インド行ってきました。インド行った後はその間に溜まった仕事の処理で時間がなかっ(以後見苦しい言い訳
インドは……臭かったです。
あと物騒です。スリと置き引きに遭いました。両方勝ちましたけど。
あとはテンション下がってホテルに引きこもり……。なれないことはするもんじゃないですね。
さて、今回の投稿ですが、かなり長丁場になりそうです。
さっさと戦闘が見たいんじゃ〜って読者様には土下座。
拠点フェイズ更新しつつ本編進める荒業も有りですかね?
こちらの世界に来てから何度も思ったことだが、風呂とは実に良いものだ。しかも、それが露天の大浴場で、ちょっとした酒の用意など有れば尚良い。そして、傍らに美女でも侍らせておけば正にこの世の贅を極めた心地を味わえるというものだ。
しかし……
「良い湯じゃのぉ〜。七乃よ」
「そうですねー。あ、脱力しすぎてお漏らししちゃダメですよ」
「こら!季衣、お風呂で泳がない!」
「えー、猪っちーも泳いでるじゃん。なんでボクだけ」
「こんなに広いんだ。泳いでくれって言ってるようなもんだぜ」
「ばったく、少しは落ち着いていだでだいぼどだどでじょうか」
「鼻に詰物をしたまま言っても格好つかないのですよ〜」
「大丈夫なの!沙和が意匠を担当したかわいい詰物だから!」
「……これはかわいいのか……?アタシにはさっぱりだ」
「ほら凪!そんな隅っこで縮こまっとらんと、もっとゆっくりしぃや」
「いえ、私は……」
「もー、傷のことやったら気にするなって前にも言うたやろー」
「ねー、ちょっとこのお湯ぬるくない?」
「そうかしら?私にはちょうど良いけれど。天和姉さんはどう?」
「私もこれくらいが良いかな〜。熱いのはこの前の痩身の特訓でいっぱい入ったし〜」
「……ふん。全く、騒がしい奴らだ」
「そうだな。落ち着きというものを知るべきだ」
「姉者………」
「騒がしい奴筆頭の貴女がそれを言う?」
「ふふふ。冗談としてはなかなかだわ」
……これはやり過ぎと違うのん?
大浴場はさながら修学旅行のように賑わっている。具体的には、私を含めて二十一人の少女(?)がくつろいで……否、騒いでいる。修学旅行と違うのは、全員が全員美女揃いというところか。
「一刀は『裸の付き合い』と言っていたけれど、確かに良いものね」
「あー、やっぱ隊長の入れ知恵なん」
「『入れ知恵』という言い方には語弊が有ると思うけれど。……思えば、私達っていくつかの少集団に分かれてて、こうやって全員が一緒に、ってことはなかったでしょう?」
「まあ、なぁ……」
確かに、張三姉妹やななみうを筆頭に、グループ分けがキツイ気もする。三羽烏は未だに夏侯姉妹や華琳に恐縮するし、かゆうまと軍師ーズの仲はほとんど断絶していると言っても過言ではない。……ちょっと過言か。
「大きな戦いを控えたこの時期に、団結をより高めておこうと思ってね」
「なんや裸見たいだけかと思うとったわ」
「聆!華琳様に対して何てこと言ってるの!口を慎み――」
「……………」
噛み付くように割って入った桂花をよそに、華琳は黙り込んでしまう。
「……図星みたいやで?」
「華琳様……」
「ま、まぁ、それはさておき、問題は、この浴槽の中でもそのいつもの仲間内での会話に収まってしまっているということね」
「んー、沙和辺りが頑張っとるくらいか」
「反対に華雄と春蘭がこの会の趣旨の逆を行っているわね」
「趣旨?隠れ蓑やのぉて?」
「ん゛ん゛っ……」
「そうやなごめんな。ちょいひつこかったな」
「……そういうことだから春蘭」
「は、はい!」
「別に静かにしていなくても良いのよ」
「わ、分かりました!えと、あの、ほ、本日はお日柄も良く……」
「無理に喋れとも言われとらんやろに……」
「くっ……」
「ふふふ……まぁ、不器用なのも可愛いところよ」
「華琳様ぁ……!」
うっとりした表情でとろけた声を出す。うん。驚くほどいつも通りだ。
「元譲……お前、安い奴だな………」
「何を言うか!華琳様にお褒め頂いたのだ!喜ばずしてなんとする」
「『はいはいそうですか』っつって何でもない風を装いつつ頬を少し赤らめるとかどない?」
「良いわねそれ。そういう娘欲しいわ」
「………?……、………?」
「あきらめろ。姉者には無理だ」
「安いと言えば、華雄、貴女も安いのではなくて?出会って一日で聆に心酔していたでしょう」
「詩人の心が詩に表れるように、武人の心は武に表れるものだ。戦場で刃を交えることは、千の言葉を交わすことにも劣らん」
「………」
「………」
「む、何だ黙り込んで」
「いえ……。どうしたのかしら、最近、バカだと思ってた娘たちが軒並み強化されているような気が……」
「だ、騙されてはいけません華琳様……また明日にはつまらない挑発に乗って突出して司令部を悩ませるに決まっています!」
「文若……お前という奴は底抜けに失礼だな」
「まぁ実際引っかかるやろけどな」
「嵬媼までそのようなことを」
「刃を交えた私が言うんやから間違いないんやん?」
まぁ実際のところは適当言ってるだけなんだが。
「ぐ……」
「ふふっ……偶の名言も聆の前では形無しということね。……でも不思議ね。貴女たち、結構親密なのに真名では呼ばないのね」
「つーか教えてもらっとらんのやからしゃーないわ」
初対面で真名を明かさなかったのはいいとして、その後の宴会、日常生活でもタイミングを逃しつづけ、しまいには原作未登場のギアスでもかかっているのかというくらい話題にすら登らなかった。
「あー、それウチも教えてもろてない!」
と、霞も乱入。
「ウチら結構長い付き合いやん。教えてぇな」
「董卓の下からだったか?」
「うんにゃ。月……董卓が都に来る前から知り合いやったで。実際轡を並べたんは董卓が来てからやけど」
「へえ……じゃあますます分からないわね。それに、こちらとしても、そろそろ教えてもらいたいところではあるわ。もちろん、無理にとは言わないけど」
この世界で言う真名の呼び合いは、言わば信頼の証。逆に言えば仲間同士で真名を呼ばないのは、ある種の特例を除いて、不信や不仲の現れとも考えられること。何というか……メールやライン、また、着信拒否やブロックに近しい感じだ。
「……そうしたいのは山々だが」
と、ここでかゆうまが渋々と口を開く。
「なんや?故郷の慣習で『生涯の伴侶となるもの以外に真名を明かすべからず』みたいなんがあるん?ウチが嫁にもろたっても良えんやで?」
「霞……貴女結構酔ってるわね……」
「……私は都生まれだ」
「んだら家訓か?」
「そうではなくてだな……」
もごもごと、バカらしからぬ歯切れの悪い言葉。
うわー、何か知らんが面倒くさい地雷踏んだか?と思ったその時、意を決したようにかゆうまが言い放った。
「私には真名が無い」
※この間皆全裸