私を巻き込むな!?   作:カニバルキャンディー

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お待たせしました


暗い影は夜に蠢く

 時刻は夜中の2時男たちは自分たちの部屋でぐっすりと眠っている

流石の体力お化けの男子高校生たちも海に花火にイベントが巡り押しで体力が切れて多少の音がしても目は覚まさないだろう

 

そんな中分厚い防弾ガラスをレーザーメスで焼き切り、外から1人の女性が入ってくる、外見は特殊部隊と言ったいで立ちで威圧感を与える。

何かを探すようにキョロキョロと辺りを見渡し…

 

「ウェルカーム、やっぱり襲いに来やがったか」

 

 明らかにパジャマのハーフパンツに上はダボダボのTシャツ一枚で余裕そうにポッキーを咥えながら、手の中で缶を握り潰して、ソファーの上で偉そうに踏ん反り返っている

天音がまるで友達のように声をかける。

即座に侵入者はサプレッサー付きの拳銃を向けるがまったく意に介した様子もなくポッキーをもう一本咥えケラケラ笑う。

 

「まさか20階を強風に吹かれながら乗ってくるとは思わなかったぜ?」

 

 ほんとにな、いくら技術が発展したとはいえ上ってくるだけで命がけだろうに、いや上からリペリング技術で降りてきたのか?

とはいっても上は40階だぞ?割と自殺未遂だっての

大方男が来たから逆レか誘拐のどっちかだろう、情報なんて言っちゃなんだけど漏れるの前提だし、どれだけスタッフが優秀でも

漏らす奴はいる、そこら辺はもう仕方ない。

 

 てか冷蔵庫の中にあった水、アレ中身滅茶苦茶飲みやすい酒だ、水みたいにごくごく飲めるし飲み慣れてない奴は水と勘違いする

このレベルの高級ホテルで未成年のそれも男が泊る場所に入れるわけがないつまりコイツの仕込みはそれまでに終わってる。

 

「一体いつの間にって話だよマジで…まぁ、内通者でもいたんじゃねぇのかぁ?どうでもいいけど…まったく仕事増やすんじゃねえよ」

 

なぁ?と話しかけるが無言のまま侵入者が発砲して天音を撃ち抜こうとするが弾かれたようにソファーから跳ね上がり正面に立つ

 

「どんな目的か知りませんが…私の友達が眠っておられます…恐らく初めての友達との旅行なのでしょう…このまま楽しい思い出にさせてあげたいのです」

 

 首を軽く回して近くに置いてあったナイフを1本を取り出して、天音の空気が変わる。

先ほどのだるそうな、めんどくさそうな気配は消え去り鉄のような意思を持つメイドに切り替わる

服装はそのままだが侵入者は最高級のメイド服を着ている姿が写り込むッ!それほどまでの変わりよう!

 

「今そのまま帰るならば邪魔は致しません、向かってくるなら殺します」

事もなく殺害予告を出す、それが冗談ではなく本当にやる凄味があり実際虫を潰すよりも早く殺すだろう。

 

 侵入者は無言のまま銃を構えるが

10歩以上離れた所に居たはずの天音が一気に距離を詰めて銃のスライドを万力のような握力で掴みトリガーに指を絡ませる

これでスライド式の拳銃は撃てなくなった、一歩間違えれば至近距離で弾丸を浴びるが…いとも簡単に成し遂げた

 

「…ッ!?」

「お覚悟を」

 

 もう片方の手で手首を掴み合気道の要領で強制的に1回転させる

だが相手も空中で体勢を立て直し天音の顔面を蹴りが捉えるがそれを読んでたように軽く首をそらして回避

即座に天音が前蹴りをぶちかまし大げさに吹き飛ばないが衝撃がすべて内臓に行くように器用に調整しドアの付近まで転がす

 

「余り埃は舞わせたくないんですが…起きたときに不審がられてしまいますし…」

 

 困ったように溜息を吐いて自然な流れでナイフを投擲ッ!

侵入者は顔を隠すマスクに跡を残しながら紙一重で回避!

瞬間天音が飛び蹴りをぶちかまし、事前にカギと扉を微妙に開けておいたおかげかそのままホテルの廊下に転がる

 

「あれ?そっちもう終わってました?」

 

 流れ作業のように侵入者の喉元にナイフを突きたて声を出さないように絶命をさせる。

顔を上げると死体の山の上で欠伸をしているラムカとその処理をしているユラが軽くお辞儀

 

「所詮雑魚だからなァ、アタシ達2人が居て負けるわけねェ、それより音を立てないからって時間かかりすぎじャねェか?」

「私は本来オフなのですよ、貴方達の尻拭いしてるだけましって思ってくださいそもそも男の寝室に忍び込ませる時点で失敗なんですから」

「ハッ!言ってろ!」

 

死体から引き抜いたナイフを手の中で回し、ソードオフショットガンのリロードを完了させる音が同時に響く

 

「言い争いしてないで仕事しなさい貴方たち…天音はありがとう、私達じゃ中まで入れないから貴方に任せるしかなかったのよね」

「わかっていますよ、こんなのただのじゃれ合いですし」

「あァ、悪かったな、こっちは片づけておくから部屋の窓だけ直してくれや」

 

 ケラケラ話しているとチーンとエレベーターの音が鳴る全員がそちらに振り向くと

背の高い白と黒の色違いの狐のお面をつけた女性が2人と般若のお面を被り日本刀を腰に差している人が1人

明らかにただものではない風貌

 

「私が般若をやるわ、2人で狐の方を頼むわね」

「かしこまりました…ご安全に」

「なかなか強そうだ、コイツラみたいな雑魚じャないといいがな」

 

いつの間にか2人の間をすり抜け般若の女がユラと斬り合いながら戦い始める、それを完璧に無視して

阿吽の呼吸で2人が動く

 

 ユラはショットガンを構え発砲、布都は弾丸を縫うように前に進む

白い狐の女は100均でも売ってそうなハサミを取り出して布都のナイフを受け止める

 

「なかなか面白いもの使いますね、次はコンパスですか?」

「死ね」

 

 もう片方の手で横からナイフを横なぎにして顔面を穴だらけにしようとするが

布都は膝の力を抜き、気絶したかのように足元から崩れ落ちる、目の前から自然な動作で消えたことにより一瞬だけ白い狐は相手を見失う

その隙を逃さず落ちた勢いと体重を乗せて相手の足の甲に肘をぶち込むッ!

 

神経が密集している足の甲に人体で2番目に硬い部位をぶつけるとどうなるか、無論脆い方の骨が砕ける

 

「っぐあぁ!?」

「おっと失礼、育ちが悪いもので」

 

 そのまま足首を掴み引っ張り上げるッ!

だが相手もされるがままではなく空中で身を翻して何処からかデリンジャー二丁取り出し発砲!

布都が舌打ちしながら撃ち抜かれたら困る顔面と喉を腕でガード、狙ったように左腕に2発当たり血が飛び散る。

狐の女は大きく息を切らして手に持ったデリンジャーを投げ捨て懐からナイフを取り出してぶん投げるッ!

布都は転がるようにそれを躱して地面に転がっている高そうな壺を投げ返しこちらも距離を取る。

 

「やられましたね、あの体勢から何かできるとは思わなかったんですが…」

 

 一方こちらは腕を撃ち抜かれても気にした様子はなく余裕綽々で立ち上がり

右腕と右足を引き。自分の肩幅と同じになるぐらい足を開く、利き腕を後ろに構え、戦闘態勢

布都が得意とする格闘技は反則技、殺人技、決して他人に向けてはいけない技を自分なりにアレンジし混ぜたもの

ムエタイをベースにしたなんでもありのもの、武器があれば使わなくて済むのだが…今は非常事態

 

「ユラ、そっち大丈夫ですか?」

「あぁ!?今忙しいから後5分待ってろォ!」

 

 両方とも壁を足場にして飛び回りながらサブマシンガンを乱射しながらその弾丸をショットガンの弾で撃ち落としてるとか馬鹿みたいなことをやっている

何あの2人怖いわ…私でもできねぇよそんなこと…タイプが違うから一概には言えないけど

 

視線を向けると大振りにこぶしを振りかざしている白い狐、拳にはナックルダスター!暗器用の鉄製メリケンサック

まともにかち合えばこちらの腕が砕けるだろう

 

だがそれだけだ。

 

 拳ではなく手首辺りを前に出した腕で弾き飛ばしそのままの勢いで回転しながら

肘で顔面を捉え吹き飛ばすが…違和感、普通の人間であれば顔面陥没で即座にあの世行きだが…血反吐を吐くだけで済んでいる。

顔面の強度が普通の人間じゃない…というか変な感触…まぁ、四肢は普通の硬度だったしぶん殴れば死ぬか

 

 頭では考えながら身体は冷静に動き出し、一歩で懐に飛び込み首を抱え込むように抱きしめる

そのまま脚力を生かした膝蹴り(カウロイ)を顔面に叩き込むッ!血反吐を噴き出して逃れようとするが

一度絡んだ首相撲は返し方を知らなければ外れることはないッ!

もう一度膝蹴りをぶち込み首をはね上げたところで手を離し全力の前蹴り…

 

 瞬間悪寒が走り、蹴るのをキャンセルし全力で後ろに飛ぶ!

白い狐が何かを強く握りしめると弾丸が発砲され布都の身体を貫く

 

「ちっ…!握り鉄砲とは古いものを使いますね…!だからわざと蹴りを受け止めたのですか…!」

「うぐべ…おえぇ…ご、ごごまでやられるとはおぼわながった…」

 

 血反吐を吐き散らして身体の部品を落としている白い狐

あ~インプラント系か?骨格に鉄を入れたり歯を手術で頑丈にしたりする暗殺特化の身体の改造…

だからコイツ暗器しか使ってこなかったのか、スタイルが似てるぜ

 

 ぶち抜かれたのは胸…筋肉を締め付けて強制的に出血を止める、滅茶苦茶痛いけど死ぬよりはまし

幸い太い血管は傷ついてない…なら余裕だな。

 

「死ぬ前に何か言い残すことは…!?」

 

 止めを刺そうと拳を振りかざすが横からラムカが一直線に飛んでくるッ!

一瞬で受け止める決意を固め、踵を起点に中国武術の化勁(かけい)の応用で回転しながら衝撃を受け流す

嘘でしょ!?ラムカが吹き飛ばされるなんてどんな敵だよ!?

 

「生きていますか?正直私も満身創痍なんですが」

「ぐ…!アタシの敵は倒したァ!問題はの般若だ!」

 

 ユラの方向を見ると異次元の戦いをしていた…嫌だって踏み込んで砕いた瓦礫とかですら蹴り飛ばして殺人の道具にしてるんだよ、しかもそれをスタイルに組み込んでるから

ガンダムのビットみたいに飛び回ってる…こわ…

 

 流石の相手も日本刀が半分へし折れてるけどそれ以上にユラの胸元から腰に掛けて斜めにバッサリ切られてる…おいおい…最上級メイド相手に何で粘れるんだよ…

私ですら持てる技術の大半つぎ込んで尚且つ瓦礫の雨を降らしながら戦うって行為やってギリギリで勝ったのに…

 

「どうします?正直ここまで大規模な戦闘になると思ってなかったので武器なんてもう無いですよ」

「アタシのショットガンもへし折られた、予備はあるが…正直あそこに割り込むなら本気用のがねェと」

 

あ~確か私の装備は部屋にあったな…クソ…扉が戦闘してる2人の反対側…いやぁ…厳しい…

やるしかねぇか

 

「私の部屋の中に私の装備があります…一瞬でいいのであの戦闘に割り込んでください」

「ちっ…ショットガンは!」

「私のスタイルは罠と超接近戦です!」

 

 全力で走る!横に振るわれる日本刀とナイフの隙間を命がけで通り抜け

0.5秒後私の眉間に叩き込まれる瓦礫はラムカがぶん投げてくれたナイフが弾き飛ばし

弾かれたナイフをユラの方に蹴り飛ばしドアをブチ破り入室ッ!

 

「し、死ぬかと思いました…!ユラ流石ですよ…!」

 

私が感知した以上に死線は多かった…!ユラがそれを丁寧に潰してくれたおかげで何とかたどり着けた…!

 

 息を整えながらベットの上に置いてある鞄を開けてナイフ3本とカスタムされた拳銃にマガジン

手榴弾を素早くセットして拳銃を構えながら外に飛び出すッ!

だが般若の女と2人の女が忽然と姿を消していた

 

「やられたわね…まさか腕を犠牲にしてまで私から逃げ切るとは」

 

 ユラが吐き捨てるように手に持った他人の手をそこら辺に投げ捨てる

うわ…まさかあの一瞬で逃げきったの?相手もやるねぇ…なんでそのレベルの実力者が犯罪者なんてやってるんだ?

 

「取り合えず私と布都は応急処置ね、ラムカ、メイド長と後始末する部隊に連絡入れて頂戴」

「アタシの部隊を出す…ここまでやられるとは舐められたもんだ」

「私命がけで真ん中通った意味ないじゃないですか…あ、私治療終わったのでユラもどうぞ」

 

医療用ナノマシンチューブを投げ渡し包帯を改めて巻く

にしても本当によく私たちから逃げられたよな…仮にも日本で上から数えた方が早いメンツなのに。

 

「布都、とりあえず貴女は男性の窓を直して今日は休みなさい」

「了解しました…報告とかはどうしますか?」

「後日でいいわよ…強さが段違いだっただけでただの襲撃よ?」

 

確かに…んじゃ先に休ませてもらおうかな…腕とか胸とか撃たれたから明日肌が出る奴着るのやめるか…

ちきしょ~

 

 一礼して用意されていたガラスの材料をもって男たちの寝室に入り直す

滅茶苦茶便利だよね…応急処置だけでいいからガラスを当ててスプレーやるだけでそれっぽくなるし

音もなく部屋の外に出て自分の部屋に戻り時間を確認…よ、4時…!朝のバイキング行く時間は8時30分…!

仮眠しか取れないじゃん!

 

寝られるだけましか

 

──────────────────────────

「お、このパン滅茶苦茶美味しいな」

「天音さんなんでラピュタパンなんて作ってるの…」

 

 茶碗蒸しを食べながら起きてきた男組とホテルバイキング!

部屋の外を見たけど銃痕とか私たちがぶっ壊した破壊痕は綺麗さっぱり消え去っている

流石後始末部隊…やるねぇ

 

「水橋さんおにぎりとか食べる?ついでに取ってくるけど」

「私朝から米食べれないんだよね…オフだと内臓が弱くて…」

 

 ごめんねありがとと小鳥遊君に手を振ると気にしないでと席を立つ

牛乳を飲みながら辺りを見渡す…私たち以外の男がそこそこ居るし護衛のメイドが昨日の倍は増えてる

まぁ、昨日みたいなことがあったからねぇ…と言っても私たちが苦戦するレベルの奴らがホイホイ来られても困るけど…

 

「よし、朝ご飯を食べ終えたら家に帰えるぞ!」

「あれ?白鴉先輩観光とかしなくてもいいんですか?私その気でしたけど」

「水橋…俺も観光とかしたいんだが…うちの親たちが早く帰って来いと連絡があってな…」

 

確かに男だけでこんなに家を空けるのは無かったから心配でストレスがヤバいとかそんな感じか?

ありそうなのが嫌だわ…

 

食事を終えて荷物をリムジンの中に先に入れておく

白鴉先輩が先頭で歩き一番後ろに私と鹿討君が並んで歩く

 

 

「滅茶苦茶楽しかったよ!男だけで旅行に行けるなんて夢みたいだ!」

「いいねぇ!次は外国でも行きたいぜ!私仕事以外で外国行ったことないし」

「お!それ最高!俺も行ってみたい!このメンバーで!今回みたいに何事もなくただ楽しみたいな!」

 

そうだねと笑って昨日撃ち抜かれた壁の後をさりげなくなぞる

 

頑張るか

 

 




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