エリー都にある少し小さめの治安局。交番のように設置されているそこにはとある二人の治安官がいた。
その治安官はいついかなるところでもデュオ二人組であった。そして、ホロウ内で迷った人々の捜索を中心に行う者たちであった。
彼らは義兄弟である。弟はホロウ内で接敵するエーテリアスやホロウレイダーと戦い、兄は弟の死角を補うサポートをしたり、迷った人々を誘導する役割に徹していた。
"ピロン"と交番のような場所にデカデカと置いてあるモニターに『HELP』の文字が映し出された。
どうやら今日もまた、彼らのもとに仕事が舞い込んできた。
「兄貴〜、、、また、俺たち案件だ。どうやら若者がホロウに入って出られなくなったらしい。はぁ〜…最近ホロウに無断で入っては迷子になるアホどもが多くねぇか〜?テレビとかで「入るな」って警告されても入るアホどものためになんで俺らが助けに出なきゃいけないんだよ〜。」
と机に足をかけ、椅子の背もたれに寄りかかり愚痴をこぼす片腕が義手の治安官。
彼の名前は
「そう言うな春。ホロウがないところでも共生ホロウが突然出来て、『事故』として入ってしまった人もいるんだ。流石に遊び半分でホロウに入るのは止めてほしいけど、僕たちの仕事の本来の目的はソ・レ・なんだから。」
と彼の愚痴に対して気安く返すもう一人の治安官。
彼の名前は
「兄貴は優しすぎんだよ。軽い注意なんかで済ますから悪ガキどもが何度も入り浸るようになんだよ。こう、、拳骨の一発でも食らわせないと!」
「ハハハ…、じゃあさっさとこの案件を終わらせて、事務仕事でもしようか。」
「はぁ〜…兄貴また俺の見えないところで他の部署の仕事を貰ってきたのかよ。いちいち貰うなよ、そんなめんどくさいもの。」
「ハハッ、暇は嫌だからね。ついやっちゃうんだ。」
「まぁ、兄貴らしいっちゃ兄貴らしいな。じゃあ兄貴、準備は済ませたな。行こうぜ。」
「もちろん。」
彼らは道具の準備を済まし、駐車場に止めてあった小さめの車に乗って素早くホロウへと向かう。
「兄貴、ここでいいのか?」
「あぁ、ここだ。このホロウの内部からHELPが送られてきている。」
「なるほどな。ところで兄貴、そんな便利なもん、支給されてないはずだろ…」
「当たり前だ。こんなもの支給されまくったら治安官が格好の的になるし、ホロウレイダーとかが悪用しまくるからな。そこら辺はしっかりしてるぞ。ちなみにだが、その鎖も、この鞭も、キャロットを受け取ったり、モニターに届いた情報を一目で見れるこのタブレット型ボンプ君や、お前と俺が着ている服だって、全部俺が支給品を改造したものだ。」
「そうなのか。まぁ早く行くか。中にいるやつらがエーテリアス化しちまう前に。」
「それもそうだね。行こうか。」
そうして二人はホロウの中へと入っていった。
「やっぱホロウ内は外と空気も景色も違うな。」
「隔離空間みたいなものだしね。ほら行くよ春。向こうの方からHELPの発信が来てる。最初に来たのが3分前だ。多少は急いだほうが良いかもしれない。」
「あぁ、そうする。兄貴、乗ってくれ。最速で辿り着く。」
春はそう言うと身体を屈ませ、玖九が乗れる体制を作る。それに玖九は「了解」と答え、すぐさま彼の背中に乗る。
「飛ばすぜ」
春がそう言うと彼は時速300キロにもなるほどの超高速で走り始めた。それに対し、玖九は
「裂け目を4回通る!1つ目は2.253秒後に右!2つ目は3.662秒後に左へ移動!そのあと1.732秒後に跳べ!3つ目は……」
と的確な指示を出しながら腰に巻いてあった鞭を用いて、エーテリアスを倒し、春のサポートをしていた。だが、玖九のサポートはまだ終わらない。
「60m先にデッドエンドブッチャー!だが、その道は使わないからフル無視でいけ!4つ目の裂け目を出たあと、タナトスが3体いる場所がある。そこから迷子者を出す!」
「迷子の人数、場所、侵食状況は?」
「人数は3,場所は、裂け目を抜けたあと300m、タナトスはその100m先だ!侵食状況については、、、かなりマズイ。あと数分も経てばエーテリアス化する。」
「タナトスは30秒足らずで始末する。迷子をあまり運動させず、連れてこれそうか兄貴?」
「当たり前だ。しっかりと道具の準備をしてきたからな。」
「さっすが☆」
「変なことやらずにはやく行くぞ」
「りょーかい」
そう言って、春は飛ばし続けた。
見てくださりありがとうございました!
春くん、人間やめたのかな?早すぎるよちょっと……
玖九くん、細かすぎるよ?人間コンピューターでも目指しているのかな?
なにはともあれ、この二人組は相性抜群!お互いの苦手なところを支え合っていく最高のパートナーですね!