次の日の放課後!
「取り合えずストーリーを考えてきたんだが、みんな見てもらえるか?」
白鴉先輩が私たちの視界にざっくりとストーリーをみんなに見えるように広げる
ちょっと目の下に隈があるけどもしかして一晩で書いてきた?ちゃんと寝ないとダメだってのに
【時代はざっくりと中世、ある時若い女民が不自然に消える、それを問題に思った王は騎士団長に調査に行かせる
そこには悪役令嬢が若い人間の生き血を啜り、残虐の限りを尽くしていた、若き騎士たちはそれを止めなければならない!しかし最初の攻防では勝てなかった
ならば仲間の力を借りて討伐隊を結成、最終的には悪役令嬢が倒されてちゃんちゃん】
「イメージとしてはアクションでストーリーを誤魔化す感じだな、アクションに関しては水橋って言うプロが居るから映えると思う」
「私のヘイトが凄いことになりません?てかこれどこの設定どこから引っ張ってきたんですか…」
まぁ、文化祭の出し物としてはいいんじゃない?問題は男が作って出演するのが珍しいから私たちの枠が長いってこと!
私も取り合えず昔の出し物とか見たけど最長30分最短5分で終わってたよ…その大半が適当に踊ってみたり真っ黒な画面に男たちの話場面が流れてるだけとかね!
白鴉先輩は寧ろ何で受けたんだ…去年とか普通に休んでたのに
「いいね!俺っちは武道派の貴族にして欲しいぜ」
「あ、僕はあんまりアクション出来ないからよろしくね」
「俺は正統派の戦いがやってみたい」
「大丈夫?全員私と戦うんだよ??私の辞書に遠慮なんてないからね??」
やいのやいの話しながら取り合えず全員が見えるように画面を共有してリクエストを打ち込んでいく
ついでに撮影用のセットも購入…足りなかったら学校の貯金から金だそ
戦闘面に関しては男子チームは勝手に動いて貰えれば私が合わせられるし、VRだと多少は身体制御があるから様にはなる
猫宮先輩なら私が本気出さなかったら伊達にはなるだろうし…てか悪役令嬢って武器何使うの…武芸百般はできるけど特殊なのになると無理よ?
欠伸をしながらYouTubeで貴族の所作を確認…ついでに軽く体を動かす…
こんな感じ?ん~?しっくりこないんだけど
「水橋、なんか貴族的じゃなくて相手を立てる感じの動きだ」
「え、えぇ…職業病が…!」
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という訳で男子は全面的に授業免除、私は男子たちが必要だからって言ったので私も免除
勉強についていけない?一応忘れがちだけど私勉強は上から数えた方が早いから、人生2回目なんでこれでもね。
流石に私たちが使うレベルのVR機器は学校に置いていないので各自寮と家に帰りVRの中のバーチャル集合所で集合!
さて撮影開始!という訳にはいかない…だってストーリーとかは作られてもセリフとかはないから何したらいいかわからん
大まかな流れは在れど、セリフとか全部アドリブって訳にもいかないからな
それじゃあやれることと言えば衣装合わせか動きの合わせ方ぐらい。
衣装合わせと言ってもSAOみたいにパパっと変えるのは出来ないからちょっと怠い、ネットから服のデータダウンロードして体に合わせていろいろしないといけないから…
まぁ、これは私がやるか
「一応キャストは決まったぞ!主役の俺たちは騎士団長のアトス(鹿討)切り込み隊長のポルトス(猫宮)狩人のアラミス(小鳥遊)執事のトゥルゾ(白鴉)悪役令嬢のエリザベート(水橋)だ!」
お~と全員で拍手取り合えずそれっぽい衣装を何種類かネットからダウンロード
「は~い、んじゃ今から衣装合わせするから全員一列に並んで」
「んじゃ、俺っちから切り込み隊長ってどんな服着るんだ?」
「取り合えずベルセルクのガッツ的なので」
そんな感じで取り合えず猫宮先輩の衣装を鎧と馬鹿でかい大剣に変える
おぉ…体がガッチリしてるから鎧姿と大剣が似合う…
「ヒュー!天音が選んでくれた衣装カッコいいじゃねぇか!」
「ですよね!私この作品本当に好きで!この作品より後の作品に多大な影響を与えてるんですよ!んでんで!主人公だけじゃなくて敵も影響を与えて」
「わかったわかった!胸倉掴むな!あとで聞いてやるから!」
身長的に胸倉を掴みながらお腹の辺りに足を回して抱き着いてる感じになるけどマジでガッチリし過ぎて私の体重じゃびくともしないんだけど…
そのまま首根っこ掴まれて地面に投げ捨てられる…雑!
「じゃあ、白鴉先輩行きます?」
「俺は適当なので構わん、所詮執事なんて見栄え変わらんだろうしな」
そういうやいなや唸りながら執筆に戻る白鴉先輩…わざわざ1から作らなくてもいいと思うんだけど…
やりたいなら別にいいと思うけど…あと確かに執事ってスーツ着るぐらいだしな、だからと言って手を抜くことは私はしない!
多分したら女子生徒に殺されるし妻に殴られる!
「んじゃ小鳥遊君行くか」
「狩人だよね?どんな感じになるんだろう?」
「取り合えずお楽しみ」
濃い緑色のポロシャツに薄色のマントとぴっちりとしたズボンの簡単な衣装
だがマントにはナイフが括りつけられて。腰には弓筒が下げられている、誇張された狩人の衣装
「線が細いだけあって似合ってるよその衣装」
「ほんと?と言っても僕自身が動けるわけじゃないからAI任せだけどね」
手に持った弓で近くの的を狙ってバシバシ当てる、小鳥遊君、うんうんだいぶ似合ってるあとは立ち振る舞いか
そういう動画もダウンロードしておかないといけないかな
「んじゃラスト!鹿討君おいで~」
「騎士団長らしいけど正統派になるのかな?」
「一番難しい感じだって、取り合えず私の趣味で行くから嫌だったら言って」
正統派の鎧、本当ならフルヘルメットにしたかったけど流石にメインの顔が見えないものアレなのでヘルメットは無し
武器は直剣と美しいレリーフの入った盾、いわゆる上級騎士
「おぉ、正統派にかっこいいな」
「いいね、かっこいいよ、んじゃ軽く体動かしてきな」
おー!と言いながら小鳥遊君に斬りかかって遊びに行く…辞めてやれよ…VRだからって驚かないわけじゃないんだから…
んじゃ最後は私かどうすっかねぇ…
個人的なコスプレにするか…それともしっかりとした感じで行くか
取り合えずイメージは赤い…いや白だな血が映える
オフショルダーの足首まで隠れるドレスに単純な真っ白じゃなくて薄く金色でマリーゴールドの刺繡
武器は…槍で行こう、赤黒い先端が螺旋状になってる実用的とは思えない物を
「どう?エリザベート1878って訳にはいかないけど映えるんじゃない?」
「凄い似合ってる!天音さん可愛いし美人だよ!」
鹿討君とハイタッチしてダウンロードした槍を軽く振り回す
全員が30分ほど体の補助AIに任せてダミー人間相手にしたりと慣れようと努力中
身体の動きを覚えたのか猫宮先輩からのお誘い
「天音、俺っちと組み手でもやろうぜ」
「いいですよ?軽くいきますか軽く」
大剣を構える猫宮先輩と槍を地面に突き刺し自然体に構える
上段から轟音を立てて振り下ろされる大剣を軽く横にずれるだけで躱し
流れるような動きで大剣が横に振るわれるがジャンプし大剣の腹を踏みもう一度空中に飛ぶ
「余裕じゃねぇか!」
「縦に斬るか横に振るうかのどっちかですからね、しかもAI任せだからさらに読みやすい」
地面に着地した瞬間雷のような突きが天音を狙うが近くに突き刺しておいた槍を引き抜き大剣に触れた瞬間その槍を蹴り上げると簡単に大剣が上に逸れる
機械のような正確な動きで槍を猫宮の首元に突き付ける
「戦闘補助に任せましたけどこれダメっぽい、動きが機械過ぎるし動作がワンテンポ遅いな」
クルクル槍を手の中で回して地面に突き刺してかかって来いと手招き
「んにゃろ、余裕じゃねぇか!睦月!八雲!お前らも来い!」
少し離れたところから音もなく飛んでくる3本の矢を槍で払いのけその隙を見逃さず踏み込んできた鹿討君
縦に振るわれる瞬間、一歩こちらからも踏み込み腕を掴み攻撃の動作を封じる。
掴んだ腕で背負い投げ、文字通り投げる途中でぶん投げて猫宮先輩が振るおうとしている大剣に当てる
「猫宮先輩は大剣ばっかり使い過ぎ、もっと体格を生かした攻撃とかナイフ持つとか、小鳥遊君はもう少し目立ってもいいんじゃない?ガチのスナイパーになったら画が地味だし
鹿討君は動きは良かったよ、次は大剣の陰に隠れるとか正面からじゃなくて後ろからとか…てかどのくらいの動き求められてるの?」
私も槍の動きちゃんとしないと…言っちゃなんだけど私の動きなんてメイド式だから効率的に敵を殺すことしかできないけど…
今の戦いも槍なんてほとんど使ってないんだよねぇ…実際長物よりよりハンドガンとかナイフとかの方が得意だし
後肉弾戦。
そんなこんなみんなでワイワイ遊んでいたら、死にそうな顔で唸っていた白鴉先輩がスッキリとした表情で台本を渡してくる。
台本出来るの早いねぇ…
「よしよし、取り合えずストーリーも終盤まではできた…全員に共有するから読み込んでくれ」
読みます!読みました!感想!
「私のセリフ多くない?ラスボスだからこんなもの?」
「半分ぐらい水橋もメインだからな、主人公が目立つにはラスボスも強大じゃなくては」
そんなものなのか?
そしてその日は解散!次の日から撮影が開始する。
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「この後お風呂に入りたいわ…用意しておいて頂戴?」
ドレスを乱暴に脱いでカメラに向けて投げ捨てお風呂場に向かうその姿は恥じることもなく堂々と歩く
服越しに薄っすらとその美しい裸体を隠してその裸を想像させる。
「白鴉先輩、ここの場面なんですけどもう少し妖艶さを出せませんか?」
「ふむ…エリザベートの元ネタらしく男の執事でも誘惑させるか…NPCを使うか?」
「法律的にダメデース、ネット上で性的なことをさせると私が捕まる!」
ネットでやるより現実でやれってことらしい、あと男の権利を守る~的な奴
別にネットじゃ我慢できない喪女が暴れ出すからやらなくてもいいと思うんだけどな、知らんからどうでもいいけど
以下ダイジェスト!!
狩人と初めて会話するシーンでは言い争いになり
「小鳥遊!もっとクールに!だけど温かみを感じる感じだ!」
「僕あんまりクール系じゃないと思うんだけど」
王と会話するシーンでは逆に言われる
「白鴉先輩、動作が大袈裟にしすぎです、本物はもっと優雅に…AIに任せるのもいいですけどもう少し丁寧に」
「なかなか難しいな…」
迫力の戦闘シーン!
「だー!いいから殺す気で来いって!格好よく戦闘するより私に一回でも攻撃当ててからだって!」
「もう少し動き遅くしてって言ってるの!なんで剣を先に振ってるのに当たんないの!?」
「努力!!」
追加の戦闘シーン
「3人だからって私に勝てると思うなよ!」
「囲め!囲め!オラぁ!」
「射線に移動されたらみんなに当たるんだけど!ちょっとどいて!」
「結構いいシーンなはずなのにただの乱闘になってるぞ…止まれお前ら!」
そんな感じで撮影は進み結構形になる…いやぁ…
よかったのは戦闘シーンはどっちが勝つかさえ教えてくれれば私がアドリブで何とか出来ること
セットと衣装はデータだから一瞬で変えられること透明なカメラが常に飛び回るのとその世界自体を録画してるからどうにでもできるってこと
あとセリフは視界の中に台本とか映してくれるから最悪覚えてなくても何とかなるところ
詰込みに詰め込んで文化祭3日前に撮影が終了!その後AIに編集を任せる!膨大な量なので丸1日仕事…そのあと終わったやつをプロに投げて
帰ってきたのが文化祭1日前!!マジでギリギリでした!!
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「ん~汗かいた後のお風呂は気持ちがいいわね、どうして彼が来たのかしら?」
絢爛豪華な湯船を真っ赤に染めてご機嫌に鼻歌を歌いながら血の湯舟を堪能する
「この領土で問題が起きている調査してきてくれ」
「この命に代えても」
王城の中騎士と王が向かい合い話し合う
「この領土…何かがおかしい…活気があるのに何かが足りない…」
騎士が栄えている街の中を見渡す、ある1ピース足りない、決定的な何かが
「女性が居ないんだ…なぜだ…?」
ド派手なBGMと剣と槍がぶつかり敵陣の中で女性が踊るように敵を切り裂き
穿ち血でその体を真っ赤に染める。
「えぇと…?私の城でなんでこんなに好き勝手されないといけないのかしら?」
血と臓物が散らばる玄関で豪華な椅子をに座り溜息を吐く
「トゥルゾ?何か甘い飲み物とかないかしら?」
「チョコケーキに熱燗を入れたものとかどうでしょうか?」
少し考え、そしてポツリと呟く
「それアフォガードじゃないの?」
この冬!最高の衝撃を貴方に!
男性4人が主役の物語!
「この領土の平和を我々が守らなけらばならない!」
文化祭で上映!
反応高評価お待ちしております