哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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スパイスには体調を整えるアレが有ると聞き、辛い物を食べたんですが、尻が痛くなりました。フィクションじゃなかったんですね。
唐辛子ビタビタでも平気な凪のお尻は凄い。


第五章一節その三

 黄巾の末端はそもそも張三姉妹が何なのかさえ知らず、中心部は口が異常に堅いため情報源にならない。住民の証言は的を射ないものばかり。本部特定は難航していた。だが、それも今日までだ。

 

「大手柄ね、凪」

「……はっ」

 

一刀と一緒に情報収集に出ていた凪が、黄巾の連絡兵と交戦し、地図と連絡文を入手したのだ。もちろん私は軍議で報告される前、凪が帰還した直後には既にそのことを知っていた。別部隊とは言え、仲間の将に情報を流すくらいやってくれる奴はいくらでも居る。そのおかげで私は少なくとも自軍の案件に関して、軍議の段階ではある程度の考えを練っておくことができる。まあ、今回は何の対策も要らないんだが。上の指示を待つだけの簡単なお仕事だ。

 

「物資の輸送経路からも検証してみましたが、どうやらその連絡文に偽りはないようです」

「ならこれに記されている本陣というのも、アテになるのね」

「……ということは張角もそこにいる?」

「とりあえずでそこに出しといた偵察からは、張三姉妹っぽいのが居ったって報告来とるで」

「間違いないのね?」

「小娘三人を取り囲んで歌聞いとったらしいわ。三姉妹で旅芸人って言う季衣の証言にも当てはまるし、正しいっていう確率の方が高いやろ」

「歌、ねぇ……。何かの儀式かしら」

「連中の士気高揚の儀式ではないかと」

「……まるでライブだな」

「らいぶ?」

 

ライブか……私はあまり行ったことがないな。

 

「ええと……大人数で歌い手の歌を聴く集会みたいなものだよ。俺がいた世界じや、千人や万人単位の集まりもあったなぁ」

 

歌といえば、美羽の歌が聴いてみたい。張三姉妹と比べて落ち着いた歌が得意だったはずだ。放浪しているところを拾って蜂蜜舐めさせとけば歌ってくれるだろう。

 

「それでまともに歌が聞こえるのか?」

「声を何倍にも増幅させる機械があるんだよ。仕組みはよく知らないけど」

 

確かコイルと磁石とダイオードだったような。……それは電化製品大体そうか。

 

「はぁ……。で、それは何のための集まりなの?宗教儀式?」

「いや、娯楽の一種だよ。……宗教っぽくなることもあるけど」

「なら、黄巾党中心部も宗教化しているかもしれないわね」

「うへぇ……それはイヤだなぁ」

「ともかく、凪のおかげでこの件は一気にカタが付きそうね」

「凪サマサマやな」

「動きの激しい連中だから、これは千載一遇の好機と思いなさい。皆、決戦よ!」

 

    ―――――――――――――――――――――――――

 

 「秋蘭、みんな。本隊、到着したそうだよ」

 

私たち先発隊が偵察を終えた頃、ちょうど良く本隊が到着した。先発隊というのは北郷隊、許緒隊、夏侯淵隊から成る。本隊は春蘭と華琳だ。先発隊が大きすぎるように見えるが、今回の戦はほとんど先発隊による工作で決着してしまうようなモノなので問題無い。

 

「ちょうど終わったところやで。連中、かなりグダグダみたいやな」

「策はかなり効果出しとるな。笑いが止まらんわ。笑ろてえぇか?」

「聆、止めとけよ?敵よりも先ず仲間がビビっちゃうから」

「まあ、華琳様の読み通りというところか」

「なあ。華琳の予想って結局何だったんだ?」

「後で説明するさ。まずは報告を聞かせてもらおう。聆」

「うぃ。まず、総数約四十万」

「四十万って!?おいおいマジか!」

「嘘やで」

「……真桜報告頼む」

 

うわ、怒られもしない。コレはマズイ。

 

「ほら、アレや!先に嘘でデカい数言うとけば、ほんまの数聞いても何か落ち着いとれるっていうアレや!」

「……聆はもう少し自重してくれ。……では、総数は?」

「約二十万」

「へぇー。二十万かぁ。……十分ヤバいじゃねーか!」

「すごく多い数からすごく多い数に移行されても運命は変わらないのー……」

「なにせ本陣だからな。数が多いのは当然だろう」

「それって……ボク達で何とかできる数じゃなくないですか?」

「まあ、聞きや。総数が二十万なだけで、実際戦えそうなんは……三万くらいやないかな」

「……ふむ」

「どういう事なんだ?真桜」

「武器も食料も全然足りてるように見えんのよ。その割に、さっきもどっかの敗残兵みたいなのが合流してたから……」

「あ、それ多分変装した私の隊の奴」

「何してんだよ……」

「いや、内部に入り込んどけば色々楽やん?見つけてから今までちょっとづつ入れて、もう一課位は居るで。でも全然気付かんし、完全に、管理と指揮系統腐っとるわ」

「敵は無駄に大きくなり過ぎてるって事か……」

「それだけではない。より馬鹿に、より弱くなっている」

「馬鹿に……?」

「ほら、最近の討伐って、敵の頭だけ潰して、武器を奪った雑魚を放逐しとったやろ?」

「ああ、なるほど」

「神出鬼没の大熊も、太り過ぎればただの的、という事ですね」

「……太り過ぎたら……」

「……イヤな例えなの」

 

真桜と沙和が身震いする。

 

「いやー、脳みそも爪も牙も亡くなっとるから、太ったって言うより、脂肪の塊?」

「これが華琳の狙いか……」

「そうだ。身動きも取れず、剣も足りない烏合の衆など、そこらの野盗にも劣る」

「……では、当初の予定通りの作戦で?」

「あぁ、問題無かろう。華琳様の本隊に伝令を出せ。皆は各個撹乱を行った後、予定通りの配置に就け。その後乱戦が予想されるが……張三姉妹にだけは手を出すなよ。以上、解散!」

 

さて、後は火をつけて右翼に移動して、秋蘭の号令で突撃か。多分鑑惺隊はドンドンこういう仕事が増えていくだろうから、火計の練習として存分に放火してもらおう。




雪蓮はおっぱい。
蓮華はお尻。
じゃあ小蓮は?
作者的にはお腹だと思います。
なでなでしたいです。
でもパンチもしt ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

公孫さんと孫策って似てますね。
公"孫" 賛(瓚) "伯"珪 白"蓮"
 "孫" 策   "伯"符 雪"蓮"
肌は……親違い?
つまりハムソンサンは本当は孫家だったんだよ!!
な、なんだってー!!ΩΩΩ

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