ツインテールが重要視される世界に転生者が転生しました。   作:真庭猟犬

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第1話 始まり
1‐1 原作開始。ラクシアの英雄復活


月日が過ぎ、高校生になった。

両親が転生等をアッサリと受け入れたり、美咲の実家が極道だったり、カルディアの意思が転生に関わったり、弟子(?)ができたりとなんやかんやでかなり濃い日々だったが、まあナイトメアの時の波乱万丈な人生に比べれば温い。一般と比べれば現実離れしているが……。

現在は机の上にある部活活動アンケートの紙を見ながら左手でシャーペンを回している。

 

 

「さて、何に所属するか……」

 

「兄貴」

 

「何だ、鋼椰(こうや)

 

 

右隣の声に反応して視線を向ける。二年前に弟子(?)になった『鬼羅(きら)鋼椰(こうや)』がこっちを若干引き気味に見ていた。いや、正確には左手を見ている。

 

 

「ペンが出す音がもう暴走したモーター染みたものになってるんッスけど」

 

「ん? あ」

 

 

指摘されて左手を見るとシャーペンが『ギュアアアアアアッ!!!!!』と音を出しながらかなりの勢いで回転していた。周囲を見ると、ほとんどがこっちを見て唖然としている。

 

 

「ヤッベ。これ止めたら左手がスプラッタな状態となる」

 

「そ、双月君!? 何で落ち着いてられますか!?」

 

「いや、中二っぽいけど前世の記憶らしきもんじゃ絶望としか言えないものばかり見たもので…。あ、鋼椰。窓開けてくれ。ニンジャシャウトと共に投擲するから」

 

「ウッス」

 

 

鋼椰が席を外し、窓を開ける。

俺は周りに被害が出ないに回転させながら窓へと移動し、シャウトと共にシャーペンを巧く投げた。

シャーペンは撃ちだされたライフルの弾染みた直線で飛んで行き、グラウンドに小さな穴を開けて砕け散った。

それを見届けた俺達は席に戻る。洗練された無駄のない動きにまた唖然とするのを無視して今度はただ何もせずにアンケート用紙を見た。

 

 

「…………(ハッ!)そ、それじゃあ後ろから集めてくださーい」

 

 

時間ギリギリまでやってたのかよ、俺。

この後、原作主人公である観束総二のツインテール好きを告発して自爆。変質者云々に美咲がクールな言動で姐御呼ばわりされたり、美咲が勝手に俺の過去の一部を話して有名人にされたりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ある意味濃い高校デビューでしたッスね」

 

「そうか? 私は前世が前世だったから濃い薄いのはよく分からんが」

 

「観束のツインテール好きやお前の姐御キャラ定着にニュースで報道されなかった真実の暴露は普通ねえっての。正直精神的に疲れた」

 

 

俺達はマクシーム空果の近くにあるベンチで学校近くのパン屋で買ったパンを食いながら学校での出来事を振り返っていた。前世でもかなり有名だったんだが、高校生であれこれ聞かれるのと比べると幾分かマシと思える程に精神の疲れが生じている。その原因は揚げたてのカレーパンを食いきり、紙パック牛乳に手を伸ばしていた。

 

 

「けどまぁ、あれ(・・)はああなってもしょうがないッスからねぇ。シージャックしたテロリスト達の半数をボッコボコにして病院送りにさせたんですから。そういや、今日その王女様がここに来るんでしたっけ?」

 

「うむ。我々は友と護衛を兼ねて行動することになっている」

 

 

鋼椰が言うあれは去年に起きたテロリストが起こしたシージャック事件だ。

報道されたのはテロリストのシージャックとその結末だが、実際は当時その船に乗っていた俺と紅賀(こうが)さん(美咲の父)によって解決。テロリストの約半数が病院送りになった。奴等は偶々船に乗っていた世界に一国だけの王国の王女を人質にして多額の身代金を得ようとしてたのだが、俺と紅賀さんがいた時点で終わりだった別として今日はその王女がまたお忍びで来日するので俺達が護衛+友として行動してほしいと頼まれており、待合場所がここなのだ(情報源は紅賀さん)。

 

 

「煉夜さーん! お久しぶりですーー!!」

 

 

少し遠くからやや幼いような女子の声が聞こえた。美咲と鋼椰も反応してそっちを見る。視線の先には人形を思わせるほどに整った顔立ちと肌の色の少女がこっちへ向かって走っていた。彼女はシージャック事件で狙われていた王女―『ユリーシア・ユグドレシア・フォン・テラスフィア』だ。国名と彼女のファミリーネームを聞いた時ほど驚愕したことはない(美咲も同じだった)。

ちなみに俺達はユリス(ユリーシアのニックネーム)からの希望でタメ口をしても問題ない。

 

 

「久しぶりだな、ユリス。リノとエクセラはどうしたんだ?」

 

 

普段側近を務めるルーンフォークとその相棒の騎竜が傍にいるはずだが、ここにはいない。何となく予想がつくがあえて訊いてみた。

 

 

「エクセラが菓子パンほしさにパン屋に向かいまして……。リノはエクセラに引きずられる形で」

 

「把握」

 

「えっと、誰っすか?」

 

「初めまして。テラスフィア王国王女、ユリーシア・ユグドレシア・フォン・テラスフィアと申します」

 

「ああ。兄貴がボコしたテロリストが狙ってた人か」

 

「はい。私のことはユリスとお呼びください」

 

「ああ。ユリスも鋼椰と呼んでくれ」

 

「はい。鋼椰さん」

 

 

ユリスと鋼椰の自己紹介が終わった直後、前世での経験で培った経験なのか敵が来ることを感じとらせた。

 

 

「お前ら少し離れるぞ」

 

「敵か」

 

「ああ。ユリス。通話のピアスは持ってるか?」

 

「はい。二人に少し遠回りにこちらへ着て来るように伝えればいいですよね?」

 

「正解だ。俺は囮になるから皆は騎兵コンビと合流次第先祖がえりとかを済ましとけ」

 

 

そう言って隠れてる場所から走る。不意打ちを仕掛けやすい場所まで隠密で移動すると、爆発音と悲鳴が響いた。

 

 

「チッ。始まったか。カルディア」

 

「分かってるよ。レン」

 

 

俺の呼び声に反応して30cmの妖精のような女の子が現れた。こいつは前世に出会った始まりの剣の意思そのもので、この世界に転生した原因でもある。こいつはマナそのもので色々と規格外なことができる(俺の前世の姿に変えたり、某RPGにある袋みたいなものを創ったりすることなど)。今回は前世の姿への変化だ。

 

 

「いくよ。【リヴァイブ・チェンジ】!!」

 

 

カルディアの特殊な魔法によって自分の体によく馴染んだ重さが加わり、視線もやや高くなる。魔導鎧を噛ませた【マナコート】がはためく度に小さく発する音、戦いを前にピリピリとした感覚に身を委ねているのも久々で、何処か嬉しい。

 

 

「さあて、戦闘開始だ!!」

 

 

飛び出し、近くにいた戦闘員にアックスを振るう。戦闘員は断末魔を上げることなく消滅した。

 

 

「貴様! 何者だ!!」

 

 

背後からの声に俺は異貌を行いながら振り向く。振り向いた先にはトカゲのような化物と捕らわれたツインテールの女子がいた。

 

 

「何者、ねえ。英雄やら天敵やら色んな呼ばれ方があったからそれは新鮮だな。ま、名乗りを上げないのは性に合わないから名乗らせてもらうぜ」

 

 

右手で掴んだアックスの柄を肩に乗せ、懐から取り出だした異形の面を左手に持ちながら告げる。

 

 

「俺はレン・エクスフィリア・ヤークベル。誰よりも鮮烈に力強く、己の信念に忠実なナイトメアだ」

 

 

ラクシアでは知らぬ者なしと言われた英雄の力、特と見せてやるぜ。アルティメギル!!




総二達原作の主役キャラは次回からちゃんと出します。
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