自由連合召喚   作:短号司令官

6 / 89
第4話 反撃の下準備

 

 

中央暦1639年4月26日

 

 

 

観戦武官としての任務を終えたブルーアイは、報告のため議会へと出席していた。

 

 

 

ブルーアイ「……以上が、今回のロデニウス海戦の報告となります」

 

「すると何かね?連合艦隊はたった150隻の戦列艦でワイバーン250騎を撃墜し、2000隻以上の船を撃沈・拿捕その上敵将シャークンを捕虜としたの言うのか?それでいて人的被害は一切無く、我が国の艦隊は出る幕もなかったと……………御伽噺のようだな。」

  

議会はブルーアイからの報告に耳を疑い紛糾する。

  

「だが何れにしろ、海からの侵攻はこれで防ぐ事が出来た。軍務卿、陸の方はどうなってる?」 

 

クワ・トイネ首相『カナタ』がその場を治めて、陸からの侵攻についての報告を受ける。

 

「現在、敵部隊はギム周辺に陣地を構築しております。海からの侵攻が失敗し、ワイバーンも半数を失った現在、ギムの守りを固めてから再度進撃してくると考えられます。電撃的侵攻はもはや無いと判断してよろしいかと。また3カ国はギムと首都の直線上にあるダイダル平野の貸し出しを求めています」

 

軍務卿は手元にある諜報部や、大日本帝国から寄せられた情報の紙束を読みながら答える。

 

カナタ「あそこは何も無い痩せている土地だったな……よし!ダイダル平野を好きに使って良いと伝えろ!」」

 

クワ・トイネからの返答に自由連合は直ぐに準備を始め、日本国からは陸上自衛隊第7師団隷下の部隊と第1空挺団の約4000名、帝国陸軍より第18師団と第3飛行集団と第1挺進集団、アメリカ陸軍から第3軍がダイダル平野に建設された基地に派遣される事となった。

 

 

 

 


 

 

 

 

クワ・トイネからの援軍要請に駆けつけた、陸上自衛隊第7師団と第1空挺団は、一足早く海上自衛隊の輸送艦や民間の輸送船による連日のピストン輸送で、ほぼ全ての戦力がダイダル平野に集結した。

 

「陸将、第7師団全部隊集結完了しました」

 

「うむ」

 

第7師団を率いる『大内田和樹』陸将は、師団本部が置かれた指揮所で師団全部隊の集結と配置が完了した報告を受ける。

 

大内田「では、そちらはどうですか?」

 

大内田は隣に居た第1空挺団を率いる『若松淳太』陸将に問い掛ける。

 

若松「普通科、特科、後方支援、通信、施設、団本部中隊はいつでも行けます」

 

大内田「ありがとうございます」

 

部隊指揮官級での部隊の現状について報告を行っていると、平野に建設された滑走路方向から轟音が聞こえてきた。

 

大内田「来ましたね」

 

若松「えぇ、どうやら"先輩方"もおいでなすったようだ」

 

二人は指揮所から出て、滑走路に向かった。

南方向の空から、編隊を組んだ3機のC2輸送機が着陸態勢に入っており、作られたばかりの滑走路に一番槍として次々と着陸していく。

 

着陸を終えて待機場所に移動したC2の貨物室にある扉が開かれると、カーキ色の軍服に身を包んだ帝国陸軍の将兵らが続々と出てくる。

周辺の設備や建物を見て驚いたり興奮した様子でいる。

 

そして最後に降りてきた指揮官と思わしき人物が大内田らに気づいてこちらにやってくる。

 

「帝国陸軍第1挺進団団長の久米 精一大佐であります」

 

大内田「お待ちしておりました。第7師団の大内田です」

 

若松「第1空挺団の若松です」

 

今回の作戦では日本と日本帝国双方から空挺部隊が参加しているが、これは作戦の成功率を高める目的でもあり第1空挺団と連携して作戦の総仕上げにかかってもらうのだ。

 

若松「偉大な先輩方と仕事ができるとは思っても見ませんでした。どうぞよろしくお願いします」

 

久米「いえいえ、まさか我々も優秀と聞く貴方方第1空挺団と任務を共にできるとは恐悦至極ですよ」

 

若松の差し出した手を久米は両手でがっしりと握って固い握手を交わす。

 

若松「では、我々は全体の打ち合わせに行って参ります」

 

大内田「うむ、頼みます」

 

二人が並んで整列する両隊の部下達の下へと向かっていく。

 

大内田「他の連中も張り切ってるな」

 

滑走路とは逆の方向にあるヘリパッドでは、AH-1S、AH-64D、CH-47J、UH-1、UH-60Jといった、陸上自衛隊の航空戦力を担うヘリコプターが点検を兼ねて暖気運転を行っており、少し横の格納庫内ではアメリカ陸軍のB-25、B-17がエンジンの整備の真っ只中だった。

また一式戦闘機『隼』二式戦闘機『鍾馗』が周辺警戒の為飛び立っていく。

この作戦には他にも、陸上自衛隊第1ヘリコプター団、航空自衛隊第201飛行隊のF-15J、第501飛行隊のRF-4EJ、第4輸送飛行隊第402飛行隊、飛行警戒監視群第603飛行隊も参加している。

 

「ここにおりましたか、大内田陸将」

 

大内田「おぉこれは牟田口さんにパットン司令官」

 

彼の元へやって来たのは第18師団長の牟田口廉也と第3軍司令官のジョージ・パットンであった。

 

牟田口「いよいよですな」

 

大内田「えぇ先程貴方方の第1挺進集団も到着しました」

 

パットン「これで役者は揃ったというわけだな。そう言えば、クワ・トイネからの情報によるとギム方面から避難してくる難民がこちらに向かってきているとの事だが彼等の処遇についてはどうする?」

 

パットンが尋ねてきた。

 

大内田「無論保護します」

 

牟田口「彼らの住む場所を奪い、あまつさえその命をも狙うロウリア軍の手から断固として我らが守らねばなりません」

 

パットン「それを聞けてよかった。私の方で既に偵察隊を出したんだ。彼らに"避難民を発見したらどうしたらよいか?"と聞かれたもんでな」

 

牟田口「行動が早いですな。私共も夕食の後すぐに偵察隊を出しますか」

 

大内田「そうしましょう。合同部隊の訓練にもなりましょうし」

 

夕日か東の空に沈む中、3人の将官らの話は続いた。

 

そして夜間に『日・帝連合偵察隊』が87式偵察警戒車や89式装甲戦闘車を交えて出撃するのだった。

 

また挺進集団と空挺団の泊まる兵舎からはその晩『空の神兵』の大合唱が聞こえた。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。