哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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文ちゃんの爆破オチの威力(規約違反)で一話ぶっ飛びました。
せっかくなのでそのままいきます。

ちなみにエクストリーム謝罪はまた別のことです。
ちょっとだけ人生終了のお知らせが聞こえた気がしましたが、
運良く全て上手く行きました。
全く年末にヒヤヒヤさせてくれるぜ!


第八章拠点フェイズ : 聆(3X)の雑談

 「……おかしい」

 

穏やかな日の光が包む昼下がり。まるで何かを確信したように猪々子が呟いた。

 

「おー。やっと自分の頭の状態を認識したんか」

「ふん。華琳の短気に比べれば大したことないからの。気にせずとも良いのじゃ」

「なにィ!?華琳様が短気だと!?客将以下の分際で貴様ァ!」

 

机を叩いて勢い良く立ち上がる。今にも斬りかからんという勢いだ。

 

「落ち着け夏侯惇。お前のそういう態度が廻り廻って曹操の評価につながるのだぞ」

「ぐむ……そう言う華雄も猪ではないか」

「よし夏侯惇 表へ出ろ」

 

ぺきパキと指の骨を鳴らしてから、親指でクイッと外を指す。無駄にサマになっているな。

 

「五十歩百歩、目糞鼻糞ですね〜」

 

蜂蜜をこぼしてベタベタになった美羽の口元を拭きながら、七乃がさも面倒臭そうに呟く。

 

「「変態のくせに偉そうにするな!!」」

「変態でいいですから暴れないでくださいね〜」

「「くそうっ!」」

「ハッハッハッハ」

 

春蘭、かゆうま、猪々子、美羽、七乃、私という、華琳や桂花が見たら卒倒しそうなメンバー。場所はいつぞやの四阿。六人とも、とくにすることもないので茶会を開いているのだ。……成り行きで。

 

「そーゆーことじゃなくってさぁ……」

「なんや?漠然と世界そのもの(笑)について疑問持ってもた系?猪々子も思春期かー……。お姉ちゃん嬉しいようなさみしいような……」

「あー、分かりますよその気持ち!私もお嬢様が一人で厠に行けるようになったときそんな気持ち……いえ、悲しさが勝りましたね。あ、でも偶に……」

「七乃!言うでない!!」

 

蜂蜜水片手に丸ボーロ(天の知識)を食べてご機嫌だった美羽が急に慌てだす。

 

「え〜何を行ったらダメなのか分かりませんよ〜。なんだろ〜。……あ、私が討伐に出てる時、夜だとやっぱり一人で厠に行けなくてお部屋でしちゃったことですか?」

「ぎゃーーー!!」

「それとも夜中に裏庭から聞こえた声に驚いて緩んじゃったこととか?」

「わーーーーー!!!」

「悪戯がバレて春蘭さんに追い回された時も……」

「言うでないーー!!とにかく口を閉じるのじゃ!!!」

 

……二個目の私じゃないか。

 

「えーー……だってお嬢様が〜何を言っちゃいけないのか教えてくれないんですもん。言ってくれなきゃ分からないですよー」

「じゃ、じゃあ、寝る前に聆の蜂蜜酒をこっそり全部飲んでおねしょしたことと、遊んでおって厠に行くのを先延ばしにし過ぎて間に合わなくなってしもうたことは言うでないぞ!」

「………」

「………」

 

おっと今何かヤバイの有ったぞ?

 

「茶を飲んでいる時にそんな話をするな、とか、色々言いたいことは有るが……。それよりも、これ……病気なんじゃないのか?」

「もう……袁術はオムツを着けるべきだ」

「あら^〜華なんとかさんいい考えですね〜」

「か・ゆ・う、だ!!」

「今度お出かけしたら真っ先に買い揃えなくっちゃ♪」

「わ、妾は絶対に着けぬぞ!!」

「お嬢様のお股が緩いのがいけないんですよー」

「ああ。そこかしこに出されては敵わん」

「ほら……お嬢様……、ね?」

「やーじゃ〜〜!つ〜け〜ぬ〜の〜じゃ〜〜〜!!」

「まぁ待てお前ら」

「聆!!こ奴らを止めてくれるのかや?」

 

何を潤んだ瞳で見つめてやがるんだこのバカは……くそっ。かわいいじゃないか!

 

「いや、オムツとかそんなんよりも気になることがあってなぁ」

 

でもそれとこれとは話が別である。

 

「どうした嵬媼」

「いや、美羽様 私の酒飲んだらしいやん?」

「………」

「………」

 

美羽の左手から食べかけの丸ボーロが落ちた。

 

「死んだな」

「ぎゃらくてぃかヤバいな」

「ど、どうしてバレたのじゃ!?」

「も〜。お嬢様が自分で言っちゃったんですよ〜。そんなことも忘れちゃったんですか?」

「…………ガタガタブルブルガタガタブルブル」

「あーんもう☆そんなに怯えちゃってぇ〜」

「余裕こいとるけど、七乃さんも美羽様止んかったってことで同罪やと思っとるからな?」

「あばばばばばばば」

「あーあー。結構楽しみにしとったのになぁ。アレ。穏やかな心を持ちながら激しい怒りに目覚めてまいそうやなぁ」

「すいません許してください!何でもしますから!」

「ん?」

「ん?」

「ん?」

「「「今何でもするって言ったよな?」」」

「ぴゃっ!?」

「何が始まるんです?」

「っダァーーーーっ!!もう!なんでみんなそんなに能天気なんだよー!」

 

さっきまで妙に大人しかった奴が急に声を上げた。

 

「うわっ どないしたん猪々子?」

「なんであたいが謹慎なんだよー!」

「安心しろ。ここに居る全員が謹慎中だ」

 

それのどこに安心する要素が有るのか。

 

「だーかーらー!それもひっくるめておかしい!」

「でもなぁ。猪々子は主犯やし、私は入れ知恵したし、春蘭さんはキッカケやしなぁ。三姉妹は興行の関係で謹慎は無しやけど」

 

私達は先日、「ぎゃらくてぃか☆大☆歌謡天国」にて勃発した乱闘を収めたのだが、そのやり方に問題が有り、謹慎を受けているのだった。

 

「えー、でも後腐れ無く騒動を収めるにはアレしかなかったじゃんか」

「騒動収める代わりに時空に罅入れたらアカンやろ。何か変な目玉みたいなん出てってヤバかったんやから……」

「ああ。あの場にいた将全員の氣をぶつけてなんとか押し戻したからな」

 

回想でもしているのか、春蘭は目を瞑っている。

 

「『氣ってすごい』改めてそう思ったわ」

「ちぇー。でも斬山刀没収は酷いっしょ……」

 

武将の場合、謹慎中は武器が取り上げられる。猪々子は斬山刀、春蘭は七星餓狼、かゆうまは金剛爆斧、私は作り直したばかりの黒くて長くてぶっといのを、それぞれ没収されてしまった。

 

「謹慎解けたら返してもらえるやん。あと二三日やって」

「あーあーー。その二三日が長いんだよなぁ……。あ、そう言えば華雄とお嬢と七乃っちは何で?」

 

……七乃の呼び方はそこに落ち着いたのか……。

 

「荀彧のやつが賊の討伐のときに突出し過ぎだとかなんとかイチャモンをつけてくるのでな。しばらく無視していたら昨日曹操に呼び出された」

「そらアカンわ」

「何故だ!賊如きに策など使うべきではないだろう?」

 

こういう事をさらっと言ってしまうからバカと言われるんだ。

 

「はぁ……。かゆうまの気分のせいで余計な死人が出たらな、その家族に申し訳ないやろ?策を適切に使えば被害が減る。何も桂花はかゆうまに意地悪しよ思て文句言っとんとちゃうんやから。指示はちゃんと聞かな」

「ぐ……そ うだな………」

「で?美羽様はどなしたん?」

「切り替え早いな!?」

「お嬢様ったら秋蘭さんの前髪、切っちゃったんですよ〜」

「前が見にくそうじゃったからの」

「そらアカンわ。アカン奴ばっかりやな」

「そりゃあ謹慎中の奴らばかりだからな」

「あ、秋蘭さんの前髪切られちゃって、春蘭さん的にはどうなの?やっぱ激おこ許さん蔵?」

「いや……『おお!秋蘭、おそろいだな!』と言ったら『姉者のどさんぴん!』と罵られてしまった。……そんなにこの髪型は嫌なものだろうか」

「さあ?人それぞれちゃうのん?」

「あたいはそれ面白いと思うぜ!」

「おお!猪々子も試してみるか?」

「他人がやってる分には面白いと思うぜ!」

「よし猪々子 表へ出ろ」

「下賤な者共はすぐに表へ出たがるのぉ」

「きっと野生に還りたいんですよ〜」

「「よし張勲(七乃)表へ出ろ」」

「嫌で〜す。私は文明人なのでー」

「「くそうっ!」」

 

……こいつ等と話していると親戚のガキを預かっているような気分になるな。

 

「よし七乃。袁家家臣の実力というものを見せつけてやるのじゃ!」

「えー、無理ですよぅ!!……あ、私って文官だから剣没収されてないんだった」

 

……それも又 良し、かな。




ちょっと文体がバグっていますが気にしません。
きっとこれもいい思い出になるはずです。

最近何か言うたびに死亡フラグが立つ気がするのですが大丈夫ですかね?

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