とりあえず、
魔理沙イチオシ数トップおめでとう!
こいしちゃんも一位&テーマ三位おめでとう!(血涙)
秋サンドいちご味美味しそう。
キュキュットよりジョイが好きです。名前がエロいから。
「んーっ、今日もいい天気なのー!こんな日にお店の軒先で飲む冷茶は最高だと思うなー」
気持ち良さそうに伸びをした沙和が、物欲しそうな目でチラチラとこちらを伺う。
「そうだな。街征く人々を眺めながら、クイッと一杯……」
それに、手をチョイと動かして凪が応える。
「それは茶じゃなくて酒だろ。それに珍しいな?凪がそんなこと言うなんて。どうかしたのか?」
凪は普段から真面目で、むしろ、いつもこうやって脱線しようとするのを止める役割が多い。その凪がこんなことを言うなんて。異国の地に居るせいで、何かストレスを貯めているのかもしれない。
そんな風に気遣っての発言だったんだけど……。
「(もうっ!なにやってるのたいちょー!)」
沙和におこられた。
「(さっきのは、わざとダメダメに演じてたのー)」
そう言って、目でとある方向を指し示す。その先には……魔女っ娘みたいな帽子を被った小さな女の子がいる。
名前は鳳雛……まぁ、鳳統だ。
先日、黄蓋と伴にやって来た彼女は、一悶着の末これまた黄蓋と同じく聆の下につけられた。客将という身分も同時につくからすごくややこしい。しかも、身体は丈夫な方ではないなんていう特徴もオマケだ。聆は、真桜や猪々子とかのみんなと模擬戦をする予定が入っていたんだけど、そんな危険なところに連れて行っても仕方がないということでこっちに預けられたんだ。
……見られても問題ない職場って理由もあるけど。
「(って言っても、沙和は普段通りだったけどな)」
「(そんな言い方酷いのー)」
「(酷いのは沙和の勤務態度だ)」
「(むむむ……)」
「(何がむむむだ。……まったく)」
でも……
「(まぁ、よっても良いか)」
「(おおっ!今日のたいちょーはノリが良いのー!)」
「(こちらから振っておいてなんですけど、良いんですか?)」
「(ああ。この辺でもうちょっとは慣れてもらわないと、な……)」
俺は鳳雛に目をやる。城を出る前……黄蓋と別れたときからずっと屠殺前の兎みたいな顔をしている。特に、俺達がひそひそ話を始めてからは輪郭がブレて見えるんじゃないかってくらい震えている。このままじゃ警邏が終わる前に血を吐いて死ぬんじゃないか?
「(うわっ……たいちょー、あんな娘にまで手ぇ出す気なの……?)」
「(吐き気が……)」
「(そんなワケないだろ沙和!あと凪も桂花みたいなこと言うな!……あんな怯えた娘引き連れてちゃ俺達自身も気分悪いし、傍から見たらイロイロとマズいだろ!)」
「(一理有りますね)」
「(言われてみればそうかもなの)」
「(だろ?ちょっと良い茶屋に行けば、心を落ち着ける効能のあるお茶とか有るだろ)」
多分、ハーブティーの類とかなら有ると思う。
「よーし!じゃ、早速行くの!この前見つけたお店があるんだけど、高そうで行けなかったんだよねー」
「おい、俺に奢らせる前提で話してないか?」
「えー、違うのー?」
「前からずっと言ってるだろ……そんなに余裕無いんだよ」
「えぇー……、じゃあ、いつもみたいに職権濫用すればいいの」
「禀と桂花の説得にお前も付き合ってくれるならな」
「うぇー……」
「……もともと沙和も行きたかった店なんだから、わざわざ隊長に奢っていただくこともないだろう。それに茶屋だ。そこまで高くはあるまい」
凪の意見は嬉しいが……茶屋をナメると痛い目を見るぞ。高級茶はラーメンより高かったりするからな。
言わないけど。
「ま、他で埋め合わせを考えておくからさ」
「うーん……わかったの。それじゃ、出発なのー!」
「ちょ、おいっ!」
「あ、あのー………」
走り出した沙和を止めようとした俺の後ろから、か細い声が。
……この娘と打ち解けるために寄り道するのに、放ったらかしで話してたな。
「ごめんごめん。こっちで話決めちゃって。これからちょっと休憩にお茶屋さんに行くんだけど、いいかな?」
「はひっ!だ、大丈夫れひゅっ」
「そんなに緊張しないで……って、アイツらさっさと行き過ぎだろ!」
ちょっと目を離した隙に大分さきまで行ってしまっている。案内役を見失うのはマズい。
「ちょっと急ぐぞ!」
「あわわ……」
一瞬だけ躊躇ったけど、俺は鳳雛の手を握って走り出した。急に馴れ馴れしいかもしれないけど……そうでもしないと距離は縮まらないだろうし、はぐれたら大変だからな。ちょっと役得とか思ったのは内緒だ。また桂花に罵詈雑言を吐かれかねん。
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事 案 発 生 。
ヤリチンの青年が、怯えるロリの手を引いてどこかに連れ去った。
「むぅ……ただの優男かと見ておったが、どうやら違うようじゃのぅ」
隣にしゃがんでいた黄蓋が唸る。
私たちは今、民家の屋根の上に居る。
というのも、今回の模擬戦が『如何に騒ぎにならずに戦えるか』の訓練だからだ。逃亡者と追跡者に別れ、街の中で戦闘が行われる。逃亡者が時間中逃げ切ったら勝ち。追跡者に殲滅されたら負けだ。大体はそのルールしか決められていないが、街の建物に被害を出してはならないし、もちろん住人が怪我するなど以ての外だ。『どの程度の戦いをするか』が、自己判断に委ねられることになる。まだ衝突は起きていないが、実際に出くわしたらその辺の読み合いが戦いの肝になるだろう。
そういうことで、逃亡者に振り分けられた私と黄蓋は、普通に歩いていれば視界に入りにくい屋根の上に潜んでいたんだが……。
「オモロイもん見れたなぁ」
どうせ一刀のことだから、下心とかはそんなにないだろう。だが、見た感じヤバいやつだった。イケメンじゃなかったら通報されてたはずだ。
「アレが警備兵の最上だというのだから不思議じゃな」
「ああ見えても和姦専門なんやで」
「ほぅ……もしかしてお主、あやつに抱かれたクチか?」
「抱かれたんやのぉて、喰った」
「照れ隠しか?」
「そう思うんやったら私のワザ、みせたろか?刻単位で時間かかるけど意味わからんくらいドロドロになれるで?」
「お主は閨で何と戦おうというのだ……」
黄蓋が露骨にため息をつく。
確かに言葉で表現するとアレだが……気持ちいいのにな。
「でもあん時はあんま時間掛けれんかったんよなぁ……」
「すまん。こっちから煽っておいて申し訳ないのだが、……来るぞ」
「おう。春蘭さんやな。……でもこの気迫で踏み込んだら屋根抜けるな」
ボッシュートでございます。
このオチ一回やってたかも……。