術式:感度3000倍   作:病んでるくらいが一番

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次回は七海や灰原とのコミュです。次回位に何かアンケートをする予定です。
アンケート結果と主人公回りの話をした後にやることなければ時を飛ばそうかと。


早期の覚醒/積極的な裏梅

 五条悟と夏油傑は不死の術式を持つ呪術界の要である天元が本人と適合する人間『星漿体』との同化の時期を迎える為、天元からの指令で星漿体の護衛を任された。

 

 本来の歴史よりも五条悟はより筋肉質になっている。

 本来の歴史よりも夏油傑はより筋肉質になっていて、調伏している呪霊の質も量も大幅に増えている。

 また田中太郎によって、二人とも任務に対する態度にふざけが一切なくなっていた。

 

 方や一度でも触れられたらあらゆる感覚器官の感度が狂わされ、最悪性的感度3000倍にしてくる対人類最低最悪術式を持つ田中太郎。

 方や一度でも見惚れれば動きが止まるだけではなく、強制的に術式が解除されてしまうサキュバスの術式を持つ特級呪霊の夢魅雫。

 両名は悟や傑と術式込みで殺し合いをすれば確実に負けるだろう。だが、一度でも油断すれば取り返しのつかない存在でもある。

 そんな両名と日々お遊び(鍛錬)をしているのだ。油断は死と同義であることを理解している。

 

 だがしかし、この護衛任務の主導権は星漿体である天内理子が持っていた。

 東京高専に引きこもっていればいいだけなのだが、天内理子は学校に行きたいと言い出したり、人質にされた付き人の救出についてくるなどやりたい放題。

 

 そして星漿体殺害を企てている伏黒甚爾は成功報酬とは別に、依頼主よりその他雑費まで大量に渡されていた。

 絶対に殺せとの依頼であり、もし五条悟を殺せれば数倍、夏油傑を殺せば同じく数倍の成功報酬が約束されていた。

 故に宗教団体も呪詛師も全て使って、五条悟と夏油傑を削ろうとした。

 

 人間は眠らずに休まずに警戒し続ければ疲弊する。

 いかに最強の人類である五条悟も疲弊するはず()()()

 

「二人に来てもらってよかったよ」

「学校との調整に沖縄までの旅費。午前中の観光の時間まで頂けるのであれば誰でも来ますよ」

「そんなのなくても夏油さんと五条さんに呼ばれたら来ます!」

 

 結局原作同様に捕まった黒井美里を救いに来た沖縄に、傑の呼び出しで七海建人と灰原雄の一年生コンビが現着していた。

 空港の見回りではなく、沖縄での天内理子の護衛として呼ばれた。

 

「それにしても五条さんが私や灰原にヘルプを出すのは初めてですね」

「まーね。本当は傑と二人だけでも問題なかったんだけど、なんかサキュバス先輩がメール寄こしてきたんだよね」

 

 そう悟が口にしながら、携帯電話のメールを見せてきた。

 

『太郎様が最強と呪霊喰らいだけでは心配だと言っている。お前らの護衛任務が終わるまで常に太郎様が敵として狙っていると思え』

 

 特級呪霊のいる洞窟に向かう間に太郎が心配していたが、甘やかさなくてもいいと雫は口にした。

 しかしもし万が一に悟や傑が死ねば雫としてはどうでもいいが、太郎がとても悲しむ。

 故に太郎の言っていたフィジカルギフテッドなどについては触れず、ただ最大限の警戒をするように連絡を裏で入れていた。

 

「ゲェ! 田中先輩が敵とか僕たち死んじゃいますって!」

「うるさい灰原。あくまでも例えだろう。でも夢魅さんがここまで言うということは……先輩たちが任務を受ける前の時間にきてませんかこのメール」

「そうなんだよ。田中先輩は多分何かを掴んだんだろう。だが詳細は言わなかった」

「俺らを信頼しているってことだろ。言わなくても任務完遂出来るって。ただサキュバス先輩がお節介しただけ」

「それでもその夢魅先輩が田中先輩の名前を出してまで警戒させるということは何かある。私や悟だけでは危険かもしれないと」

「って傑がうるさいからお前らを呼んだってわけ。とりあえず沖縄にいる間はお前らが警護してくれ。ボートの時間まで寝る」

「ちなみに沖縄の空港の見回りや東京の空港の安全確保は冥冥さんを雇ったり、田中家前当主を呼んでいるから心配はいらないよ。今日いっぱいはよろしくね」

「はい! 任せてくださいよ!!」

「よく来たお前ら。わしが天元様となる星漿体、天内理子である!」

 

 本来なら星漿体の護衛は極秘任務であり、七海や灰原ならまだしも部外者を呼び出すことは出来ない。

 だが、雫からこんな連絡が来たと傑が夜蛾に連絡をして、夜蛾は危機感を抱いたため、京都高専の学長の楽巌寺や田中家前当主の太郎の祖父に連絡をした。

 そこから呪術総監部に圧力が掛かり、七海や灰原の護衛や(黒幕はガネーシャを)冥冥たちの投入が許された。(祓われた件のリカバリ中)

 

 太郎の祖父は太郎に甘い。初孫であり、ろくでなしな一族の中でも太郎はとてもいい子であったからだ。

 そしてまるで機械のように強くなるためだけに生きてきた太郎を人間にしてくれた雫にもとても甘い。

 雫のVtuber活動に必要な物を全て最高スペックで買い替えたのは祖父である。何なら新衣装を勝手に依頼までしていたりする。

 

 そして楽巌寺は太郎の祖父と友人関係であり、太郎もとても好かれている。

 太郎が幼いころから反転術式で癒した者の中には楽巌寺の友人や教え子も多数いた。

 まだ小学校に入るか入らないかの子供なのに泣きごとも騒ぎもせず、夜間であっても田中家に駆け込めば治してもらえる。

 そんな子供を嫌う大人はいない……上層部は貸しを作るために用意している反転術式持ちへの依頼が激減したため嫌っているが。

 

 そんなこんながあり、沖縄では伏黒甚爾の思惑とは異なり、五条悟も夏油傑もしっかり休めた。

 しかしただ言いなりにならないのが総監部である。東京への帰還時に七海と灰原は同行しなかった。

 

「私たちは別の任務をこなしてから東京に戻ります。頑張ってください」

「それでは天内さん、またね!!」

「うむ。またな!」

 

 七海と灰原は東京に直帰せず、()()に向かった。

 

 

 ♡♡♡♡♡

 

 

 五条悟はしっかり休息も取れていた。

 夏油傑もコンディションはバッチリだった。

 

 しかし五条悟も夏油傑も呪霊討伐任務であればいくらでも受けたことがあったが、護衛任務の経験がなかった。

 そして太郎という比較的外面は優等生な先輩がいたことで悟の性格は多少柔らかくなっていた。

 

 五条悟、夏油傑、天内理子、黒井美里は東京高専に向かうために総監部が用意した迎えの車に乗った。

 天内が暗い顔をしないようにと傑が声を何度もかけている。それを揶揄ったりする悟もいる。

 

 東京高専まであと少しという場所で4人の乗る車めがけてトラックが左右から突っ込んでくる。

 すぐさま悟と傑は動き出す。

 

「傑は天内と黒井と運転手を連れて先に行け!」

「わかった。頼んだよ」

 

 五条悟がもし体調が万全でなければ夏油も少しは先に行くことを迷ったかもしれない。

 二人で天内を守りながら戦うことも出来たが護衛対象の安全を考えて、また今の悟は万全な状態であるので問題ないだろうと判断した。

 多少危険でも一緒に戦っていた方がよかったのだ。

 

 傑が呪霊に乗ってその場を後にした後、煙幕が焚かれた。その煙幕は呪力的な何かを含んでいて、六眼を多少は妨害した。

 

「問題ねえ!」

 

 周りから銃撃を受ける。爆発物も投擲される。全て無下限呪術で悟のもとに来る前に止まる。

 

「無駄だ」

 

 4級にも満たない呪霊『蝿頭』の群れが現れた。銃撃してきたやつらを優先していたため、未だに煙が晴れていない。

 しかし呪霊であれば呪力があるため六眼で位置の把握は出来る。広範囲の『蒼』でまとめて薙ぎ払おうとした。

 

「まとめてぶっ飛」

「きゃああ!!」

 

『蒼』を使おうとした時、()()()()()()()()()()()()()から若い女性の叫び声が聞こえた。

 その女性に襲い掛かろうとする3級呪霊。

 

 目まぐるしく切り替わる戦いであり、周りには『蝿頭』が飛び回り、チャフ代わりの煙幕もまだ周囲に残っているため、3級呪霊にその女性が襲われるまで気が付かなかったのだろう。

 

「動くな。今たす、は?」

 

 叫んだ女性がいきなり爆発して破裂しなければ、伏黒甚爾が持っていた天逆鉾の呪力を正確に感知して動けただろう。

 だが、本来よりも優しさという思いを育んでしまったが故に、いきなり破裂した女性に思考を持っていかれた。

 

「ここまでしないと五条悟に武器を突き付けられないのか」

「……ぐぅ、ごほっ!!」

 

 奇しくも原作と似たように別のモノに気を取られ、五条悟は天逆鉾で一刀両断された。

 

「……この坊主はお友達ならまだしも、知らない一般人はそこらの小石にしか見えないと思ってたんだがな」

 

 伏黒甚爾は昔に一度だけ五条悟を見たことがある。

 その時は別格な存在であり、有象無象は認識できていないのではないかと思っていた。

 だが、先ほど一般人が遠隔爆弾で弾けさせた時、明確に意識が持っていかれていた。

 

「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人ってのは五条悟にも当てはまるんだな」

『赫』

 

 そして奇しくも伏黒甚爾は田中太郎に対する羂索と同じように、明確なとどめを刺さないで物思いに耽ってしまった。

 実家を追い出された自分があの五条悟を殺せたという、一種の感動を感じてしまった。

 

 その僅かな時間で五条悟は本来よりも何倍も早く反転術式と術式反転を習得して、心の中で術式反転『赫』を詠唱して伏黒甚爾を消し飛ばした。

 

「……訓練になるとゴミカスに変わる先輩との鍛錬のおかげで動けたとか複雑だな」

 

 太郎の術式で呪力感度を上げての反転術式訓練は当然何度もやっているが、悟も傑も七海も灰原も満場一致でやりたくない訓練があった。

 

 それは痛覚を何倍にも引き上げ、体が真っ二つになっていると錯覚するほどの痛みを感じながら動く訓練だった。

 何故体が真っ二つになることを想定しているんだと悟は何度も思っていたが、まさかそれが役に立つとは思わなかった。

 なお太郎が想定している戦いはこの戦いではない。体が横に真っ二つにされても死ぬ前に反転術式を回せることを目標にしている。

 

「あれ? もしかして伏黒甚爾もう倒した感じ?」

「遅いんだよ糞チビ虐待禿げ先輩。なんでこいつの名前を知ってんだよ」

「禿げてねえ……反転術式習得おめでとう。もしかして恵について何も聞いてない感じ?」

「全部想定通りってか。やっぱり先輩キショいっすよ。誰すかそれ?」

「全部想定通りなら四肢が捥げて殺されかけることはなかったんだけどね……」

「俺は体がほぼ真っ二つになりましたけど?」

「大変だったね。お疲れ様。訓練をもっとまじめに受ける動機が出来たな!」

「もういいっすわ」

 

 そんな伏黒甚爾戦が終わった後、遅れてやってきた太郎の腕を借りて悟は立ち上がる。

 

「あ、天逆鉾貰うから」

「ハァ!? 発動している術式の強制解除の呪具とかぶっ壊すに決まってるだろ!」

「今までの貸しを全てここで使う」

「それはズルじゃないっすか?」

「未来で悟が封印された時にないと困るだろ?」

「意味わかんねえ」

 

 悟は思う。この人はやっぱり頭がおかしいし、大人が思ってるような善良な人ではないと。

 

 

 ♡♡♡♡♡

 

 

「ふざけるなあああ!! なんで伏黒甚爾が天逆鉾を持っているんだよ。なんでそれを田中太郎が回収するんだよ! 術式の強制解除だぞ? 最強の五条悟キラーアイテムなのになんで壊さないんだよ!!!」

 

 伏黒甚爾による星漿体暗殺は失敗。

 五条悟の暗殺も失敗して殺し損ねた結果、反転術式と術式反転を習得された。

 術式の強制解除という五条悟キラーのアイテム……羂索にも特攻のある特級呪具が田中太郎の手元に残った。

 

「RPGの敵じゃないんだぞ。相手をレベルアップさせてどうする……」

 

 羂索は心の底からキレていた。

 何故か田中太郎はやること成すこと全て羂索の計画を邪魔している。

 

「まさか未来予知の術式……ではないな。幼少期から感度を操作する術式であることはわかっている。あの夫妻の情報なら間違いないはずだ」

 

 羂索の手の者を太郎が特級呪霊と戦った場所に向かわせたが、田中太郎とサキュバス呪霊の呪力の痕跡しかなかった。

 故に間違いなくガネーシャを祓ったのはどちらか……、通話の呪符を通した会話での反応的に田中太郎で間違いないはずなのだが。

 

「隠された効果があったとしてもガネーシャの概念を貫通することは難しいはずだ」

「私は帰ってもいいか?」

 

 今羂索がいるのは住んでいる場所の近くにある秘密基地のようなものだ。

 そこで少し前、虎杖悠仁が生まれた後に受肉体として復活させた裏梅、宿儺の従者と定期的に会っていた。

 今日がその会合の日であったが、周りの目がないこの場所で羂索はストレスを発散させていた。

 

「いや済まない。少し嫌なことがあってね」

「貴様の事情などどうでもいい。だが、この時代に尻尾を巻いて逃げるのだけは辞めろよ。どうせ雲隠れしようとしていただろ」

「……」

 

 羂索は露骨に嫌な顔をする。

 

 田中太郎に総監部の裏で暗躍している存在がいることがバレ、

 最高の六眼と無下限の抱き合わせが存在し、

 真面目な人間っぽかった呪霊操術の持ち主をよほどのことがなければ闇落ちさせられないことを悟った状況なのだ。

 

「何故か天元は星漿体と融合しなかったんだ。貴様の望み通りになっただろ」

「時代の流れか、幼少期から洗脳教育しなかったから星漿体に自由意志が芽生え、融合したくないと思ってしまった。その結果融合に危険性が生まれ、今回の融合は取り辞めになったと」

「筋書は違うが天元が融合しなかったのなら貴様の計画も進められるだろ」

 

 五条悟や夏油傑だけではなく、明るい灰原雄や不思議な七海建人。そして黒井美里や学校の皆とお別れがしたくないと強く思ったが故に天元との融合が無くなった。

 

「って天元が言っているだけだろ。どうせすぐに星漿体は生まれてくるさ」

「それなら尚のこと次の星漿体が育つ前に計画を進めるべきだろ」

 

 羂索は頭を捻る。おかしい。裏梅はこんなにも羂索の計画に前向きだっただろうか。

 

「何故そんなにも計画を進めたがるんだい?」

「お前が計画を進めないということは宿儺様の復活が遠のくだろうが」

「100年ずれるだけじゃないか」

「いいやこの世代で宿儺様を復活させろ。それが宿儺様の意思だ」

「ハァ? 今時点で君に宿儺が意思を伝える方法なんてないだろ」

「ふん、馬鹿が。いいか、今回復活させなかったら宿儺様は絶対にお前に協力しなくなる。私は伝えたからな」

 

 裏梅はそれだけ伝えると、秘密基地を後にした。

 羂索は秘密基地を出て、空を見上げる。夏の青空が広がっている。

 

「おかしい。私の計画なのにどんどん私の手から離れていく……」




申し訳ございません。夢魅雫とかいうキャラが勝手に動いて連絡をした結果、五条悟を半殺しにするのにちょっと違和感がまだ残ってますがこれで進めます。
※元々は爆発した女性の位置に羂索がいることを想定してたけど、よく考えなくても五条悟in羂索になって詰むので辞めた。

アンケートで無理してこの場に来る選択をした結果、天逆鉾が破壊される前に回収が出来ました。

なんで天元様が融合やめたのかや、語っていない主人公回りの情報は次回とか次々回くらいに説明が始まるはず?
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