術式:感度3000倍   作:病んでるくらいが一番

1 / 14
対魔忍は二次創作でしか知らない。


術式:感度3000倍

 感度3000倍と言われれば何を思い浮かべるだろうか。 

 

 そうだね、対魔忍だね。

 

 悪役が主人公を性的に堕とすため、性的感度を極めて高い数値である3000倍にすることによって、『んほぉー』などとぶっ飛んだ喘ぎ声と共に、敵に堕ちるあれだ。

 まあ対魔忍の初代主人公は腹に力を入れれば耐えられるとか、わけの分からないことを口にしたりするが、普通はテクノブレイクして死ぬようなものだが、対魔忍は性的にも物理的にも頑丈である。

 

 対魔忍の話は本題ではない。

 

 田中太郎は直前まで死を覚悟していた。

 覚悟していた(過去形)

 

 目の前にいるボンキュッボンで黒髪黒目の日本人的な見た目ではあるが、100人見れば100人とも可愛いと言う様な容姿。

 日本人女性として平均的な背丈の割にめっちゃ盛られているその胸部装甲。

 真っ赤なボンテージに明らかに見えそうなのに見えない紐パン。

 黒い角と三対六翼のコウモリのような翼。

 ハートマークが先端についている黒い尻尾。

 

 ジャパニーズサキュバスと言えばこれ! と言えるような爆乳サキュバスの軽い投げキッスは田中太郎の背後にある物置に使われていたであろう山小屋を一撃で吹き飛ばした。

 その一撃を何とか避けたが、左足が大きく抉れ、殺しきれなかった勢いと共に粉砕された瓦礫に突っ込んだ。

 

「くっそ、窓つっかえねえ……」

 

 窓とは呪霊や残穢を見れる程度、戦う事ができないが呪術師をサポートする人達のことだ。

 普通は呪術高専などから派遣されたり、名家であれば自前のサポート集団を持っている。

 

 田中太郎は絶対に一流にはなれない二流の呪術師家系に生まれ、まだ小学X年生だが、時代錯誤な薩摩魂を持った家に生まれたがゆえに、こうして二級の呪霊討伐任務に来ていた。

 もちろん普通なら頭薩摩な家系であっても、この年齢で単独で二級の任務には行かせない。

 

 田中太郎が転生者特有の神童ムーブを行い、一般知識と呪術廻戦のアニメ勢程度の知識、そして燃え盛る炎の中で苦しんで死んだ記憶による死の経験からの反転術式会得。それに伴う術式反転の習得まで出来てしまった為、こうして一人で任務に向かうことになった。

 

 なお、この任務は呪術高専の上層部からのもので、任務は二級だというお墨付きもされたはずだが、何故かそれよりも上の等級の呪霊が出てきた。

 家系が小規模であるため、絶対に上層部に入ってくることはないが、頭薩摩であるが故にうまくコントロールが出来ず、上層部から睨まされてるのかもしれない。

 

「見惚れちゃって、攻撃避けれないとか、ざーっこ♡」

「しかも特級?」

「そう、私はジョーゴが言うには特級呪霊らしいわよ。そしてVTuberのサキュ・バステトでもあるわ」

「はあ?」

 

 サキュ・バステトと言えば、褐色なロリ猫獣人とサキュバス的なコスプレを合体させた見た目の個人勢のVTuberであり、18禁音声作品も出すようなVTuberだ。

 18禁発言を繰り返すため、女性視聴者が少ない……と思いきや、男性の誘惑方法とかを真面目に解説したりするイロモノ系のVTuberである。

 

 田中太郎は幼少期からの神童ムーブによって、未来に当たる商品に手を出しまくり、信頼を勝ち取っている。そのためそっち方面の会社も持っていたりするが、本編には多分もう出てこない話だ。

 

「私の術式は色欲。直接間接問わず、私に劣情を覚えれば覚えるほど、私は強くなる。あと人間がサキュバスというモノに付加したものは大抵使えるわね。ジョーゴが言ってたわ、お前の術式はズルいって。でも、その御蔭で魅了も魔法も飛行能力も吸精だって出来る。あ、この見た目は生まれ持ったモノよ」

「だから、貴方を見た瞬間に動けなくなったの?」

「私に欲情したら、その時点で魅了されて動けなくなるのよ。死ぬ間際なのに勃起しちゃって、ざーこ♡なんだから。もしかしてまだ童貞かしら坊や。というか精通してる?」

 

 ぺろりと唇を舐めたサキュバスは田中太郎に近づく。

 

 これでも田中太郎は強い。

 術式順転も術式反転も反転術式も使える。

 呪力総量も最近中学生になった五条悟の数割はあるほどだ。

 頭薩摩である家系に生まれた故に、幼い頃からしっかり鍛えており、近接戦闘だけではなく、呪術界では異端とされる武器()も使う。

 

 しかし目の前の呪霊とは相性が悪過ぎた。

 

 絶世の美少女を一目見て、可愛いや綺麗などの好意的な感情、それに伴う欲情をしてしまったらその時点で魅了に掛かり、足が止まってしまう。

 

「……」

「元々私はこんなに強くなかったのよ。たまたま変な女が『お前もVTuberにならないか? 最近流行り始めたVTuberになって、人々に邪な目で見られて、強くなる気はないかい?』って言ってきて、やってみたら一級程度だった私がこんなになっちゃったんだもの。キミは運がないわね」

「お、僕をどうするつもり? すぐに殺そうと思えば殺せたよね。さっきの攻撃とかで」

 

 短い髪の額に縫い目のついた女のお遊び実験によって、このサキュバスは強大な力を手に入れていた。

 その女は時代によって変わりゆく術式の可能性に歓喜した。

 

「サキュバスといえば吸精でしょう? 私は相手に触れれば、相手の持つ呪術的な素質から、呪力総量まで全て食べられちゃうのよ。ただあんまり効率が良くないからなるべく美味しそうな貴方を綺麗に食べるために」

「術式の開示」

「そう。今から貴方を食べてあげる。別に性的に食べるわけじゃないから安心してね。首をキュッとするだけだから」

 

 もう治っている足を悟られないように体でうまく隠し、田中太郎は何とか逃げようと足掻いているように見えるように、少しずつサキュバスから逃げようと体を引きずる。

 散乱した山小屋の瓦礫が下にあるため、足に刺さり手に刺さり、痛みを感じるが、その痛みで何とか表情を曇らせる。

 

 今もまだ死を覚悟して、必死に逃げているフリをしなければならない。何とかして、サキュバスに触れてもらわなければならない。

 

「……お、お姉ちゃん痛いのはヤメてよ」

「まあまあまあ。わかってるじゃない。うーん、どうしようかしら。ちょっとショタもいいかなって思うのだけど」

 

 そう言いながら、サキュバスは田中太郎の頭に触れた。

 その瞬間、さっきまではイジメないでと目をうるうるさせていた幼気なショタから一転、死のノートによって記憶を取り戻した青年(計画通り)のように、口角を大きく上げながら、こう言いながら、その巨大な胸を叩いた。

 

「性的感度3000倍」

「んおほぉぉおお♡!! イクゥウゥウゥウウウ♡♡♡!!」

「あー、ヤバかった。マジで初見殺し過ぎるだろ。五条悟でも無理だろこいつ」

「ングゥゥゥゥ! ♡」

 

 先程までとは大きく態度が変わり、立ち上がりながらサキュバスの股間めがけて蹴りを放つ。

 

「お前が開示したし、俺も開示してやるよ。俺の術式は感度操作だ。思い浮かべられる限度までの感度を引き上げられる。ああ、もちろん性的な感度だけじゃなく、感覚的な感度を上げて認識能力を引き上げたり、視覚的な感度を上げてより遠くを見たりなんかもできる。ただこれを他者に付与する場合は、対象指定の関係で触らないといけなかったから、マジで初見殺しで封殺されたら終わってたわ。サンキューなバカサキュバス……?」

 

 田中太郎はただ術式を開示したわけではない。

 何となくエロそうだからと性的な感覚を3000倍にしたが、性的な感覚を3000倍にされて、刺激を受けたら認識出来る感覚を超えてしまい、ぶっ壊れるのが普通なのだ。

 サキュバスというエロ特化故に、術式がうまく利いてないのかと思い、術式を開示してみたが、何故かサキュバスはずっと喘ぎ続けている。

 

 喘いて藻掻き、その藻掻きで刺激されてまた絶頂して動き、その動きでとずっと繰り返している。

 

「なんでぶっ壊れないんだ? もしかして呪霊は性的感度3000倍程度では死なないのか?」

 

 家が用意した処刑して良い呪詛師に対して、性的感度3000倍を試した時は1秒と経たず、男も女もテクノブレイクして、穴という穴から液体を出してぐちゃぐちゃになって死んでいた。

 他の呪霊に対して痛覚や感覚を3000倍にした時は、一撃でノックアウト出来ていたため、感覚がないからってことはなさそうである。だってイってるし。

 

 他の呪霊で性的感度3000倍は試したことがないかって? 

 化け物みたいな見た目の呪霊に対して対魔忍的なことをしたいと思う人類は居ないはずだ。乙骨憂太は除く。

 

「まあいいか。じゃあお疲れ、VTuberサキュ・バステト。お前の協力ゲーのキレ芸は結構面白かったよ。痛か、はぁ?」

 

 田中太郎は痛覚感度3000倍を付与して、ぶっ殺すつもりでいた。

 

「……え、どういうこと? というか、え? なに?」

 

 しかしサキュバスから感じ始めた呪力的なつながり。

 継続バフ系の術式の効果を受けた際、似たような感覚になったことがあったため、田中太郎は困惑する。

 それと同じように、自分に益のある呪力的な繋がりが勝手に構築されたのだ。

 

 そして困惑は更に加速する。

 

「ご無礼を働き、大変申し訳御座いませんでした」

 

 さっきまでサキュバスが着ていたボンデージと紐パン、そして髪飾りなどが綺麗に畳まれてサキュバスの横においてある。

 そして全裸になっているサキュバスはジャパニーズドゲザをしている。上半身から思いっきり潰れながら飛び出している横乳をチラ見しながら、田中太郎脳内で頭を抱える。

 

『これはもしかして呪霊の隷属か? 確か伏黒パパが武器庫にしてた呪霊がいたし、家で習ったこと的に調伏だよな? いやいやいや、特級呪霊だぞ? てか、胸デケェと思ってたけど、ケツやべえな……ジョーゴってアニメで五条悟に瞬殺された火山頭だよな? 五条悟だから領域展開の中でも無事だったけど、あれはどう見ても今の俺じゃ無理だ。そんな呪霊とお友達? っぽい感じの特級呪霊が調伏された? ないないない。というか、なんで畳んだ服の上に免許証なんて乗ってんだ? 夢魅雫(ゆめいしずく)、17歳。うーん、エッチだ……ではなく、調伏は間違いないか』

 

 今田中太郎は明確にこのサキュバス呪霊の生殺与奪の権利を握っていることがわかる。

 術式を持っている人間が術式を自覚した際、どういう事ができるのかが何となく分かる。それと同じように、絶対に逆らいようがない完全な従属状態であることが、呪力の繋がりで理解できた。

 

「うーん、どうしようか。てか、感度3000倍の状態で、どうやって土下座まで体勢を変えたんだ? 仰向けで潰れたカエルみたいだったのに」

「お腹に力を入れまして、集中して頑張りました」

「あーそうなのね」

 

 完全に従属していることはわかるし、現在進行系で下半身からドバドバと液体が出てるので、多分性的な絶頂を迎えていることはわかる。

 

 ただこの完全隷属が今後一生続くとは限らない。

 十種影法術は式神を一度隷属させれば永続的に隷属させられる。

 呪霊操術も同様で、自ら解放でもしない限りは永続的な隷属が約束された術式だ。

 

 ただ術式などの世界の敷いた強制力を伴わない調伏は、使役者が弱体化などをすると、隷属させた呪霊に殺されたりするため、一般的には呪霊の調伏などしない。

 前提として基本的に、特殊な事例を除いて呪霊の調伏などやる前に殺されるか殺すしかないのが現状の呪術界の常識である。

 

「あの、御主人様のお名前をお伺いする事は出来ますでしょうか。あと可能であれば感度を下げていただけ」

「うっせえ、黙れ」

「ウギっ♡……イキます、イグッ♡」

 

 サキュバスの言葉を遮り、その頭を田中太郎は踏み締める。

 

「……しょうもな。性的感度1倍」

 

 頭を踏まれて至る剛の者に寒気がして、踏んだ状態で術式を解除する。

 どれだけ考えても、サキュバスはピンクなことしか言いそうにないと何故だか確信を得られてしまい、戦闘をする気が無くなってしまった。

 

「ありがとうございます! 御主人様は何故私を調伏出来たのか分からないと思います。調伏し、完全な隷属状態になったのは私の術式によるものだと思います」

「続けて」

「日本のサキュバスといえば、エッチな生き物ですよね?」

「本来はフィクションの、エッチ生き物だな。呪霊としては、そういう恐れ……恐れ? とか人々の思いによって、そうあれかしと生まれたんだよな」

 

 呪霊とは非術師の体から漏れる負の感情が形作ったものである。

 故にこのサキュバスも人の負の感情、普通なら恨みや妬み、後悔などの黒い感情によって生まれるはずだが、犯したいや恥辱などの感情で生まれたのではないかと予想した。

 

「そうです。そして私は自分の術式を色欲と名前をつけましたけど、結局は日本の人々が思い描くサキュバスができる事は大抵できます。逆にサキュバスとしての弱点も持ち合わせています」

「聖なる何かとか、聖職者とかか?」

「え? 純潔を重んじる聖職者、無知なシスターがサキュバスにぐちゃぐちゃにされるのなんて、日本人の認識としては当たり前では?」

「……否定できない」

「まず、御主人様はまだ二十歳じゃないですよね? 駄目ですよ、エロサイト見ちゃ」

「うるせえ、続けろ」

「んほっ……続けます」

 

 ちなみにまだサキュバスは土下座したままの状態で、先程また蹴りを入れたが靴が濡れた。

 

「サキュバスは性的にツヨツヨな種族デスよね? 一方人間はヨワヨワなざーこ♡です」

「ツッコまんぞ」

「突っ込んでもいいんですよ?」

「痛覚5倍キック」

「うぎぃいいぃ。ムリムリムリ。ごめんなさいごめんなさい。御主人様ごめんなさい」

「痛覚1倍。続けろ」

 

 変なことを言ったサキュバスに対して、普通に痛みを与えたところ、言葉はふざけているが本気で謝罪したため痛覚を戻して話を進める。

 

「サキュバスは基本的に性的なことにツヨツヨなので、当然セックスバトルも強い種族というジャパニーズ認識です」

「それがお前にも適用されていると」

「そしてサキュバスはセックスバトルで負けた場合、大抵相手に隷属します」

「……ん? ようは縛りなのか。サキュバスとしての強みを出すため、セックスバトルに負けたら隷属するっていう」

「はい、あとガチ恋もしちゃいます。性格から趣向まで完全に塗り替えられます。あとはセックスバトルを挑まれたら断れない。女性(サキュバス)男性(エモノ)の取り方を教えて欲しいと言ってきたら断らない。とかいっぱいありますね」

「なるほど?」

「あっ! でも、もう御主人様に隷属したので、セックスバトルを挑まれても断れますし、他の人間とセックスはしません! 寝取られが好きであれば、めちゃくちゃ嫌ですが頑張ります」

「そんな趣味はない。親父に彼女寝取られた上層部のアホじゃあるまいし」

 

 この任務を田中家に依頼した黒幕は上層部(のアホ)である。

 

「分かりました! 私は御主人様だけの肉便器になります!」

「もうそれでいいや。まあ、頑張ってくれ」

「御主人様のお名前教えて下さい」

「……田中太郎」

「太郎様、末永くよろしくお願いします!」

 

 こうしてサキュバスの臍の下に淫紋が完成し、完全なる従属が完了した。




ただ蹴ったりしたらアヘってるだけで、R18にはならないはず?

感度3000倍はサキュバスとかいう呪霊だったからアヘ顔ダブルピースで済んだが、普通に考えてジョーゴとかだったら頭が焼ききれて死にます(その前に主人公が殺される気がするが)
主人公は気がついてませんが、接触だけではなく呪力指定も可能(ブギウギタイプ)なのでただのチートです。

この主人公の東京呪術高専の入学タイミング

  • 五条悟よりも一年前
  • 五条悟と同期
  • 虎杖悠仁と同期
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。