仮面ライダージオウIF NEXT TIME~ゲイツマジェスティ~   作:K/K

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アナザーディエンドコンプリート2018 その6

「海東大樹……!」

 

 イレギュラーにしてジョーカーのような存在。現れるだけで場を混沌とさせる制御不能の危険人物。その登場にアナザーディエンドCPたちは警戒を強める。普段は勝手気ままに動く海東だが、この場合は違う。

 海東はアナザーディエンドCPを明確な敵として定めていた。

 ネオディエンドライバーを振り抜くように撃つ。ゲイツリバイブとアナザーディエンドCPの間を縫うように光弾が連なって命中し、土煙が上がる。

 ゲイツリバイブとアナザーディエンドCPの間に舞う粉塵。海東の行動の意図を察したゲイツリバイブは粉塵が舞う間に素早く後退し、アナザーディエンドCPから離れる。

 海東の存在に気を取られてしまっていたアナザーディエンドCPは行動が一手遅れてしまい、粉塵の中へ手を伸ばした時にはゲイツリバイブは遠くへ行ってしまった。

 

「手古摺っているようだね、ゲイツ」

「何をしに来た……? 巻き込まれるぞ……! 帰れっ!」

 

 海東の参上にゲイツリバイブは開口一番逃げるように言う。

 

「救世主ともあろう者が随分と苦戦している」

「……何処かの誰かがライダーの力を奪われたせいでな」

「流石はディエンドだ。救世主すら追い詰めるなんてね」

 

 他人事のように言うので皮肉を返してみたが、簡単に流された。海東の面の皮の厚さは並ではない。

 

「もう一度言う……! 帰れっ!」

 

 ライダーの力を持っていない海東をこの場から離れさせようとする。

 

「自分の心配より僕の心配かい? その善良さは僕も心配になってくるよ」

 

 帰れと言われて素直に帰るような人物ではなく、銃口をアナザーディエンドCPたちに向けたままゲイツリバイブの方を逆に心配してくる。

 

「ちゃんと自分の状態を把握したまえ。そんな状態で戦えるのかい?」

 

 翼とジカンジャックローの半壊。ジカンジャックローの爪は一本折れているせいで所々から火花が出ている。翼の損傷で疾風はもう飛べない。また剛烈に形態を変えても翼は胸部装甲も兼ねているので装甲に隙間が出来ている。おまけにゲイツリバイブもダメージと疲労の蓄積で肩で息をしている。

 ゲイツリバイブとしての性能は大幅に下がり、武器も危うく、何よりも変身者の限界が近い。客観的に見ても追い詰められているのはゲイツリバイブの方である。

 

「それがどうした……! 俺はまだ戦える……!」

 

 鎧が壊れようとも武器が壊れようとも関係無い。明光院ゲイツの心はまだ折れていない。

 

「俺はまだ出し尽くしちゃいない……! 守るべきものを守り通していない……!」

 

 死など最初から恐れていない。それよりも恐ろしいのは守るものを守れないこと。その後悔をゲイツは遥か未来で知っている。それがあるからこそ今ある絆を死んでも守ろうとする。

 

「この期に及んで……反吐が出る台詞を……!」

 

 その言葉はアナザーディエンドCPを激昂させ、青臭い理想ごと踏み潰そうとする。しかし、一歩踏み出す前に海東の牽制の一発がアナザーディエンドCPの顔に命中した。

 

「──カッコイイじゃないか、ゲイツ」

 

 皮肉抜きにゲイツリバイブの覚悟を称賛する。

 

「そんな君に僕からのプレゼントだ」

 

 海東の手に握られる複数枚のカード。ディエンドがカメンライド時に使用するライダーカード。

 

「受け取りたまえ」

 

 ゲイツリバイブへそれらを投げ放つ。ライダーカードは空中でバラバラに飛んで行くかと思いきや、意思を持っているかのように集まっていき、束となる。

 束となったカードが光を放つとカードから形を変えてライドウォッチとなり、ゲイツリバイブの許へ飛んで行く。

 ライダーカードから変化したライドウォッチを受け止めるゲイツリバイブ。すると、ゲイツリバイブライドウォッチが発光し、そのライドウォッチへ吸収された。

 変身が解除されたがゲイツに焦る様子は無くゲイツリバイブの力も吹き込まれた新たなライドウォッチを見つめる。

 ゲイツライドウォッチよりも一回り大きく、中央には仮面ライダーゲイツと思わしき顔が描かれている。見つめるゲイツの前でその顔が一瞬黄金の光を放った。

 

「これは──」

 

 何だ、と海東に訊こうとしたが建物の屋上には既に海東の姿は無い。

 

「さあ、何だろうね」

 

 海東は気付けばゲイツの隣に立っている。

 

「ただ言えることは──それは君の力だ」

 

 ゲイツは誕生したばかりのライドウォッチを強く握る。ライドウォッチから伝わって来る熱。内包された途方も無い力が感じられた。

 

「そして、特別サービスだ」

 

 海東はゲイツへ微笑を向ける。

 

「最後くらいは僕も力を貸してあげよう。感謝したまえ」

 

 相変わらず上からの物の言い方であったが、企んでいるような気配は感じられない。純粋にゲイツに感化され、協力しようとしている。

 

「……足を引っ張るなよ?」

「誰に言っているんだい?」

 

 短い言葉の後に肩を並べるが、それをアナザーディエンドCPは嘲る。

 

「何の冗談かな? 海東大樹? 私に力を奪われた君が何の役に立つ。ディエンドライバー(それ)を振り回して嫌がらせでもするのかい?」

 

 ライダーの力を失った海東など何の役にも立たないと詰る。しかし、海東はアナザーディエンドCPの詰りを鼻で笑った。

 

「君程度の物差しで僕を測らないでくれるかな?」

 

 ネオディエンドライバーを向け、挑発を兼ねて発砲するジェスチャーを見せた後に懐から一枚のライダーカードを取り出す。

 

「な、何だそれは……? まさか……!?」

「本当の切り札は最後まで取っておくものさ。覚えておきたまえ」

 

 たった一枚のカード。それだけなのにアナザーディエンドCPは悪寒を覚える。

 

「行くよ、ゲイツ」

「お前が仕切るな」

 

 ゲイツはライドウォッチのボタンを押し、ライドウォッチを起動させる。

 

『ゲイツマジェスティ!』

 

 起動と共にゲイツマジェスティライドウォッチに格納されていた、ゲイツマジェスティライドウォッチを構築するライダーたちの顔が描かれたプレートが左右から飛び出す。マジェスティ。尊厳、荘厳さを意味する言葉であり、王などの高貴な存在を指す敬称。中心に仮面ライダーゲイツのあることを考えると相応しい名と言える。

 

「マジェスティか……」

 

 常磐ソウゴは王様になるのが夢であった。記憶を取り戻す前は誇大妄想や現実逃避として鼻で笑っていたが、気付けばソウゴと同じ存在となり肩を並べることになった。

 

「もう彼奴を笑えないな」

 

 刹那の間、微笑を浮かべた後、すぐに戦士の顔付きとなってゲイツマジェスティライドウォッチをジクウドライバーの空いているスロットに挿す。

 ジクウドライバーの中央を叩き、ロックを外す。黄金の輪が複数出現し、ゲイツを中心として回る。

 回る輪の中でゲイツはジクウドライバーを上下で挟む。

 海東はアナザーディエンドCPも知らないライダーカードをネオディエンドライバーの銃身側面のスロットに挿し、銃身を伸ばしてセットする。

 共に変身の為の準備を終え、合図することなく同時に叫ぶ。

 

『変身!』

 

 ゲイツはジクウドライバーを回転。海東は頭上に向けていたネオディエンドライバーの引き金を引く。

 

『マジェスティターイム!』

 

 ゲイツの周りに召喚されるライドウォッチ。それらは元はライダーカードに描かれていた仮面ライダーたちであった。

 それぞれの仮面ライダーの歴史には柱となる仮面ライダーたちが存在した。そして、それを支え、或いは衝突することもある仮面ライダーたちも存在する。ジオウという仮面ライダーの歴史では柱となるのが仮面ライダージオウ、それを支えたのは仮面ライダーゲイツとなる。

 ライドウォッチの仮面ライダーたちは、それぞれの歴史の中で柱となる仮面ライダーを支え、助け、共に戦った者たち。その強さも輝きも勝るとも劣らない。

 

『G3! ナイト! カイザ! ギャレン! 威吹鬼! ガタック! ゼロノス! イクサ! ディエンド! アクセル! バース! メテオ! ビースト! バロン! 

 マッハ! スーペクター! ブレイブ! クローズ!』

 

 名を挙げられていくゲイツマジェスティライドウォッチが内包している仮面ライダーたち。

 黄金の輪の中で各ライダーのライドウォッチの力を受け、ゲイツの姿が変わっていく。

 素体となるのは仮面ライダーゲイツと同じ赤のボディスーツ。そこに黄金の装甲が追加されていく。

 腕や脚など体の各所に装着され、両肩の装甲は半円形をしており時計のムーブメントに似た意匠となっている。

 背部には金色のマントも装着され、変身の余波で靡く。

 

『仮ー面ーライダァァァアアアァァァ! ゲイツ! マジェースーティー!』

 

 体の各場所にそれぞれライドウォッチが填め込まれていく。両大腿部にガタック、ゼロノス、マッハ、スペクター。両腕部のホルダーにギャレン、威吹鬼、ビースト、バロン。両肩にG3、ナイト、カイザ、アクセル、バース、メテオ。胸部にはイクサ、ディエンド、ブレイブ、クローズ。

 そして、最後に額に仮面ライダーゲイツのライドウォッチが装着され、ゲイツは仮面ライダーゲイツへ変身を遂げた。

 ゲイツの変身と並行して海東もまた仮面ライダー変身への過程が始める。

 

『カメンライド』

 

 ネオディエンドライバーが読み上げるライダーカードは──

 

『ディケイド!』

 

 ディケイドの名と共に撃ち出された力は、海東の頭上でディケイドの紋章を作り出し、その後に複数のマゼンタカラーのプレートとなる。

 海東自身も赤、青、緑の三つの虚像が重なり合って装甲やボディスーツを纏った姿となり、最後は頭部に撃ち上げていたプレートが収まる。

 姿はディエンドだが、本来のディエンドのシアンカラーだった部分がマゼンタに置き換わっていた。

 変身後の海東を見たゲイツは──

 

「お前、変身出来たのか?」

「まあね」

「なら何故今までしなかった? お前自身が動けばもっと事態は早く解決したんじゃないか?」

 

 仮面ライダーに変身出来たことを隠していた海東に不満を漏らす。すると、海東は指を二本立てた。

 

「理由は二つ。最初に言ったように切り札は最後までとっておきたかったからさ。勝てる、と確信が得られるまでね」

 

 そう言って指を一本折る。

 

「……もう一つはこの力を使うのが、僕にとって本当に、ほんとーに……不愉快だからだよ」

 

 本命がそれではないのかと思えるぐらいに嫌そうに言う海東。仮面を付けていてもその顔が顰められているのが伝わってくる。余程嫌な思い出があるのかもしれない。

 変身を終えた二人にアナザーディエンドCPも何かしらのリアクションを示すかと思いきや黙っている。しかし、よく見て体が小刻みに震えていた。他の分身のアナザーディエンドCPたちも同じである。

 沈黙するアナザーディエンドCPたちにゲイツも海東も訝しむが、突然アナザーディエンドCPは話し出す。

 

「くっ……! よくも……よくも私の前でそんな姿を……!」

 

 何故か苦しんでいる様子のアナザーディエンドCPたちにゲイツたちはますます困惑する。

 

「不本意だ……不本意だが……! 私のプライドが許さないっ!」

 

 すると、アナザーディエンドCPたちは一斉に右腕を上げる。攻撃して来ると思い身構えが──

 

『祝えっ!』

『──はぁ?』

 

 アナザーディエンドCPたちが口を揃えて突拍子もないことを叫ぶのでゲイツたちも口を揃えて戸惑いを出してしまう。

 

「闇に苦しむ人々を救い!」

「未来に光を取り戻す真の救世主!」

「その名も!」

「仮面ライダーゲイツマジェスティ!」

『まさに生誕の瞬間である!』

 

 交互に祝詞を言った後に最後は四人全員で声を揃えるという無駄に洗練された祝いをするアナザーディエンドCP。しかも、祝福は一つだけじゃない。

 

『祝えっ!』

「まだあるのか……」

 

 続くことにゲイツマジェスティは呆れる。

 

「憎愛を超え!」

「一つの絆とした破壊者と怪盗のフュージョン!」

「止めてくれないかな、その気持ち悪い表現」

 

 祝いの言葉の無いように文句をつけるが当然止まらない。

 

「その名も!」

「仮面ライダーディエンドディケイド!」

「勝手に名付けないでくれるかい?」

『仮面ライダーの歴史に新たなページが追加された瞬間である!』

 

 二人の仮面ライダーの祝福が終わると、まるで一仕事終えたかのようにアナザーディエンドCPたちは肩で息をする。

 

「はぁ……はぁ……二人共やるじゃないか……! 私に祝福をさせるなんて……!」

 

 変な脅威を抱いているが、アナザーディエンドCPとゲイツマジェスティ、ディエンドディケイドとの温度差は激しい。

 

「何なんだいあれは?」

ウォズ()特有の病気だ」

「そうかい。それはお気の毒に」

 

 特に興味がないのかそれ以上は追求しなかった。

 

「ッ!」

 

 本能、もしくは反射的に祝ってしまったアナザーディエンドCPたちだが、改めて目の前の存在らを脅威と捉える。

 何かされる前に一気に片をつけるつもりで、四人のアナザーディエンドCPは高速移動能力により姿を消した。

 アナザーディエンドCPたちの姿が消えた瞬間、ゲイツマジェスティはライドウォッチを押す。

 

『ガタック!』

 

 刹那、青い斬撃の残像が空間に刻まれ、消えたアナザーディエンドCPたちが一斉に弾き飛ばされた。

 ゲイツマジェスティの両手にはクワガタムシの顎を模した一対の剣──ガタックカリバーが握られている。

 

「良いカウンターだね」

 

 相手の出鼻を挫いたことを褒めながらディエンドディケイドはネオディエンドライバーを構える。すると、銃口から銃身の色とは異なるマゼンタ色の光刃が出現した。

 

「はっ!」

 

 ディエンドディケイドが怯んでいるアナザーディエンドCPたちの傍を一気に通り過ぎる。その間にネオディエンドライバーの光刃が振るっていくが、振るう度に実体を持つ分身が現れ、一振りで連続した斬撃を相手に与えた。

 アナザーディエンドCPたちを斬り飛ばしたディエンドディケイドはゲイツマジェスティの傍に戻り、ネオディエンドライバーから伸びる光刃を見る。

 

「僕には合わないね、これ」

 

 ディケイドの能力に不満を示す。

 すると、ゲイツマジェスティは連続してライドウォッチを押す。

 

『ギャレン!』

『ゼロノス!』

『ディエンド!』

 

 ギャレンの銃──ギャレンラウザー。ゼロノスの剣でありボウガンに形態変化するゼロガッシャー。そして、ディエンドの黒を基調としシアン色のディエンドの紋章が描かれたネオ以前のディエンドライバーが召喚される。

 

「これでも使ってろ」

「気が利くね、ゲイツ」

 

 召喚されたもう一丁のディエンドライバーを嬉々として受け取り、斬撃のダメージに苦しんでいるアナザーディエンドCPたちへギャレンラウザーが、ボウガンモードのゼロガッシャーが、二丁のディエンドライバーが一斉発射される。

 




最後のオリジナルフォームの登場となります。
ディケイドのライダーカードはスーパーヒーロー作戦で盗んだものを使用という設定です。
ネオディケイドになったしもう一枚くらいディケイドのライダーカードも生えてくるでしょう。
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