ハワイでの一戦から半月後、ブルマーと横女*1は意見交換やお礼を兼ねてハワイに居た。
芽衣「いやぁー凄いな。この発展ぶりっていうのかな…」
幸子「明らかに私達の横須賀より凄い……」
明乃や他の学生達は了承を得た上で真珠湾基地の見学をしていた。
自分達の世界には存在しない艦がある事もあり、何処を見ても学生達が居た。
芽衣「設備も凄いけど、何より艦だよ艦‼︎」
立石「大和型より……強い船ばっかり」
ましろ「私達の世界では作られなかった51cm、それすらをも上回る56cm砲だなんて……」
芽衣「おわりも凄かったけど、出雲型乗ってみたいなぁ〜」
鈴「航空母艦……っていうのが、飛行機を使ってるんだったよね?」
明乃「うん。この前のは違うみたいだけど」
様々な艦を見て回る内、一つ異質な物が目に止まった。
幸子「なんでしょう…あれ?」
彼女がそういって指差した先には潜水艦が係留されていた。
ただその潜水艦は彼女達が知っている物以上に巨大な物であった。
もっとよく見ようと近くによってみるが、近づくにつれて彼女達は異質な物を感じるようになった。
端的に言えばそれは禍々しい何かだった。
自分達が使ってる晴風や武蔵、他のブルマーの艦からは「街のお巡りさん」と言った空気感があった。
出雲型やきい、おわりといった大型艦も多少は異なるがそれに近しい物があった。
だが目の前の潜水艦から微塵もそのような物は無く、人を殺す事に何の躊躇や迷いもない冷徹な魔物といった空気を感じていた。
「もしかして、学生艦隊の方々ですか?」
驚いて振り向くといつの間にか海自の隊員が立っていた。
ましろ「すみません!気づかなくて…」
「いえ、音も立てずに皆さんの後ろにいた自分もですよ。申し遅れました。私は服部陽介、目の前のたいげいの艦長です」
明乃「横須賀海洋女子学校、航洋艦晴風の艦長岬明乃です」
ましろ「副長の宗谷ましろです」
芽衣「同じく砲雷科、西崎芽衣!こっちは立石志摩」
立石「うぃ」
幸子「主計科の納沙幸子です!」
鈴「航海科の知床鈴です!」
服部「よろしく。皆さん、私のたいげいに興味がお有りのようで?」
ましろ「はい。何だか、他の艦と違ってなんかこう……」
幸子「ちょっと異質……って言ったらいいんでしょうか…?」
明乃「何だか怖いような感じもして……」
そう言われて服部は最初唖然としたが、すぐに意図を汲み取った。
服部「なるほど……そう言われるのも無理はありませんね。何せこのたいげい型は原子力潜水艦ですから」
芽衣「原子力…?」
たいげい型原子力潜水艦
外観:タイフーン型。艦橋は史実のたいげい型
諸元
全長:190m
全幅:23m
速力:水上30ノット/水中39ノット
兵装
魚雷発射管×6
18式魚雷
SUBハープーン
Mk.45VLS 10基
トマホーク
SM-3弾道迎撃ミサイル
海上自衛隊が2000年から建造を開始し、2003年から現在に至るまで就役している世界最大級の原子力潜水艦。
設計の元となったタイフーン型の設計図は統一戦争後の北日本から押収。
開発、建造にはかつて北日本で反応動力潜水艦「真岡」の建造に携わった技術者達が多く関わっており、その能力にも納得がいく。
「相手に位置を悟られずに迎撃。弾道ミサイルの海中からの迎撃」をコンセプトに建造。
スクリュー推進で動力は原子炉であるが、その静粛性は史実のたいげい型と大差無い程。これには世界で初めて原子炉とリチウムイオン蓄電池の併用機関を採用した結果が大きい。
また緊急用ではあるがウォータージェットを搭載しており、これを使用した際には最大で45ノット以上のスピードが出るとされている。
防衛省は本型を「潜水隊群」の旗艦として据えており、海上自衛隊真岡基地と舞鶴基地に専用の地下ドックを保有している。
同型艦
たいげい SSBN-513
はくげい SSBN-514
じんげい SSBN-515
らいげい SSBN-516
ちょうげい SSBN-517
でんげい SSBN-518
服部「分かりやすく言うなら、危険が伴う無限のエネルギー……と言ったところかな?」
ましろ「無限の…エネルギー…?」
服部「無補給での艦隊行動が可能って事です」
幸子「む…無補給で⁉︎」
芽衣「凄いなぁ。やっぱり世界が違うと科学の発展も違うのか…」
服部「ですが、使い方を誤れば艦はおろか海域をも汚染する危険な代物です」
彼はそう言いながらたいげいに目を向ける。
服部「普通の艦より、艦長の責任は何百倍も重いんです……」
服部の目を見て、明乃はその重みというのをなんとなくだが察した。
そして自分がまだ未熟であると同時にその重さを知ってはいけないと感じるのだった。
場所は変わってアメリカ本土、ニューポート・ニューズ海軍造船所
ニミッツ「それにしても遂に我々も持つ事ができた……」
彼はそう言いながらドックで艤装工事を終え、静かに佇む2隻の空母に目を向けていた。
ニミッツ「我が海軍の新しい時代の幕開けだ……!」
ニミッツは目の前のエンタープライズ級原子力空母を見ながら誇らしげにそう言った。
エンタープライズ級原子力空母
外観、諸元共に正史のエンタープライズと大差無し。但し速力は34ノット
同型艦
エンタープライズ
ヨークタウン
ホーネット(建造中)
タイコンデロガ(建造中)
ランドルフ(建造中)
連合間で締結された《原子力規制条約》の下建造されたアメリカ海軍初の原子力空母。
条約上、《核兵器の開発または追加生産は行わない》と規定する一方《艦船の動力としては規制対象外》という条約の下で建造された。
ニミッツ「如何ですか、小沢提督」
そう言って彼は隣にいる盟友であり、現連合艦隊司令長官の小沢治三郎に問いかけた。
小沢「まさに我々航空屋としての夢の超大作と言っても差し支えないですな。最も日本国のように運用できるかはまだ分かりませんが…」
ニミッツ「ですな、だが追いつきましょう。いずれ日本国やオーストラリアの彼らと肩を並べ、胸を張れるよう」
小沢「はい。それに来るべき時の為に……我が海軍も鳳翔型の就役を急がねばなりません」
鳳翔型原子力空母
外観:ニミッツ級にいずも型の艦橋が載った艦容。
諸元
全長:333m
全幅:79.4m
最大速力:33.5ノット
兵装
CIWS×3基
シースパロー八連装発射機×2
SeRAM×2
搭載機数
90機
同型艦
鳳翔
鳳凰
鳳龍(建造中)
大分県大神海軍工廠で建造された帝国海軍初の原子力空母。
命名は帝国海軍の空母の始祖である「鳳翔」から。