私を巻き込むな!?   作:カニバルキャンディー

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お仕事開始

「それではご主人様…これからのことをお楽しみくださいませ…」

 ゆっくりと頭を下げて一歩下がる、それだけで彼女の動きが一線を超えていることがわかるだろう

これがパーティー会場かどこかの屋敷の一室だったら絵になっただろう…だが現在はカメラに囲まれた教室の中である

 

 は~いやる気がまったくなかった女子発表会になぜか私が出ています

なんででしょ~か、答えは青神ちゃんだけじゃなくてクラスのみんなに泣きつかれたから!

ご褒美はみんなからの一週間逆ハーレム生活…!全員美人美女だからちょっとちやほやイチャイチャするだけだから…!

 

そんな俗みたいな理由で血と汗と才能で作られた力でご奉仕をやっています!

 

「うん、ありがと…それより意外だね水橋さんが出るなんて」

「ご主人様…私も本来は出る気はなかったのですが…友達に言われてしまいまして…」

 

 座る瞬間に椅子を引いて座らせ衝撃を一切与えないように完璧な位置に椅子を動かす。

小鳥遊君は甘いものではなく味の薄いものが好みなのでレモンを少し絞った水を用意する

お菓子は洋ではなく和のお菓子を用意する、だけど万が一の可能性も考えて甘すぎないクッキーも用意を指示

 

 てかこの場所だけだったら本当に食事系の事しかできないぞ?私の専門は護衛だし、まさか暴れるわけにもいかないからなぁ…

小鳥遊君の一歩半後ろ、何かあればすぐに駈け寄れて、存在の邪魔にならない完璧な位置…身に染みてるなぁ…

眠たいことを考えていると何気ないように小鳥遊君が呟く

 

「リクエストしてもいいかな?」

「私にできることならなんなりと…ご主人様」

 

 後ろから恐怖を与えないようにわざと小鳥遊君の視界に入りつつ顔を近づける

ぼそっと私にだけ聞こえるようにつぶやく

 

「放課後教室に来て欲しい」

そっと微笑みもう一度後ろに下がり私の女子発表会は終了

 

え?結果?もちろん私が最優秀賞ですけど?流石に学生レベルの奴に負けてられないからねぇ…

どれだけほかの科目で負けてたとしてもメイド関連は流石に負けられんわ

 

 

────────────────

 さてはて、呼ばれたの放課後教室に歩いていく、周りにバレないように気配を消しながら男専用の教室に向かう。

バレるとこれまた噂されるんだよねぇ…人の噂も七十五日っていうけど流石に学生生活では長いわ…

 

 ガラッとドアを開けると小鳥遊君がこちらを向いて微笑んだその瞬間、膝から崩れ落ちる……嘘でしょ!?

倒れる前にスライディングで滑り込み頭が地面にぶつからないように受け止める!ギリギリセーフ!危ねぇ!

って!安心してる場合じゃない!呼吸は…してる!体温も問題なし!内臓系か?だったら呼吸がおかしくなっているはず…

メイドが使う用のナノマシンをぶち込んでおくか!最悪心肺停止しても強制的に動けるようになるしコレ

 

「枕は…私の太ももでいいか」

いわゆる膝枕、あんまり太くないから寝心地は悪いかもしれないけど許してにゃ

スキャンをしながら軽く眺める

 

 ふむ…にしてもまつ毛長いな…肌もきめ細かいしなんかいい匂いもする…この年齢の男ってあれじゃないの?汗臭かったり油臭かったり

男男!みたいな匂いしてるはずなんだけど化粧品の匂いはしないし…もしかしてこのご時世で珍しい天然成分100%匂い消し!?

 

 頬を軽く触ったり撫でたり軽く欠伸をしながら頭を優しく撫でる…髪もさらさら…仮にも女としての自信を無くしそう

うん…寝顔も可愛い鹿討君とは違って男らしくないけど所々がしっかりと男って感じがする…いいなぁ…私も男に戻りたい。

前世を思い出しながら男子特有のゴツゴツしている指を優しく撫でたり触ったり…浮き出た神経をなぞる

 

ん?この血液の動きは起きてるな…なんで寝たふりなんてしてるんだ?胸なんてないから空が半分しか見えなかったとかないでしょうに

耳元で囁き系ASMRしてやろうか?寝たふりした方が悪い!

 

「あ~あ…んっあっ…!よし行くか…」

髪をそっと撫でて耳元に口を寄せる、声を頑張って普段のハスキー系ではなく甘々の声山田じ〇み子ぐらいの声を気合入れて出す…!

オタクなら女になったらやるよね!声作るの!

 

「ねぇ…小鳥遊様…どうして眠ったままなのかしら…白雪姫は私の役目じゃないの…それとも私とお話ししたくない…?あは…!それとも…ここでずっと私と寝てる?」

 ふぅ~とゾワゾワするように耳元に息を吹きかけ聞こえるように唾を飲み込む

くすくす笑いながら顔を離すと顔を赤くした小鳥遊君が顔を上げ少しだけ恥ずかしそうに睨む

 

「くっくっ…私を睨んでも何にも出ないぞ?」

「…水橋さんってエッチなのNGじゃなかったっけ…僕の勘違い?」

「や、普通に悪乗りがしすぎちゃった!ごめんね、ところで体に異常はない?一応持てる限りの技術使って調べたけど」

「大丈夫…ごめんね心配かけちゃって…最近疲れてて…ついフラッと来ちゃった」

 

 おいおい…この世界の男が疲れるまで仕事する?ありえないだろ…精液だけ作ってれば余裕で生きていける世界で何をそんなに頑張ってるんだ…

ほかの社長さん?あれ物凄い努力はしてるけど男の仕事は子作りだからそれを疎かにしたら即座に会社が取り上げられます!

まじまじだってそうしないと人類滅ぶし

 

「話したいなら話してくれてもいいけど…そうじゃなかったらもう少し休む?」

「……そうさせてもらってもいい?安心して寝られるの久しぶりだから」

 

 再び私の太ももに頭を乗せて目をつぶる小鳥遊君…近くに滅茶苦茶ふかふかのソファーがあるんだからそっちにした方がよくない?

私よりムチムチの妻なんてダース単位で居るんだし…そろそろ次の妻見つけないといけないんだからこういうのが得意な子にしたらいいのに

 

 思ったよりすぐに寝息を立てて眠りにつく…本当に疲れてたっぽいな…

なら私はメイドらしく癒してあげましょうかね…よっしゃリフレよりいい感じにしてやろ

髪をまた優しく撫でながら雪目に連絡を入れておいて取り合えずOK…二時間は寝かせる誰が何と言おうと寝かせてやるからな…!

今日は生存戦略するアニメを見ようかな?半分見れたら時間も潰れるでしょ

チャイムが2回鳴り脚の痺れがいよいよヤバくなってきた…うぉ…血が止まる…!ビリビリしてきた!

 

「あ、ごめん…大分寝ちゃった…?」

「いや?たった二時間だ、午後の最後の授業ぐらいには間に合うんじゃない?」

 

 アニメを消して起き上がった小鳥遊君を見上げる、ん…顔色もよさそうだしいいんじゃない?

さっき起きる前の記録確認したけどマジで土の色してたからね…これ雪目が監督不備で怒られるんじゃない?

 

「ありがとう…水橋さんえっと…なんで僕呼んだんだっけ?」

「そっちが知らないなら私が知るわけねぇでしょ…大丈夫?まだ疲れてるなら寮に送っていくけど」

 

冷蔵庫から取り出したスポドリを渡して普通の椅子座らせその隣に座る

「あ…思い出した、今度の休みお仕事依頼したいんだけど」

「え…私に?いいけど、何をしたいの?どこか外出?それとも別の事?」

 

 

──────────────

 依頼を受けて送られた住所に到着…え~京都の一等地しかもめちゃくちゃ家がデカいし古そう…

古き良き日本の豪邸って感じ、まぁ…三階建てなのは異様って感じだけども

 

依頼内容を説明する

雇主は小鳥遊君

目標は、なんか今日いろいろ身の危険がありそうだし変なことが起きそうだから身辺警護をして欲しい

弾薬費は偉いさん持ちになっている

依頼主の命令があるまでは待機

水橋さんには無いと思うけど僕の家は古いから粗相がないように

こんなところか

悪い話ではないと思うぜ

 

 みたいな感じなので私の服装は珍しく本気のメイド服、隠れる必要も自然と隣にいる必要もないならこっちの方がいい

王道のクラシックタイプ、首元にはメイド服とは不釣り合いな鉄の首輪に鎖が少しついている

これワンポイントね、私はあなたのモノです何なりと…っていう意思の表れ

袖には大振りのナイフが2、太ももに愛銃と見えない位置にマガジンが3、ホワイトブリムの中にピッキングツール

後はまぁ…皮膚の中にとか靴の中にもいろいろと仕込んでいます…鹿討君の時滅茶苦茶大変だったからね…趣味と実益を兼ねていろいろ仕込むことにした

 

身なりを整え、意識を切り替え仕事モードに

 

「おはようございます、刑部布都、ただいま参上いたしました」

「おはよう、坊ちゃんから話は聞いているわ裏口から入って」

「かしこまりました。」

 

よ~し気合入れて護衛やるか~とはいえ身の危険とはなんぞな?

そんなことを考えつつこの家のメイド長のような着物を着た初老の女性に案内されながら家の中を歩く

うひぃ…廊下1つ曲がり角1つとっても罠とか忍者屋敷かここは…いやもっと恐ろしい場所だろうけどね

 

「坊ちゃま…ご友人のメイドが来ました、開けてもよろしいでしょうか?」

「水橋さんだけ中に入ってもらえる?ばあやありがとう」

 

扉に向かって頭を下げ音もなく歩き去る初老の女性

私も同じように頭を下げ扉を4回ノックして部屋の中に入る

 

「おはようございます、ご主人様…今日は私めがご奉仕させていただきます」

「水橋さん…まだ普通の喋り方でいいよ?仕事の時間じゃないし」

「では…お言葉に甘えさせていただきます…」

 

 ぺこりと頭を下げて椅子に座る。

さて…鹿討君なら一緒にアニメ見ながらダラダラするんだが…小鳥遊君何するんだ?そういえば小鳥遊君の趣味とか知らないな

揶揄ったりウダウダ話してたけど深くは知らなかったし、暇だからそこらへん聞いてみるか

 

「小鳥遊君って普段何してるの?」

「え?えっと…稽古事とかあ、最近は進めてもらったアニメ見てるよ、魔法少女とか未来の日記とか」

「全部メリーバットエンドじゃない…!?そっち系が好きなのか!?」

「共感はできないけど刺激は多くて楽しいんだよね、普段こう…毒にも薬にもなら無いようなのばっかりだし…」

 

 無菌室で育てられたようなもんだからねぇ…まぁ…戦争終了後のフェミが作った奴とかそれの反動で作られた奴とか反吐が出るほど面白くないし

しばらく駄弁っていると小鳥遊君が決意に満ちた顔をしながら立ち上がり私に視線を向ける

 

「かしこまりました…後ろについていきますのでご用があればご命令を」

「うん、ありがとうじゃ、行こうか」

 

 前を歩く小鳥遊君の三歩後ろを歩き廊下を歩く

階段を上がり窓の外を見るとわぁ…お庭にリムジンが止まってますわぁ…和風の庭にゴリゴリの洋風の車が止まってる似合わねぇ

明らかに重要そうな扉をノックして入室。

 

 

知ってる?私ここまで来て護衛よろしく!しか聞いてないんだよ?

滅茶苦茶不安なんだが!!

 

──────────────

 部屋の中で立っているのは小鳥遊君とまったく顔が似てない20代ぐらいの青年

見た感じ多分お兄さんかな?あ、この世界母親が別なんて普通にあるから似てないなんてそれこそ当たり前のようにある

最悪男ならどんなぼんくらでもある程度は何とかなるから何でもいいって感じだし

 

「来たか八雲、まぁ座れ何か飲むか?」

「待たせちゃったかな?兄さん…飲み物は大丈夫、さっき水橋さんと飲んできたから」

 

 高そうなソファーに座りその後ろに私が置物のように立つ、私の正面に同じように立っているメイド

特徴的な混ぜた色の髪、抜群のスタイルの最上級メイド…後から知ったけどコイツの名前、西崎ユラって言うらしい…ちょっと調べれば直ぐに出てきたわ流石最上級メイド

てかコイツのご主人様このお兄様かよ…え?じゃあ、あのフェミニスト共小鳥遊君の親戚だってこと?マジかよ…今明かされる衝撃の真実ゥ!

 

「八雲…いい加減妻をもう1人娶れ、ちょうど有力者の娘さんが同じような年齢で夫も居ない、雪目と同じような扱いでいいから娶れ」

「もしかして錦町さんのこと言ってる?…ちょっと嫌だな…彼女…あんまりいい噂を聞かなくない?」

「あぁ、だが名家だ我々の血を継いでいくためには多少の横暴も許すべきだ」

 

 あ~血系の問題あるんだ…人類が絶滅寸前なんだからそんなこと言ってる場合じゃないと思うんだけどねぇ…

試験管ベイビーの私にはよくわからん話だって

 

 そこから話はヒートアップしていく、え?内容?内容はないようです…

ってのは冗談でメイドとしてあんまりこういうの詳しく聞いちゃダメなんだよねあくまでも我々はメイドで従えるものなんだから主に意見しないようにしないとね

アニメとかだとしてるって?アレはそういう教育を受けた役職の人だからね…愚痴は聴いたりするらしいけど私は護衛だから管轄外です!

 

「だから…僕は婿入りはしない、幾ら家同士が強固になろうと僕は嫌なんだ、雪目を嫁入りさせたらもう後は僕の自由だろう?」

「それに関してはすまない…だがチャンスなんだ!私が婿入りできたらよかったんだが…小鳥遊家の長男としてこの家を守らなければいけない…お前には苦労かけるが…どうかわかってくれないか」

「わかるけど…僕にも選ばせてほしい、それくらいの自由はあるはずだよね?」

 

 話し合いは苛烈にヒートアップ、早く終わんねぇかなぁ…正直人様の家庭事情なんてあんまり興味ないんだよね、だってそうでしょ!

だってそうでしょ…私が嫁ぐわけじゃないし、そもそも友達として手助けできる領域を超えてんのよ…何言えばいいの…助けてくれって言われたらそりゃ助けるけど

 

等々2人が立ち上がり拳を握る。

 

「なら力尽くでも連れて行くしかないぞ…!」

「やれるものなら…やってみてよ!」

 

 瞬間私と目の前のユラが同時に動く2人の主人の間に立ち銃を向けあう

私は身長的に銃口を顎辺りに突き上げ、ユラは私の眉間辺りを狙う。

 

これよりは話し合いではなくメイドを使った戦いの時間。

 

「「ご主人様 ご命令を」」

 

寸分違わずメイドたちが言葉を発して主の命令を猟犬のように待つ

 

「捕まえろ!」

 

「僕を連れて逃げて」

 

そして絶対の命令が発せられた!

ならばあとはメイドとしてその命令を死んでも叶えるのみ

 

 

「「かしこまりました」」

 

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