哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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北斗の拳イチゴ味のアニメ始まりましたね(白目)。
ということで同原作者の『学園革命伝ミツルギ』の主人公『美剣散々』のサーヴァント案をユーザーコメントと僕鯖に書きなぐったので誰か書いてくださいお願いします何でもしますから。

南蛮兵は原作じゃとにかく猫耳肉球推しだったけどお腹が一番性的だと思います!


第十二章X節その十 〈β〉

 宴会の翌朝。

 兵士達がせっせと物資を運び、出立の準備を進めている。散々見下していたが蜀呉同盟の練度もなかなかやるもので、明日の朝には出発する予定とのことだ。はわわ軍師は私の離反が嘘か真か測りかねているようだが……どちらにしろ早く魏の背後に追い討ちをかけに行くより選択は無いのだ。

暗殺も今日未明に返り討ちにしたしな。

 

「忙しないことですな」

「そうやなぇ」

 

いつの間にか近くに居た星に、驚いた素振りをできるだけ見せずに軽く返す。

 

「聆殿は……準備しなくてもよいのか?」

「今日やらなんならんことはもう無いな」

「やはり練度が高いですな……」

「もともと行軍してきたばっからやること少なかったんや。そんな大仰なことちゃう」

 

まぁ練度の差は否定しないが。

 なぜこうも差がつくのか……やはりある程度危険なレベルで厳しくしなければ強い兵は作れないからだろうか。

 

「そう言う星は準備せんで良えん?」

「蜀古参の隊は愛紗に一括で管理してもらっているのだ」

 

さすがにその程度は効率化しているか……。

 

「だから鈴々も暇をしているらしい。……それと南蛮王もな。あ奴らは何をどう準備するのか分からん」

「あぁ、南蛮王」

 

そんなのも居たな……。

 

「そう言えば何で昨日の宴会にはおらんかったんや?作法云々やったら元から十分むちゃくちゃやったやろ?」

「それに輪をかけて荒れるのでな。料理を混ぜ合わせて得体の知れぬ液体を作り出したりもする。……私はそれも面白いと思うのだが」

「んだら呼んだら良かったんに」

「そんなことをすれば朱里から本気の方のお叱りを受けてしm」

「みぃの噂話をしてるのは誰にゃ〜!?」

 

 振り向けば、背後の建物から跳び下りてくる小さな影が四つ。

 

「フリの回収早過ぎん?」

「にゃ!お前知ってるじょ!新入りだにゃ」

「新入りにゃ」

「ひよっこにょ」

「ホヤホヤですにゃ〜」

「う……ん、まぁ、そうなるんかな……?」

「そういうものか?」

「そうにゃ!新入りにゃ!」

「しんいりー」

「そーかそーかー」

 

 何か騒いでいるがそんなことは無視(どうせマトモに取り合っても会話が成り立たないだろうから)し、取り敢えずなでる。……可愛いモノが居たら撫でるのは当然だろう。

……おお、フカフカだ。もっとサラサラした感じかと思っていたが、少し指が沈み込むくらい膨らんだ毛並みでさわり甲斐がある。

 

「ごろにゃん……って、なでるんじゃにゃいにゃ!おみゃーは一番したっぱじょ!」

「したっぱー」

「手下にゃ」

「ふーん」

 

耳の後ろを撫でてみたり、背中に手を滑らせたり。……それにしても南蛮組の衣装はちょっと卑猥過ぎやしませんかねぇ?

 

「んにゃぁ……って、さっきから態度大きいじょ!」

「大きいにゃ!」

「……でも大きいことはいいことにゃ?」

「そ、そうだにゃ。……?…………?」

「なー、大きいことは良えことやんなー」

 

何か自分たちで勝手に混乱し始めた隙に、地面に座ってその膝の上に乗っけてしまう。

 それにしても不思議な存在だ。小動物として扱えばいいのかロリ(18歳以上)として扱えばいいのか曖昧なラインにある。

 

「あー、トラもー!トラもー!」

「んにゃ〜」

「こっちもなでるにゃ〜」

 

 孟獲以外の三匹もワラワラと群がってきて腕にしがみついてきたり、背中から抱きついてきたり。なんとも柔らかくて暖かくて、幼女特有の穏やかな甘い香りがする。尻尾がしゃらしゃらと絡み付いてきて頬を撫でる。

 いやー……子供が欲しくなるな。

 

「んな〜……、にゃーー!!だからっ!このナマイキな新入りをこらしめるのにゃ!こんなことしてるばあいじゃにゃいのにゃ!」

「そーなのにゃ?」

「そうにゃ!」

「そーでもないやろ」

「にゃ……」

「慣れたものですな」

「反応が分かりやすいしな」

 

 はぁ……。幼女のおなかって良えよなぁ…………。

子供という存在、或いは造形としての単純なかわいらしさは当然のこと。

 だが……動物の中でも最も自立能力が低い一つである人間の子供の、更におとなしくて弱い幼女という生きる気が有るのか疑わしいような存在の最も柔らかく突起の少ない箇所であるにも関わらず、本当はグロテスクで醜悪な内蔵がパンパンに詰まっている部分であるという事実が何というか……凄く、こう、湧き上がってくるものがあるのだ。

 

「うにゃ〜………う、うにゃー!やめるのにゃ!」

 

 そんな少々危なっかしくも和やかな時間は孟獲のプライドが快楽に打ち勝ったことで修了する。バタバタと身を捩って私の手から離れ、

 

「うわッ!?……っと」

 

あの猫の手型の鈍器を力いっぱい振り下ろした。咄嗟に体に纏わりついた南蛮兵共々サイドステップで躱したが、地面にはくっきりと肉球の形がスタンプされた。

 

「避けちゃダメなのにゃ!」

「当てる努力もせんと避けるなとか言うな」

「うるさいじょ!」

 

 丸腰の私にも容赦無くぶん回してくる。動きはまさに狩りのそれで、身体のバネを活かしたヒットアンドアウェイ。数メートル先から飛び込んで自分のコンボが途切れるころには離脱する。また、武器の性質上、攻撃範囲……いや、攻撃面積が異様に大きい。

 こうやって実際に対峙すると、あの武器の凶悪性がよく分かる。一見ファンシーでギャグ枠に見えるが、重量は十分で制圧力が高い。一度振ればその軌道が孟獲本人の周囲をほぼカバーするため攻防一体の一手となる。そして肉球は実際に柔らかいようなのだがこのせいで武器による受け流しは困難になる。柔らかいもので殴られても問題ないように感じるかもしれないが……相撲取りを想像してほしい。外部から押されて急な加速を加えられればそれが硬かろうが柔らかかろうが脳は揺れて意識は飛ぶのだ。恐らく南蛮での狩猟生活において獲物の体を傷つけることなく仕留めるのに一役買っていただろう。

 

「おとなしくするのにゃ!」

「ここでおとなしくすると二度と動けなくなる気がするな」

「ホンマそれな」

 

 体を捻って躱す、振りに干渉して逸らすなど普段使っている技能はアテにならない。狙いをずらすためのフェイント、スウェーバックとステップバック、そして相手が離脱した瞬間に自らは前進し位置をリセットすることが重要だ。

 

「うな〜〜!!」

 

 と、回避方法を発見して内心喜んだのも束の間。孟獲が焦れてきている。そう言えば星は原作で孟獲の攻撃を全部避けたせいで嫌われたんだったか。

それは困る。コイツらほどの癒し生物はそうそう見つかるまい。

 当 た ら ね ば。

 

「にゃっ!」

「ッ……!」

「聆殿!!」

 

強烈な振り上げによって屋根の上まで吹っ飛ぶ。これが空を飛ぶという感覚か。

おまけに完璧な着地だ。

 

「ふふん。どーにゃ!…………にゃにゃー!?まだ動くのにゃ!?」

「フッ……なかなか効いたゼ」

「そのような涼しげな顔でよく言う……」

「うににぃぃ……!次はコテンパンにしてやるのにゃ!おぼえてろなのにゃ!」

「あ!だいおーしゃま待つのにゃ〜」

「だいおーしゃまー」

「ふみゅう……」

 

現れた時と同様に唐突かつ騒がしく去っていった。

 

「蜀は混沌としとるなぁ」

「お主に混沌と言われるとはいよいよもって末期だな」

「何よこの言われよう」

「あの短時間で美以の攻撃を無効化する変態のくせに、まるで自分が常人であるかのような顔をする……」

「あ、バレとったか」

「相手の攻撃に自ら突っ込んで武器が十分に加速する前に接触。その後相手の力を利用して飛び上がり屋根に着地……しかも普通に攻撃を喰らったように吹っ飛び方まで巧妙に偽装して"攻撃が効かない"ように見せる。間違ってはおらんな?」

「いや、凄い洞察力やな。あと動体視力」

 

 実際には少し間違っているが。

私は無効化に成功していない。相手の武器に"乗った"までは良かったがその後スイングの勢いで生まれた負荷によって意識が飛びかけた。

 

「そう考えた方が現実的ということもあるが……まぁ、伊達に『昇り龍』とは呼ばれておらぬということだ」

「んだら私も『蛇鬼』らしさ見せれたかな」

「存分にな」

 

互いに不敵な笑みを交わす。

 なにこれ恥ずかしい。

星って基本的に芝居がかった言動するから合わせてると凄く中二臭いことになる。

 

「鑑惺様、お昼の食事のお誘いが……」

 

と、ここで蜀の連絡兵が現れた。助かった。

 

「相手は?」

「諸葛孔明様です」

 

助かってなかった。




誰も書いてくれないとまた自分で新シリーズ書き始めて連載ペースがやばくなるかもですよ(チラッ

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