自由歴2033年/1946年 3月
カリブ海 グァンタナモ自由軍基地
自由連合にとって最も幸いだったのはこの世界に繋がった『門』の出口がカリブ海はグァンタナモ近海だった事だろう。
彼らの世界でなら『キューバ共和国』が居たであろうこの島は、こちらの世界では手付かずの無人島であった。
これを良しとした連合は早速、港湾要塞の構築を開始。
年が明けた1946年の1月下旬に要塞は無事完成した。
ここに来て連合は改めて『第501統合航空師団』と面会を行った。
ミーナ「そんな……そんな事って……」
ミーナは目の前で自由軍の高官達が語った別世界のカールスラントこと『ナチス・ドイツ』の話を聞いて言葉を失った。
激しい人種差別、一政党による独裁体制による巨大軍事帝国……例を挙げればキリがない。
ニミッツ「貴方には受け入れ難い話であるのはよく分かります。しかし…」
小沢「貴方方がどのような相手と戦っているのか、それは絶対に知っていてもらわなくてはならない」
坂本「………だがそんな事」
大石「ある。現に君らが目の前で戦った相手がそうだ」
美緒も反論しようとしたが大石の言う事が的確だった。
現に統合軍上層部が彼らと接触をし、対話を試みようとした。しかし
ヒトラー『不可解な魔法などというものを使う連中と共存する者など、我が第三帝国には必要無いッ‼︎科学こそ全てだ!我がアーリア民族に魔女など要らぬッ‼︎』
総統アドルフ・ヒトラーが世界に向けてそう発信し、ドイツ軍は一気に攻勢を強めた。
それが現在の状況に起因している事、彼らの語った敵の実態を知った以上否定できない。
小沢「まぁ…無理に理解する必要はない。頭の片隅にでも留めて頂いたら結構」
ミーナ「………ありがとうございます」
その後、しばらくして大石及び旭日艦隊の幕僚と共にミーナと美緒はその場を後にし部屋には小沢、ニミッツらが残った。
小沢「しかし………ここに来てまさかナチドとやり合う事になるとは…」
ニミッツ「全くだ。今まであちらの世界で過ごしたのが準備期間だったように感じるのは私だけか?」
彼がそう言ったのを聞き、小沢は少し驚いたような表情を浮かべた。
小沢「なんと、提督も」
ニミッツ「というと貴方も?」
小沢「えぇ。私も少なからずそんな気がしていました。ともかく早い事手を打たねば、この世界にナチズムによって埋め尽くされる」
ニミッツ「ハーケン・クロイツの旗が翻る………なんとしても止めねば」
二人はそう言って窓の外を見た。
視線の先には各国の艦艇がひしめき、物資の積み込みを行っていた。
小沢「ところで、本当なんですか?例の作戦」
ふと思い出した事をニミッツに聞いた小沢。
ニミッツ「事実で確定だそうだ。エジプトを抑えられれば奴らをインドへの足掛かりを無くす事ができる。地中海への第一歩にもなる」
小沢「となると………今村さんや木下さん、栗林君達にはかなり苦労をかけるな…」
ニミッツ「なぁに、我々米陸軍だけじゃない。イギリスやオーストラリア、カナダに台湾もいる。心配は無用ですよ」
小沢「………ですな」
ニミッツにそう励まされ、小沢はゆっくりと視線を青空へと向けた。
部屋を後にした大石らは他のメンバーが待つ部屋へと向かっていた。
坂本「それにしても驚きました」
大石「何がだい?」
坂本「別の世界………並行世界ですよ」
ミーナ「別世界のカールスラント…ドイツの事はショックですけど、ニホンやアメリカ、さらにそこから別世界のニホンがあるんですよ」
二人が言っていたのは連合の構成国についてであり、別の世界で全く異なる歴史を歩んだ国家がいる事に驚きを感じていた。
坂本「失礼ながら最初は何がなんだが分かりませんでしたよ…」
大石「それは俺とて同じだ。まぁそれはそれで面白いが」
ミーナ「面白い…?」
大石の発言にミーナは疑問を抱いた。
大石「世界というのは一つだと誰が決めた?否、可能性の世界は無数に存在する。君達の住むこの世界もまた然り、こうして我々が出会う事ができたのもまた何かの縁………運命ですかな?」
ミーナ「運命………ふふっそうですね」
そうこうしていると一同が待つ部屋の前に着いたが、中が何やら騒がしい。
原「どうしたのでしょう…?」
富森「談笑にしては少々騒がしいような気もしますが…」
ドアノブを引いて開けた先の光景に一同は言葉を失った。
ルッキーニ「んゃ〜!おっきい!」
リーファ「だ、誰か助けてぇ〜!お兄ちゃぁぁぁん‼︎」
芳佳「………おっぱい………」
ストレア「やぁ〜んくすぐったい!」
目の前にはルッキーニに背後から胸を鷲掴みにされるリーファと、正面から芳佳に胸を揉まれるストレア。
アスナ「リーファちゃん、落ち着いて‼︎」
シノン「い…一体どうしたら………」
ペリーヌ「いつもの事ですから、大丈夫ですよ?」
シリカ「シノンさんと同じ声でそう言われても…」
リズ「余計混乱するわ…」
リーネ「芳佳ちゃん………」
ロニエ「あれが…芳佳さん…?」
ティーゼ「信じられない………」
アリス「なんとふしだらな………」
ドロシー「これが…貴方の日常なのですか………?」
バルクホルン「うぅ………すまない…」
それをどうすべきなのかとオロオロするアスナ達女性陣といつも通りと見守る501のメンバー。
ユイ「パパ、リーファさんとストレアはどうなってるんですか…?」
キリト「ユイ、俺は今それを見せる訳にはいかない。もうしばらくこのままで我慢してくれ…」
イツキ「キリト君…ユイちゃんも大事だけど、ユージオ君が…」
ユージオ「ぁ………ぁ…///」
キリト「ユージオ駄目だッ‼︎気をしっかり保てッ‼︎」
ユイの目を手で隠すキリトと目の前のR-18紛いな光景に恥ずかしさと緊張の余り頭に血が昇って赤面したユージオとそれを心配するイツキと中々カオスであった。
「「「………」」」
坂本「あはは…」
余りの光景に大石らは絶句していた。
だが何を考えたのか大石は静かにキリトとイツキを手招きし、硬直したユージオは富森に抱えられて部屋から連れ出し、ゆっくりと扉を閉めた。
ミーナ「私達の部下がご迷惑を………」
原「いや、あくまでも彼らは軍属ではないし訴えられる事はないかと…」
イツキ「まぁ…ああいうのも、ある意味慣れてはいますから大丈夫ですよミーナさん」
坂本「参謀長にイツキ殿、すまんッ‼︎」
キリト「ユ…ユージオ、大丈夫か…?」
ユイ「ユージオさん…!」
ユージオ「ぁ………ぁぅ………///」
富森「ユージオさんは私が介抱しておきますので。さっユージオさん立てますか…?」
ユージオ「ぁぃ………」
ミーナ、美緒と別れた大石らは別室へと移りそこで熱りが冷めるのを待った。
大石「………にしてもなんだ。どうしてあんな事に?」
珈琲を飲みながら大石はキリトに問いかけた。
キリト「俺も正直言ってなんでルッキーニと芳佳があんな事したのか分かりません。ただルッキーニがスグの胸を触ったのを見て」
ユイ「連鎖的に芳佳さんにも影響が出たんだと思います」
大石「なるほど………精神に癖あり、か」
キリト「正直男の俺が入るべきなのかすんごく迷いました…」
大石「いや、君が入らなかったのは正解だ。下手をすればもっと凄惨な光景になり、俺は君を殴らねばならなくなっていたかもな…」
キリト「うぇッ⁉︎」
大石「ハッハッハ冗談さ」
緊張をほぐした所で大石は話題を変える。
大石「さてと、そういう訳だが和人君。君達には彼女達501と今後は行動を共にしてもらう訳だが良いかな?」
キリト「俺は構いませんけど、改めてなんでですか?」
彼の疑問に大石はカップを置いて答えた。
大石「そうだな、一番の理由は君らが軍属でない事だ。彼女達は軍人だ、我々が行動を共にさせては彼らの行動やそう言った面を束縛ないし、足並みを乱れさせてしまう」
イツキ「余計な気遣いが………ですか?」
大石「まぁそんな所だ。だが君らは軍人ではないし、彼女達と歳もそう変わらん。友達を作る………というのは変な言い方だな。彼らの真の声を聞けるのは、精神的にも共感を得やすい君らだと思ってな」
イツキ「なるほど…」
大石「だが、"価値観が彼らと若干異なる"これだけは留意していて欲しい」
キリト「分かってます。できるだけ善処するつもりです」
大石「ありがとう」
ユージオ「う……ん…ここは?」
富森「気がつかれましたか」
横になってたユージオが気がついて身体を起こした。
ユージオ「キリト、皆は…?僕は何を見て………」
キリト「おーおーユージオ、落ち着け。お前は何も見ていない、いいな?」
富森「まだ横になってた方がよろしい。さっ」
ユージオ「はい………」
それから3時間後、やっと芳佳とルッキーニの乳揉みから解放されたリーファとストレアであった。