仮面ライダージオウIF NEXT TIME~ゲイツマジェスティ~   作:K/K

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グランドジオウとちょっとだけ差別化してみました。


アナザーディエンドコンプリート2018 その7

 弾丸と光弾の嵐がアナザーディエンドCPたちに容赦なく浴びせられる。バリアを張り損ねてしまい、全身を撃たれる。

 何とかバリアを張ろうとするが、意識を集中しようとするとそれを狙ってかのようなタイミングで頭部に攻撃が命中し、バリアの集中を途切れさせられる。

 

(このままでは不味い……!)

 

 アナザーディエンドCPは撃たれながら徐々に追い詰められていることを感じていた。アナザーディエンドCPには三体の分身が存在しており、ゲイツマジェスティやディエンドディケイドは本体が分かっていないので攻撃を分散させているが、その内分身も持たなくなる。そうなると今以上の攻撃が本体に集中する。

 

(かくなる上は!)

 

 アナザーディエンドCPはすぐ傍にいる分身の肩を掴み、自分の前方へ引っ張る。そして、残りの分身と共にそれを盾にして前進し出した。

 

「ちっ!」

「そう来るか」

 

 今の行動で本体が絞られた。ゲイツマジェスティとディエンドディケイドは攻撃を集中させる。

 一方で盾にされているアナザーディエンドCPの分身も自分の役割を理解しており、それを全うする為に全身に力を漲らせて防御力を高める。それにより、ゲイツマジェスティたちの集中砲火にも耐え、アナザーディエンドCPらの前進を許してしまう。

 ボロボロになったアナザーディエンドCPの分身がすぐ目の前まで来る。

 

「おっと。これは危ない」

 

 ディエンドディケイドはゲイツマジェスティに任せてさっさと後退。残されたゲイツマジェスティは慌てることなく持っていたギャレンラウザーを消し、ゼロガッシャーを組み替えることでボウガンモードからサーベルモードにする。

 そして、更に──

 

『クローズ!』

 

 クローズライドウォッチを押してビートクローザーを召喚。二本の大剣をアナザーディエンドCPの分身目掛けて突き出す。

 ゼロガッシャーとビートクローザーの刃が盾にされていたアナザーディエンドCPを貫き、その奥にいる本体も貫こうとする。

 しかし、そうなる前に分身が刃を掴み、刃が進むのを阻む。これにより分身の陰から本体と残りの分身が飛び出す猶予を与えてしまう。

 それだけではない。分身が刃を掴んでいるので刺しているゼロガッシャーとビートクローザーをすぐに引き抜くことは出来なかった。

 ゲイツマジェスティは止むを得ず武器から手を離す。身を呈してゲイツマジェスティから武器を奪った分身は数歩後退した後に限界を迎えて消滅。刺さっていた武器が地面に落ちる。

 三体となったアナザーディエンドCP。その内の二体がゲイツマジェスティに向かい、残りの一体はディエンドディケイドへ向かう。

 ゲイツマジェスティを狙う二体のアナザーディエンドCP。左右から攻撃を仕掛け、ゲイツマジェスティを揺さぶろうとする。

 右から来たアナザーディエンドCPは殴り掛かり、ほぼ同じタイミングで左から来たアナザーディエンドCPは前蹴りを出す。

 ゲイツマジェスティは電光石火の勢いで右のアナザーディエンドCPの拳を手の甲で弾き、左のアナザーディエンドCPの蹴りが届く前に肘でそれを打ち落とす。

 アナザーディエンドCPも驚愕するスピード。彼の目にはゲイツマジェスティが一瞬二人に見えていた。

 左右の同時攻撃を捌いたゲイツマジェスティは、右のアナザーディエンドCPの腹に掌打を打ち込んで突き飛ばし、左のアナザーディエンドCPには肘を肩に打ち込み、膝が折れて前屈みにさせ、胸部を膝で突き上げる。

 仰け反るように立ち上がったアナザーディエンドCPに振り下ろされるゲイツマジェスティの手刀。避けようとしたが避け切れず、手刀はアナザーディエンドCPの側頭部から伸びる角の片方を切断した。

 

「ぐ、うううううっ!」

 

 角とはいえ体の一部を切り落とされたアナザーディエンドCPは呻き、よろめきながら後退する。切断された角の断面からは摩擦熱による白煙が上がっている

 

「──目印だ」

 

 手刀を振り下ろした構えのゲイツマジェスティは続けて言う。

 

「お前が本体だな?」

 

 触れた感覚でゲイツマジェスティは悟った。角を落としたアナザーディエンドCPが本物であると。明確な根拠も証拠も無いが、直感が確信を持ってゲイツマジェスティにそう言わせる。

 ゲイツマジェスティの宣言にアナザーディエンドCPは咄嗟に言い返すことは出来なかった。仮に何か反論したとしてもそれはゲイツマジェスティの答えを補強する要素にしかならない。

 故にアナザーディエンドCPの出した答えは沈黙。黙っていることも証拠になり得るかもしれないが、だからといって確定する訳ではない。ゲイツマジェスティに少しでも迷いを持たせる為にアナザーディエンドCPは何も答えないまま再度攻撃をする。

 分身に指示を飛ばし、指先から光線を撃たせる。同時にアナザーディエンドCP自身も光線のスピードに合わせて動く。

 ゲイツマジェスティはアナザーディエンドCPと光線の二つに意識を向けていたが、光線はある程度の距離まで来ると突然軌道を変えた。

 大きく蛇行し、ゲイツマジェスティの背後に回る光線。そして、ゲイツマジェスティの正面にはアナザーディエンドCPが迫っている。

 前後からの挟み撃ち。ゲイツマジェスティが躱したとしてもアナザーディエンドCPはバリアをいつでも展開出来る準備をしており、更にそのバリアを使って光線を撃ち返してゲイツマジェスティを狙う算段まであった。

 その時、ゲイツマジェスティが動く。あろうことか自ら光線へ背を向けた。

 ゲイツマジェスティの行動はアナザーディエンドCPに愚行に移る。攻撃に対して背を向けるなどアナザーディエンドCPの考えにはない。

 刹那、アナザーディエンドCPの中に浮かぶ感情。

 ゲイツマジェスティの行動に対する失望感。それを感じた時、アナザーディエンドCPは自らの思いに疑問を抱く。

 

(何故私は彼に失望を……?)

 

 魔王と慣れ合う彼にとっくに失望をしていた筈。それなのにどうして失望を再び覚えるのか。失望するということは何かに期待していたということ。ゲイツマジェスティの何にアナザーディエンドCPは期待していたのか。

 

(私は──)

 

 本人すらも理解出来ない感情の動きに戸惑う。

 そんな複雑な感情を向けられているなど露知らず、ゲイツマジェスティは背を向けた体勢から体を勢い良く振るう。

 ゲイツマジェスティの動きに合わせ、金色のマントが靡く。すると、放たれた光線がマントに当たり、マントは貫かれずに光線を撃った分身へ跳ね返す。

 分身が自身の放った光線に貫かれて消滅する。その光景を思わず凝視してしまったアナザーディエンドCP。時間にすれば一秒、二秒程であったが、この戦いに於いては致命的な隙。

 アナザーディエンドCPが気付いた時にはゲイツマジェスティは地面を滑るようにアナザーディエンドCPの前まで移動しており、マントを翻した動きをそのまま後ろ回し蹴りへと繋げ、防御が緩んでいたアナザーディエンドCPの腹に刺さる。

 

「──ッ!」

 

 声を出すことも出来ない衝撃がアナザーディエンドCPを貫き、次の瞬間には詰まれた建材の山を幾つも崩しながら蹴り飛ばされていた。

 

「やるね」

 

 ディエンドディケイドは横目でゲイツマジェスティの活躍を見ながらアナザーディエンドCPの分身体の攻撃を捌いていた。

 拳を連打する分身の攻撃を二丁のディエンドライバーを使って巧みに弾く。距離を詰められているせいで銃撃が出来ず、ディエンドディケイドは防御に徹しているがそれでも余裕を感じさせる。

 しかし、相手は分身であってもアナザーディエンドCPの能力を正確に再現している。余裕を以って分身の攻撃をいなしていたディエンドディケイドであったが、急に相手の動きが速くなり、ゲイツマジェスティから渡されたディエンドライバーが手から弾き飛ばされてしまう。

 

「おっと」

 

 しかし、ディエンドディケイドの余裕は変わらず元から持っているネオディエンドライバーから伸びる光刃で分身を斬りつけ、怯ませた所で距離を開ける為に蹴りつけた。

 

「ゲイツ、次々」

 

 敵が離れている間にディエンドディケイドはゲイツマジェスティに次の武器を要求する。

 

「図々しい奴め!」

 

 ゲイツマジェスティも戦っている最中だというのに当然のように言ってくるディエンドディケイドに毒吐きながらもライドウォッチのボタンを押す。

 

『マッハ!』

 

 マッハライドウォッチからタイヤの付いた銃──ゼンリンシューターが召喚され、ディエンドディケイドの手に飛んで行く。

 

「これも悪くないね」

 

 握ったゼンリンシューターの感想を言うディエンドディケイド。そのすぐ傍に分身が迫っている。

 

「はっ!」

『ゼンリーン!』

 

 その動きを予想していたようにゼンリンシューターを振り抜く。タイヤが分身の腹部を走り、削る。強烈なカウンターを受けて分身の動きが止まる。

 

「よっと」

 

 ゼンリンシューターから発射される光弾。棒立ちになっていた分身に全て命中し、大きなダメージを与えた。しかし、分身はまだ消えない。

 

「結構頑丈だ」

 

 分身の硬さを褒めながらネオディエンドライバーにカードを装填する。

 

『アタックライド・ブラスト』

 

 銃撃を強化するライダーカード。ネオディエンドライバーとゼンリンシューターの銃口をまだダメージが抜けきっていない分身へ向けた。

 

『ヒッサツ! フルスロットル!』

 

 ゼンリンシューターから強化された光弾が発射。そして、ネオディエンドライバーは引き金を引くと無数に分身し、分身の数だけ弾を放つ。

 必殺の威力を秘めた光弾と無数の光弾を同時に浴びせられたアナザーディエンドCPは遂に限界に達し、爆散する。

 

「ふぅー」

 

 一仕事終えたディエンドディケイドはゲイツマジェスティの様子を見る。ゲイツマジェスティは二対一の戦いになっているが、一人でも圧倒していた。

 

「やるね。後は任せてもいいかなー」

 

 ディエンドディケイドはすぐには参戦せずにゲイツマジェスティの奮闘を見学する。危うくなったら手助けをするぐらいのつもりであった。

 そんなディエンドディケイドの自分勝手さなど露知らず、良く悪くもゲイツマジェスティは目の前の戦いに集中している。

 アナザーディエンドCPは相変わらず分身と連携してゲイツマジェスティを攻撃していたが、ゲイツマジェスティもまた変わらずにその攻撃を捌いていた。

 一見すると互角のようだが、ゲイツマジェスティは余裕ある態度で冷静に攻撃を防いでおり、アナザーディエンドCPたちの方は息する事も忘れているかのように必死になって攻撃し続けている。

 少しでも攻撃に間が空けばゲイツマジェスティの反撃が来る。その事を怖れ、隙間を埋め尽くす怒涛の連撃を維持し続けているが、どれだけ拳を、蹴りを、銃撃を行ってもゲイツマジェスティに届かない。

 そもそもアナザーディエンドCPは勘違いをしている。ゲイツマジェスティは隙など狙っていない。

 作ろうと思えば、自分から作ることが出来るのだ。

 

『ナイト!』

『バロン!』

 

 漆黒の突撃槍──ウイングランサーとバナナを模した槍──バナスピアーがナイトライドウォッチとバロンライドウォッチから射出され、離れて銃撃をしていた分身を刺突する。

 銃撃が中断され、攻撃に間が生じた瞬間にゲイツマジェスティは一瞬にして複数のライドウォッチを起動させる。

 

『G3!』

『カイザ!』

『イクサ!』

 

 初撃は超高周波振動ソード──GS-03デストロイヤー。ゲイツマジェスティの腕部に装着された超高周波振動する刃がアナザーディエンドCPを斬りつける。

 続いて右手に装着されるのはカイザショット。パンチを強化する為のツールであり、アナザーディエンドCPにカイザショットが叩き込まれるとフラッシュが生じ、アナザーディエンドCPの体にXの紋章が刻まれる。

 体にXの紋章を浮かばせたまま今度はデストロイヤーからイクサナックルに持ち替えたゲイツマジェスティの左拳が紋章の上に打ち込まれた。

 5億ボルトの電圧がアナザーディエンドCPに炸裂し、全身から煙が昇る。

 

「ぬぅぅぅぅぅおおおおおおっ!」

 

 大きなダメージが入った筈だが、アナザーディエンドCPはそのままゲイツマジェスティを両腕で拘束する。

 

「今だぁぁぁぁ!」

 

 分身に攻撃を呼び掛ける。分身はそれに応じ、自分に突き刺さっていたウイングランサーとバナスピアーを抜こうとした。しかし、掴もうとした時、ウイングランサーとバナスピアーが勝手に抜け、空中で回って分身を攻撃する。

 

「何っ!?」

「俺の許可なくそれに触れることは許さん。尤も──」

 

 ウイングランサーとバナスピアーの傍に現れる幻影。仮面ライダーナイトと仮面ライダーバロンが自身の武器を掴み、分身に槍先を突き付けている。

 

「そいつらも許ないだろうがな」

 

 ゲイツマジェスティかゲイツマジェスティが許可した者しか召喚された武器は扱えない。それ以外の者が触れようとすると本来の持ち主たちの幻影による自動反撃が発動する。

 それを知らずに反撃を受けてしまった分身の前で、ナイトとバロンの幻影は武器ごと消えてしまった。

 

「お前もいつまでもしがみついているつもりだ?」

『威吹鬼!』

 

 トランペットに似た武器──音撃管・烈風を押し当てられ、そこから放たれる圧縮空気がアナザーディエンドCPに撃ち込まれる。

 

「がっ!?」

 

 アナザーディエンドCPのしがみつく力が弱まるとゲイツマジェスティは更なる追撃。

 

『バース!』

 

 バースバスターも召喚され、音撃管・烈風の空気弾にバースバスターの光弾が加わる。

 二丁の銃撃に耐え切れなくなりアナザーディエンドCPは後退するが、ゲイツマジェスティは攻撃の手を緩めない。

 

『アクセル!』

『メテオ!』

『ビースト!』

『スペクター!』

『ブレイブ!』

 

 空中に召喚されるアクセルのエンジンブレード、メテオのメテオギャラクシー、ビーストのダイスサーベル、スペクターのガンガンハンド、ブレイブのガシャコンソード。

 メテオギャラクシーはゲイツマジェスティの右手に装着され、残りの武器は空中から射出されて分身の方へ飛ぶ。

 射出された武器の傍にライダーたちの幻影が現れ、各々が武器を握り、分身を斬りつけていく。

 斬撃を連続で受けた分身は限界に達して爆発した。

 最後の分身を倒されたアナザーディエンドCP。一瞬だが、その視線は分身が爆発した方へ向けられてしまう。

 

『LIMIT BREAK!』

 

 気付けばゲイツマジェスティが目の前に立っていた。ゲイツマジェスティは指を立てた右手をアナザーディエンドCPの腹に当てている。

 

「覚悟は良いか?」

「ま、待っ──」

『OK!』

 

 指先程の間合いから加速した拳が流星を思わせる一条の青い光を残しながらアナザーディエンドCPの腹へ沈んだ。

 




残り二話で完結する予定です。
あとこの作品でライダーSSは一先ずお休みします。


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