哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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今日、成り行きでホットドッグをトータル五つ食べました。
美味しかったです。
ケチャップとマスタードは最高です。私の中で。
子供舌って言わないで。

最後の方半分寝ながら書いてますな……。


第七章拠点フェイズ :【張三姉妹伝】熱狂と、現実と 中

 天和地和が駄々をこねて一刀が二人分の荷物を持たされたり、更に地和が駄々をこねて私がおんぶするはめになったりの些事を挟みつつ目的の邑に到着した。

 

「うわー……辛気臭い邑ぁ〜」

「ほんと、何も無いド田舎だねー」

 

その第一声がこれである。

 

「ちょ……二人とも声がでけぇよ」

「だってホントのことだもーん」

 

もちろん、ド田舎とは言っても工作員が目をつけるようなところだ。総人口は四桁ギリ届かない程度は有るだろう。私と三人娘の故郷より余裕で大きい。ただ……

 

「まぁ確かに興行するにはしょぼいな」

「おー、話分かるじゃなーい!」

 

地和はそう言いながら私の頭をパシパシと叩いた。

 

「よっしゃこのまま地和の股関節を"ガコンッ"する」

 

地和の脚に廻した腕にグッと力を込める。

 

「あーっ!ごめんごめん!もう叩かないからーッ!」

「ってぇかそろそろ自分で立てやぁ」

「立つ!立つから早く放してアッーーー!」

 

本日数度目のじゃれ合い。陳留からの僅かな道程……というか、地和の運搬(?)を申し出た辺りから急速に距離が縮まった。冗談混じりとはいえ、はじめは「ヒドイことしようとした奴」との評価だったのが嘘のようだ。

ただ……これもアイドルたる資質なのかもしれない。チケット分のお金に最高の歌と笑顔を売る仕事。私の場合はおんぶで心証を買ったことになるのだろうか。元からの相性が良かったのもあるだろうが。

 

「はぁ。楽しそうにしてるけど、これ一応結構大変な任務に来たんだからな?気を引き締めてくれよ?」

「そんなこと言ったって別に私たちはいつも通り歌うだけだもんねー」

「そーそー。楽しむとこは楽しまないと。ねぇねぇ一刀、近くに観光名所とか無いのー?」

 

天和が一刀の腕にスルリと抱きつき、二つの膨らみ……ぶっちゃけおっぱいがむにむにと押し付けられる。

 

「ちょっ……!天和やめ……」

「そんなこと言ってぇ。嬉しいくせに〜」

「そーそ!鼻の下伸ばしちゃってー」

「い、いや、誰かに見られちゃマズいだろ……」

「アッハッハッハ!隊長、もう既にマズいって」

「え……」

 

キョロキョロと見回す視線を、親指を立てて誘導する。その先には……。

 

「……隊長、不潔です………」

「いや、凪?これはだな……」

「ほんで更に向こう!」

 

今度は人差し指で。

 

「げ……真桜、沙和………」

「なーんや遅い思ったらそ~言うことやったんやなー」

「さっすが昼間っから頑張り屋さんなのー」

「変態長に敬礼!」

「「「「お疲れ様です!」」」」

「何でそんなにビシッと揃ってんだ!?しかも凪まで!?」

「すごーい!息ぴったり!」

「……それだけ普段から破廉恥だと思われてるってことでしょ」

「……ちょっと待て!抱きついてきたのは天和だろ?なんで俺こんなに攻められてるんだ?」

「気分」

「空気」

「慣習」

「本能」

「お前ら最高だよ。悪い意味で」

「て、またよぅわからんノリで時間潰してまいよるし」

「そ、そうね、そ……プフッ、それで準ッ……備は出来て……フフッ本能!?本能ってッ!!わwるwwいwwwいwwwwみwwwwwでwwwwww」

「人和!?」

「あー、なんだかツボに入っちゃったみたい」

「しばらくこうだから無視して話つづけて」

「人和抜きじゃ話にならないんじゃないか?」

「大丈夫だよー。聞いてることは聞いてるから」

「じゃあ、えーと、準備はできとるで。宿とかいろいろ手配して、チラシも配り終えたから、開始時間なりゃお客さんで一杯になるやろ」

「フ……フッ、場所……ッは?」

「邑の外れにある広場やけど」

「……じゃあそこへ案内して。現場の状況を確ブフぉっっ」

「……隊長、どないしよう?」

「天和、どうしよう?」

「多分現場に着くころにはなおってるんじゃないかな」

「……付いてきてくれないのか」

「うん!先に休みたい!」

「地和」

「ちぃも疲れたー」

「全然歩いてないだろ!」

「ふぅ……はぁ、大丈夫……休んでていいわ。私は、もう治ったから」

「そ、そうか?……じゃあ俺と真桜で案内するよ。凪、沙和、聆。天和と地和の相手を頼む。宿まで連れて行っておいてくれ」

「了解です」

 

一刀たちと別れ、沙和のあとに付いて宿へ向かう。まぁ私も少し昼寝でもするか。

 

  ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 「だから沙和は言ってやったの!『貴様らは厳しい沙和を嫌うの。でも憎めば、それだけ学ぶの!』って」

「ひゃー、カッコイイ!!ちぃも公演でそういうのやってみようかな」

「でもこれをするにはまず自分も本気で叫んだり睨んだりしないといけないのー」

「睨むのは微妙だけど、声なら自信あるわ!」

「えー?でも歌とはまた違うのー」

「大きな声出すんでしょ?どう違うの?やってみてよ」

「じゃあ、いくよー、……a「他の客の迷惑なるからやめとけよ?」……ふぇーいなのー……」

「あはははっ!サー、元気出して下さい教官殿、サー」

「ううぅっ……」

 

……このメンバー、主に沙和と地和が居たらそうそう休ませてもらえないことは、ちょっと考えれば分かることだ。……私はそれを考えていなかったのだが。いや、部屋割によってはあるいは自然に逃れられたかもしれないが、残念なことに護衛の関係で私と凪と三姉妹が同室だった。

天然っぷりを発揮してぐっすり寝入っている天和がうらやましい。私も寝返りをうったりうつ伏せになってみたり、色々と寝やすい姿勢を探すものの意味を成さない。というのも、地和が何を思ったか私の寝台、私の寝ているすぐ横に腰掛けているのだ。沙和も地和も大袈裟な身振りをつけて話す。その度に寝台がギシリとゆれて目が覚めてしまう。もう諦めて地和の隣に腰掛けた。

聞き流しているので断片的だが、二人はファッション、スウィーツに関しては意見が合うようだ。逆に通常の料理とインテリアについては対立も見られた。

そしてまぁ当然恋話に移行する。もちろん一刀が話題の中心だ。

 

「で、どうなの?もう逢い引きの一回や二回したんでしょ?」

「それがねー、一回も無いのー……」

「えー!?あんなに変態とか色情魔とか言われてるのに?」

「確かに女の人と仲良くしてることが多いんだけどね周りが女の人ばっかりだから、って言われればその通りなの。街で困ってるおばぁちゃんとか子供にも親切なのー。……あれ?そういえばおじいさんとか男の子には声かけられてるのあんまり見たことないような……?」

「変な氣でも出してんじゃないの?」

「その割にこっちには音沙汰なしなのー……」

「……そう言えばこの前、真桜と沙和が何か騒いでなかったか?」

「えー、なんだろ?」

「騒ぎすぎて分からんのやろ?」

「聆、起きてたんだ?」

「お前らのせいでな」

「ほら……えっと……聆と隊長が一緒にお風

「記憶を失え!」

ドスッッ

「きゃふっ!?」

 

気絶した凪がゆっくりと寝台の上に倒れた。全く……余計なことを言いおって……。別に隠すことでもないが、根掘り葉掘り聞かれるのは面倒だ。まさか急に手刀など思ってもみなかったらしく、スキだらけだった。

 

「あ、あー!そう言えば聆ちゃんと隊長お

「記憶を失え!」

ドボッッ

「わきゃっ!?」

 

凪に折り重なるように崩れ落ちた。あとは地和か……。

 

「ちょ、ちょっと何よ……。ま、待って!ちぃは何も知らないじゃない!だから……」

「本能で慣習でそうゆう気分でそうゆう空気やから……」

「ちょ

「記憶を失え!」

トッッッ

 

 

 「おーい、下見終わったぞー?って、みんな寝てるのか」

「……意外ね起きておしゃべりでもしてるかと思ってたわ」

「そんなここ来る途中で疲れたん?」

「そうでもないと思うんだけどなぁ。……まあ、みんな気持ち良さそうに寝てるし、また後にするか」




「www」を嫌う人って結構居るらしいですね。
私は好きですがね。

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