哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

67 / 189
実家凄く落ち着かないです。
もやしが美味しいっていう話をしたら叔母さんがお年玉くれました。貧乏でもやし喰ってるワケじゃないんだよ!趣味だ!

関係ないですが、昭ちゃんは尻を凝視するのをやめたまえ。



第九章一節その二

 「本陣の設営、終わったぞ」

「両翼もなー」

 

曹操直属約3000人、北郷隊北郷直属約2000人、北郷隊李典部隊約2000人、北郷隊鑑惺部隊一〜六課960人を再編成し、来たるべき決戦……というか、すぐそこまで来ている戦に備える。思ったより戦力がキツい。八千か……。このイベントは、まさかの負けイベントだったのでよく覚えているのだが、おそらく一万は居たよな……。これは、本当に、大分気合を入れなければなるまい。

 

「ご苦労さま。なら、すぐに陣を展開させましょう。向こうは既にお待ちかねよ?」

「……大軍団だな〜」

 

一刀が平野に展開する蜀軍を見回す。

 

「そうかしら?」

「報告やったら、約五万やったっけ?大軍団以外の何者?」

「それに劉、関、張、趙……深紅の呂旗か。オート操作でも俺TUEEEEEEEできるな……。破れるのってチルノ補正ぐらいじゃないのか?」

「落ち着きなさい一刀。まだ錯乱するような時間じゃないわ。分かる言葉で話しなさい」

「俺は落ち着いてるよ。多分この中で一番」

「変態長は置いといて……。籠城せんのん?明日朝には春蘭さんが戻れるんやろ?」

 

正直、個人的には籠城してほしい。出城、つまり住人の居ない完全に軍事目的の城なので、一般人への影響も無い。五分の一以下の兵力だが、籠城なら一日くらい持ち堪えられるだろう。でも、ここで一回死にかけて、一刀の好感度爆上げしておくのはかなり重要だ。そのせいで強く反論できないのが辛い。ついつい何の生産性もないボヤキが漏れてしまう。

 

「最初から守りに入るようでは、覇者の振る舞いとは言えないでしょう。そんな弱気な手を打っては、これから戦う敵全てに見くびられることになる」

「いや……五倍以上の兵力に対して籠城しても誰も文句言わん」

「それにこの戦いで負けたら、劣勢でも相変わらず攻めに出た覇王(笑)とか、項羽の再来(悪い意味で)とかって言われるんじゃないか?」

「だからこそよ。ここで勝てば、我が曹魏の強さを一層天下に示すことが出来る。こちらを攻めようとしている連中にも、いい牽制になるでしょうよ」

「そうすりゃみんなの負担も減る……か」

 

相変わらず、一つの行動で二手も三手も皮算用してるなぁ。まぁ……だからこそ、こうして城壁の上に立っていられるんだろうが……。

 

「その為には一刀、聆。その命、賭けてもらう必要があるわ。……頼むわよ」

「うぃー」

「……軽いわね」

 

まぁ、私はボーナスステージみたいなもんだからな。

 

「……ああ」

「……どうしたの一刀。変な顔をして」

 

変な顔て……。

 

「いや、そうやって面と向かって頼むなんて言われたの、そういやはじめてだなー、と思ってさ……」

「そうだったかしら?」

「華琳様!出陣の準備、終わりました!いつでも城を出ての展開が可能です!」

 

桂花空気読め!

 

「桂花空気読め!」

「!?」

「!?」

「!?」

 

おっと、つい口に出てしまった。

 

「どないしたんみんな固まって?」

 

とりあえずなかったことに。

 

「な、何でもないわ。……さすが桂花。仕事が早いわね」

「はっ。各所の指揮はどうなさいますか?」

「前曲は私自身が率いるわ。左右は桂花と風で分担しなさい」

「俺はどうする?」

「一刀は真桜と共に後曲で全体を見渡しておきなさい。戦場の全てを俯瞰し、何かあったらすぐに援軍を廻すこと。それが貴方の仕事よ」

「……了解。頑張ってみる」

「聆の初期位置は本陣の中心、私の隣よ。鑑惺隊も本陣に溶け込ませてあるわね?」

「おー。はじめは本陣に同調して、適当な時期から独自行動やな?」

「そうよ。相手は貴女に 思 い 入 れ があるようだから、最初は鑑惺隊が居ないように思わせるのよ。ある程度戦況が"盛り上がって"きたら結集していつも通り"ちゃちゃ入れ"なさい」

「まかせぇ」

 

まあ、私目掛けて単騎突入とかされたらどうしようもないがな。雑兵の壁とか相手にならなそうだし。

 

「先日の反董卓の戦で、諸葛亮と関羽の指揮の癖は把握しております。……必ずや連中の虚を突いて見せましょう!」

「ええ。よろしく」

 

虚も何も、全凸とかされたらどうしようもないがな。どうしようもないことばっかりじゃないか。さすが負けイベントは格が違う。

 

「なあ華琳。それで……勝てるのか?」

「勝つのよ」

 

ドヤ顔である。

 

「……そっか。……そうだな。そうだよな」

 

一刀は、何か決心したように繰り返す。

 

「そんで、勝てるん?」

「…………勝つのよ」

 

睨まれた。そうやな。さっきのんは空気読めとらんかったな。

 

  ――――――――――――――――――――――――――――

 

石橋産業。

 

劉備「武力で他国を制圧するのは良くないです」

曹操「貴女矛盾してるわよね?」

劉備「叩き潰します」

 

このころの桃香は迷走してるなぁ。武力や立場の弱い人たちを守る……今で言うところの社会福祉が当初の目的だったはずなのに、力そのものの否定をしている。力の上下を完全に消し去るのは無理な話で……。その上、頭の回転の差で完全に華琳に言い負かされてしまい、結局、華琳の言うとおりに戦で決着をつけることになった。

 もっと舌戦の練習とか、思想の熟考とかするべき。周りもお姫様扱いでそういう困難から遠ざけているんだろうな。

蜀ルートなら、その辺の思想バランスを一刀が導き出したり、その一刀に対抗意識を燃やして仕事を頑張ったりして成長するんだが……。まぁ、その分が今回のケチョンケチョンの舌戦だったということで。次回に期待だ。

 あと、華琳さんはカルマルート走りすぎ。

 

「一刀!」

「おう!」

 

お、華琳さん帰ってきた。うっわ〜嬉しそうな顔して……。

 

「全軍を展開するわよ!弓兵を最前列に!相手の突撃を迎え撃ちなさい!」

「了解!」

「その後、一刀と真桜は後曲に。第一射が終わったら、左右両翼は相手を撹乱なさい!その混乱を突いて、本陣で敵陣を打ち崩すわよ!」

「御意!」

「聆はそこから更に分離して追い打ちをかけなさい。頭痛と腹痛の分はきっちり働くのよ」

「待ってそれ私が悪いん?」

「あれだけバカを拾って来ておいてよく言うわ」

「勝手についてきたんやもん」

「野良犬かよ」

「ふふっ……。最後に聆に声をかけたのは失敗だったかしらね」

 

小さく笑った華琳が、兵の方を向いて大音声の号令を放つ。

 

「聞け!勇壮なる我が将兵よ!

この戦、我が曹魏の理想と誇りを賭した試練の一戦となる!この壁を越えるためには、皆の命を預けてもらう事になるでしょう!

私も皆と共に剣を振るおう!死力を尽くし、共に勝利を謳おうではないか!」

 

剣を振るうのに集中し過ぎて、「呂布と関羽に囲まれたテヘペロ」とかするなよな。

 

「敵軍、動き出しました!」

「これより修羅道に入る!全ての敵を打ち倒し、その血で勝利を祝いましょう!全軍前進!」

 

 かくして、第一回 魏vs蜀 因縁の対決が始まったワケだが……。

 正直、桃香の暴走思想にも、華琳の覇道にも賛同していないのでいまいち熱くなれない。

 

 ただ、そんな私にも一つだけ言えることがある。

 

呂布と当たりませんように呂布と当たりませんように呂布と当たりませんように呂布と当たりませんように呂布と当たりませんように。




呂布怖い。
何か呂布の攻略法ないですかね?
恋愛じゃなくて。
毒とかもケロッとしてそうですし。

世界三大勝てる気がしねぇもの
→触手、ブラックホール、呂布
〈改定〉
一刀さんのおちんぽ、ブラックホール、呂布

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。