あなたに忘れられない星になりたくて   作:ultimate!!

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私服セナ良すぎないですか????????

それと総合評価四桁ありがとうございます!!!!!!


さよならの準備

 

 ゲーム開発部の部室から出た私はエンジニア部への道を進む。

 

 道を進みながら、ふと考える。

 前まであんなに暇とか思っていた時間が今はずっと足りない。

 大事なものは失ってから気づく、とはよく言ったものだけど、まさかこんなにも早くそれを実感することになるとは思ってもみなかった。

 

 気づけばもう余命宣告から二週間と少し経っている。つまり、あと二週間ほどってところに来た。

 多少ズレはするだろうけど、時間制限がもうすぐそこまで迫っているという実感がどうしても湧かない。

 たとえ実感が湧かなくても部屋の整理はちまちま進めてるし、後一週間もあれば大体終わるだろう。

 

 どんどん体力は無くなってきているし、少しでも長生きしたいだけなら、ずっとベッドにこもって薬を飲み続けた方がいいのはわかる。

 でも、私はみんなと一緒の時間をできるだけ長く過ごしていたかった。

 死んだ後どうなるとかはまだわからないけど、死んだ後、天国とかそういうのが本当にあるのなら、出来るだけ多くの思い出を持って行った方がいいと思うから。

 

 

 「っと、もう着いたか。」

 

 「ウタハ先輩〜きましたよ〜」

 

 

 エンジニア部の扉を開けて声をかける。

 どうやら何か作っているようで、こちらの声が聞こえていないらしい。

 

 驚かして何か事故ってしまうというのも嫌なので端の方にある椅子に座って待つ。

 

 ぼーっとウタハ先輩の作業を見ていると、本当に楽しそうに作るな、と思う。

 目の前のものに全ての神経を注いで、時折汗を拭いながら巧みに工具を使い分ける。

 ところどころ止まって考えている時に見える顔は笑っていて、心の底からこの何かを作るとか、発明するとかが好きなんだろうというのが見るだけで伝わる。

 

 モモイちゃん達もそうだけど、こんなに熱中できるものがあるっていうのは、幸せなことだと思う。

 自分で言うのもなんだけど、それなりに頭が良かったから、家が近いと言う理由だけでミレニアムに入学した私は他のみんなほど何か熱中してできるほどの何かを持っていると言うわけでもなかったし、かといって他の人が研究している何かに感銘を受けてそれを必死で研究しようと言うこともなかった。

 言ってみれば、なんとなくでここまで来た、と言っても過言ではないかもしれない。

 

 友達関係だけは広く作って、自分はそこそこ。

 今になって思えば、ウタハ先輩達みたいにもっと熱中できるような何かを探した方がよかったかな、なんて思うけど、それも今更だろう。

 それに、そんな可能性ももしかしたらあったかもしれないとか、そのくらいにしか思わない。

 

 思うのが遅かったからとかじゃなくて、この友達とか含めて私だと今、言い切れるから。

 

 この友達とかの関係を捨ててまでそのもしかしたらに行こうとは思えないし。

 

 

 「おや、トワ、来てたのか。言ってくれれば良かったのに。」

 

 「先輩があまりにも集中してたので、それを邪魔するのもどうかな〜と思って。」

 

 

 話がズレた気がするけど、今はこっち。

 

 

 「とりあえずできたけど…これで良かったのかい?」

 

 「はい。色々考えましたけど…これがいいんです。」

 

 

 ウタハ先輩に頼んでいたのは、ノア先輩に渡すプレゼント。

 

 本当なら、先輩の誕生日に渡したかったけど、そんな贅沢を言っていられる時間は、私にはない。

 

 

 「それの説明は…まぁ、見れば分かるか。前君が言っていた通り、最後の仕上げだけは残してあるよ。一応家でもできるようにはしたが…ここでやっていくかい?」

 

 「そうします!」

 

 

 そう言って私はウタハ先輩と共にパソコンの前に座る。

 

 仕上げの動作や入力について先輩から教えられながら進めて行く。

 

 

 「いつもなら仕上げまで私に頼むだろうに、今回はどうしたんだい?」

 

 

 作業を進めて、操作のややこしさに四苦八苦しているとウタハ先輩が声をかけてくる。

 

 

 「んっ、んーっ、はぁ。いや、せっかくノア先輩に渡すものだし、作れるところは自分で作っておきたいなっていうのが一つ。それと、多分これが最後のプレゼントになるじゃないですか。だから、先輩の記憶にずっと残るものに、先輩の記憶の中の一番でありたいなって。」

 

 

 軽く伸びをして、少しずつ作業を進めながらそう答える。

 

 ノア先輩が忘れないっていうのは当然知っている。

 知った上で、その記憶の中の一番でいたい。

 

 私が死んだ後、他の人を好きになってもいい。キヴォトスから出ていくってなってもいい。

 いろんなことがあるんだろう。でも、その中で私は先輩の一番でありたい。

 

 

 「なるほどね。ちなみに、いつ渡すとかは決めてあるのかい?」

 

 

 いつ、渡すか。

 渡すだけなら、最悪できた次の日とかでもいい。

 でも、どこにするかはもう大体決めてある。

 

 

 「出来るのなら、私が死ぬ日に渡したいなって。」

 

 「トワが死ぬ日に?」

 

 「はい。多分、これを渡すときは笑って渡せると思うんですよ。だから、先輩には私の笑った顔を見せてから死にたいなって思ってるんです。だって、結局最期の時の顔が一番印象に残ると思うんですよ。なら、泣いた顔とかより、笑った顔を見せて終わりたいじゃないですか。」

 

 「そう、か…ちなみに、後どのくらいなんだい?」

 

 「多分、後二週間くらいですね。」

 

 

 お互い、顔を見てはいない。でも、お互いどんな顔をしているのかはわかっていると思う。

 

 

 「なら、まだ時間は多少あるって感じかな?」

 

 「まぁそうですね。」

 

 「なら、セミナーの仕事終わりとかここに来ないかい?」

 

 「エンジニア部に、ですか?」

 

 

 突然言われたものだから少しびっくりしてしまう。

 

 

 「それはギリギリに渡す予定なんだろう?なら、少しでもいいものにしたほうがいいんじゃないか?それに、私もトワと話したいしね。」

 

 「あー、確かに。ならこれからお邪魔させてもらいますね。」

 

 「時間がある時だけでいいけどね。それと、ここは少し変えたほうがいいんじゃないかい?」

 

 「確かにそうですね。でもそれだとこっちが…」

 

 

 やりたいことは多い。全部できるとは思っていない。

 ただこの限られた時間でもこれだけは完成させて渡すために、時間を使う。

 

 やりきったと思って終わるためにも。




何渡すのかは渡す時に。
後、そろそろテストなのでまた一週間くらい間が空くと思われます…申し訳ない

僕の小説って改行多いですか…?

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