哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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西涼編がやけに時間喰ってますが、作者は一応健康です。
原因は今更ファンタシースターにハマったこと。
ですので今は、
普通の生活+サモンナイト1〜5+PSO+東方+恋姫二次
という超過密スケジュールです。
特にPSO時間喰い過ぎぃ……。


第十章二節その二〜戦闘パートその一&三節その一

 「…………馬騰は?」

 

舌戦の第一声がこれだ。その言葉が示す通り、馬騰はこの場に居ないらしい。……でも、さすがに相手に失礼じゃないか?これも相手を煽る作戦なのかもしれないけど。

 

「あたしは馬超!馬騰の名代として、この軍の指揮を取る者だ!」

 

そしてやってきたのが馬超。そう言えば、これが五虎将との初めての戦いになる。華琳は馬騰がお気に入りらしいけど、やっぱり俺は馬超が気になるよな。……そういう意味じゃなくて。

 

「ああ、そう。馬超ね。そう言われれば連合の時にも見た気がしないでもないわね」

「な……なんだその反応はっ!もっとこう、あるだろうが!この侵略者め!」

「名将と名高い馬騰と相見えるのを楽しみにしてきたのだもの。その代わりが貴方では……ねぇ」

 

いやいや……結構豪華なんだけどなぁ……。

 

「くっそぉぉぉ!その余裕面、あとで泣きっ面に変えてやるからな!この変態っ!」

 

挑発を真正面から受けて、捨て台詞を吐いて陣に戻ってしまった。……何か、夏侯惇が春蘭って知ったときと同じような何とも言えない感覚が……。

 

「……私は変態ではないわよ。失礼ね」

 

いや、それはどうだろう。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

 「おかえりなさーい。姉様、なんか早かったねぇ」

「たんぽぽぉ!あいつらに西涼の騎馬部隊の恐ろしさ、骨の髄まで叩き込んでやるぞ!」

「……あぁ、また言い負かされたんだ」

「ま、負けてないっ!とにかく、連中を一気に叩き潰すぞ!左右両翼にも伝令!予定通り本陣目掛けて三方向から一気に突撃だ!」

「あ、あと賊上がりの挙動には気をつけるように言っといてね」

「了解しました」

「行くぞ!総員、突撃ーーーっ!!」

 

「だ……駄目だww まだwww笑うな……こらえるんだ……し……wwしかし……wwwwww」

 

  ――――――――――――――――――――――――――――

 

 「随分早かったですね」

「相手は錦馬超だったわ。あまり舌戦は得意ではないようだけれど」

「舌戦になってなくなかったか?」

 

舌戦ってもっとこう、互いの理想とかをだな……。

 

「あの程度の挑発に乗るようではたかが知れているわ。戦の腕は良いと嬉しいのだけれど」

「……では、馬騰はここには来ないと?」

「そのようね。だから聆が来ない場合の動きで」

「御意」

「あー、やっぱ、聆は何か仕込んでたのか」

「ええ。今度こそ当たりを引いてもらうわ」

「華琳様、真桜から連絡有りました。完了だそうです!」

「うわ……真桜まで何かしてんのかよ……えげつねぇ……」

「散々奇襲をかけられた意趣返しとしてはちょうどいいんしゃないかしら?」

 

その奇襲も地和たちで潰したくせに……。

 

「よし。総員戦闘配置につきなさい!万全の策が整った!あとは勇士諸君が油断せず、日頃の訓練の成果を発揮すれば恐れることは何もない!ここ最近の寝不足の苛立ちを叩きつけてやりなさい。全軍、突撃!!」

 

  ――――――――――――――――――――――――――――

 

 「……そろそろ馬超様と曹操がぶち当たった頃かな」

「さぁ……確か、決戦予定地は東の平原の辺りだろ?」

「始まったら、始まったって伝令が来るさ」

「……あーあ、それにしても暇だなぁ……」

「今、喋ってんじゃんよ」

「つっても俺らそんな喋ったこと無えだろ?気ぃ使うんだよ」

「何 その素直」

「言いたいことは分かるがそもそも人が居ねぇしな」

「正味、騎馬戦できる奴は全員連れてかれてるからな」

「馬騰様、ここ守る気あんの?」

「無えだろ。前線に全振りだろ。ちな ここはゴミ箱な?」

「ヤバくね?別働隊とか居たらイチコロじゃん」

「つってもそんなもん居ないっぽいしな。曹操の本隊が来てるとこしか関所破られてねぇし」

「言ってもお前アレだぞ?魏の八割は人外らしいぞ?」

「はっはっは!バカだなお前!そんなもん噂に尾ひれが付いてるだけに決まってんじゃんよ。どうせアレだろ?例えば鑑惺なんか不死身って言われてっけど、どうせ傷の治りが早いとか我慢強いとかその程度だろ?」

「バッカお前別に本気にしてたワケじゃねぇし!冗談だし!マジで返してんじゃねぇよ!」

「あぁ、ほんの数分でお前のことは大体分かっちまったわ」

「おお、なんだよ。言ってみろよ」

「馬――」

 

「伝令ーー!!」

 

「お、始まったらしいな」

「いや待て、様子がおかし――」

 

「南方より敵襲!!旗は鑑!兵数約千」

 

「は?」

「いや、おかしいおかしいおかしい!!南って山ばっかじゃねぇか」

「ま、待て!まだ慌てるような時間じゃあばばばばばば」

「落ち着け!相手は千人だ!こっちは人が少ないっつっても五百は居る!敵の三分の一居れば籠城できないこともないって孫子先生も言ってたから大丈夫だ!」

「そ、そうだな。まずは落ち着いて――」

 

「開門!」

 

「…………は?」

「…………は?」

「いやいやいやいや、お前何やってんの?」

「は?お仕事ですけど?」

「敵がすぐそこに居るのに何で開門すんの?」

「敵?俺にとっちゃ味方だね!」

「お、お前!」

「ちなみに鑑惺様は確かに我慢強いだけだが……その我慢が人外だぜ!それじゃ、あでゅー!!」

「おい!待てコラ!!!」

「放っとけ!今は門を閉めるのが――」

 

「FOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!」

「「FOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!」」

「「「FOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!」」」

 

「あ、これ死んだわ」

 

  ――――――――――――――――――――――――――――

 

 「おい!左翼はどうなってるんだ!?突撃って言ったはずだぞ!何波状攻撃なんてしてんだ!!」

「右翼もおかしいよ!何でこっちに合流してるの!?三方向からって作戦なのに!」

「クソッ……とにかく、もうこうなったら走り抜けるしか………っ!?」

「きゃっ!?」

「な……何でこの辺りの地面がこんな……っ!溝やぬかるみなんて……!!」

「わかんないよっ!雨も降ってないのに……!!」

「へっへー!これがウチら工兵部隊の恐ろしさやっ!ちなみに他にも色々とやりたいほうだいさせてもらっとります!」

「くっ……李典か……!たんぽぽ!一旦距離を取るぞ!!」

「逃がすかいな!行程全良好!追撃部隊、発進してください!」

「カユウ、出る!」

「行っくでぇぇぇーー!!」

「シュンラン行きまーす!……って何を言わせる!」

「ゴメン今はツッコミ求めてないねん」

「なら何故ボケた」

「そういう病気やねん」

「なら仕方ないな」

「っと、そんなことを言っている場合ではなかったな」

「おっとそうだった。霞!華雄!行くぞ!」

「おう!連中を追い散らすでぇっ!」

「くそっ!何でお前らはそんな自由に動き回れるんだよ!!」

「何が自由なものか!安全な道順を覚えるのにどれほど苦労したと思っている!」

「今までで一番苦労した作戦だ」

「ゴメンウチは楽勝やった」

「「お前!」」

「くっそぉぉぉ!ふざけやがってぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 「……うわぁ……えげつなぁ……」

 

しっちゃかめっちゃかになって敗走する西涼連合の姿に、自然にため息がもれる。

 

「そう?騎馬を相手にするとき、相手の機動力を削ぐのは基本中の基本でしょう。聆のやり方が普通だと思ってるのなら今すぐ改めることね。歩兵で騎馬隊を翻弄するなんて初めて見たわよ」

「いや、そうじゃなくて相手の指揮系統にも何かしたんだろ?」

「あら、よく気がついたわね」

「動きがちぐはぐだからなぁ」

 

両翼と本陣が全く噛み合っていない。今も本陣は退却、右翼は停滞、左翼は相変わらず無理に前進しようとしている。

 

「さて。ここは春蘭たちに任せましょうか。私たちは馬騰に会いに行くわよ」

 

 

「姉様っ!曹操たちの本隊が!」

「くそっ……あたしらは無視かよ!」

「貴様ら二人に対し、こちらは将を三人も出しているのだ。どこが無視なものか」

「そない言うんやったら真面目に戦えや!華雄!」

「いや。無勢に多勢は私の流儀に反する。お前たちのどちらかが負けたら戦おう」

「ならこの戦で出番は無いと思え!でぇぇぇぇぇい!!」

「くっ……!」

「姉様っ!」

「おっと よそ見は感心せんなお嬢ちゃん」

「きゃっ!」

「華雄!こちらは二人で何とかなる!貴様も華琳様の後を追え!本拠地に攻め入るのに、戦力は多くて困ることは無いだろう」

「多すぎればまた文句を言いそうな気がするが……まぁ、分かった」

「嘗めやがって……っ!」

「ならば嘗められぬように精一杯足掻くのだな!」

「くそ……くそ……くそ…くっそおおおおおっ!」




魏ルートって、敵が可哀想になってくるとこが苦手です。
非常に信じ難いことですが、
原作でもここから魏TUEEEEEEEE!!!!が続きます。

蜀ルート
魏→覇道に呑まれて自滅ワロス
呉→そもそもほとんど戦わない
呉ルート
魏→覇道に呑まれて自滅ワロス
蜀→畜生すぎて殺意が……

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