していたメロンディフェンダー。地面に落ちていた筈のそれがアナザーデュークDEAをシールドバッシュで突き飛ばしたのだ。
離れた場所に置かれていた筈のメロンディフェンダーがどうしてそんなことが出来るのか。その答えは斬月が振るうカチドキ旗。
斬月がカチドキ旗を振り上げるとその動きに連動してメロンディフェンダーもまた宙へ浮き上がる。
斬月はすかさずカチドキ旗を振り下ろす。カチドキ旗から放たれる衝撃波が地面を裂きながら突き飛ばされていたアナザーデュークDEAに追い打ちを掛ける。
体勢を立て直した直後のアナザーデュークDEAは回避する余裕がなく、『創世弓』で衝撃波を受け止めた。衝撃波によりじりじりと後退させられていくアナザーデュークDEAであったが、間もなく耐え切れなくなる。
何故なら時間差で落下して来たメロンディフェンダーがアナザーデュークDEAの肩に突き刺さったからだ。
メロンディフェンダーの先端部には刺突の為の刃が付けられており、刺さった瞬間に落下の勢いと重さでアナザーデュークDEAの肩を腹部辺りまで切り裂き、『創世弓』を支えていた腕が体から剝がれるように垂れる。
片腕だけでは衝撃波に耐えられず、アナザーデュークDEAは衝撃波に呑まれる。
このまま衝撃波の中で跡形もなく朽ち果てるかと思われたが、アナザーデュークDEAも凡庸なアナザーライダーではない。
アナザーデュークDEAの体内にある『火龍果』という文字が飛び出し、『創世弓』の文字と重なると『ロックオン』という新たな文字が生じる。
その状態の『創世弓』を片腕で振るう。『火龍果活力』という赤文字が『創世弓』から飛び出し、赤文字が衝撃波を切り裂き、窮地を脱する。
「──ふん。紛い物でも多少はやるということか」
斬月はそれ以上攻撃を加えることはせず、それどころかカチドキ旗を手放す。斬月が手を引くとアナザーデュークDEAに刺さっていたメロンディフェンダーが戻っていき、斬月の手の中へ収まる。
すると、斬月はメロンディフェンダーを地面に突き立てた。
「来い。お前の全力を見せてみろ」
斬月は敢えてアナザーデュークDEAに再生と攻撃の為の猶予を与える。そこにあるのは強者としての余裕──ではなく、紛い物であるアナザーデュークDEAを徹底的に否定しようとする冷徹な怒りと殺気しかなかった。
アナザーデュークDEAは斬月に命じられたように『創世弓』で射る構えをとる。その慌ただしさは斬月の怒気と殺気を恐れている風に取れる。
『創世弓』に『ドラゴンフルーツ』という文字が重なり、再び『ロックオン』という文字が浮かぶ。『矢』という文字が『ソニックボレー』に変化し、赤く発光する。
必殺の一撃を放つ準備を進めているアナザーデュークDEAの前で斬月は虚空から新たな武器を取り出した。
大型の火縄銃を模したアームズウェポン。側面には起動とリロードの為のターンテーブル、出力調整の為のスイッチ、ロックシードを填め込むスロットが設けられている。
アームズウェポンは火縄甜瓜DJ銃という名であり、斬月カチドキアームズの専用武器である。
この状態でも強力な重火器であるが、斬月はそれよりも好んで使う形態が存在する。
大きな銃口の下部に折り畳まれたパーツを真っ直ぐ伸ばす。パーツ展開の後、銃口に無双セイバーを突き刺した。
火縄甜瓜DJ銃の銃口から引き金部分に掛けて上部に緑の刃が付けられているが、無双セイバーと合体したことでグリップ部分内に収まっていた刃が現れ、繋がることで長い刃となる。
両手で抱える程の火縄甜瓜DJ銃から子供の背丈程ある大剣へと形態を変える。斬月は無双セイバーの柄を掴み、それを片手で持ち上げた。
大剣モードとなった火縄甜瓜DJ銃で正眼の構えをとる斬月。アナザーデュークDEAも必殺の一撃を放つ準備が整い、構えている斬月に向け『ソニックボレー』を射る。
音速の矢『ソニックボレー』が斬月の正面から迫る。飛来する『ソニックボレー』に対し、斬月は右手を銃身下部にあるもう一つのグリップに添える。
『ソニックボレー』が斬月に命中する寸前、斬月は構えていた火縄甜瓜DJ銃を真っ直ぐ振り下ろす。
『ソニックボレー』と大剣が接触すると赤と緑のエネルギーの火花が散った。
「はぁ!」
だが、斬月が気迫を込めた声と共に火縄甜瓜DJ銃を振り切ると『ソニックボレー』の文字は簡単に両断され、左右に分かれて飛んでいってしまう。
アナザーデュークDEAが持てる最強の一撃であったが、斬月のただの振り下ろしにより呆気無く断たれてしまった。
「どうした? これで終わりか?」
何事もなかったかのように斬月はアナザーデュークDEAに問う。
「この世には覆すことすら考えることも出来ない理不尽が確かに存在する。だが、俺はその理不尽は決して覆せないものではないことも知っている。抗い、最後まで諦めず挑み続けることが出来たのならな」
斬月の経験の積み重ねにより出来た言葉。
「お前はどうだ? この理不尽を覆してみせるか? 尤も──」
斬月は火縄甜瓜DJ銃を肩に担ぎながらメロンディフェンダーを手に取る。
「俺も諦めるつもりは微塵も無いが」
最強の剣と盾を持って立ち塞がる斬月。正に理不尽を体現したかのような強者の姿であった。
◇
ネクストカイザに変身した草加が最初に感じたのは、元のカイザとの驚くぐらいの違和感の無さであった。姿形はカイザと比べると装甲が増したように感じられるが、それ以外気になる点が全く無い。
まるで最初から草加の為だけに造られたかのような一体感。だが、逆にそれが草加にとっては不愉快であった。
その不愉快さは怒りに変換され、そして目の前敵──アナザーオーガにぶつけられる。
「──何をジッと見ているのかなぁ?」
ネクストカイザで在る姿を見ているアナザーオーガ。その目に映ることもネクストカイザの怒りが増す要因になる。
ネクストカイザはカイザフォンXXの画面に触れる。液晶には様々なアプリがあるが、ネクストカイザにはどれがどんな武器であるのか情報がネクストカイザの機能そのものから伝達されていた。
ネクストカイザの指先が数あるアプリの一つに触れる。
『Kaixa Crosslasher Materialize』
認証音声の後、ネクストカイザの両手に黄色の光が発生し、それが実体化する。
形状はカイザブレイガンを小型させた一対の短刀。Χという文字にも4という数字にも似ている。
カイザブレイガンとは異なり先端から刃が出ているのではなく、射線部分に最初から黄色の刃が展開している。
音声から武器の名はカイザクロスラッシャー。ネクストカイザは縦に突き出た柄部分を順手で掴む。続いてカイザクロスラッシャーを半回転させ、刃の反対側を持つと逆手に変わる。最後に横から突き出た柄部分を握るとトンファーのような構えになる。その際に順手で持った柄部分が突き出す形になるが、柄頭には銃口が備わっていた。
握り方次第で戦い方も変わる複合武器。初めて扱うには難易度の高い武器ではあるが、ネクストカイザは手慣れた動きで今の動作をもう一周する。
「──ふん」
もう理解したと言わんばかりカイザクロスラッシャーをトンファーとして構えた。
未だにネクストカイザを警戒し、仕掛けて来ないアナザーオーガ。言葉で挑発しても通じないと判断すると、もっと分かり易い直接的な挑発をする。
ネクストカイザは、カイザクロスラッシャーを自分の首元まで持ち上げ、喉を搔っ切るジェスチャーを見せる。
このシンプルな死刑宣告にアナザーオーガも頭に血が昇ったのか、単眼が膨張し限界まで見開かれる。
そして、雄叫びを上げると発光する棍棒を振り上げてネクストカイザに突進してくる。
アナザーオーガの獣染みた行動を鼻で笑いつつネクストカイザはその場から動かない。すぐにアナザーオーガとの距離は縮まり、巨体の分間合いが広いアナザーオーガはネクストカイザから数メートルも離れた位置で棍棒を振り下ろした。
棍棒が地面を叩き砕く。ネクストカイザの姿も棍棒により隠されてしまった。しかし、アナザーオーガはすぐに棍棒を振り上げ、周りを確認し出す。アナザーオーガは棍棒からの手応えの無さで分かっていた。ネクストカイザが直前に攻撃を躱していたことに。
単眼をギョロギョロと動かし、ネクストカイザを捉えようとする。
「誰を探しているのかなぁ?」
ネクストカイザの声。場所はアナザーオーガの背後。アナザーオーガはすぐに振り返るがネクストカイザの姿は無い。
その直後に鋭い痛みがアナザーオーガの両脛に走る。アナザーオーガの両脛には深い切傷が刻まれており、またアナザーオーガが見失ったネクストカイザは再びアナザーオーガの背後に立っている。
アナザーオーガが振り返る一瞬の間にネクストカイザはアナザーオーガの股下を通り抜け、両脛をカイザクロスラッシャーで斬りつけていた。
両脚を傷付けられ、咄嗟に反転出来ないアナザーオーガ。ネクストカイザはカイザクロスラッシャーの銃口から光弾を発射し、アナザーオーガのアキレス腱部分を撃つ。脚を前後から破壊されたアナザーオーガは立っていられなくなり、両膝を地面に着けた。
カイザブレイガンやソニックアローでも深手を負わなかったアナザーオーガの肉体が、カイザクロスラッシャーの一振りと一射で立てなくした。カイザの時よりも動きが良くなり、武器の威力も格段に上昇している。
簡単にアナザーオーガの機動力を奪ったネクストカイザ。だが、アナザーオーガの獣性と怒りは足を奪われただけでは治まらない。
アナザーオーガは滅茶苦茶に棍棒を振り回し、ネクストカイザを遠ざける。ネクストカイザが十分離れたのを見ると、アナザーオーガは持っていた棍棒を口に咥える。そして、両手も地面に付けた。両脚の自由を奪われても両手、両膝による四足で走り出す。
アナザーオーガの突進は重戦車の如き迫力があったが、ネクストカイザを臆させるには足りない。ネクストカイザは冷静にカイザフォンXXのアプリに触れる。
『Exeed Charge』
と液晶に表示され、音声も告げる。
ネクストカイザの全身を巡る二重線が発光し、カイザクロスラッシャーにフォトンブラッドがチャージされる。
ネクストカイザはカイザクロスラッシャーを順手に持ち替え、アナザーオーガを待ち構える。
アナザーオーガは首を動かし、金色に光る棍棒でネクストカイザを打ち砕こうとするが、ネクストカイザもまたカイザクロスラッシャーを振り下ろし、交差させる。
空中に浮かび上がるXの文字。ネクストカイザとアナザーオーガがすれ違う。どちらも無傷──かと思われたが、アナザーオーガの棍棒が根本から切断され、アナザーオーガの巨体側面にも深い切傷が出来ていた。
あの一瞬の交差でどちらが上なのか完全に決定付けられる。武器を失った上に深い傷まで負ったアナザーオーガに最早勝ち目などなかった。
故にネクストカイザはこの戦いを早々に終わらせに向かう。
「呉島」
ネクストカイザは事を起こす前に斬月に一声掛ける。斬月はネクストカイザの方を向かなかったが、耳だけは傾けていた。
「纏めてやる。跳べ」
聞いているか聞いていないか関係なく忠告だけはしておく。それで巻き込まれたとしても聞いていなかった斬月が悪いとしか思っていなかった。
だが、斬月にはちゃんと声は届いており、何をするのか確認することもなくその場で跳躍した。
「──ふん」
ネクストカイザはつまらなそうに鼻を鳴らした後、スピードメーターと『ACCELE』を表示されたアプリを押す。
『Complete』
胸部の装甲が変形し一回転する。装甲がスライドして開き、下の内部機構や回路が露出する。
ネクストカイザの全身にある黄色のラインが虹色に発光し、紫の双眼は赤へと変わる。
変形を終えたネクストカイザは再びアプリを押す。
『Start Up』
その瞬間、ネクストカイザの視界は変わる。周囲の光景は消失し、マス目状の線しかない特殊フィールドへと変わる。光源の無い特殊フィールドだが、対象となるアナザーオーガとアナザーデュークDEAだけはフィールド内で照らされたように浮かび上がっている。
対象を認識した瞬間、ネクストカイザの姿は消えた。
100mを0.0042秒で駆け抜ける超高速を誰も目で捉えることなど出来ない。
ネクストカイザが消えると同時にアナザーオーガとアナザーデュークDEAの体に無数の裂傷が生じ、傷の後に火花が出る。
ネクストカイザの残像が残す大きな円の中に囚われるアナザーオーガとアナザーデュークDEA。円の中をネクストカイザが移動する度にアナザーオーガたちはダメージを負う。
何とかしようにもアナザーオーガたちはネクストカイザの姿が見えていない。見えない相手、攻撃に対して対処する手段など無い。
何度目か分からないダメージを負い、アナザーオーガたちが怯んだ瞬間、目の前に無数の黄色の光弾が迫っていた。しかも、光弾は逃げ場を潰すようにあらゆる方向から撃たれている。
アナザーオーガたちは為す術もなく光弾より撃たれ続ける。
全身を撃たれ、白煙が上がるアナザーオーガ。しかし、まだネクストカイザの攻撃は終わっていない。
アナザーオーガの顔を照らす黄色の光。いつの間にかアナザーオーガの眼前に時折虹色が混ざる四角錐型の光──ポインティングマーカーが展開していた。
迫るそれに対し、アナザーオーガは棍棒を振り翳して抵抗しようとする。
だが、アナザーオーガは気付いていなかった。アナザーオーガの死角である背後にも同様のポインティングマーカーが出現していることに。
「でぃやぁぁぁぁぁ!」
姿を現したネクストカイザがポインティングマーカーに両足から飛び込み、アナザーオーガの後頭部を貫く。時間差で前のポインティングマーカーもアナザーオーガの目を貫いた。
強化された必殺のキック──スペクトルゴルデントスマッシュを受けたアナザーオーガの体にXの紋章が浮かび上がる。
『3……2……1……Time out』
高速移動の限界時間に達し、アナザーオーガを貫いたネクストカイザが地面に降り立つ。
『Reformation』
変形した装甲も元に戻り、ネクストカイザはアナザーオーガを一瞥する。
アナザーオーガは灰のように崩れ落ちた時、そうなることが既に分かっていたネクストカイザは既にアナザーオーガを見ていなかった。
◇
跳躍した斬月が見たのは、地面に浮かび上がる大きなXのマーク。恐らくはネクストカイザが攻撃をしているのだろうが、どんな攻撃をしているのか斬月さえも全く分からない。
(凄まじいな……)
もしかしたら斬月の友人であった科学者でさえも再現出来ないかもしれない能力に斬月は畏怖を覚える。ただ、今は共に戦う相手としてこれ以上ないぐらいに心強い。
高速移動からの斬撃にダメ押しの銃撃を浴びせられ、ボロボロになるアナザーデュークDEA。
斬月はそれを冷たく見下ろしながらカッティングブレードを三回倒す。
『ソイヤッ! カチドキスパーキング!』
シン・カチドキロックシードが生み出すエネルギーが斬月を通して火縄甜瓜DJ銃とメロンディフェンダーに流れていく。
斬月はメロンディフェンダーをアナザーデュークDEAへ向ける。メロンディフェンダー全体を覆っていた緑の光が一箇所に集まり、メロンディフェンダーから飛び出して球体を作る。球体は巨大化し、半透明のメロンとなった。
「はあっ!」
斬月はメロンディフェンダーでメロン型のエネルギーを押し出す。メロン型エネルギーはアナザーデュークDEAへ一直線に飛んで行き、アナザーデュークDEAが気付いて頭上を見上げた時には、アナザーデュークDEAは頭からメロン型エネルギーを被り、そのまま内部に閉じ込められてしまう。
完全に拘束されたアナザーデュークDEA目掛けて降下する斬月。落下の最中、火縄甜瓜DJ銃を上段に構える。
着地同時に火縄甜瓜DJ銃はアナザーデュークDEAを頭から股下まで一気に斬る。そして、斬月は間髪入れずに真横へ払う。
火縄甜瓜DJ銃の刃はメロン型エネルギーを傷付けることなく中のアナザーデュークDEAのみを十字に斬った。
アナザーデュークDEAに刻まれた十字の軌跡からは果汁のような緑のエネルギーが噴き出す。同時にアナザーデュークDEAを閉じ込めていたメロン型エネルギーは縮小を開始、瞬く間に通常のメロンと変わらないサイズまでアナザーデュークDEAごと圧縮。
外に逃げる筈のエネルギーは密封、圧縮されることで逃げ場を失い、アナザーデュークDEAを焼き尽くす。
完全密閉されたメロン型エネルギーの内部でアナザーデュークDEAは完全消滅。メロン型エネルギーはその後も縮小し、視認出来ないサイズまで縮まると自然消滅してしまう。
アナザーデュークDEAの最期は音も痕跡も無く、最初から居なかったかのようであった。
斬月は戦極ドライバーを外し、変身を解除する。既に草加も変身を解いていた。
「また助けられたな。礼を言う」
貴虎はそう言い、草加に手を差し出して握手を求める。
「……」
草加はその握手に応じることなく貴虎の手を見た後に、懐からウェットティッシュを取り出して手を拭き出す。自分と貴虎がどういう関係なのかを無言で表していた。
ブレない草加の態度に貴虎は苦笑しながら差し出した手を引っ込めるのであった。
カイザクロスラッシャーは握り方を変えれば複数の使い方が出来るみたいですが、草加の戦闘スタイルからしてトンファーブレードスタイル一択な感じがしますね。斬撃、銃撃同時に行えるので。