自由連合召喚   作:暁司令官

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人魚と共に……

 

異世界に現れた「第三の日本」に対して艦隊派遣を行なった自由連合。

 

彼の国に存在する治安組織「ブルーマーメイド」との接触に成功し、艦隊は一路横須賀へと向かった。

 

横須賀のブルマー本部には既に艦隊についての詳細は伝わっていたが、異世界にきていたという事実は全くと言っていいほど掴めておらず、やってきた自由連合の特使からの情報を聞いてその場にいた者は皆右往左往して居た。

 

翌日、東京へと向かった特使らはとりあえず国交の締結を取り付けることに成功したのだった。

 

 


 

 

横須賀海上安全整備局会議室

 

 

海上安全整備局のとある会議室にて、明らかに位が高そうな一人の初老の男性と3名の中年男性、そして一人の女性が会議をしていた

 

 

「それにしても異世界転移とは……君らはどう思う?」

 

「正直に言って信じられません……まるで絵空事のようにしか……」

 

「だが本当に転移しているかは別としても、あの大艦隊についてはどう説明するんだ?大型の支援母艦といい正体不明の飛行兵器……我々の技術では到底再現できない代物だ」

 

「……君は?真霜くん」

 

そう話を振った相手はブルーマーメイド安全監督室室長の宗谷真霜であった。

 

真霜「はい…海洋学校からの報告書によりますと、彼らが使用している艦船は確かにいずれも脅威的です。中でも一番巨大な《出雲型》と呼ばれるあの戦艦。知り合いに聞いてみたところ……」

 

急に言葉に詰まる彼女に3人は一瞬顔を見合わせる。

 

真霜「……あの戦艦の主砲は少なくとも51cm砲以上は確定だと……」

 

「「⁉︎」」

 

「ご……51cm砲以上だと……⁉︎」

 

「大和型を遥かに上回るだと……⁈」

 

真霜「さらには例の飛行兵器で航行中の艦船に対して一方的な攻撃を加える事が可能…逆に我々の使用する噴進魚雷を()()()迎撃する兵装も持ち合わせているとの事です……」

 

「「………」」

 

会議室内を沈黙がしばらく包んだ後、一人の士官が口を開いた。

 

「ではこういう事か…?仮に彼らと我々が武力衝突しようものなら我々は一方的にやられる……と」

 

真霜「……はい」

 

重くのしかかった空気の中で真霜はようやく返事を絞り出した。

 

「我々はどうなるというのだ……?」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ブルマー日本でそのようなやり取りが行われているのと同じ頃、北に3000kmの地点にあるハワイ諸島オアフ島。

 

「自由連合」発足後、本部の設置とそれに伴い《連合軍》の総司令部設置場所が議論された。

当初は最も技術の発達した日本に本部の設置を検討したが、異世界側との正面衝突した際の危険性の高さとアメリカやイギリスからの距離が遠い事が問題となった。

 

その後も帝国本土やアメリカ本土やイギリス本土と議論された結果、各国からの距離や安全性の観点からハワイ・オアフ島に決定した。

 

真珠湾のアメリカ海軍施設は改修と拡張が行われ、海自も対応可能なように改修された。

重要設備付近にはミサイル陣地が設置。付近のコオラウ山脈にはレーダーサイトが置かれ、山脈内部も地下要塞へと改造。

 

太平洋艦隊司令部(21世紀)があった場所に『連合軍総司令部』を設置。

有事の際はここより全軍の指揮を行う事が可能となる。

 

 

そしてそこから程近いホノルルに『自由連合本部』がある大型複合施設が存在する。

 

ショッピングモールと国連本部に酷似した外観を持つビルが繋がっており、ここに各国の首脳陣が集うのである。

 

総会議場には既に主要国である『日本国』『日本帝国』『アメリカ』『イギリス』『オーストラリア』の首脳陣が集まっていた。

 

チャーチル「それにしても随分と中途半端な世界から来たものだな…」

 

資料を見ながらチャーチル首相が漏らすのに合わせてトルーマン大統領も口を合わせて言う。

 

トルーマン「全くですな。技術力は日本と同等かと思えば航空機が存在しない!…これだとレシプロ機でも倒せる相手だぞ」

 

それに対して鈴木貫太郎首相が口を開く。

 

鈴木「大統領、それは流石に失礼かと?」

 

トルーマン「おっとこれは失礼。だがロシアとの戦争を最後に大戦を経験せず、発展したとあってはやや不安が残るな」

 

鈴木「藤堂首相、貴方はどのように考えられますか?」

 

藤堂「そうですな…彼らは相手が海賊程度という事で軍事的な知識は乏しいと見ていいでしょう。言い方が失礼ですが、正直に言って頼りなく感じます」

 

「同感ですな…」

 

アンソニー首相も不安げに口を開き、続けて言う。

 

アンソニー「ですがそれは軍事力に限って言った話で、他の部分には目を見張るものがあります。例えばこのメガフロート関連は特にそうだ。これを利用できればわざわざ埋め立て地を造らずとも空港の設営ができるのではないかね、Mr.藤堂?」

 

藤堂「えぇ確かに。我々では技術的に困難ではありましたが、彼らの援助を受けられれば水上都市の開発も可能になるでしょう。理論は確立されているので不可能ではないでしょう」

 

トルーマン「では好きな場所に貴国のハネダのような国際空港ができると?」

 

トルーマンの問いかけに藤堂が答える。

 

藤堂「はい。最も専門家ではないので詳しくは分かりませんが、可能だと思われます」

 

鈴木「それに環境への影響も埋め立て地を作るより遥かに良いそうだね」

 

このようなやり取りがしばらく続き、藤堂が最終意見を各国に問い合わせた。

 

藤堂「では彼の日本の自由連合への加盟はどのように?」

 

トルーマン「概ね加盟で良いと思う。だがまだ軍事的に不安な要素がある。将来的な加盟で良いと私は考える」

 

鈴木「確かに、彼らは我々と違い様々な面で経験不足です。我々連合が手取り足取り教え、一人前になったと判断したその時に加盟という事で」

 

チャーチル「私も鈴木首相に賛成だ」

 

アンソニー「私も同感です」

 

会議の結果、ブルマー日本は将来的な自由連合への加盟という形でこれに対する会議は()()幕を下ろした。

 

 

 

 

 


 

 

 

時を同じくしてー 『連合軍総司令部』 ー

 

 

中央作戦室には5カ国の陸海空の軍人達が集まっていた。

 

東郷「皆様。本日はお集まりいただき、ありがとうございます」

 

場を取り仕切っていた東郷幕僚長が挨拶をする。

 

「それで、Mr.東郷。我々がここに集められた理由というのは?」

 

米海軍作戦本部長のアーネスト・キングが疑問を投げかける。

 

東郷「はい。先日の謎の発光と同時に別の世界から第三の日本が我々の目の前に現れたのは記憶に新しいと思います。実はそれと同時期に北方地域にて()()()が確認されたのです」

 

「ある物?」

 

軍令部部長の山本五十六が口を開いた。

 

東郷「場所は我々が未だに手をつけていなかった北方地域に存在するある大陸。トーパ王国の文献によるとファルマート大陸と呼ばれる大陸です」

 

それを聞いた東郷は部屋の灯りを消してプロジェクターを起動させ、衛星写真で撮られた大陸を映し出す。

士官がパソコンを操作して大陸内のある部分を拡大していく。

その部分が拡大されていくにつれて参加していた幕僚達は眉を寄せていった。

 

キング「これは……」

 

拡大された場所にはドーム状の白い建造物を中心に巨大な六芒の星型要塞が築かれていた。内部には自衛隊駐屯地のような近代的な建造物が見受けられ、要塞の南側には商業街らしきものがあった。

 

鉄山「なんだ…これは?」

 

陸軍大将の永田鉄山が思わず口を開く。

 

東郷「我々が気づいたのもごく最近、グラ・バルカスとの戦闘が終わった直後です。そして注目していただきたいのは……」

 

東郷が合図を出すと要塞内部の複数箇所がさらに拡大されるのだが、そこに映し出された物を見て幕僚達は目を見開いた。

 

そこには自衛隊が退役させた74式戦車F-4ファントムC-1が拡大投影されていた。

 

キング「Mr.東郷、これは一体どういう事ですか…⁉︎」

 

東郷「閣下の疑問も最もです、私も最初は目を疑いましたから。しかし照合してみるといずれも我々が退役させた装備と100%一致しました」

 

その一言に場はざわつき始めた。

 

東郷「現在、我々が話し合っているこの議題はホノルルにいる首脳陣でも会議がされている筈です。恐らく今後この謎の駐屯地に対する調査の為部隊・艦隊が派遣される事は間違いありません」

 

山本「では我々にはこれに対しての派遣軍の編成を行って欲しいと」

 

東郷「流石は山本閣下、その通りです。皆さん、お願いできますか?」

 

それを聞いた各国の幕僚達は二つ返事で快諾。

 

後日、自由連合司令として正式に軍の派遣が決定されるのだった。

 

 

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