哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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もう注意も無しに何回もやっちゃってるので今更ですけど今回は一刀視点です。
あと誤字脱(以下略


勃発!南蛮騒乱!?

「……まさかこうなるとはね」

 

 玉座の華琳がため息をついた。

 交流期間も終わり。華琳や桃香、蓮華たちによる洛陽での話し合いもうまく決着がついた。そうして出来上がった法律に組織図その他もろもろの新しい取り決めの発表や、なにより国の始まりを祝う式典のため、各地に分かれていた娘たちも洛陽に集まってくる予定だった。「予定だった」というのは、つまり予定通りにいかなかったわけで。実際にはいざという時のために蓮華と他数名を魏に残して、逆に俺たちの方がこうして成都に駆けつけることになった。

 

「すぐに前線に出ないと。話を聞く限りだと、祭たちもいつまで持ちこたえられるか分からないわ」

「ええ。これ以上の侵攻は絶対に食い止めなければならない」

 

 洛陽からここ、成都までの道のりの疲れを癒す暇もなく、また更に南へ。

 

「美以ちゃん、どうして……」

 

 桃香が物憂げにつぶやいた。

 進む隊列は大戦に逆戻りしたような厳戒態勢。

 南蛮の蜂起によって、蜀の国境は陥落していた。……それだけじゃない。聆、真桜が南蛮の調査から戻らず、様子を見に行った七乃さんと紫苑さん、美羽も"そのまま"だと言うのだ。

 

「璃々ちゃんのためにも、早くなんとかしないと……」

 

 紫苑さんは璃々ちゃんにとってはたった一人の母親だ。防衛のため成都に残っている桔梗さんが璃々ちゃんのケアもしてくれているけれど、……急がないと。しっかりした娘で、今日の出迎え兼見送りでちらりと会ったときこそ笑顔を見せてくれた。でも、目の周りは赤く腫れていた。

 聆と七乃さんがいっしょのはずだ。必ず元気で居てくれる。あとは俺たちの頑張り次第だ。

 

「見通しが甘かった……? いや、人選はしくじっていないはず……」

 

 逆側に目を移せば、華琳も頭が痛そうだ。

 

「北の方が断然脅威のはずだから、な」

 

 交流期間の間、魏呉蜀のどこに誰が行くか決めるとき、実は一番重視したのが異民族対策だった。戦勝国であり、新しい魏の首都を置くことになる旧魏に華琳、桃香、蓮華とその側近たちが付き従うのは当たり前と言えば当たり前だけど、まだ国が不安定な間に北の遊牧民族が攻めて来た時に対応するため「最高戦力」を集める思惑が有った。反対に、呉は民を安心させるために雪蓮を置いたけれど、それ以外は療養中の靑さんや蒲公英のような経験の浅い将に行ってもらっていた。そして問題の蜀はというと、ひょっとすれば「最高戦力」よりも強いかもしれない切れ者ぞろい。怪我をしていたとはいえ三国最強の恋も居た。そこに袁家を入れたけど、本命は西への対策だった。

 

「無理もないです。今になって南蛮の皆さんが脅威になるとは誰も予想できませんでしたから」

 

 と、朱里の言うように南蛮は視野の外だった。なんせ南蛮の王である美以は仲間のはずだから。もっと言うと、それを抜きにしても敵になるような力が有るとは思っていなかった。

 

「……ええ。実際にコトが起こっている以上何にもならない繰り言だけれど、南蛮がここまで攻撃能力を持っているなんてありえないわ。大戦中の話を聞いた分にも、その後実際に会った分にも……」

「美以を余裕で七回生け捕りにしたっていうし、そもそもあのお気楽具合じゃ戦争らしい戦争もできないだろう」

「その見立ては間違っていないでしょう。南蛮のみなさんには継戦能力がありません。おやつにとっておく程度ならまだしも、組織的に食糧を溜めるという概念を持っていません。しかも一刀様が言うように、お気楽……つまり目的意識が無いですから、反撃されて少しでも痛い思いをすれば勢いが萎えるはずです。それに加えて、防衛でも強いとは言えません。南蛮の領域である密林はやっかいですが、美以ちゃんが直接出て来るので」

 

 とにかく「もっと楽しいこと」のために行動する美以たちにとって、勝つための作戦会議や準備みたいな「楽しくないこと」をするなんて本末転倒もいいところ。そして、それも無しに勝てるほど俺たちは甘くない。

 

「それがこうなった、ってことは――」

 

 真っ先に疑うべきは何者かが仕組んだ嘘。でも、この事件についての出撃要請書は、内容のほとんどのことが「調査中」になってしまっているけれど、蓮華によれば紛れも無く祭さんの字だと言う。それに最後に書き連ねられていた署名もそれぞれちゃんと蜀に居るみんなの字だった。

 

「南蛮に、急激に大きな変化が起きたと見るべきでしょう。少なくとも、美以ちゃん以外に指導者となる人物が産まれた……」

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「静かな様子だけど、報告によればここが最前線になってるんだよな……」

 

 歩きに歩いて、ようやく蜀の"今の"南端にやってきた。谷をすっぽり埋めて塞ぐように作られた砦。こういうところを見ると何となく思い出すのは反董卓戦の虎牢関だけど、今は俺たちがこの砦を頼みに守る側だ。旗も立ってるし、城壁の上に人影も見える。ひとまず無事みたいだ。

 

「……ええ。いざ着いたときどうなってるか分からないから拠点までの移動のつもりではなく臨戦態勢で来い、ともね。幸い、今のところ堕ちている様子は見えないけれど。春蘭、何か気付いた?」

「いえ。……ただ、戦に関わるかは分かりませんが、なんと言うか、妙な臭いがします」

 

 まさか血の臭いかと一瞬焦ったけど、それなら春蘭はよく知っているはずで。「妙な臭い」とは言わないよな。それについて深く考える前に門が開いて俺たちの注意はそっちに移る。嬉しそうに駆けて来るあの人影は、沙和だ。

 

「たいちょー! 華琳さまー! 春蘭様も! やった、これで助かるのー!」

 

 手を振っている姿からは元気そうに見えるけど……髪も目に見えて傷んでるし、服にも泥か何かの汚れが見える。おしゃれに並々ならぬこだわりを持ったあの沙和がこの調子なんて……些細なことだけに、かなりリアルな切迫を感じた。それともう一人、かなり小さな娘が。あれは、呂布の軍師の陳宮……音々音だ。

 

「ぬー! ずいぶん遅かったのです! それで、どいつを連れて来たのですか」

「華琳様に対して何という口のきき方だ!」

 

 ねねの荒々しい言葉遣いに春蘭は不満げだが、ひとまず話を進めることにする。ねねのこれは言っても直らなさそうだし、なによりそんなこと言ってる場合でもないしな。華琳もこういうところで咎めたりはしないってのは今までの付き合いで分かる。

 

「ここに居る華琳に俺、春蘭だろ」

「華琳様の次には私の名を言わんか! 北郷のクセに生意気な!」

「あと、秋蘭、桂花、桃香、朱里、愛紗、鈴々、焔耶、穏、明命……それに10万の兵が、まずこの隊列でどんどんやってくる」

「無視するなぁ!」

 

 頼もしい仲間たちの顔を思い浮かべながら指折り数える。うん、抜けは無いはずだ。

 

「それと、呉の方から雪蓮と冥琳、季衣、琉流、風が来る手はずになっているわ」

「まぁ、急に揃えたにしては良い戦力なのです」

 

 ねねは少し安心したのか、ほんのちょっと満足そうに表情を和らげた。けれど、すぐにキッと眉を上げる。ついでに両腕も振り上げる。

 

「でも劣勢に変わりないのです。早く配置につかせるのです!」

「配置も何も、戦況を理解しないことにはどうしようもないでしょうよ」

「こっちに上がって来てた報告書も急かすばかりで内容がまとまってなかったし、どうなってるんだ?」

「その目で見れば良いのです! とにかく手と物資が足りないのです。ねねももう現場の指揮に戻らなくちゃならないので。軍師はどんどん指令室に案内するのです! 他の事は、メガネ、任せたですよ!」

「もう、『メガネ』じゃなくて沙和なの~」

 

 ねねは沙和の抗議に一瞥もくれず足早に門の中へ引っ込んでいった。

 

「沙和――」

「言いたいことはなんとなく分かるけど、ねねちゃんの言う事も正しいの。こっち! あ、兵士さんたちは広場で待機しててね~」

 

 沙和に案内されて、ねねや後続の兵士たちと別れ、俺たちは城壁の上へ延びる大階段を上る。そこまで行くともう一気に戦の空気だ。段に腰かけて休む兵たちをすりぬけながら上へ上へ。

 

「なんじゃこりゃあ!?」

 

 頂上に着いた俺は思わず声をあげてしまった。

 

「森が……迫ってきている……!!」

 

 轟轟と熱い風が顔に打ちつける。湿っていて、淀んでいて、獣の息吹をそのまま浴びているような南風。

 砦の向こう側、門からほんの数十メートル先からは、草木が境界も無く絡み合うジャングルに沈んでいた。

 

「ヤツらの兵器、『木偶蟲』じゃ」

 

 見張りとして立っていた祭さんが、険しい表情で密林の方を睨んだまま言った。

 

「蟲……?」

 

 何のことかと辺りを見回しても、それらしいものは見当たらない。もう一度よく訊こうかと思って祭さんの方を見て、その視線の先にあるものに気が付いた。

 さっきと変わらず森の方を見ている。祭さんが言っていたのは、俺たちがさっき驚いた「迫って来ている森」のこと。……青々とした葉の隙間にのぞく、複雑に絡まった幹のように見えていたものは……どうやら純粋な植物じゃない。扁平な円盤の周りに八本の脚が生えたものが知恵の輪のように絡み合っていた。その一つ一つは、見ようによっては確かに虫に見える。脚を広げれば4メートルもありそうなそれは、虫と言うにはあまりにも大きいけど。

 

「木と土でできた巨大な人形。アレが群れを成して突撃して来るのじゃ。ただそれだけでも脅威じゃが、倒してもあのように、そのまま障害物となる。半面、向こうはそれを立体的な足場として使ってくる。しかも体中に成長の早い草の種を仕込んでおるらしい。一度雨が降ればこのありさまじゃ」

「うへぇ……」

「これでもかなりキレイにしたのじゃがな。ほれ、そこの石段についておる傷。アレの脚によるものよ」

「際限なく向こうの領域が広がるということね。この撤去が先決、か」

「そうだけど、切羽詰まってるのはどこもなの。目についたところからどんどん応援を入れてくださいなの」

「そうじゃ。昼も夜も、道も無視してやってくるから見張りは限界に近い。やっかいな毒まで使いおって薬も医者も足りん。それに何より――」

 

 祭さんの言葉が止まる。理由はさっきの蟲と違ってすぐに分かった。みんなより随分氣に鈍い俺でも目に見えるような、このヒリつく圧迫感。「何より……」と口に出そうとした、まさにその人が現れたに違いない。

 

「来たか……!」

 

 目も眩むような極彩の衣装に身を包んだ彼女は、祭さんが先手で放った矢をピクリとも動かずに叩き落して見せた。周囲に浮かんだ五枚の刃がゆらりとこちらを向く。顔に垂れ下がった前髪とヴェールの下で、口角がつり上がる。白い牙がギラリと光った。

 

「祝融ッ!」




ギャグ書きたい,バトル展開したい,「仮面舞闘編」とは何だったのか,趙雲が暗躍してるっぽいのはどうなった,呂布放り出すのか,「オリ主がちょっとアレなことになります」って何,美羽様かわいい
→オリ主を失踪させつつ存在自体がギャグ枠の南蛮で乱を起こし仮面系戦士を登場させ呂布に暴れてもらい最終的に趙雲にフォーカスをあてる。美羽様は何やってもかわいい。
天才かな?(アヘアヘ
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