自由連合召喚   作:短号司令官

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第2話 波乱の会議

 

会議が始まった。

 

 

先ず最初に、今回から会議に参加する事となった自由連合、グラ・バルカス帝国の紹介が行われた後に、エモール王国から重大な発表があるとの報告が入る。

 

「先日、我が国で行われた空間占いで、驚きの結果が出た。今から4年から15年の間に古の魔法帝国…ラヴァナール帝国が出現する!」

 

「なんだと!」

 

「魔法帝国が!?」

 

「伝承が本当ならば、我らが抗する術はないぞ!!」

 

その言葉に会議場がざわつく。

かつてこの世界に伝説でしか残っていないラヴァナール帝国の出現は、この世界の国にとっては絶対に無視できない物である。

ただ異世界からやって来た自由連合の参加者達の頭には「?」が浮かんでいた。それでも只事ではないというのは感じとっていた。

 

詳しく説明を求めようと手を上げようとした時、突然グラ・バルカス帝国の使者が声を挙げながら笑う。

 

「フハハハハハハハハハ…神話を信じるなど流石蛮族ということか!」

 

「なに⁉︎」

 

「いや、これは失礼。占い如きでこんな反応するとは思わなくてね」

 

グラ・バルカス帝国のシエリアと名乗った女性は、各国を明らかに馬鹿にするような言葉を淡々と並べる。自由連合を除く各国の代表からヤジが飛ぶが、それにも意に介さずシエリアはその場で宣言する。

 

シエリア「グラ・バルカス帝国、皇帝グラ・ルークスの名において宣言する。我らに従え!」

 

そう言うと、シエリアとグラ・バルカス帝国使節団はそそくさと退室して行った。国際会議場で行われた、命令ともとれる従属宣言に議場は紛糾する。

 

 

前沢「とんでもない事になったな……」

 

太田「あぁ……グラ・バルカス帝国……何故あそこまで自信があるんだ?」

 

完全に蚊帳の外だった前沢らが話し合う。

 

キルソン「確かあの国は、ムー国からの話だと我々と同じ転移国家で、列強の1つを滅ぼしたらしい。それも戦艦による艦砲射撃で……」

 

ハワード「艦砲射撃……確か偵察衛星の写真で、あのコピーヤマトの戦艦がやったんだってな?」

 

前沢「はい。もしかしたらきいやおわりが今回の移動手段として選ばれたのは……グラ・バルカス帝国に対する威嚇も兼ねてるんでしょう…」

 

ハワード「これは只事じゃないぞ……」

 

ハワードの言葉が的中したのか、翌日の中央歴1642年4月23日

神聖ミリシアル帝国南西海域にて訓練中だったミリシアル海軍の第零式魔導艦隊が壊滅したとの報告であった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

ミリシアル側の発表により、攻撃を仕掛けてきたのはグラ・バルカス帝国艦隊である事も同時に伝えられ、各国は今後の対応として、議場をカルトアルパスから別の町にある議場へと移る事が決定され、各国の代表は移動を開始する。

 

それと同時に、カルトアルパス港に停泊してきた各国の艦隊は、代表達が移動を終えるまでの間、侵攻してくるグラ・バルカス帝国からの攻撃からカルトアルパスを守るため、出撃準備を整えていく。

 

無論、自由連合も戦闘に成行きで参加する事となった。

というのも日帝米英の政府が判断を下すより早く現場で指揮を取っていた小沢司令が半ば独断に近い形で迎撃を指示、日帝政府はこれを追認する形で承認する。

 

 

 

白龍 戦闘指揮所

  

「司令、敵さんは何が目的なんでしょうかね?」

 

小沢「恐らくは、ここに集まっている各国の艦隊とカルトアルパスを攻撃して、自分達の実力を見せつけるためのデモンストレーションをやらかす気だろう。」

 

幕僚の質問に小沢は表情をしかめて答える。

 

「デモンストレーション………確かに聞こえは良いですが、少し派手ですな。ですが敵さんは、なぜ2群に分かれたまま、動いていないんでしょう?」

 

小沢「2群の艦隊のうち、1方は空母を引き連れた空母機動艦隊、もう一方はあの大和擬き2隻と多数の金剛擬きの巡洋戦艦と護衛艦を抱えた戦艦部隊………これは私の考えだが、敵は先ず空母機動艦隊から飛び立った航空部隊で我々に痛手を負わせてから、戦艦部隊による砲撃で葬る算段だろう。だがそうはいかんよ」

 

 

一同はここで敵艦隊を迎え撃ち、なるべく多くの損害を与えた後にグラ・バルカス帝国へ向けて警告を発する事を考え、自由連合戦艦群は鈍足で沖へと向かう世界連合艦隊を追い抜き、前衛に出る。

 

 

 

おわり CIC

 

『在日米軍の警戒機が敵の航空機編隊を探知!南西方向よりカルトアルパスへと接近中!機数、およそ150!』

 

海軍戦術統合情報システム『LINK16』により、E2が捉えたレーダー情報はリアルタイムで、各艦に共有され、CICにあるメインスクリーンにも表示される。

 

猪口「来たか………」

 

「艦長、敵航空機群は各艦の攻撃可能圏内に入っています。今ならミサイルでのアウトレンジ攻撃が可能ですが。」

 

猪口「いや、ミサイルが勿体無い。ここはミリシアルとムーに相手の数を減らしてもらおう。敵の数がある程度減ったらミサイル攻撃を仕掛ける。」

 

連合艦隊から直ぐ様、ムーとミリシアルに情報が伝えられ、各国からは戦闘機、竜が慌てて迎撃のため出撃していく。

 

猪口「敵の航空機の速度を考えると、150機のうち護衛役の戦闘機が50機と少し、魚雷と爆弾を抱えた艦爆と艦攻が100機と言ったところだな。対してミリシアルの航空機は70機、ムーの部隊が30機、数の上ではどっこいだが…………」

 

戦場では、数もそうだが、質も物を言う。

いくら数が多くても、質で負けていればそれを覆される事はよくある。

 

唯一未確定なのはミリシアルの航空部隊である。魔法文明の為に国力が分からないが、ジェット機のような航空機は衛星で確認されていた。だがマグドラ群島沖の海戦の結果からあまり期待していなかったが、その予想はレーダーモニターを覗いて確信した。

 

猪口「オイオイオイ…これがミリシアルの航空部隊か?」

 

「はい、時速400kmです」

 

猪口「…これでジェット機なのか?」

 

「ええ、確か正式には魔光呪発式空気圧縮放射エンジン?とかだったはずです。燃料が違うだけで原理は同じだと思っていましたが…」

 

猪口「…にしちゃあやけに遅せぇな……」

 

猪口らがミリシアルの航空部隊について考察している時、レーダー員が言葉を発する。

 

「ミリシアル、ムー、ニグラートの混成航空部隊。空戦開始しました」

 

その言葉に、もう一度レーダーモニターに釘付けになるが、すぐにその顔は達観に変わる。

 

猪口「嘘だろオイ…レシプロ機より遅いジェット機なんて…1940年代の実験機ではあるまいし…」

 

「比較対象がムーのマリンだけだったから良かったのかもしれんが…ミリシアルは魔法帝国の打破を目指しているんだろう?」

 

猪口「お荷物がまた増えたな」

 

猪口のその言葉に、CICにいた全員が同感する。

 

両方の航空機部隊が接触し戦闘へと突入した様子はきい・やまと他護衛艦からも確認できた。

IFFが装備されていないため、スクリーン上では大量の光点が雑多に交わっているようにしか見えない。

 

 

きい CIC

 

「あぁ………どうやらムーとミリシアルの航空隊は全滅したようです」

 

有賀「全滅か……敵の数は?」

 

「ムーの航空隊とエモール龍騎士団が善戦したようで、敵航空機は現在80機程です」

 

有賀「よし!ムーとエモールの犠牲を無駄にするな。あきづきにミサイル攻撃を指示せよ!」

 

「了解!」

 

有賀からの命令は直ちにあきづき型打撃護衛艦(アーセナルシップ)に通達され、あきづきからSM-2とSM-6ミサイルが同時に発射され、敵航空機群へと飛び去っていく。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ん?」

 

 

同じ頃、一番先頭に居たアンタレスのパイロットが、前方から黒い点のような物が真っ直ぐ飛んでくるのが見えた。 

 

「鳥か?」

 

一瞬そう思ったが、その予想は一瞬で砕かれた。

飛んできたのは、後ろから煙を吐きながら高速で飛翔する飛行物体だったのである。彼は急いで無線のストークボタンを押して、全機に指示を出す。

 

「いかん!全機回避っ!」

 

編隊は急いで機体を旋回させ回避しようとするが、回避が遅れたアンタレス数機に飛翔物体が直撃し、爆散した。

  

「何だと!?」

 

回避機動を行ったが、飛翔物体はまるで意思を持っているかのように軌道を変えて追い掛けてくる。

 

『うわぁ!追い掛けてくる!』

 

『来るな!来るな!』

 

『逃げられない!』

  

飛翔物体はアンタレス隊とシリウス隊、リゲル隊に次々と命中していく。機体は黒い煙と炎を吐きながら墜落するか、爆散していく。 

 

「何がどうなってるんだ!?」 

 

指揮官は訳が分からなかった。

いきなり現れた飛翔物体に、指揮下の飛行隊が次々とやられていくのを見て、帝国軍パイロットとしてのプライドが傷つけられる

 

 

 

 

あきづき

 

「スタンバイ……マークインターセプト!」 

 

数十秒後、SM-2とSM-6は全弾命中し、ほぼ同時にグラ・バルカス帝国の戦闘機と爆撃機、雷撃機を30機程を撃墜した。

 

『敵航空機群残存機、引き返していきます。』

 

「冷静な判断だな。敵航空隊の指揮官は引き際を心得ているようで助かったよ」

 

あきづき艦長の進藤浩二一佐は、ミサイル攻撃に驚いて、直ぐ様来た方角へと去っていく攻撃隊のを見る

 

進藤「敵艦隊の動きは?」

 

『敵空母機動部隊は後方に下がり、敵戦艦部隊は速力を上げてフォーク海峡入り口に到達します。』

 

進藤「ほぉ我々をこの海峡の中に閉じ込めておく気か?いいのかなぁ〜?こっちにはきいやおわり、やまとに帝国海軍、それにアメリカにイギリスまでいるんだぞ?」

 

「敵が向かってくるなら喜んで迎え打ちましょう」

 

進藤「だな。まぁ最悪取りこぼしてもこのあきづきには()()()があるからな」

 

そう言って進藤はポケットから安全ロック解除用のキーを取り出して言う。

 

 

日本がまだ南北に分断されていた時代、北日本 通称:日本民主主義人民共和国は核兵器を保有していた。

 

統一戦争時、それは在日米海軍に対して使用されたがやまと・きい・おわりの活躍でミサイルサイロは破壊されたが装填前の物が幾つか残っているのが発見された。

 

日本政府は一般に対しては「全て使用され、残弾はない」と公表した一方、秘密裏にアメリカ側と共に処分しようとしたがある時の米大統領が「日本も核兵器を保有すべきだ!」と強く主張。

 

日本政府は困惑し国民と共に反対の署名を大統領に送るが当人はそれを拒否、日本側も粘り強く交渉するが最終的には日本側が国民共々折れる形で「戦術核」のみ保有を認めた。

 

 

このあきづきには4発の「18式対艦反応誘導弾」が搭載されており、その威力は1発で一個艦隊を消し飛ばせる威力があると言うが、専門家の見解によるとそれ以上の威力があるかもしれないと言われている。

 

 

 

「だからと言って今ぶっ放すのはやめて下さいよ?」

 

進藤「分かってるって。そこまで俺も馬鹿じゃないよ」

 

進藤はポケットにキーをしまいながら言う。

 

進藤「ともかく前座は終わった。あとは伊藤さんや猪口さん達に任せるとするか」

 

「了解!」

 

 

進藤の命令であきづきは道を開けるように連合戦艦群の前からそそくさと立ち去っていった。

 

 

 

 

 

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