仮面ライダージオウIF NEXT TIME~ゲイツマジェスティ~ 作:K/K
ゼインの戦闘スタイルを絶賛するバールクス。戦いの最中だというのに大声を出して笑っている。その声に引き寄せられたアナザーライオトルーパーたちが集まり始めているというのにバールクスの笑い声は止まらない。
「いい加減耳障りだ」
それを止めようとしたのはオーマジオウであった。ゼインの能力の使い方にもバールクスの笑い声にも不快感を示している。
オーマジオウに言われバールクスは徐々に笑い声を抑えていき、最後には止める。
「くっ。奴にいいセンスと言ったが、そういう意味ではお前も似たようなものか。ふふっ」
笑いを止めても耐え切れないのか会話の中で笑い声が漏れる。しかし、そんなことよりもオーマジオウは聞き捨てならないことがあった。
「──何だと?」
ゼインとオーマジオウが似ていると評された。仮面ライダーの歴史を背負う者として聞き流せない台詞である。
「私をあれと一緒にするか……!」
「俺から言わせれば違いなんてないさ。お前の存在は仮面ライダーたちの歴史を簒奪したことで成り立っている。まあ、俺にとって平成ライダーなぞ無意味な存在だがね」
「奪ったのではない! 受け継いだのだ……!」
「そうか。そう思っている方が幸せだな」
オーマジオウは仮面ライダーたちの力と歴史を継承した。バールクスは奪い取った。平成ライダーに対する思い入れが両極端なので彼らの意見は合うことはなく、今のやりとりで改めて目の前の相手が相容れない敵だと認識する。
「仮面ライダーの墓碑に囲まれるのがお前の趣味らしいからなぁ?」
オーマジオウにとことん悪意の言葉を吐くバールクス。最早、宣戦布告に等しい。
「……お前とは一度じっくりと話し合いをしたいと思っていた所だ」
「──ああ、同じことを思っていた」
戦いの真っ只中で両者の間に不気味に沈黙が訪れる。アナザーディケイドCF21は固唾を呑んでそれを眺め、ゼインすらも目に見えない巨大な圧に黙らざるをえなかった。
唯一、アナザーライオトルーパーたちが事情を把握出来ないままバールクスとオーマジオウに近寄っていくが、彼らの感受性では二人の王の威圧を感じ取るには低過ぎた。
バールクスのジクウドライバーから柄が出る。それを掴むと同時に居合切りのようにオーマジオウへ斬り掛かった。
白光の刃がオーマジオウに触れると同時に衝撃波が発生。危機感なく近寄り過ぎていたアナザーライオトルーパーたちは纏めて吹き飛ばされる。
振り抜かれた白刃は掌によって受け止められている。白刃と掌の間には金色のオーラがあり、それによりバールクスの斬撃はオーマジオウには届いていなかった。
「この程度で私に届くとでも?」
「思っていないさ!」
バールクスは足が地面に沈み込む程力を込める。オーマジオウは微動だにしなかったが、オーマジオウの足元もまた力を込め過ぎて陥没している。
両者の力は完全に拮抗状態となっていた。
剣と掌から発せられる強大な力が一箇所で圧縮されていく。均衡が崩れてそれが解き放たれれば凄まじい破壊を齎すことが容易に想像が付く。
凡百の存在では踏み入れるどころかその手前で消し飛ばされてしまうだろう王の領域。このままいがみ合う二人の王により全てを巻き込み、破壊する悲惨な戦いが続くのかと思いきや──
「それで? 話し合いは長くなりそうか?」
──命を惜しむことなくその領域に踏み込み、あまつさえ二人の腕を掴んだ者──アナザーディケイドCF21が戦いを制止する。
「何のつもりだ?」
「なに、あまりに見苦しいと思ってつい止めてしまった」
バールクスから殺気を向けられるが、アナザーディケイドCF21は動じない。
「これでも王を目指していた者。目指していた者たちがつまらない諍いを起こすのは見ていて心苦しい。王なら王らしく振る舞ってもらわないとな」
「お前の言う事を聞くとでも?」
「意見は求めん」
バールクスに対しても自らのスタンスを譲らない。
「──お前の言う通りだ」
すると、オーマジオウが過ちを認め、剣を押さえていた手を引く。圧縮されていた高エネルギーもその際に噓のように消失してしまった。
「スウォルツ。お前の指摘は正しい」
続けてオーマジオウはアナザーディケイドCF21の行動を肯定する。
「この男を前にすると私も冷静ではいられなくなる。危うく私の王道を踏み外す所であった……礼を言う」
それどころかオーマジオウは感謝の意を示してくる。アナザーディケイドCF21からすればオーマジオウからの感謝は予想外のことであった。だが、同時に苦いものを覚える。
自らの過ちを認め、指摘した者に感謝する。器の違いを見せつけられたような気分であった。
アナザーディケイドCF21は二人の腕から手を離す。バールクスは何かしてくるかと思ったが、オーマジオウの行動に興が冷めたのか危害を加えるようなことはしなかった。
「心拍数の増加を確認。どうやら貴方でも先程の行為は命の危険を感じさせる行為だったようですね?」
いつの間にか傍に立っていたゼインが余計な情報を口に出す。
「黙っていろ」
ゼインが言うように一歩間違えればオーマジオウとバールクスの両方を敵に回す行動であった。殆ど自殺行為であり、生身であったのなら冷や汗で全身が濡れていてもおかしくない。
静かに呼吸を整え、平常心を取り戻そうとする。
本当なら二人の諍いに首を突っ込むことなどしたくはなかった。しかし、気付いたら間に割って入ってしまった。
自分でも何故あのような真似をしたのか自問自答したくなる。少なくとも以前の自分ならそのようなことはしなかった。
教師として新たな人生を生きるようになってから知らず知らずのうちに心まで教師に染まってしまったかもしれない。
(──俺も変わったな)
自分の変わり具合を自嘲する。それが良いのか悪いのかはまだ分からない。
「しかし……」
アナザーディケイドCF21は周りを確認する。かなりのアナザーライオトルーパーたちを撃破したと思っていたが、まだわらわらと集まってきている。
二人の王を止める為とはいえアナザーライオトルーパーたちのど真ん中に来てしまったので360度全方向にアナザーライオトルーパーたちが居る。
「まだまだ居ますね」
ゼインが他人事のように冷静に言っているが、ゼインまでこちらへ来てしまったせいで全員アナザーライオトルーパーたちに囲まれるという形になってしまった。
「何故お前は意味もなくこっちへ来た? 俺を嗤う為か?」
ゼインの非合理的と言える行動を問う。
「貴方たちの傍で戦う方が勝率が高い。それだけのことです」
万を超える兵たちよりもオーマジオウ、バールクス、アナザーディケイドCF21と共に戦った方がゼインにとって有益であると判断した。ゼインの計算を超える未知数の力を者たち。彼らを知るには近くで戦い、観察する。
「頑張って情報収集に勤しんだな。尤も、仮に収集し切れても計算出来るかは知らんが」
ゼインに皮肉混じりの言葉を送りながらアナザーディケイドCF21はアナザーライオトルーパーたちの方を見た。
アナザーライオトルーパーたちの包囲網は時間の経過とともに狭まっていく。密集したアナザーライオトルーパーたちの圧は数が数なだけに凄まじいが、彼らからすれば危機感を覚える程ではない。
「一人二万以上か」
「容易い」
「何なら俺が楽をさせてやろうか?」
「三十分も持てば良いぐらいですね」
彼らにとって最大の脅威は今肩を並べている隣人。互いの動向に目を光らせながらアナザーライオトルーパーたちの掃討が開始される。
『ロボライダー!』
バールクスはすかさず腕に付けてあるロボライダーライドウォッチを起動。
「ボルティックシューター!」
掛け声と同時に放たれた光弾がアナザーライオトルーパーの一体に命中。すると、光弾は貫通して背後にいたアナザーライオトルーパーも貫き、その後ろにいる別のアナザーライオトルーパーも貫く。光弾の威力は減衰することなく射線上に立つアナザーライオトルーパーたち全てに風穴を開けていった。
「はっ!」
バールクスは跳躍し、わざわざアナザーライオトルーパーたちが密集している所へ跳ぶ。降り立った際にアナザーライオトルーパーを踏みつけながら着地し、その背中を踏み躙りながら密集地帯でボルティックシューターを連射。アナザーライオトルーパーたちが次々と倒れていく中で銃撃を逃れたアナザーライオトルーパーがバールクスに襲い掛かろうとするが、ビクンと体を震わせた後に倒れる。
倒れたアナザーライオトルーパーの背中には斬られた痕が深々と残っている。
アナザーライオトルーパーの背中を斬ったのはいつの間にかバールクスが手放した剣。独りでに飛び回りながらその光刃でアナザーライオトルーパーたちを斬り、バールクスの隙をカバーしていく。
『龍騎の刻!』
オーマジオウがドライバーを操作し、発せられる音声。空に赤い龍──ドラグレッダーが召喚され、空を泳ぐドラグレッダーは火球を吐き、地上のアナザーライオトルーパーたちを蹂躙していく。
『ファイナルベント!』
ドラグレッダーの火球の吐く速度が上がり、空が炎上したかのような無数の火球が一気に吐き出される。すると、火球の一つ一つが龍騎の姿へと変化。
燃え盛る龍騎たちのドラゴンライダーキックが地上へ降り注ぐ。火球の時よりも威力は格段に向上し、爆撃でも行われているかのようにアナザーライオトルーパーたちが吹っ飛ばされていく。
アナザーディケイドCF21は近くに居たアナザーライオトルーパーに手刀を放つ。アナザーライオトルーパーの体に火花が生じ、手刀とは思えない鋭い切口がアナザーライオトルーパーの体に残った。ただ、手刀を放ったのは一回だけだったのにアナザーライオトルーパーの体には夥しい切創が刻まれている。
アナザーディケイドCF21は再び手刀を振るう。手刀はマゼンタの輝きを放っていた。
傍にいたアナザーライオトルーパーは絶命する前に見た。アナザーディケイドCF21の手刀が一瞬数え切れない程に分身したのを。
空間を操り、実体を持った残像を生み出すアナザーディケイドCF21の能力。一振りで百を超える攻撃を出すことが可能だが、アナザーディケイドCF21からすればこれは小手先の技に過ぎない。
アナザーディケイドCF21は倒れたアナザーライオトルーパーの背後に立っているもう一体を手刀で薙ぐ。
アナザーライオトルーパーの胴体に爪で引き裂かれたような五本線の傷が出来る。同時にアナザーディケイドCF21の後方にいたアナザーライオトルーパーたちが崩れ落ちた。
うつ伏せになったそれらの背中には同じような傷が出来ている。
技を応用すれば残像を操り、正面を向いていても背後の敵を斬り刻むことが可能となる。
「──これぐらいで十分だな」
意味深なことを呟くと、アナザーディケイドCF21は手を掲げる。すると、先程の手刀で倒されたアナザーライオトルーパーたちが爆散し、その跡にカードが残る。カードはアナザーディケイドCF21の掲げた手の中に吸い込まれるように収まっていく。かなりの枚数であり、初撃で撃ち抜いたアナザーライオトルーパーたちの分も加わっている。
「行け」
集めたカードをばら撒く。すると、カードは何倍もの大きさとなってアナザーディケイドCF21の前に並び、カードの中からついさっき倒したばかりのアナザーライオトルーパーたちが出て来る。
アナザーディケイドCF21が召喚したアナザーライオトルーパーたちは命令に従い、ほんの少し前まで一緒に戦っていた同胞を躊躇なく襲う。
倒した相手のカード化による封印と従属化。アナザーディケイドCF21となった彼が得た能力である。嘗て使用していたアナザーライダーの能力と似通った部分があるが、前の能力と違ってアナザーディケイドCF21の命令に反することはない。
手間とデメリットとして倒してカード化しなければならないが、アナザーディケイドCF21の強さがあればそれはデメリットにはならない。アナザーディエンドCPと良く似た能力であり、手間が掛かる部分も似ている。そして、変身者の強さが本来ならある筈のデメリットを踏み倒せることも似ていた。
アナザーライオトルーパーたちが共倒れしていく光景を眺めながらゼインの動向を窺うアナザーディケイドCF21。ゼインは悪を観察するのが目的だと公言していたが、アナザーディケイドCF21もまたゼインの観察をこの戦いの中での真の目的としていた。
アナザーディケイドCF21が見ている中でゼインはゼインカードをドライバーに装填し、断裁して能力を引き出す。
『ギーツ・フィーバーマグナムフォーム!』
初めて聞く仮面ライダーの名。アナザーディケイドCF21は人知れずに驚く。ギーツの名を聞いて驚いたのは彼だけではない。オーマジオウもバールクスも大量のアナザーライオトルーパーを捌きながら彼らにとって未知の仮面ライダーについて注目する。
キツネを彷彿とさせる白い仮面を付けたライダーが映るゼインカードが細切れにされる。
『執行! ジャスティスオーダー!』
ゼインの首に金色のマフラーが出現する。そして、ゼインの両前腕部と両脛部に白い装甲が追加される。
ゼインが両腕を交差させる。追加装甲に折り畳まれていた短銃──アーマードガンが展開。両頸部も前腕部と同様にアーマードガンの銃身が展開される。
「ハイライトと行きましょう」
ゼインはその場で跳躍する。アナザーライオトルーパーたちはゼインを追うように視線を上げた。
『ゴールデンフィーバービクトリー!』
見上げたアナザーライオトルーパーたちが見たのは自分たちに降り注ぐ弾丸の雨。ゼインの両腕、両脛のアーマードガンから弾丸が連射され、空中で錐揉み回転しているゼインにより広範囲にばら撒かれる。
一見すると滅茶苦茶に撃っている。アナザーライオトルーパーたちは地面を埋め尽くす程いる。下手な鉄砲でなくとも数撃てば高確率で当たる。だが、ゼインがそれを行えば話は変わってくる。
跳躍した時点でゼインはアナザーライオトルーパーたちの位置と数を正確に把握。また数秒後にどう移動しているのかも予測済みであった。その状態から放たれる弾丸の連射。空中でのゼインのアクロバティックな動きは全て意味があるものであり、事実ゼインが放った数え切れない程の弾丸は一発たりとも外れることなく全弾アナザーライオトルーパーたちに命中する。
ゼインが降り立った時、大地は死屍累々の光景が広がっていた。八割以上のアナザーライオトルーパーは急所を撃ち抜かれて絶命。残った二割もまだ生きているが、辛うじてであり戦闘は不可能な状態であった。
『MAGNUM SHOOTER 40X』
瀕死状態、しかしそれを理由に相手を見逃すような寛容さをゼインは持ち合わせていない。善の為に悪を滅ぼす。一分の情も入ることを許さない絶対的且つ不動の精神。それがゼインの根幹を成している。
白の外装に赤いラインが入った銃──マグナムシューター40Xで動けないアナザーライオトルーパーを撃つ。前腕部のアーマードガンでも撃つ。動けないアナザーライオトルーパーをわざと踏みつけて脛部のアーマードガンで撃つ。
自らの正義に従い、蹂躙していく様は他者にどのように映るのか。少なくとも行っている本人はそれを微塵も気にしない。
ゼインが仮面ライダーギーツの能力を使用したことはオーマジオウ、バールクス、アナザーディケイドCF21にとって少なくない衝撃を与える。
「……気に入らんな」
常に横柄でふてぶてしい態度をとっていたバールクスは微かな声を呟く。自分の知らない先の時代に誕生したと思わしきライダー。それはクォーツァー延いては王であるバールクスの存在を否定することに繋がる。
是が非でも詳細を知る必要が出て来た。そうなると周りのアナザーライオトルーパーたちが一層邪魔になってくる。
「……」
バールクスは横目でオーマジオウを見る。視線のみで協力しろ、と強請してくる。オーマジオウはバールクスの考えに何一つ同意するつもりはないが、アナザーライオトルーパーたちが邪魔だという一点のみ同意した。
アナザーライオトルーパーたちを全滅させる。この間のみ二人の王は手を結ぶ。
『キバの刻! ウェイクアップ!』
オーマジオウが発動したのは仮面ライダーキバの能力。すると、オーマジオウを中心とした足元の地面が濡れ出したかと思えば瞬く間に水が生成され、水上のようなフィールドが出来上がる。
一瞬にして出来上がる湖面。完成と同時にバールクスもライドウォッチを起動させる。
『バイオライダー!』
バールクスの体が液体化し、湖面の水の中へ溶け込む。そして、すかさず──
『フィニッシュタァァイム!』
湖面全体から響き渡る声。湖面を突き破るようにして大きな水柱が上がる。その水柱は上がるのを維持し続けており、先端が五本に枝分かれしていた。良く見ればそれが巨大な腕だと分かった時、湖面から巨大化したバールクスの上半身が現れる。
オーマジオウが生成した水と一体化することで全ての水を支配し、意のままに操っているのだ。
「失せろ」
巨大バールクスの手に握られている剣の刀身が白く強く輝く。
『バールクス! タイムブレーク!』
巨大な光刃が地面に突き立てられ、そのまま横薙ぎに払われる。アナザーライオトルーパーたちは抵抗することも出来ないままバールクスの光刃により消滅させられていく。
一振りで千を超えるアナザーライオトルーパーたちが消え、切り返せば万を超えるアナザーライオトルーパーたちが滅びる。
蹂躙という言葉が生易しく聞こえるぐらいの圧倒的な暴力であった。
暫くして一方的な暴力が終わる。倒すべきアナザーライオトルーパーたちが居なくなったからだ。まだ生存している者も居るが戦える状態ではない。そんな中で当然のようにオーマジオウ、ゼイン、アナザーディケイドCF21は無傷であった。
「そこのお前。ゼインといったか?」
バールクスは名指しでゼインを呼ぶ。
「──何でしょうか?」
「お前に興味が湧いた。色々と調べたい。こっちへ来い」
「お断りします。私に関する情報は機密事項です」
きっぱりと断るゼインであったが、巨大バールクスからすればゼインの意思など関係ない。
「そうか。なら直接調べるまでだ」
ロボライダーライドウォッチの力があればゼインのドライバーに干渉して調べ上げることが可能なのでゼインを捕獲すれば良い。
上半身だけであったバールクスが湖面から体を引っ張り上げる。全ての水がバールクスに引かれ、下半身となり巨大バールクスが誕生する。
巨大バールクスはゼインに手を伸ばそうとするが、その前にオーマジオウが立ち塞がった。
「止めろ」
「邪魔だ」
「戦いは終わった。退け」
「それを決めるのは俺だ」
巨大バールクスは聞く耳を持たない。
「──そうか」
オーマジオウは言っても無駄だと悟り、オーマジオウドライバーに触れる。
「お前には少し仕置きが必要だ」
『ディケイドの刻! ファイナルアタックライド!』
発動するライダーの力。すると、オーマジオウの体が巨大化していき巨大バールクスと同じ大きさになる。
ディケイドの歴史の中で記憶している仮面ライダーディケイドコンプリートフォーム・ジャンボフォーメーション。それを引き出し巨大化してみせた。
「生意気な」
自分と同じ目線となった巨大オーマジオウを忌々しそうに見る巨大バールクス。
二つの巨影の足元でゼインは呟く。
「このままでは巻き添えなりますね……致し方ない」
決断し、ゼインをドライバーへ投入。
『J・ジャンボフォーメーション!』
仮面ライダーJというライダーの力をゼインカードから引き出す。
『執行! ジャスティスオーダー!』
ゼインもまた瞬く間に巨影の一つに加わる。ゼインにとってはとっておきの一枚であったが、状況が状況なだけに使用した。
見上げる高さにまで大きくなった三体のライダーにアナザーディケイドCF21は呆れたような態度を見せる。
「お前たち、もう少しライダーらしく戦え」
そう愚痴りながらもアナザーディケイドCF21もまた一枚のカードを投げ、封じていたアナザーライダーを解き放つ。
『ジェェイ……』
新たな巨人が三体の中に加わる。全身が樹木、大地、砂漠、海水、淡水、岩、山、氷、雲、マグマなどで構成されたまるで地球そのものをライダーの形に押し固めたようなアナザーライダー。『J』と『1994』の両胸に刻まれたアナザーJ。
先日この世界にやって来たタイムジャッカーから奪ったものだが、使用者のタイムジャッカーはアレだったがアナザーライダーの方は強力だったので大事にとっておいた。
アナザーディケイドCF21はアナザーJの肩に乗る。
「いいな! 退屈な戦いがやっと派手になった!」
三対一の状態だが巨大バールクスは寧ろ喜び、三体を挑発する。
「来い!
神話の如き戦いが人知れず始まろうする。
仮面ライダーの中でも希少な巨大化を大盤振る舞いした最後になります。
次からはまたゲイツの戦いに戻ります。