あなたに忘れられない星になりたくて   作:ultimate!!

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コタマって三年だったんですね…なぜか知らないけど一年だと思ってた…
それに伴っていくつかの話を修正しました。

コタマもチヒロも好きです

あ、マキとハレも好きだよ?


暗がりに広がる星に手を伸ばして

 

 コタマちゃんに誘われたキャンプ当日。

 

 待ち合わせ場所に行くとコタマちゃんとチヒロ先輩がいた。

 

 

 「他の方々はいないんですか?」

 

 「うん。今日は本番のために先に一回行っておこうって感じの回だからね。」

 

 「せっかくならトワちゃんもどうかなってことで誘ってみたんですよ。」

 

 

 ということは今日は三人キャンプか。

 

 …残されたヴェリタスメンバーがやらかさないかセミナーとしては心配ではあるけど、一旦忘れておこう。

 

 

 「流石に、みんなで行くのに全員初めてはどうかと思ったからね。」

 

 「この後みんなで行く予定でもあるんですか?」

 

 「予定というか、引きこもってばっかりのあの子達を連れ出さないといけないから…」

 

 「なるほど…」

 

 

 そんな話をしながら、キャンプ場へと私たちは進んでいく。

 

 

 「そういえば、なんで私を誘ったんですか?同級生の方とか誘わなかったんです?」

 

 「あぁ、それはコタマが誘いたいって言って来たからね。」

 

 「そのことは後で話しましょうか、トワちゃん。」

 

 「?はい。」

 

 

 コタマ先輩の言葉に少し疑問を覚えながら、少しずつキャンプ場への道を歩く。

 

 

 「いや、さっきの同級生を誘わなかったのかって質問の答えがまだなんですけど。」

 

 「ん?あぁ、他の三年も誘ってみたんだけどね、みんな用事があったみたいで仕方ないから私たちだけで行こうかなと思ってたらコタマが、ね?」

 

 「あー…確かに他の三年の方々みんな忙しそうですもんね…」

 

 

 ウタハ先輩は常に何か作ってるし、ヒマリ先輩は無理だし、ネル先輩は…都合がつかなかったのかな…

 

 そういえばネル先輩ともまた遊びたいな。先輩とゲーセンいくとすごい楽しいんだよな。先輩負けず嫌いだし、ゲームが盛り上がる。

 今度誘ってみようかな。

 

 

 「さて、そんなことを言っている間に到着だよ。」

 

 「おぉ、ミレニアムにこんな自然があったんですね。」

 

 「うん。結構いいところでしょ?」

 

 

 見渡す限りの自然、山、森。

 

 今までのミレニアム都市部とは比べ物にならないくらい空気が綺麗で澄んでいる。

 

 

 「こういう自然も、結構いいでしょ。」

 

 「はい。…すごく。」

 

 「…私は電子機器がある部屋のほうがいいけど。」

 

 「コタマ。そう言わない。」

 

 

 先輩たちのやりとりに苦笑しながら、私たちはもってきていた荷物を広げ、テントの設営を始める。

 

 

 「そういえば今日はただキャンプするだけですか?」

 

 「いや、それ以外にも目的はあるけど…それは夜のお楽しみかな。」

 

 

 気になる。でも、せっかくなら夜まで楽しみに待っておこう。

 

 

 「よし。テントはこれでいいですかね?」 

 

 「うん。これで大丈夫。じゃあちょっとこの辺り歩かない?」

 

 「はい、おっけーです!」

 

 

 そのまま最低限の荷物だけ持って、コタマ先輩に荷物番をと晩御飯の準備だけ任せて私とチヒロ先輩は少し周りを散策に行く。

 

 

 「トワはさ、ノアとどうなったの?」

 

 「うぇっ!?…つ、付き合えました、ヨ?」

 

 「あははっ、そんなガチガチになることないのに。でもまぁ、うまく行ってるならよかったよ。私も、口には出してなかったけど応援してたんだよ?」

 

 「あ、ありがとうございます?」

 

 

 バレていたことを恥ずかしがるべきか、応援してくれていたことを嬉しく思うべきか。

 

 

 「おぉ、ちょっと登っただけだけど、これは…圧巻だね。」

 

 「そうですね…綺麗…」

 

 

 かなり遠くにミレニアムが小さく見え、自分がこんなにも遠くに来ていることを実感する。それと同時に、自分はミレニアムから全然出たことがなく、まだまだ世界を知らないということを改めて感じる。

 

 この広い世界で、自分が広いと感じていた世界は小さくて。

 

 

 「もっと、見てみたいな。」

 

 

 そう、口に出る。

 

 

 「見れるよ。トワなら。」

 

 「そう…だといいんですけど。」

 

 

 後から思ったことだけど、私はこの時、余命だとか、予定だとか、そんなこと全部忘れて景色を見続けていた。

 

 それほど、この自然が美しくて、広かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「日が落ちてきたし、そろそろ戻ろうか。コタマも暇してるだろうし。」

 

 「そうですね。戻りましょうか。」

 

 

 私達は山を下る。頂上にしばらく止まっていたおかげで体力は回復している。

 

 疲れているとか、そんなことをできるだけ見せないように気をつけながら歩く。

 

 

 「トワはさ、セミナーとか学校生活とか、楽しい?」

 

 

 歩いている時、チヒロ先輩からそう聞かれる。

 

 

 「はい!楽しいですよ!」

 

 「そう。なら、良かった。」

 

 「最近たまに見かけた時結構浮かない顔してたから。なんかセミナーとか友達関係とかで悩んでるのかなって思っててさ。話したいなって思ってたんだけどいいタイミングがなくて。」

 

 「あー…そのことなら、大丈夫です。自分で、どうにかするつもりはありますから。」

 

 「うん、わかった。」

 

 

 そう言葉にしながら、私は人に恵まれているなと、ふと思った。

 

 周りの先輩も、友達も、先生も。

 私が悩んでいたりしたら声をかけてくれて。

 一緒に遊んでくれて。

 

 

 「あー、恵まれてるなぁ。」

 

 

 そんな言葉が、無意識に口から出た。

 

 

 「それは、トワが今まで頑張ってきたからでしょ?」

 

 「そうですかね?」

 

 

 それに先輩が返してくれる。

 

 

 「うん、そうだよ。その縁は広いし、固い。もっと誇っていいことだと、私は思うな。」

 

 

 そう先輩が言ってくれたのを聞いて、少し自分に自信がつく。

 

 なんだか、自分がしてきたことが無駄じゃなかった気がして。

 

 自分が、ずっと後も残る気がして。

 

 無駄じゃなかったんだと、心の底から思った。

 

 

 

 

 

 「副部長、トワちゃん、お帰り。頂上はどうだった?」

 

 「眺めがすごく良かったよ。今度はコタマも行くよ。」

 

 「私は遠慮したいかな…」

 

 

 ちょっと引き攣った顔で答えるコタマ先輩を見たり、座って話したりしているうちにいつのまにか日が落ち始めている。

 

 

 「うん、ちょっと早いけどご飯にしようか。」

 

 

 そう言ってチヒロ先輩は外で作っていた料理を私たちの前に手際よく並べ始める。

 

 そのどれもが手が込んでいて、見栄えもいい。

 

 

 「先輩、自炊とかできたんですか?」

 

 「うん、まぁ軽くね。自分で食べるくらいはできるかな。」

 

 

 そう言ってはいるが、めちゃくちゃ上手いと思う。

 

 ミレニアムって結構自分のことに無頓着というか、「食べられればなんでもいい!」みたいなスタンスの人が結構多いから、自炊できるだけで結構驚きだったりする。

 まぁチヒロ先輩は出来そうな感じしていたけど。

 

 

 「!美味しいですよ先輩!」

 

 「そう?なら良かった。」

 

 

 あぁ言ってはいるが、めちゃくちゃ美味しい。

 なんか、体に染み渡るというか、お母さんの味というか…

 

 

 「ごちそうさまでした!」

 

 「トワ、食べるの早いね。そんなにおいしかった?」

 

 「はい!とても!」

 

 

 こうして食べ終わった私たちは使った食器などを片付ける。

 

 

 

 

 

 「副部長。そろそろじゃない?」

 

 「そうだね。じゃあちょっと移動しようか。」

 

 「?はい。」

 

 

 先輩たちに連れられ、テントの明かりを消して少し歩く。

 

 

 「ほら、ここ。」

 

 「?」

 

 

 先輩たちが草むらに寝転がっているし、そこに誘われたものだから私も草原に寝転がって空を見上げる。

 

 

 

 空に広がる一面の夜という闇に、このキヴォトスを象徴する大きなヘイロー。

 

 そして、それより上。

 

 この夜を照らす一面の星、星、星。

 

 言葉が出ないとは、こういうことを言うのだろう。

 

 頂上から見るミレニアムとはまた違った美しい世界。

 

 それだけではない。当然ながら、この空は静止画ではない。

 

 

 「…流れ星。」

 

 

 ポツリと言葉が漏れる。

 

 一つ、二つ、十、百。

 

 数え切れないほどの星が流れて、光って、消えて。

 

 この夜空一面を照らす星と、流れる星。

 

 それは幻想的で、非現実的で。でも、隣にいる先輩たちと、この寒い風がこの光景が現実ということを伝えてくれる。

 

 

 「綺麗でしょ。」

 

 「はい。とても。」

 

 

 それ以上の言葉が私には出せなかった。

 

 自然に圧倒され、呑まれ、包まれる。

 

 

 

 この星は、死んでいるのだろうか。それとも、生きているのか。はたまた、最後の光、というやつなのだろうか。

 

 ふと、そんなことを思った。

 

 星に関して、詳しくは知らない。

 

 核融合反応だとか、他の星の反射だとか、そのくらいの断片的な知識しかない。

 

 なら、この星は生きているのだろうか、死んでいるのだろうか。

 

 流れ星は多分最後の光、というやつだろう。

 

 あの光が消えた時、残されたものは抜け殻となって、死体になる。

 

 なら今の私は流れ星だろう。

 

 残された命という光を必死に燃やして、少しでも長く燃え続けられるように頑張って、1人でも多くの記憶に、できるだけ長く残れるように光って。

 

 

 

 無意識に、手を伸ばしていた。

 

 この光に手を伸ばしたところで、届くわけがないのに。

 

 届かないとわかっていても、有り得ない『先』を見たかったから。

 

 たとえ今は見えなくても、この空のどこかにいる織姫と彦星のように、年に一度だとしても先輩と、友達といたいから。

 

 

 

 でも、伸ばした手は届かない。

 

 少し身を乗り出して手を伸ばす。

 

 

 「ははっ、あぁ。遠いなぁ。」

 

 

 届くわけがない。でも今は届かなかったという悔しさより、一種の清々しさを感じていた。

 

 その言葉を聞いていたはずの先輩たちから声は聞こえず。

 

 私たちはただただ黙ってこの空と流星群を見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて、朝ごはんも食べたし、そろそろ帰ろうか。」

 

 

 一夜明け、朝ごはんを食べた私たちは帰路につく。

 

 時刻は6時。

 

 今から家に帰って支度をすれば9時までにはセミナーに行けるだろう。

 

 

 「トワちゃん。」

 

 

 そう考えていた時、コタマ先輩に声をかけられる。

 

 

 「はい?」

 

 「また、見に来ましょう。ここへ。」

 

 

 それが、どういう意図のものかはわからない。

 

 

 「はい!」

 

 

 でも、希望を持つのはいいことだから。

 

 満面の笑みで私は答えた。




田舎というか、光のないところで見る星が綺麗な夜空を初めて見た時の感動が忘れられません

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