ツインテールが重要視される世界に転生者が転生しました。 作:真庭猟犬
「………」
体が重い。力を振り絞れない。それに、胴体に穴ができてるのに全く痛くない。もし、動けたとしても今いる場所とその周りが炎に包まれている上に天井や床がいつ崩れてもおかしくない状況だからどっちみち死ぬのは確実だ。
「二度目の人生はここまで、か……」
何故、流暢に言葉を紡げたのか分からない。
ただ、親を心配させないように嘘をつき続けた後悔だらけの前世に比べればかなりマシかもしれない。
魂に穢れを持って生まれた俺を愛情をもって育ててくれた両親の天寿より遥かに長く生き、嘘偽りなく話せる仲間と冒険し、時に国を守ったりと波乱万丈な生き方は胸を張って自慢できるものだ。まあ、死ぬからそれはできないけど。
「見事……と、しか言えぬ、な。〈
「ハッ。……蛮族、だらけの国……の王………のドレイ、クが…………言う、かよ」
うつ伏せのまま俺を殺した死に掛けの竜に対しての皮肉をぶつける。相打ちで互いに倒れており、偶然向き合う形だからこんな途切れ途切れの会話ができている。が、それももう終わりだ。意識が薄れていき、視界も黒へと染まっていく。
「………初めてだよな。こんな後ろめたい事なく死ねるってのは」
またしてもできた流暢な最期の言葉を聞いて俺は自嘲気味に笑った。
「で、何で三度目の人生歩んでんだ?」
俺、
そして転生したのは――
「〈
――【俺、ツインテールになります。】の世界だった。何故確信して言えるというと、目の前に喫茶店【アドレシェンツァ】が見えるからだ。
「ほう。それは少し気になるな」
ボソッと呟いた声に割り込んだはエメラルドグリーンの髪をツインテールにした少女。こいつはラクシアで最期の戦いの相手だったドレイク(現在は
「ツインテールが色々と重要な世界なんだよ。主人公は性欲のほとんどがツインテールに対しての執着で話を重ねる毎にそれが強くなっていくし、敵も敵で変態的スキルを無駄に上げてる。つうか、前世ドレイクのお前が普通に人として生きてるのに疑問が湧くんだが。あと何でツインテールなんだ?」
「前世でのお前の生き方を聞いてたら人の可能性というものに興味を持ったのだ。それとツインテールは母がそうさせた」
「………見た目美少女で中身ドレイクってキャラ濃いよな」
「そうか? 私は普通に接しているだけだが」
「いや、普通一般人は貴族のような話方はしない。今のお前は例外だがな」
するのは本物の貴族か厨二だ。けど、何故かこいつには合う。見た目は可愛い系の女子が高圧的な態度で話すのは一つのギャップ萌えとなるだろうな。
「ふむ。なら、いつも通りとさせてもらおう」
「……両親の前でもそれか?」
「その時は猫を被る、だったか? それをしている」
「いつかは話すのか? 俺はそうだが」
「愛してくれている者に何時までも嘘はつけぬ。お前の両親を交えて話そうと考えている」
「そうか。とりあえず公園でも行くか」
「ああ」
子供らしくないなぁ、と思いつつ公園へ向かう。前世の記憶を持ってるとハイマンみたく寿命が短くなることにならないよなとほんの僅かな恐怖をいだきながら。