原因はフライドチキンの食べ過ぎ。
近所の山にハイキング行ってきます。
ハムソンさんは生きてます。
スタップ細胞はあります。
「だっての?他が全部後ろ向きであるのに、一筋だけ飛び出ているのはおかしいであろ?」
「やからって春蘭さんのアホ毛ちょん切ったらアカンやろ」
「そうなのー。春蘭様、あの毛にちょっと愛着あったみたいだしー」
いつの間にか恒例となったお茶会……通称おバ会。最近では、バカたちへの指令伝達の場にもなっている。バカと付き合うのにうんざりした人が上層部にいるからだ。メンバーは私、かゆうま、猪々子、ちゃん美羽、七乃さん。本日は、不機嫌のため欠席の春蘭の代わりに、ゲストとして沙和をお迎えしております。
「あのような猪でもそんなことを気にするのだな」
「むしろあたいは、どうやって切ったのか気になるぜ」
「ふふん。あの阿呆が間抜けな顔をしてボケーッとしておったからの。鋏で軽ーくちょんっ、とな」
「まじですか……」
「流石ですお嬢様!そういうせこい嫌がらせに関しては右に出るものは居ませんね!」
「そうであろそうであろ!む……ときに猪々子、そなたの毛も跳ねておるの?」
「え、ちょっとやめてくださいよ お嬢!あたいの体をどうこうしていいのは斗詩だけなんですから」
猪々子が焦ったように自分のアホ毛を手で隠す。
「アカンで美羽様。他人の嫌がることやったら」
「妾は間違いを正しただけなのじゃ」
「それは美羽様のものさしで測った善悪やからなぁ……」
「そうですよお嬢様。あんまり好き勝手やってると華琳さんたちも怒っちゃうかもしれませんよ?孫策さんみたいに」
「そ、そ、そ、そんしゃくじゃと!??」
「はいはいガクブルガクブル。七乃さんも分かっとんやったら止めてぇな」
「えー、だってー。アホ毛を切った瞬間のお嬢様の顔といったらもう……。私は確信しました!真の天の遣いは一刀さんではなくお嬢様だと!!」
「恋は盲目とはよく言ったものだ」
「お嬢様の可愛らしさに気づかないなんて、華なんとかさんこそ目が悪いんじゃないですか?食べることと突進することしか眼中にないんですよね?猪だから!」
「よく言った。表へ出ろ。この前の馬のように解体してやる」
「すぐ腕力に訴えようとするのは、ホント成長しませんね〜」
「ぐぬぬぬ………」
「あー、でも、この前の馬、旨かったよなー」
「………」
「………」
「………」
「………」
「ダジャレじゃないぜ!?」
「うん。分かっとる」
「その目は分かってない目だー!」
「まぁ、文醜のダジャレは置いておいて、私としては、大本命だった白馬が取り上げられたのが残念でならん」
「あー、あれな。無断出撃の埋め合わせで華琳さんに献上させられたんや。明らかに名馬やったからなぁ……」
そう言えば、白馬に乗ってた奴に見覚えがある気がしたが……。誰だったのだろうか。酔っていたからあまり覚えていない。公孫さんか……?いやいや、そんな酔っ払い相手に負けるなんていくら地味キャラでもなぁ?白馬は確かに珍しいが、世界に一頭ってワケでもないし。そういうことにしておこう。メインキャラ全員の救済が目的なのに、酔った勢いで襲いかかってたとか笑えなさすぎる。
「あと七乃さん、美羽様、ガクブルしすぎで過呼吸なりよるで」
「お嬢様の苦しそうな表情って、……そそりますよね」
「はぁ……コレだから変態は」
「それについては否定しません」
「とにかくそろそろ助けてあげないとお嬢、死んじゃいますって」
「うーん、私としてはもう少し見ていたいところなんですけど、しかたないですね。……そぉい!」
「きゃっふぁ!?」
「しっかりしてくださいお嬢様」
「うう……なんか、頭に尖ったものを叩きつけられたような……」
「きっと気のせいですよ。それより、蜂蜜饅頭ですよ。ほら、あ〜ん」
「……あ〜ん」
「どうですか?」
「むぐむぐ……んむ!美味である!!」
「七乃さんってあんま忠誠心無いなぁ」
「私は鑑惺様に全力で忠誠を誓っております!」
「下がってよし」
「はい!」
ちゃん美羽のコロコロと変わる表情を見ているのが楽しいのは分かるが、苦しんでるのも楽しむ辺り、歪んでるなぁ。
「…………」
「どうした于禁。さっきから黙りこくって」
「いやー……話には聞いてたけど予想以上なの……」
「何?あたいの風格が?なんつって!」
「沙和はこういうの慣れとるやろ?真桜とかで」
「また別のはちゃめちゃ具合なの」
「さっきからレイ姉冷たくない?」
「そう言う猪々子は寒いのじゃ」
「確かにな。そこの侍女!悪いが肩掛けか何かをもってきてくれ」
「あ、お嬢様の分もお願いします〜」
「んだら、私は肩掛けの代わりに熱燗で」
「ひどいぜ……」
「まぁそう気を落とすな。確かに冗談のキレはイマイチだが、お前の斬山刀の切れ味はなかなかのものだぞ」
「そうですよ。斬山刀はすごいですよね。斬山刀は」
「斬山刀丿極とかヤバイわ。冗談の質と同じぐらい」
「……それ、猪々子は必要あるのかや?」
「くっそぉぉぉ!!みんな嫌いだぁぁぁぁ!!」
キラキラと輝く滴を残しつつ、走り去る。
「うわッ!?」
そして途中で消えた。おそらく桂花が掘った落とし穴だろう。
「落ちたの(確信)」
「あんな見え見えな落とし穴にかかる人なんて居たんですねー」
「勘違いするな。猪だ」
「うえぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇぇん」
「やりすぎたっぽいなぁ。穴の中からガチ泣き聞こえてきた」
「トドメを刺したのは桂花さんですよね?私たち悪くないですよね?」
「クズやなぁ……。ま、とにかく慰めに行かなな」
「穴をのぞき込んだ瞬間斬山斬……」
「ひゅい!?わ、わらわは絶対に行かんぞ!」
「元から私が行くつもりやから」
「がんばってくださいねー」
「私も行こう」
「いや、かゆうまはうっかり追い打ちかけそうやからええわ」
すっかり空気になってしまっている沙和の心配そうな視線を背に、落とし穴に近付く。「のぞき込んだ瞬間斬山斬」を警戒しているわけではないが、いちおう、手前で声をかけておく。
「猪々子、私らが悪かった……」
「ほっと゛いて゛くれよも゛う」
上擦った声が返ってくる。「放っておいてくれ」と言われた場合の対処法は二つ。部外者なら素直に放っておく。当事者なら一気に間合いを詰めることだ。今回は当然後者。雰囲気的に斬山斬も来なさそうだし、ここは大胆且つ繊細にキメる。二股リア充の実力を見るが良い。
「猪々子」
「何だよ!ほっといて゛くれって言ったじゃん……か……っ!?」
決まりました。自分も穴に入って抱擁。怒りより戸惑いが勝ってしまって言葉につまる。ポイントは強く抱きしめ過ぎないこと。
「みんな、猪々子がかわいいからついやりすぎてまうんや……」
「…………」
すかさず甘い言葉。心の底から嫌われてると、「キモい」で一蹴されてしまうが、猪々子はそんな娘じゃない。
「許してくれんか……?」
「……………………しょう がねぇなぁ……次から気をつけ てくれよ」
ところどころ詰まりながらも猪々子らしい許しの言葉をもらった。チョロイン。
「レイ姉、息が 整うまで……こうしてても良 いか?」
言葉は無粋。抱く力を強めることで応える。一度雰囲気を作ってしまえば、クサすぎるぐらいで丁度いい。
「なぁ……。さっき、みんなあたいがかわいいからやりすぎるって言ってたじゃんか……?」
「うん……」
これは……「レイ姉も、あたいのことかわいいって思ってんの……?」→「当たり前やん」→「そっか……///」→二人は幸せなキスをして終了。 の流れですね分かります。
「じゃあやっぱり、あたいの冗談が面白くないってのも、愛情の裏返し?」
「いやそれはホンマにおもんない」
_人人 人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄
いつの間にか猪々子が泣いてた。
自分で書いていて自分でびっくりしました。
沙和は後半で活躍します多分。
本当は前半からじゃんじゃん活躍するつもりでした。
七乃さんのせいで会話に入るタイミングを逃したんです。