王の証ー委ねられた世界の未来ー   作:レイガース

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西暦1990年、当時の日本はオイルショックまでの期間、発展を続けていた。しかし、それは世界各地に生まれた世界を創り変えるほどの能力を持った赤子たちの誕生によって、歴史は終わりを迎える。

現在いる王族や皇族を滅ぼし、真世紀を創り出そうとする存在自体がいることを知らない者たちはやがて、彼らの能力を否定し、自らを破滅に導くとは思いもしなかった。


契約と崩壊する世界

平成という名の時代に、日本で8人の宿命を背負った赤子が生まれた。

 

その中でも、死と隣り合わせの宿命を背負った赤子がいた。その赤子は後に、運命と契約する。このことが世界を滅ぼし、創り変えるきっかけであるが、まだもう少し先の話である。

 

平成に生まれた主人公の赤子は、親の影響で片耳が聞こえなくなって生まれた。これが、後の育った青年に多大な影響を与えることになる。

 

赤子は片耳が聞こえなくても、すくすくと育つかのように見えた。しかし、運命はそれを許さない。

 

赤子には意思がなくとも、世界は、日本はその存在がいることで崩壊が始まる。

 

赤子が二歳になり、大きな事件が相次ぎ発生し始めた頃でもある。

 

サリン事件、航空機墜落、政治不信の始まり、自殺者の増加。

 

経済もまた堕落の一途を辿る。まだまだ、この赤子では世界はおろか、日本を救うには年齢が足りず、契約を結ぶまでの時間が必要だった。そのため、赤子が育つ間に、運命は世界と日本をほとんど崩壊させるべく新たな流れを作る。

 

一年後、日本は巨大な地震に襲われた。有名な阪神淡路大震災である。

 

この年もまだ小さな前進しかなかった日本や世界。日本は経済の堕落により、円高ドル安の傾向があった。

 

あれから時は過ぎ、赤子は幼児へと育った。もう大震災から五年という月日が流れていた。

 

この年、日本は恐ろしい事件が相次いで起こった。毒物カレーなどの大量殺人未遂事件。さらには、日本以外で、他の国々で核実験やミサイル開発。

 

日本は経済不信に、大量失業者や多くの大企業が倒産、市や町の合併。不安要素が強くなってきていた。

 

主人公の幼児にとっても、小学校入学はある意味トラウマになる出来事があった。

 

まだ背の低い幼児にとって、犬がいくら遊ぶ気でいたって突然襲ってくれば怖いことである。それも数匹である。大人にとってはいい迷惑であるが、幼児にとっては恐怖そのものであり、この出来事によって幼児は大人になっても未だに犬や猫嫌い、いや無意識に避けてしまうことは避けられないのである。

 

まあ、このような犬のおふざけ話はどうでもいい。この頃からである。幼児に育った彼を待ち受ける運命が、日に日に大きく強くなり始めたのは。

 

小学校入学と同時に、彼にも激動の運命が始まった。あと少しで、彼は運命と契約することになる。けれど、この年、彼の家族に不幸が訪れる。幼児だった彼は覚えていない。記憶があいまい過ぎて、ほんのちょっとの出来事しか覚えてはいなかった。家族の、それも大切なおばあちゃんが亡くなったことだ。彼には妹もできていた。この妹もまた大きな存在になるのだが、まだそれは先の話。

 

身近な家族の一人の死は、幼児の彼にとって意識や記憶があいまいであってもかなり影響はあったのだろう。彼にとって、三つ目の代償でもあった。もちろん、他の二つは片耳の聞こえなくなること、もう一つは犬や猫へのトラウマである。

 

だが、その後も起こるであろう大きな未来に、その三つは契約を繋げるための大事なものでもあったのだった。

 

小学校に入学して、少年は成績優秀、体力抜群の好成績を収め始めていた。

 

しかし、運命はそれを早過ぎるとみたのか、一つの問題を少年に投げかける。

 

そう、若年層で自殺率の高いいじめの問題を、彼が受けたのだ。けれど、少年がいじめと認識するのは、物心つくまで数ヶ月は必要だった。このいじめの一件が、最も少年を運命と契約させる発端を生むことになっていた。

 

そのいじめの事件は上級生からの方が多く、少年が卒業するまで続くのである。

 

小学校を入学してから、早三年が過ぎていた。この頃、少年の精神状態が混乱を始めていることは、当人の少年でさえ知らないというよりも、いじめの事件を先に受け止め始めたばかりなので、よく分かっていなかった。

 

いじめの事件が始まって、少年の成績は確実に落ちていった。精神の混乱もあり、勉強に身が入らなくなっていたのだ。

 

このことで、少年の家族内で少し問題になってきたり、少年が物を壊すことが多くなっていった。もちろん、家出することさえ考えるようになり、少年の心はかなり不安定に駆られていた。

 

運命は、いよいよ契約の時期が近づいてきたと知り、少年に一人になれる時間や場所を確保し出す。人を信用できなくなった時こそ、それ以外の強大な力を得るに相応しいからだ。

 

少年は当時、家出や逃げる場所はだいたい親戚の家と決まっていたが、いくら体力があっても、子どもの体力なので限界はある。そこで見つけたのが、森林の公園である。

 

当時はまだパワースポットなる言葉はなかったが、運命が少年を見守るには絶好の場所だった。契約だけではない。少年の知らないうちに、少年に運命は英智を少しずつ与えていったのだ。

 

自然の英智は、普通では感じ取りくく、自然と一体になったと思っても無意味である。雲の流れや物事の摂理を知ったとて、それは英智のほんの一部でしかないのだ。

 

少年はいよいよ、契約という名の儀式を体感で知る。少年は学校から逃げ出し、担任や教師、親の目から逃れて、まずは森林の公園で休憩を取る。ここの場所は、なぜだか他のところと違い、見つかったことがなく、怖い場所ではあったが、ちょうどこの時期から少年が休憩を取る理由があった。

 

大人向けの✖️✖️本を見つけたのだ。まあ、在り来たりの光景ではある。しかし、今はそんな話をしている場合ではない。

 

少年は休憩を取り終わり、海辺の方向へ向かった。天気が晴れていて、太陽も眩しい。親戚の家との距離が半分までに近くなった時、少年は足を止める。

 

(力が欲しいか?今の自分を変えたいか?)

 

少年の心や頭に、その言葉が浮かんできた。

 

少年は心の中で叫ぶ。

 

(力が欲しい。王になれる力が欲しい。命と引き換えにでも)

 

その言葉は異常かもしれない。でも、少年にとっては、最後の望みだった。この日から、少年は他の人は違う存在を知り、今なお苦しむことになる。絶対的な力には、絶対的な力とぶつかる。そこには、人が知っている天文学や英智レベルでは測ることは不可能。

 

そして、この少年だけではないのかもしれない。この国に一人の王が現れたのだから、他の国にも現れないはずがない。

 

歴史上、一人の存在が世界を揺るがすとあるが、では、これはどうだろう。

 

まず、それぞれの国に誕生した王の力を持つ子が現れたとする。さらに、その子たちは、お互いを知らなくても感知するくらいはでき、自分が王になれば、他の国に誕生した王をその国を占領、または潰してでも探そうとするだろう。それぞれの国に誕生した王たちは別に、自分たちの国が占領や支配されても、何の興味もない。そうなれば、自分から進んで名乗りを挙げても面白いと思うくらいだ。

 

今現在の日本や世界は、一つの分岐点から進んで、恐ろしい方向に向かっている。これは、後々に説明することになるだろうが、王の力と証を得た者たちは誰よりも早く感じ取り、誰よりも早く先の先を見据えている。

 

この少年が王の力と証を手に入れたことで、世界や日本はさらに歪み、混乱と破滅に急転直下していくことだろう。

 

少年は契約はしたが、その王の力を少しでも発揮できるのはまだ先の話である。

 

されど、この王の力はただの力ではない。愚かという言葉が付かないだけで、本来は人外のものである。人が扱うには危険であり、普通の人間が得ると己を失いかける。いや、よくゲームであるのは、人間性が崩壊して魔物になるといったほうがいいだろう。

 

その解釈については、次回の話に進んでからの中でお話しよう。

 

【ー第三話に続く】

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