さらなる異物
以前、トーパ王国にて魔王ノスグーラとその配下を退けた自由連合。
そしてそこに住むエルフ達より伝えられた『太陽神の使い』に関する伝承を元に調べると別世界の日本軍やアメリカ陸軍、自衛隊といった組織が使っていた兵器が発掘されそれが自由連合軍によって戦力化されていった。
ただエルフ達の話では他にも遺跡があるとして連合は調査隊を編成し、現地に派遣した。
「しかしまだ遺跡があっただなんてな」
「全くだ。今回はどんな兵器が見つかるんだろうな」
太陽神の使いが別世界の軍事組織だと分かって以降、遺跡には何かしらの兵器があると推測が出ている技術士官や参加している兵士達の間ではドンナモノがあるのか等想像を膨らませていた。
エルフ達の案内でついたが、今回は崖の中に作られており以前よりも頑強な鋼鉄製の扉で閉じられていた。
エルフ達が呪文を唱えて扉のロックを解除して開く。
「さてさて何があるかな?」
調査隊が足を踏み入れた先には2台の大型トレーラーとシートで覆われた巨大な塊が3つ、そして87式に似た装甲車が鎮座していた。
「えらくデカいトレーラーだな…荷台に何があるんだ…?」
隊員達がシートを剥がし内部を覗き込む。
2台のトレーラーには全身暗緑色の塗装と、航空機パイロット用ヘルメットのような意匠の頭部を持った巨大なロボット。曲面で構成された筋肉質を思わせる外観と、銃器を扱えるよう人の手を模しつつ中指から薬指まで一体構造に簡略化した変形三本指のマニピュレータが特徴を持ったロボットの2体が横たわっていた。
「これは…」
「知ってますよこれ‼︎自分がアニメで見てた『機動警察パトレイバー』に出てくるヘルダイバーとブロッケンですよ‼︎」
「はぁ⁉︎」
他の隊員達は目の前の代物がアニメの世界から飛び出てきたと聞いて驚きを隠せないでいた。
しかしまだ他にもある為、それらにかかっているシートを剥がしていくがあったのは全て驚きの品ばかりであった。
発見されたのは『AL-97B SAMSON』『AL-97 97式装甲戦闘レイバー』『93式自走高射メーサー砲』が発見された。
そして最後に残った巨大なシートを苦労して剥がした。
「さて……えらくデカいコイツはなんだ……?」
それは周りのレイバーのような人型ロボットとは違い兵器然とした無骨なデザインをしていた。
武装は上部に集中しており三連装チェーンガン、マシンガン、ミサイル発射管と思しきものも見受けられた。
「これって……これって⁉︎」
「おぅ……でコイツは何よ?」
驚いた隊員はそのまま車体を上り、ハッチを開けて中を覗き込む。
「間違いない……映画で見たまんまです!コイツは"ガンヘッド"です‼︎それも主役の507号機ですよ‼︎」
「ガンヘッドだって⁉︎それなら俺も知ってるぞ‼︎おい!外にある予備の燃料持ってこいッ‼︎軽油でも灯油でもな‼︎なんならウィスキーでもいいぞ‼︎」
あるだけの燃料をガンヘッドに搭載し、映画で見た手順を頼りにガンヘッドを起動させる。
『ここは…?ブルックリン達は……?』
起動と共に聞こえてきた音声を聞いて陸自隊員は思わず笑みをこぼす。
「やぁ初めましてガンヘッド君、1万年ぶりのお目覚めというわけだ」
その後、接収された各種レイバー、メーサー砲そしてガンヘッドの内ヘルダイバーとガンヘッドは陸自が、SAMSONとAL-97は帝英米、ブロッケンはオーストラリアが戦力化を開始。
ガンヘッドは操縦系やコックピットの内装の一部をヘルダイバーと共用にし、第1独立装甲連隊に配備される事が決定した。