私を巻き込むな!?   作:カニバルキャンディー

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日付間違えてたぁ…申し訳ございません…!!


仕事上の不注意

「奇遇だね、こんなところで…水橋さん」

「小鳥遊様…申し訳ございません…私は水橋ではなく、布都と、お呼びください」

 

 深く頭を下げて普段見せないような笑みで微笑む。

普段の彼女を知っているなら驚くと同時に少しだけ見てはいけないものを見てしまったかのような感覚。

 

 にゃ~別に問題ないけどバイト先で友達が来たような恥ずかしさがあるな。

てかなんで小鳥遊君ここに居るんだ?割と規模大きいから上の下ぐらいの人じゃないとこの会場に来られないはずなんだけど…

まぁ、男ってだけでいろいろそういうのは踏み倒せるか

 

「あぁ…お仕事中だったんだごめんね、気が利かなかったよ」

「いえ、私の方こそ配慮が足りませんでした、気が付かなくて申し訳ございません、この罰は何なりと」

 

「…!?あ!えぇ…!?ま、マジか…!?」

 

 おや…お父様が何か騒いでる…もしかして小鳥遊君のお父さんとかが知り合いだったとか?

さりげなく視線を向けるとなぜか私をガン見…なに…どうしたの?

ん~いやな予感…

 

「布都君…少し彼と話してきてくれ、そのあとその話を私に聞かせてくれるかい?」

「お父様…私は娘としてここにいます…離れることはできませんし人として他人との会話を聞かせることはとても…」

「黙れッ!メイドが!男の頼みだぞ!はい!と答えるのが筋だろ!いいから言ってくるんだ!私を困らせるな!」

 

 げ~本性表しやがったなコイツ…何となくはそんな気はしてたけど…次からコイツの依頼受けるのやめるか…そのうち殴ってきそうだ。

偶にいるんだよなぁ…メイド殴る奴…法律上何にも文句言えないから言わないけど…一応契約違反だからね?あんまり機能してないけど

取り合えず今回の依頼はしっかり終わらせてからそれは考えるかな

無言のまま頭を下げて小鳥遊君の方に歩いていく。

 

「ごめんね…多分僕と話して来いって言われたんでしょ?」

「はい、こちらこそ申し訳ございません…私と少しだけお話しできますか?」

「大丈夫だけど…、水橋さんにちゃんとした言葉遣いされると不思議な気分だね」

「黙っていてください優男様」

 

 クスクスと口元に手を当て上品に笑いあう、ここだけ学校みたいでちょっと楽しいな

だけど…視線が突き刺さる嫌な感じ、誰もが気にしてない風を装って私たちを監視してる。

それ系は表に出る女の仕事だろうに…つまり私の目の前の人は男がそれをやらないといけないレベルの要人っていう可能性が微レ存?

厄ネタな気がしてきた

 

「仕事中だと本当にシャキッとするんだねいつも怠そうなのに」

「そりゃぁ、私だって仕事ですからね…ところでわかってるかもしれませんが…なんとかしましょうか?」

小鳥遊君の後ろの肉料理を取るふりをして小声でつぶやく

 

「物凄く見られていますので変なこと言わない方がいいですよ?利用されます。」

「大丈夫、慣れてるから」

 

 割とシャレにならないレベルってのが現実味を帯びてきたな…

別に友達が王様だろうが魔王だろうが態度を変えるつもりはないけどな!なんだったらこちとら転生者だぞ?

そう考えたら私の方がレベル高い気がしてきたな

 

「小鳥遊、珍しいなお前がそんなに話し込むなんて」

 

 私の背後から小鳥遊君に向かって声をかけられる、挨拶しようとゆっくり回り…そして後悔

私たちがメイドが一番最初に覚えないといけない顔…やんごとなきお方、それもあんまり人の顔に興味がない私が一目でわかる

旧華族…序列1位のお方がここに居る。

要は日本での貴族様…このご時世でも絶対的な支配者層…なんでこんなレベルのパーティーに居るんだよ!!

23世紀でも珍しい純粋の黒髪、それと反するように紅く吸血鬼のような瞳、スラっとした長身はこの世界の女性をいとも簡単に魅了するだろう。

 

 即座に臨戦態勢に移行、ここに居る小鳥遊君を除いた男たちが全員死んでもこのお方だけは守らなくてはいけない。

これはメイドとしての本能がそうさせた。

 

いやマジでやばいんだって!メイド教育受けたとき心が折れるまで仕込まれたんだから!

 

「相当優秀なメイドだな…お前が話してたやつは…もしかして噂の水橋ってやつか?」

「お初にお目にかかります…私刑部 布都と申します。小鳥遊様とは学友をしていまして、現在は級友の中を深めていました。」

目を伏せ直視せずに最上級のお辞儀をする。

 

「ふふ…水橋さん…くっくっ…滅茶苦茶緊張してる…あはは…!」

「小鳥遊君後で私が優しくビンタするか猫宮先輩と組み手どっちがいいですか?」

 

 さりげなく隣に並んでいる小鳥遊君の背中を軽く殴る

イタタと笑っているその顔に向けて先ほど取ってきた肉を口の中に押し込み黙らせる。

よし…何とかなったな、取り合えず余計な話をさせないようにしないと…てかどういう関係?

 

「んぐ…酷い…僕あんまり油もの得意じゃないのに」

「あの…つかぬことをお聞きしますが…小鳥遊様…あの…もしかして小鳥遊八雲って偽名だったりします…?」

 

「あ~知らない方がいいと思うよ?代わりに名字だけ…僕は小鳥遊は今の名前だけど…旧名は清原」

 

 清原!?ん~?え?あ!?もしかして紫式部とかと血縁関係あったりします!?いやまさか…だって私が生きてた時代でも本名わかってないはずだし…

あったら間違いなく歴史に残るレベルの名家じゃん!下手したらアメリカとかより歴史が長い家になるぞ!?つまりは超名家…

よし切り替えよう、友達は友達だ、絶対に助ければいいだけの話だ…よしよし視線が強くなったこと以外は問題ないな

 

「小鳥遊君…改めて聞くけどなんでここに居るの?どっちの意味でも…」

「暇だったから?この間の誘拐が起きてちょっとピリピリしてて…家で軟禁されてたから暇つぶしにちょっと出てきた」

「でしょうね…まぁ暇なら仕方ないけど…私がおすすめしたアニメ見た?」

 

「見たよ、あのロボットアニメでしょ?日本語喋ってるのに日本語がわからなかったから見るのやめたけど」

「あれ紹介したのお前かよ!?付き合わされた俺と雪目の奴が一番混乱したわ!」

「い、いやぁ…私としては歌う方から見て欲しかったんですが…あっちの方がロボット系で初心者向けですし…」

 

 くすっと笑って近くにあった食事を食べる…うむ…流石そこそこのパーティー飯が美味い…明日用に持って帰れないかこれ

けどこの時間に食べ過ぎると明日胃もたれしそうなんだよな。

 

「おっと名前名乗ってなかったな…俺は菊野井 桜(きくのい さくら)、気軽には難しいかもしれんが…よろしく頼む」

「はい、申し訳ございませんが…気軽には本当にできないです…」

 

 流石にね?流石に私も無理だいろいろと怖い…

当たり前の男女のようにまた話しているとお父様が後ろから歩いてくるのを足音で察知…近くの飲み物を手に持ち、ちょうど私の後ろに立つタイミングで振り向き飲み物を手渡す

当たり前のようにそれを受け取り、少しだけタイミングを見ながら話に入ってくる。

 

「やぁ、私は村坂、そこにいる布都の父親だ娘と仲良くしてもらってすまないね」

 

 なんとかしてパイプを作ろうとしてるなこれは…旧華族に自分のもの使って貰ってますとかCMの非じゃないぐらい宣伝効果あるし

しゃーないのか?だとしてもだ…次何かやるようだったら私が止める。

 

「私は恋愛アプリを開発しててね、女たちが自分たちだけで完結できるようにしているんだが…まだシェアが足りなくてね、よかったら君たちも宣伝してもらえないかい?」

「そういうのはやってないんで、特定の誰かに肩入れしないようにしているんだ」

「そ、そういわずに、見て欲しいんだ!素晴らしいモノなんだよ!」

 

 ポケットからスマホを取り出し小鳥遊君と菊野井様のそばに一歩前近づくそれと同時に私も動く。

お父様の手を掴もうとするその手を私が掴み取る…そりゃぁ出てくるだろうな…こっちが明らかに悪いからあんまり妨害とかしたくないんだけど仕事だから勘弁してくれ

睨みつけてくる最上級メイド…この間私たちの喧嘩を止めた特徴的な混ぜた色の髪。

 

「お父様が大変失礼いたしました。ご用はなんでしょうか?」

「言わないとわかりませんか?」

 

 目線で牽制、掴んだ手で崩しをかけたら返されて負ける、合気道の要領で体勢を崩そうとしたら私以上の熟練度で返されて負ける、腰の銃は抜く前に殴られる

足のナイフは…お、これはいけそうか…?ダメだなお父様に当たる位置に居やがる。

その他いろいろ…考えたけど…下手しなくても数手で負けるなこりゃ…よーいドンじゃ勝てる気がしない…

 

「おい、メイド共!俺たちは男の話をしてるんだ!どけ邪魔だ!こ、こんな奴らほかっておいて…」

「だからいらないって言ってるだろ、言いたくないが俺たちクラスになると勝手に寄ってくるんだ別の奴に頼め」

 

 菊野井様がめんどくさそうにあっち行けと手を払って悔しそうな顔をしてお父様が引き下がる

離れる瞬間頭を深く下げてお詫び…うへぇ…3人のそのヤバい相手に引っかかっちゃったな見たいな視線は私の心に引っかかるぜ…

軽く小走りでお父様の後ろをついていく

 

 何やらお父様がブツブツ言いながら会場を歩いて出ていく…1回折れたらめんどくさい奴だなこれ…

なまじこの世界の男ってプライド高いからだるいんだよねぇ…挫折とかほとんどないし

ま!私が慰めるわけじゃないからまぁいいか!妻か何かに腹いせできついプレイでもしてくれ。

 

 ポケットに仕舞っているスマホで車を会場外に回してもらう、ちょうど外に出るタイミングで車が私たちの前に止まり

ドアが自動で開いて2人そろって車に乗り込む、しばらく沈黙を保ったまま車が走り出す。

ポツリとお父様が焦ったようにつぶやいた。

 

「……お前を妻にしてやる…!だからアイツとのパイプを繋げ…!俺はまだ上に行ける!次は男と女を繋ぐアプリを作って…!」

「お断りします、お父様は私の好みじゃないので…それ以前に友達売るわけにはいきませんし」

「黙れッ!おま、お前の言うことなんぞ聞いてない!妻にしてやると言っているんだッ!黙ってやれ!」

 

 反射的だろうが拳が飛ぶ、だが所詮体も鍛えてない男のそれに体重も速度もないへなちょこの拳

歴戦の天音には文字通りハエが止まるような拳…を甘んじて受け止めることにしよう、デコで受けたり躱したりすると男が怪我をするので柔らかい頬で威力を殺させながら殴られる。

 

「契約違反です、それでは」

 

 窓ガラスを開け男が何かを言っているが気にせず時速120キロ高速の世界に飛び出す。

ポストに足裏から着地、衝撃が来る前にもう一度バク中をかまして後ろにある自動販売機を粉砕して衝撃を全て逃がす。

自動販売機の瓦礫の中散らばった飲み物を飲み、少し息をついて欠伸をしながら仕事用のスマホを捨てて個人用の携帯を取り出し電話をかける

 

「もしもしメイド長?やっぱりあれ駄目だわ、アレは上級じゃなくて下級か中級辺りの練習台にした方がいい」

「あら…やっぱりそうなったのねぇ…あんまりいい噂聞かなかったからもしかしてと思ったけど…」

「おファックですわ…私をたたき台にしやがったな」

「あら、発音が違うわ、貴女のはファック本当はおfu!」

 

 そのまま電話を切る…メイド長滅茶苦茶凄い人なんだけど愉快な人なんだよねぇ

ちなみにマジで凄い人、メイドたちのトップだからね、私の直属の上司だし…いやぁ…なんで知り合いなんだろうねぇ…

それはまた今度話すか。

 

 

────────────────────────

「昨日はごめんね、水橋さん」

「無問題、アレはうちの依頼主が悪かったわ…出禁にしておいたからもう会うことは無いんじゃねぇの~」

 

 目の前で机の上に顔を乗せだらけ切った表情を見せる水橋さん…昨日のキリっとした姿が嘘みたいだよ

僕としては今の方が雰囲気が好きだからいいんだけど。

今日は放課後、僕たちの秘密基地で学生らしく暇を持て余しながらダラダラしている。

猫宮先輩は家の都合で今日は来てないから…男3人かな?

僕は身分もあるけど男ってだけであんまり出歩けないからね、あ、水橋さんが居ればいいのかな?今度聞いてみよ

 

 あの後のパーティーは特に問題なく終わったかな?水橋さんの依頼主はいい余興だったけど…所詮その程度だったし

つまり何も問題ないってことでいいのかな?いいんだろうね

 

 退屈そうにポッキーを食べながら水橋さんがなんてことないようにこの時代では珍しい普通の雑談を始める

「そういえばさ、そろそろ二ヶ月立つけどみんな新しい妻とかできた?あ、違うか…そろそろ女子発表だっけ…興味ないから忘れてた」

 あぁ…そういえばもう二ヶ月たったんだ…最近はみんなと話したり今までないような刺激が多くて時間がたつのが早い気がするよ

えっと…妻だっけ…僕はあんまり興味もないし雪目が居るからいいかな…水橋さんが嫁入りしたいなら歓迎するけども

 

「天音さんは出ないのか?女子発表会、俺は見てみたいけど」

「えぇ…私が?私一応メイドのプロでこれで一生食べていけるぐらいの技術持ってるし…流石に出ちゃダメだろ」

 

 ケラケラ笑いながらストローでいちごオ・レを飲む水橋さん…外見も合わさってほとんど小動物みたいな感じ…リスの耳が見えるよ

流石にちょっとだらけ過ぎじゃないのかな…昨日のかっこいい姿はどこ…?ここ?

 

「そこになかったらないんじゃない?」

「モノローグを読むのは流石に無法じゃない?」

 

 

────────────────

 

 

「あ、そうだそうだ、暇だからみんなの好みのタイプとか教えてよ?この世界の男の好みっていまいちわかんないんだよねぇ…全員美人だしヤりたい放題だし」

「お前…仮にも俺たちは男だぞ…しかも先輩もいる中でよくそんなこと言えるな…」

「え~?白鴉先輩だって気になるだろ?面白そうだし」

 

 リスの様に体を伸ばしてもう一度だらける…僕の妻たちの中には居ないタイプだしここまで明け透けにしてくれるのは…そこが僕たちが気に入ってる一因でもあるけど…

普通だったら僕たちの好みに自分が合わせたり僕たちに気に居られるようにしていくけど…水橋さんは本当にただの友達としか思って無さそうな会話

寧ろ僕たちを同性だと思ってる感じなのかな?

 

「俺は…活発で一緒にいて楽しい人かな?スタイルとかは全然関係ないし…いざというときに守ってくれて新しい趣味を教えてくれるならさらにいいけどな」

 お、おぉ…鹿討君結構ストレートに水橋さんに告白したね…当事者じゃない僕でもちょっと恥ずかしくなってくる…流石の水橋さんもこれには照れたりするんじゃないかな…

あ、全然照れてない、寧ろ楽しそうに笑ってる…もしかして21世紀の悪女ってやつなのかな?

 

「ぐぅ…お、俺はいいんだよ!天音さんそっちはどうなんだ!?のらりくらりと躱して!そっちのタイプも言ってみろよ!」

「私?えぇ?別にいいけど言ってもつまんないよ?」

 

 伸びをしながら水橋さんが椅子から立ち上がって何故かこちらに歩いてくる

僕が座ってる横に立って絹のような細い腕が僕の頬を撫でる。

えっと…くすぐったいし…恥ずかしい…けど…

 

「私はこの世界だととことん合わないんだよねぇ…ハーレム思考じゃないし」

 

「私は三分の一の愛じゃ満足できない、半分の愛でもまだ足りない、ケーキを分けるように分割するなんて考えられない、愛したその人のすべてが欲しい

視線も、匂いも、感覚も、血も何もかも私一人で独占したい」

 

甘い甘い毒の様に普段のやる気のない表情でもなく、メイドの用のキリっとした表情でもなく

妖艶な笑みで微笑み、瞬きをした瞬間いつものダウナーな表情に戻り僕の後ろの冷蔵庫から追加の飲み物を取りだして飲み始める。

 

「ね?あんまり楽しい話じゃなかったでしょ?私は独占欲が強い…これはまぁ…昔からだけど…だから前世(まえ)も恋愛なんてできなかったからね」

 

 欠伸をしながら椅子に座り直し先ほど同じようにだらけながら多分だけど…視界モニターでアニメを見ている…

水橋さんの昔の話…まだ知り合って日が浅いからあんまり知らないんだよね、家の人が調べようかって聞いてきたけど流石にちょっと

僕の友達ってわかればいいかな

 




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