あなたに忘れられない星になりたくて 作:ultimate!!
本当に感謝してます。
アリス好きです
今日は当番。告白の結果を先生に話して、前のお礼をして、またちょっと相談して。アリスちゃんとも遊んで。
今日はやりたいことが多いな。
っと、そんなことを考えながら支度をしているとノア先輩からモモトークが入る。
『トワちゃん、今日当番ですよね?それなら、一度ミレニアムに寄ってから行きませんか?アリスちゃんを迎えに行くのも兼ねて。』
『はい!そうします!』
即答。元々アリスちゃんは迎えに行こうと思っていたし、朝からノア先輩に会えるならもっと嬉しいし!
そうと決まれば早く支度しなければ。
別にそんなに焦らなくてもいいのに、体が勝手に早く動く。
早く、ノア先輩に、アリスちゃんに、先生に、友達に会いたいな。
「あら、随分と速いですね?」
「もちろんですよ!ノア先輩に早く会いたかったので!」
駅で出迎えてくれた先輩に会って早々私の嘘偽りない本音をぶつける。
こういう言葉は伝えるだけ伝えたほうが嬉しい。私がそうだから。
「ふふ、そういうのはもっと人が少ないところで言った方がいいですよ?」
「あっ…はい…そうします…」
確かに、こんな人通りが多いところで言うようなことではなかったか。
でも、先輩の頬が少し赤くなっているのを私は見逃さなかった。
別に先輩に言うわけではないが、これは私の中にしまっておく大事な記憶だ。
「トワちゃんの仕事はできるだけやっておきますので、今日は当番頑張ってきてください。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
今まで当番中とか帰ってからしてたから、先輩が手伝ってくれるのは本当に助かる。
「明日、暇だったりしますか?」
「はい、暇ですけど…」
「なら、映画でも観に行きませんか?気になっているものがありまして。」
「行く!行きます!行かせてください!」
ノア先輩からのお誘い!
キャンプはまだ日があるし、明日は予定もない!なら、行くしかないでしょう!
「トワちゃん、もうゲーム開発部の部室の前ですよ。」
「はい!ありがとうございます!明日、楽しみにしてます!」
そう言って私はゲーム開発部の扉を開ける。
「アリスちゃーん、来たよ〜」
「トワ!」
そう言ってアリスちゃんは私に抱きついてくる。
「アリスちゃん、元気してた〜?」
「はい!トワも元気でしたか?」
「そりゃもうバッチリよ〜!」
こうやって強がるのも慣れてきたかもしれない。
そんなことを考えているとミドリちゃんとモモイちゃんが出てくる。
「トワ!久しぶり〜!TCS2プレイしてくれた〜?」
「モモイ〜!やったよ〜!前とは違ってちゃんと面白かったよ〜!」
「前と違っては余計!!!」
笑いながらモモイちゃんと話して、ふと時間を見るとそろそろいい時間になっている。
「アリスちゃん、そろそろ行こうか?」
「はい!クエスト開始です!!」
「先生〜きたよ〜!」
“アリス、トワ、よろしくね。”
「はい!アリスは仕事を始めます!」
そう言って席に着く。
「アリスちゃんは最近なんのゲームを作ってるの?」
「アリスは恋愛ゲームを作ってます!でもモモイがシナリオを書いてくれません!そのせいで一向に作業が進みません!」
“…後でユウカに言っておかないといけないかな。”
仕事を進めながら、そんな話をする。
“そういえば、今日は随分と機嫌がいいね?トワ。”
「気づきますか?いやぁ、前の当番の時言ったことあるじゃないですか。」
「あれ、ちゃんと成功したんですよ!」
アリスちゃんには気付かれてないと思うし、気付かれたくないから言葉を濁したけど、先生なら気づいてくれるはず。
“え!そうなの!おめでとう!”
「いやぁ、ありがとうございます。先生。先生に言われなければあそこで止まっていたかもしれませんし。」
“私が役に立てたなら良かったよ。”
「なんの話ですか?アリスにも教えてください!」
「うーん、今はまだ好感度が足りないかな〜?」
「そうですか…もっとイベントをしろ、と言うことですね!」
「うん、だからもっと遊ぼうね〜!」
そう言いながらほっぺたを両手でわしゃわしゃっとする。
ぷにぷにでもみ心地が凄くいい…
というか、こんな細い体のどこにあんなレールガンを持って撃てるようなパワーがあるんだろうか。
ちょっと、羨ましいな。
「うー…トワ!先生!ゲームしましょう!私が勝ったら教えてください!」
「いいよ〜!3回先に勝った方が勝ちね!」
その言葉と共に私たちはデスクから移動し、テレビの電源を点ける。
選ぶゲームはもちろん格闘ゲーム。
アリスちゃんがミレニアムに来てからたまにしているが、毎回どんどん上手くなっていくからこっちも追いつかれないようにするのに必死だった。
正直今は勝てるかわからないが、せっかくだし勝ち越して終わりたい。
「アリスちゃん、随分、上手く、なったね!?」
「はい!アリスも日々練習してレベルアップしています!」
前、ネル先輩が負けたことをずっと悔しがっていたことがあった。
その時はネル先輩が弱いだけなんじゃないですか〜?って笑っていたけど(その後物理的にボコボコにされた)、最近になってあの時のネル先輩の言葉を笑えなくなってきている。
確かに、アリスちゃんは強い。
しかも、ただ強いと言うより成長スピードが段違いに速い。
私が数日かけて覚えたコンボや立ち回りの数々が、数回見せただけで対応される。
あぁ、楽しい。
ゲームは辛い現実から、この瞬間に飛び込んでこのゲームだけに集中させてくれる。
この瞬間だけは私はこのゲームの中にいる。
後余命いくばくかしかない『星ノ谷トワ』ではなく、ある種無限の命を持つこのゲームの中のキャラとして存在している。
そんな感覚になる。
「うぅ、一回目は負けましたが、次は負けませんよ!」
第二ラウンド。一本目はとったが、次も取れるなどと言う保証はどこにもない。
ガード、フェイント、牽制、フェイント、本命。
一瞬一瞬の行動にフェイントと牽制と本命の攻撃を織り交ぜる。
隙をできるだけなくし、かつ相手の動きを見逃さない。
取れる行動は全て取り、無理なものは見逃す。
ただそれでもこちらの隙をゼロにはできない。
そのわずかな隙を徐々に突かれ、ついに一本取られてしまう。
「やりました!アリスの勝利です!」
“後2回勝った方の勝ちだね。”
一度力を抜き、入れ直す。
集中。
「っふぅ。」
息を吐いて、画面を見る。
「さぁ、行くよ!」
コントローラーに力を込める。
最後まで、これ以上負けないように。
「うわーん!トワに勝てません!」
「まだまだ初めてすぐのアリスちゃんには負けられないからね〜!」
あっっっっっぶない。本当ギリギリだった。
後もう少しミスしていたら負けていたんじゃないだろうか。
そう思うくらいにはアリスちゃんがうまかった。
“いい時間だし、一回ご飯にしようか。”
「え、もうそんな時間なんですか。」
“うん、随分熱中してたね?”
あの勝負の後も何試合かしていたが、一切時間を見ていなかった。というかもう二時間くらい経ってる…?
“トワ、集中力高いから気付かないでしょ。”
「あー…確かに集中するとすぐ時間経ってますね…」
話していると確かにすごくいい匂いがしてきた。
“今日は私が作ったよ。味は…美味しかったらいいんだけど。”
「いや、そこは自信持って言ってくださいよ。」
“美味しいかはわからないよ!!”
「そこに自信持てって言ってるんじゃないんですよ!」
ちゃんと美味しかった。
“そろそろ終わりにしようか。”
「はい!アリスは仕事を終了します!」
「あれ、もうそんな時間ですか。」
時間を見るともう午後6時。ただ事務作業を駄弁りながら続けていたはずだがもうこんな時間だったか。
やっぱり時間が過ぎるのは早いな。
荷物をカバンに詰め、帰る支度をしていると先生が声をかけてくる。
“トワ、来月の予定決めておかない?”
「え、でも来月は…」
このことは前言ったはずなのに。そんなこと思い出させないでくださいよ。
そう思っていたけれど、先生が言ったのは。
“こうしておけば、来月まで頑張ろうって目標にもなるでしょ?”
「あー…なるほど。」
そう言われると確かに余命というものに縛られすぎていた気はする。
まぁでも、希望を持つってのは、ここ数日忘れていたな。
“トワ。”
「はい?」
“待ってるよ。”
今まで笑っていた先生が、真剣な顔でこちらをまっすぐ見ながら言ってくる。
だから私も、できるだけ長く生きてやるという意思を込めて、力強く答える。
「はいっ!」
「アリスちゃんはさ、今、楽しい?」
帰りの電車に乗って2人で揺られながら、ふと私はアリスちゃんに問いかける。
「はい!アリスは毎日が楽しくて、幸せです!」
「ふふっ、なら、よかった。」
アリスちゃんの笑顔にはいつも癒される。
私はあまり関わりがなかったけど、ミレニアムが騒がしくなった時期があった。
その時、アリスちゃん関係で何かあったんだろうな、というのは感じていた。
何日かあれほどいろんなところで見ていたアリスちゃんがいない時があったし、ゲーム開発部も元気がなかったし、ノア先輩やユウカ先輩が何やら慌ただしくしていたし。
そこで、辛いこともあったんだろう。その後あった時何か雰囲気が違っていたから。
もし病気じゃなかったり、もっともっと周りと仲が良かったりしたら、私もそれに巻き込まれていたんだろうか。
ちょっと、そんな未来を考えてみたり。
でも、現実はこうなっていて。
「アリスちゃんは、ずっと元気でね。」
「はい!トワも、また遊びましょう!」
「遊ぶだけじゃなくていいゲームも作ってよ〜?」
まぁ、私がそのゲームをプレイできなかったとしても。
「最高のゲームを作るので、待っててください!」
こんなささやかな
「アリス!こっちこっち!」
「モモイ!」
駅に降りてすぐ、アリスちゃんとモモイちゃんが合流する。
「トワちゃん、ありがとうございました。」
「いいよいいよ〜。今日楽しかったし。」
そんなこんなで軽く話して、ゲーム開発部たちと別れる。
改札を通って、ミレニアム。
「はぁ…さむ。」
すっかり息が白くなる季節。
手を口の息で温めながら、マフラーを持ってきた方が良かったかな。なんて考えていると、前に見覚えのある人影が見えた。
「あ、ノア先輩。」
いつもなら叫んでいた私が呟くようにその名前を言ったのは、何かを感じていたのか、寒かったからなのか。
「それと…ユウカ先輩?」
先輩たちが話しているのは楽しそうで。
いつものようにそこに行こうとして、足が止まった。
ノア先輩の笑っている顔が、私といる時には見せないような心から笑った顔のような気がして。
なんだか、胸が痛くなって、でもノア先輩が笑っているのが嬉しくて、でもあんな心から笑っている顔を私は見たことがなくて。
「…今日は、帰ろうかな。」
話すのは明日でもできる。映画も観に行くんだし。
そう、私は疲れたんだ。ノア先輩が私を嫌いとか、そんなんじゃなくて。
ただユウカ先輩との話が特別楽しかったりしただけで。
そう、自分に言い聞かせる。
それでも私にはそんな顔を見せたことがないじゃないかとか、そんな考えを必死で追い払いながら。
ただそれでも、どうしようもなくモヤモヤして、考えが止まらなくて。
私がいない方が先輩は笑えるんじゃないかとか、このままいなくなった方がいいんじゃないかとか。
追い払った側から頭に湧いてくる。
体力がなくなっていると言うのに、そんなことも気にせず走って。走って、疲れて、走って、走って。
「…もう、そう卑屈になるのはやめようと思ってたんだけどな。」
つい口に出てしまう。そして、足が止まる。
足は止まっても考えは止まらなくて、溢れ出して、気持ちがぐちゃぐちゃになって。
本当は嫌なんじゃないかとか、迷惑だったんじゃないかとか、あの笑顔は嘘だったんじゃないかとか。
いっそもういなくなった方が、綺麗に終われるんじゃないかな。
そう、思っても。
そう、考えてしまっても。
「…どうしても、あの顔が頭から消えないんですよ。」
あの、私の告白を受け入れてくれた時のほんのり赤くなったあの顔が。
赤く染まった夕焼けをバックに笑ってくれたあの顔が。
たとえ私を気遣って笑ってくれていたとしても、頭から離れてくれない。
私は、どうすればいいんですか。先輩。
先輩は、本当に私でいいんですか。本当は別の、ユウカ先輩とかの方が好きだったりするんじゃないんですか。
教えてくださいよ。
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